「これはこれは、実に奇妙な催しに巻き込まれたもの……デス!」
感心したように話す、緑のおかっぱに痩せぎすの男。彼の名は『ペテルギウス・ロマネコンティ』。
魔女教大罪司教『怠惰』担当の邪精霊である。
ペテルギウスは福音書の導きにより、崇高なる試練を半魔に行わんと配下とともに潜伏していた。
それが何の因果か、こうして奇妙な殺し合いの一参加者となっている。
魔女教大罪司教『怠惰』担当の邪精霊である。
ペテルギウスは福音書の導きにより、崇高なる試練を半魔に行わんと配下とともに潜伏していた。
それが何の因果か、こうして奇妙な殺し合いの一参加者となっている。
「大罪司教である私を拉致する手腕! 目的のために躊躇無く、罪もない命を犠牲にする行動力! 実に勤勉! 素晴らしい、あはは、素晴らしいぃ!」
変質者そのものの動きでハイテンションなペテルギウス。別に殺し合いの恐怖で狂った訳ではなく、これが彼の素であった。
「しかぁし…我が勤勉さの前には、怠惰なる諦めも妥協も無いのデス! 速やかにこの場から脱出し、主催者を八つ裂きにし、試練を遂行するだけの事! 我が信仰は、魔女への愛は、何者にも止められないの……デス!」
狂信者はこの催しを勤勉に乗り越える決意を表明すると、身につけた法衣の懐をまさぐり始めた。
「さて、ひとまず福音の確認を……」
魔女教徒にとって、全てに優先されるのは己の福音書に記された内容のみ。ここが殺し合いの場であろうが関係はない。
しかし、あるべき場所にあるべき物がない事に気がついた。
懐を探っても、慣れ親しんだ表紙の感触はない。ならばと側に落ちていたデイパックをまさぐってみても、やはり無い。
しかし、あるべき場所にあるべき物がない事に気がついた。
懐を探っても、慣れ親しんだ表紙の感触はない。ならばと側に落ちていたデイパックをまさぐってみても、やはり無い。
「無い! 無い! 無い! 我が愛の道標…未熟な私が、正しく寵愛を理解するための福音……それが今! 手元に! 無いのーーーデス!」
あり得ない事態に、ペテルギウスは奇声をあげる。その激情に身を任せ、披露される流れるようなイナバウアー。
「貴方、デスか?」
数秒の硬直の後、ペテルギウスはぽつりと呟いた。怒りのあまり顔色の悪かった顔は、より恐ろしいものに変貌していく。
「貴方貴方貴方貴方貴方貴方貴方貴方が奪ったのデスかぁぁぁっ!!」
ペテルギウスから福音書を奪った盗人。それは主催者である事は明白。その事実に至った瞬間、ペテルギウスの沸点が勢い良く降りきれていた。
「許すまじ! 主催者! ああ脳が震える震える震えるゥゥゥゥ!!!」
ペテルギウスの絶叫が響き渡った。
【ペテルギウス・ロマネコンティ@Re:ゼロから始める異世界生活】
[状態]:健康、興奮(大)、盗人(主催者)への怒り(大)
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:脱出優先。必要なら勤勉に優勝を目指す。
1:我が福音書を取り戻すのデス!
2:許すまじ主催者!
3:あぁ脳が震えるっ!
[状態]:健康、興奮(大)、盗人(主催者)への怒り(大)
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:脱出優先。必要なら勤勉に優勝を目指す。
1:我が福音書を取り戻すのデス!
2:許すまじ主催者!
3:あぁ脳が震えるっ!
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