「ゾーマ…これがお前の言っていた闇だというのか?」
殺し合いの舞台に巻き込まれた一人の少年は、呟く。
彼の名はアルス。
大魔王ゾーマを倒し、二つの世界を救った勇者だ。
彼の名はアルス。
大魔王ゾーマを倒し、二つの世界を救った勇者だ。
ゾーマは言っていた。
光があるかぎり闇もまたあると。
再び何者かが闇から現れると。
光があるかぎり闇もまたあると。
再び何者かが闇から現れると。
「何がその頃にはお前は年老いて生きてはいないだよ…あれから2週間しか経ってないぞ。世界弱すぎだろ…」
あまりにも早すぎる新たな闇の出現に思わず愚痴ってしまう。
とはいえ、嘆いていても仕方ない。
新たな闇が現れたというのならば…自分のやることは一つ。
とはいえ、嘆いていても仕方ない。
新たな闇が現れたというのならば…自分のやることは一つ。
「勇者として…この殺し合いという闇を、光で照らして見せる!」
かつてゾーマを倒した剣、【王者の剣】を天に掲げ、勇者アルスは再び立ち上がるのだった。
「えっ!?その剣は!?」
そんな決意の言葉の直後、背後からの声にびっくりしつつ振り向く。
そこにいたのは…
そこにいたのは…
「なっ!?」
アルスは驚きの声をあげる。
一瞬、鏡でも見たのかと思った。
それくらいそっくりな人物が目の前にいた。
しかし、よく見てみればその人物は…女の子だ。
だが、その服装と容姿は…自分にそっくりだった。
一瞬、鏡でも見たのかと思った。
それくらいそっくりな人物が目の前にいた。
しかし、よく見てみればその人物は…女の子だ。
だが、その服装と容姿は…自分にそっくりだった。
「へ!?」
驚いているのはアルスだけではなかった。
少女もまた…アルスの姿を見て驚いていた。
少女もまた…アルスの姿を見て驚いていた。
「ど、どういうことなの…私にそっくりな男の人が、私の剣を持ってるって…どういう状況なの」
「な、何を言ってるんだ君は。これは僕の剣だ。この手触り…間違いなく、ゾーマを倒したあの剣だ」
「私だってその剣でゾーマを倒したんだけど…」
「な、何を言ってるんだ君は。これは僕の剣だ。この手触り…間違いなく、ゾーマを倒したあの剣だ」
「私だってその剣でゾーマを倒したんだけど…」
「……………」
「……………」
「……………」
両者ともに、信じられないものを見るような目でお互いを見つめていた。
しかし、二人とも頭の回転はよかった。
すぐに頭の中で状況を理解した二人は…
しかし、二人とも頭の回転はよかった。
すぐに頭の中で状況を理解した二人は…
「どういうことだ!?」
「どういうことよ!?」
「どういうことよ!?」
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
「…とりあえず自己紹介。アリアハンの勇者、アリスよ」
「同じくアリアハンの勇者、アルス…名前は違うんだな」
「同じくアリアハンの勇者、アルス…名前は違うんだな」
自己紹介を終えた二人は、その後、元の世界での旅路についての復習をすることにした。
どちらも、相手が自分の偽物であるという可能性を疑っていたのだ。
だから、勇者としての旅路について、交互に話していこうという話になったのだ。
話の中で、食い違いがあれば、相手のことを偽物だと断じることができたのだが…
どちらも、相手が自分の偽物であるという可能性を疑っていたのだ。
だから、勇者としての旅路について、交互に話していこうという話になったのだ。
話の中で、食い違いがあれば、相手のことを偽物だと断じることができたのだが…
「…旅の仲間の編成が違うこと以外、僕の旅と違ってるところがほとんどない」
「…成りすましの偽物にしては、詳しすぎるわ。どうやら…認めるしかないみたいね」
「…成りすましの偽物にしては、詳しすぎるわ。どうやら…認めるしかないみたいね」
その結果として、アルスもアリスも、認めるしかなかった。
「つまり、君は僕で」
「あなたは私ってことなのね」
「あなたは私ってことなのね」
事実を認識し、再び二人はお互いをまじまじと見つめる。
そしてしばらくすると、女勇者…アリスの方がニッと笑みを浮かべた。
そしてしばらくすると、女勇者…アリスの方がニッと笑みを浮かべた。
「へえ~、そっかあ、つまりあなた、私の男バージョンってことなんだ。へえ~」
「う、嬉しそうだな…」
「うん!だって、ある意味私の理想に出会えたようなものだもの!」
「理想?」
「…私、親の教育方針で男の子みたいに育てられてきたからさ。私自身もそういう意識が今でも強いんだ。だから、男に生まれたかったなあってずっと思ってたの」
「なるほど、それで僕が理想…ね」
「う、嬉しそうだな…」
「うん!だって、ある意味私の理想に出会えたようなものだもの!」
「理想?」
「…私、親の教育方針で男の子みたいに育てられてきたからさ。私自身もそういう意識が今でも強いんだ。だから、男に生まれたかったなあってずっと思ってたの」
「なるほど、それで僕が理想…ね」
アルスは改めてアリスを見つめる。
なるほど確かにその容貌は女性らしさよりも少年らしさが強いようにも思える。
自分に似てるような印象を受けたのもそのせいかもしれない。
とはいえ、女性として見ても決して見劣りする容姿ではないし、それに男の自分にはない膨らみも…
なるほど確かにその容貌は女性らしさよりも少年らしさが強いようにも思える。
自分に似てるような印象を受けたのもそのせいかもしれない。
とはいえ、女性として見ても決して見劣りする容姿ではないし、それに男の自分にはない膨らみも…
「…男のように育てられたとはいっても、そういう視線に無頓着なわけじゃないからね」
「…ごめんなさい」
「…ごめんなさい」
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
「あ、そうだ。ねえあなた、私と同一人物だっていうなら、もしかして」
そういうとアリスは、自分の持っていた剣を取り出した。
「この剣を握って、何か感じない?」
「?…見覚えはないが」
「?…見覚えはないが」
とりあえず言われるまま、その剣を握ってみると…
「!…これ、どういうことだ?確かに始めてみる剣のはずなのに…この感触は」
「やっぱりあなたも感じるのね」
「ああ、間違いない…これ、ゾーマを倒した剣だ」
「やっぱりあなたも感じるのね」
「ああ、間違いない…これ、ゾーマを倒した剣だ」
その剣の名は、【ロトの剣】。
何百年も経ち、古びて姿形が変わってしまっているものの、間違いなく、かつて彼らがゾーマを倒した剣だった。
何百年も経ち、古びて姿形が変わってしまっているものの、間違いなく、かつて彼らがゾーマを倒した剣だった。
「性別の違う同一人物、おそらく時代の違う同一の剣…わけが分からないわね」
「…とりあえず、これは僕が持つから、アリス、君はこっちの僕が持ってた剣を使うといい」
「いいの?古いからなのか、その剣、威力も性能も下がってるみたいよ」
「ああ、同一人物とは言っても、腕力は男の自分の方が上だろうし、威力の高いこの剣は君が持つべきだ」
「むっ、勝手に決めつけないでよ」
「…とりあえず、これは僕が持つから、アリス、君はこっちの僕が持ってた剣を使うといい」
「いいの?古いからなのか、その剣、威力も性能も下がってるみたいよ」
「ああ、同一人物とは言っても、腕力は男の自分の方が上だろうし、威力の高いこの剣は君が持つべきだ」
「むっ、勝手に決めつけないでよ」
力が下と言われて、ムッとするアリス。
どうやらアルスの述べた理由が、気に入らないようだ。
どうやらアルスの述べた理由が、気に入らないようだ。
「そんなこと言うなら、腕相撲で決めましょう!勝った方が古い方の剣(ロトの剣)。負けた方が私たちが使ってた剣(王者の剣)を持つのよ!」
「へえ、面白い…勝負だ!」
「へえ、面白い…勝負だ!」
…1分後、そこには項垂れるアルスの姿と、喜びの表情を浮かべるアリスの姿があった。
結果、剣は交換せずそのままとなった。
結果、剣は交換せずそのままとなった。
【アルス(男勇者)@ドラゴンクエスト3】
[状態]:健康
[装備]:王者の剣@DQ3
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本行動方針:勇者として、殺し合いを止める
1:お、女の子に負けた…
2:アリスと行動する
[備考]
性格は不明ですが少なくともアリスよりは力が下です
[状態]:健康
[装備]:王者の剣@DQ3
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本行動方針:勇者として、殺し合いを止める
1:お、女の子に負けた…
2:アリスと行動する
[備考]
性格は不明ですが少なくともアリスよりは力が下です
【アリス(女勇者)@ドラゴンクエスト3】
[状態]:健康
[装備]:ロトの剣@DQ1
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本行動方針:勇者として、殺し合いを止める
1:女だからってなめないでよね!
2:アルスと行動する
[備考]
性格は【おとこまさり】です。
[状態]:健康
[装備]:ロトの剣@DQ1
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本行動方針:勇者として、殺し合いを止める
1:女だからってなめないでよね!
2:アルスと行動する
[備考]
性格は【おとこまさり】です。
【王者の剣@DQ3】
DQ3の勇者専用武器。
勇者の最終武器になる可能性が高い関係上、後述のロトの剣である可能性が高いとされている。
DQ3の勇者専用武器。
勇者の最終武器になる可能性が高い関係上、後述のロトの剣である可能性が高いとされている。
【ロトの剣@DQ1】
DQ1の最強武器。
太古の昔、勇者ロトが使っていたとされる伝説の剣。
DQ1の最強武器。
太古の昔、勇者ロトが使っていたとされる伝説の剣。
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