ここは会場内にある住宅地……
そこには鱗状の鎧に身を包んだ、将というべき風格を備えた老騎士がいた。
「"殺し合い"じゃと……?まさかこれも貴様の策謀なのか、"エンリル"よ……!」
彼の名は老将エンキ、メソタニアと呼ばれる国の騎士団長を務める老騎士である。
そんな彼は今、この場において強い怒りに身を焦がしていた。
自らが仕える王子を発狂させた将軍"ネルガル"と参謀の"エンリル"を倒した後、狂気に堕とされ暴君となった主を止めるべく走っているさなかこの殺し合いに呼ばれたからである。
「それに、わしが使っていた剣が奪われ、それとは別の奇妙な形の剣が渡されておる……剣を変えたごときでわしを弱らせることなどできないのじゃがな」
そして、彼には普段使っている長剣ではなく、無数の穴と波打った溝が彫られた剣が支給されていたのである。
そうして彼が、渡された剣の感覚を確かめるべく振り回していたところ、何者かが戦闘を行っている音が聞こえた。
その音を聞いた彼が現場に向かうと、そこには盾を構えている銀髪の少女とそれに守られているやせこけた少女、
そして彼女らを襲う単眼の巨人と人のような姿をしたハエ、大量のゴブリンの姿があった。
そして彼女らを襲う単眼の巨人と人のような姿をしたハエ、大量のゴブリンの姿があった。
そして襲われている少女たちを見る怪物たちの目は、明らかに彼女らを慰み者にしようというゲスな目線をしていた。
このまま彼女らを捨ておくことなどできぬ、としてエンキは彼女らを助けることにした。
一方、こちらでは……
「マシュお姉ちゃん……私のことは良いから……早く逃げて……!」
アルビノの身体をしたやせこけた少女が、今まさに自分を守っている銀髪の少女に、自分を見捨てて逃げてほしいと言っていた。
「そういうわけにはいきません!あのときあなたを助けられなかったこと、今でも悔やんでいるんですから!」
そして彼女を守っている銀髪の少女は、その言葉に対し強く否定をした。かつて助けられなかったことを悔やんでいると、そう言って彼女を守り続けていた。
しかし怪物たちの攻撃は激しく、少女の身体には無数の傷ができ始めていた。
そうして次第にその猛攻に耐え切れなくなり、彼女はついに倒れてしまった。
そして怪物たちは、彼女らの身体、特に銀髪の少女の程よく実った胸やアルビノの少女の未熟な花弁に対していやらしい視線を送っていた。
これから自分たちが何をされようとしているのかを理解した彼女たちはおびえてしまったが、そこに救いの手が現れた。
突如として、彼女らの周りを飛び回っていたハエや、いきり立っていたゴブリンたちの身体が音もたてずにバラバラになったのだ。
そして彼女たちの前には、鋭いまなざしをした老騎士が立っていた。
「嬢ちゃんたち、よくぞ耐え抜いた。あとはこの老いぼれに任せてくれぬか?」
老人が彼女たちにそう言うと、ただ一人残っていた巨人に立ち向かった。
巨人はこの老人を一息につぶしてしまおうとこん棒を振りかぶったが、老人はそれよりも早く巨人の目の前に現れた。
「お主にこの攻撃、避けられるかの?」
そう言って彼が無数の斬撃を放つと、巨人は全身をバラバラにされたことにも気づかず、そのまま倒れていった。
「凄い……彼は一体……?彼は……サーヴァントなの……?」
不意に、銀髪の少女がそう呟いた。神話や歴史に名を遺す英霊なのか、とそう呟いていた。
そうして彼女たちのピンチは、一人の老騎士によって救われることになった……。
こうして当面の危機を乗り越えた彼らは、だれも使っていないと思われる建物の中へと避難した。
そこはどうやら水道も使えるらしく、彼らは水分を補給するなどして休憩をとっていた。
そしてお互いに自己紹介を行うことにした。
「私はマシュ・キリエライトと申します。先ほどは助けていただき、ありがとうございます」
「私は……ラヴィニア・ウェイトリー……。おじいさんは……だれ…ですか……?」
彼女たちが自分の名前を教えると、目の前にいる老人に名前を尋ねた。
「ああ、名乗り遅れておったのう、わしはエンキ……まあ、ただの老いぼれよ」
彼がそう名乗ると、突然マシュが飲んでいた水を吹き出し、盛大にむせてしまった。
「……どうしたのじゃ?わしが何かおかしな事でも言ったかの?」
エンキが彼女にそう尋ねると、呼吸を整えたマシュが答えた。
「いえ、聞き覚えのある名前が出たからです。……すみませんが、"メソポタミア"という地名に聞き覚えはありますか?」
彼女はエンキに"メソポタミア"という地名を知っているかを尋ねた。
「ああ、少し違う気もするがそれはわしのいる国の名前じゃな」
そしてそれに対し彼は、微妙に違う気がするけれども自分の住んでいる国の名前だと答えた。
「では、"ティアマト"、"イシュタル"、"エレシュキガル"、"ギルガメッシュ"、"エンキドゥ"、……これらの名前に聞き覚えは?」
マシュは彼に再び質問をした。今自分が挙げた名前について知っていないかを質問した。
「そうじゃな、"テアマト"のことは知っておるが、それ以外は聞き覚えがないのう」
それに対して彼は、最初に挙がった名前は知っているがそれ以外については知らないと答えた。
「……そうですか。それでは最後の質問ですが、"マルドゥーク"については知っていますか?」
そうして彼女が彼に最後の質問をしたが、それに対しエンキは剣に手をかけ始めた。
「……お主いったい何者じゃ?まさか、"ネルガル"や"エンリル"の手のものか!?」
彼は鋭い目つきをしながらマシュにそう尋ねた。自身が仕えている王子"マルドク"を発狂させた裏切り者たちの手下なのかと尋問しだした。
「おじいさん、やめて!この人は……悪い人じゃ……ないから……」
そんな彼をラヴィニアが必死に止めようとした。
「いえ、貴方が『いつの時代のエンキ』なのか確認しようとしただけです」
そしてマシュは、毅然とした態度でそれを否定した。彼がどの時点での『エンキ』なのかを確認しようとしただけだと答えた。
「『いつの時代』……?お主はいったい何者なんじゃ?」
その言葉を聞いたエンキはひとまず剣を収めることにした。彼女の言った言葉が、まるで時代を超えてきたかのように聞こえたからだ。
「……分かりました。ではお話ししましょう、わたしと先輩が歩んだ『冠位指定(グランドオーダー)』のことを……」
そうして彼女は語りだす。自分と自分の先輩が歩んだ道のり、体験してきた数々の戦いのことを……。
そうして彼女が話し終えた後……
「なるほど。つまりお主は、世界が滅んでしまう運命を変えるために時間を渡り歩き、そして戦い続けてきた、……そういうことじゃな?」
エンキは彼女の話した内容について理解したようだ。彼女がなぜ自分のことを知っていたかを理解したのだ。
「そういえば遠き大地にて、絶望の未来を変えるべく時を渡り歩いている戦士たちがいると聞いた気がする……それがお主か?」
そして彼はマシュに質問を返した。風の噂にて、同じように未来を変えるべく戦っている戦士のことを聞いていたからだ。
「それは分かりません……。事件が解決すれば私たちのことは忘れられる、出会ったという事実が消滅するはずですから……」
それに対し彼女は分からないと答えた。事件が解決すれば、その時代にいたという事実が消滅するはずなのでそういった噂になるとは考えにくかったからだ。
「……そうか。ではお主、この催しをどう見ておる?」
彼はマシュにそう尋ねた。この催しは何のために開かれたか、そしてその裏で手を引いているものに心当たりはあるかを尋ねた。
「それについてはわたくしからは何とも言い難いです……」
「可能性があるとすれば『聖杯戦争』ですが……そもそも彼らが何者かもわからない状態ですので……」
「可能性があるとすれば『聖杯戦争』ですが……そもそも彼らが何者かもわからない状態ですので……」
しかしそれに対し彼女は分からないと答えた。それらしい答えはあるものの、現状では判断材料に乏しいため答えを導きだせないと答えたのだ。
「ふむ、そうか。では、このような場所に呼ばれた場合お主はまず何をする?どうやって事件を解決してきたのじゃ?」
そしてそれらの回答を受けてエンキは、次に何をすべきなのかを彼女に質問した。
「まずは、『聖杯』に関する情報を集めていました。それを回収することで事件の収束をしてきましたので」
「後は、ともに戦う仲間たちを集めていました。聖杯を手に入れるために、争いは避けられなかったものですから」
「後は、ともに戦う仲間たちを集めていました。聖杯を手に入れるために、争いは避けられなかったものですから」
エンキの質問に対し彼女は、まず情報を集めること、そして仲間を集めることだと答えた。
「『聖杯』か……すまぬがわしに心当たりはないのう。そちらは保留として、今は仲間を集めるほうを優先したほうがよさそうじゃな」
その言葉に対し、エンキはひとまず仲間たちを集めるべきだと進言した。
「そうですね……このままここに引きこもっていても、事態が解決するわけではありませんものね」
そしてマシュは彼の提案に賛成した。しかし彼女にはもう一つ気になっていたことがあった。
「そういえばラヴィニアちゃんは、自分の支給品って確認しましたっけ?」
それは、ラヴィニアが自分の持ち物を確認していたかどうかだった。
「まだ確認してない……これから確認する……」
そうして彼女が自分のバッグの中身を確認すると、中から何やらヌルヌルする触手のようなものが出てきた。
まさかモンスターが忍び込んでいたのかとマシュたちが武器を構え始めたが、その触手は彼らに何もしようとはしなかった。
そのあとバッグの中に入っている説明書によると、そういう武器であることが分かったのでラヴィニアはこれを装備することにした。
このまま自分だけが戦えず、彼らの足手まといになるのがイヤだったからである。
……その後、彼女が装備した触手がそのまま変なところに入り込もうとしたので全員でシメたのは別の話である……。
【老将エンキ@モンスター烈伝オレカバトル】
[状態]:健康、マシュたちの話に対する困惑(小)
[装備]:風斬り刀@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:一刻も早く元の世界に戻りたいが、そのために無辜の人々を傷つけるつもりはない。
1:一刻も早く元の世界に戻り、王子を止めねば……!
2:これも"ネルガル"や"エンリル"の企みなのか……?
3:いくら未来から来たとはいえ、この嬢ちゃん(マシュ)はなぜここまで驚いたのじゃ……?
[備考]
参戦時期は、"エンリル"の策略により王子"マルドク"が狂王になってしまった後。
マシュの話から、今後訪れる未来について暫定的な内容を知りました
(人間関係などに細かい違いがあるため、心に留めておく程度です)。
[状態]:健康、マシュたちの話に対する困惑(小)
[装備]:風斬り刀@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:一刻も早く元の世界に戻りたいが、そのために無辜の人々を傷つけるつもりはない。
1:一刻も早く元の世界に戻り、王子を止めねば……!
2:これも"ネルガル"や"エンリル"の企みなのか……?
3:いくら未来から来たとはいえ、この嬢ちゃん(マシュ)はなぜここまで驚いたのじゃ……?
[備考]
参戦時期は、"エンリル"の策略により王子"マルドク"が狂王になってしまった後。
マシュの話から、今後訪れる未来について暫定的な内容を知りました
(人間関係などに細かい違いがあるため、心に留めておく程度です)。
【マシュ・キリエライト@Fate/Grand Order】
[状態]:体に無数の傷(中)、目の前の老人(老将エンキ)に対する驚愕
[装備]:いまは遙か理想の城(ロード・キャメロット)@Fate/Grand Order
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いを止める。
1:先輩や他のサーヴァントの皆さんがいれば合流したい。
2:『エンキ』って確か、メソポタミアの神様ですよね……?
3:"ネルガル"と"エンリル"……これが今回の黒幕でしょうか?
[備考]
参戦時期は少なくとも、第1部第六章「神聖円卓領域キャメロット」以降です。そのため自身の宝具などについて把握しています。
目の前の老人(老将エンキ)をその特徴から、メソポタミア神話の主神『エンキ(エア)』ではないかと推測しています。
老将エンキから、"ネルガル"と"エンリル"、"マルドク"に関する情報を得ました。
[状態]:体に無数の傷(中)、目の前の老人(老将エンキ)に対する驚愕
[装備]:いまは遙か理想の城(ロード・キャメロット)@Fate/Grand Order
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いを止める。
1:先輩や他のサーヴァントの皆さんがいれば合流したい。
2:『エンキ』って確か、メソポタミアの神様ですよね……?
3:"ネルガル"と"エンリル"……これが今回の黒幕でしょうか?
[備考]
参戦時期は少なくとも、第1部第六章「神聖円卓領域キャメロット」以降です。そのため自身の宝具などについて把握しています。
目の前の老人(老将エンキ)をその特徴から、メソポタミア神話の主神『エンキ(エア)』ではないかと推測しています。
老将エンキから、"ネルガル"と"エンリル"、"マルドク"に関する情報を得ました。
【ラヴィニア・ウェイトリー@Fate/Grand Order】
[状態]:健康、変なところをまさぐられたことによる動揺(中)
[装備]:あやしい触手@魔界戦記ディスガイア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いに乗るつもりはない。元凶に立ち向かう。
1:アビー(アビゲイル・ウィリアムズ)も、ここに来ているの……?
2:これも、魔神柱の仕業なの……?
3:なにこれ(あやしい触手)!?アビーはこんなのを扱っていたの!?
[備考]
参戦時期は死亡後。そのためカルデアや魔神柱、アビゲイルの正体などを知っています。
[状態]:健康、変なところをまさぐられたことによる動揺(中)
[装備]:あやしい触手@魔界戦記ディスガイア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いに乗るつもりはない。元凶に立ち向かう。
1:アビー(アビゲイル・ウィリアムズ)も、ここに来ているの……?
2:これも、魔神柱の仕業なの……?
3:なにこれ(あやしい触手)!?アビーはこんなのを扱っていたの!?
[備考]
参戦時期は死亡後。そのためカルデアや魔神柱、アビゲイルの正体などを知っています。
【風斬り刀@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド】
『イーガ団』と呼ばれる暗殺集団の幹部が携える、無数の穴と波打った溝が彫られた風変りな刀。
『イーガ団』と呼ばれる暗殺集団の幹部が携える、無数の穴と波打った溝が彫られた風変りな刀。
熟練した使い手が精神統一して振り抜くと、その特殊な形状によって真空の刃が作り出される。
【いまは遥か理想の城(ロード・キャメロット)@Fate/Grand Order】
マシュの持つ盾の宝具。白亜の城キャメロットの中心、円卓の騎士たちが座る円卓を盾として用いたもの。
マシュの持つ盾の宝具。白亜の城キャメロットの中心、円卓の騎士たちが座る円卓を盾として用いたもの。
その強度は使用者の精神力に比例し、心が折れなければその城壁も決して崩れはしないというが、それを支える使用者本人への加護は薄い。
つまり守護対象には絶対の安全が保障されるが、これを使うものは敵が攻撃をやめない限り魔力を消費して耐え続けなければならず、全て反動として返ってきてしまう。
つまり守護対象には絶対の安全が保障されるが、これを使うものは敵が攻撃をやめない限り魔力を消費して耐え続けなければならず、全て反動として返ってきてしまう。
【あやしい触手@魔界戦記ディスガイア】
その名の通り怪しくうごめく触手で、本来は魔物用の武器なのだが主催者の調整により人間でも使えるようになっている。
その名の通り怪しくうごめく触手で、本来は魔物用の武器なのだが主催者の調整により人間でも使えるようになっている。
ありえないところまでまさぐります(原文ママ)。
【ギガンテス@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】
NPC。棍棒を左手に持つ一つ目の巨人。
NPC。棍棒を左手に持つ一つ目の巨人。
見た目どおりのパワーファイターで、大きな足で踏みつける強化攻撃もしてくる。
【ハエ男@ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君】
NPC。人間のように巨大なハエの姿をしたモンスターで、その不快な羽音は相手の集中力を奪ってしまう。
NPC。人間のように巨大なハエの姿をしたモンスターで、その不快な羽音は相手の集中力を奪ってしまう。
マホトーンという相手の呪文を封じる呪文を使ってくるが、MPがかなり少ないため一回しか使ってこない。
あと牛のふんやチーズを落とすこともあるが、はっきり言って嫌がらせとしか思えない。
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