その少女には頭の横ではなく上に長い耳がある。
その少女には毛の生えた長い尾がある。
その少女には超人的な脚力がある。
その少女はウマ娘。別世界に存在する名馬の魂と名を受け継ぐ少女。
その少女には毛の生えた長い尾がある。
その少女には超人的な脚力がある。
その少女はウマ娘。別世界に存在する名馬の魂と名を受け継ぐ少女。
灰色髪のウマ娘、その名はオグリキャップと言った。
殺し合いと言われ、別の場所に転移されるという未知の現象で全く状況が掴めないオグリキャップがまず行ったのは、支給されたバッグの中身の確認だった。
「……足りない」
支給品の中の食料は軽く10人前は食べるオグリにとって少なすぎた。
そのほかに何かないかとバッグの中を奥まで確かめ、食料品が無いと分かると興味があるものを除いて全てしまった。
確認を終えたオグリがふと、辺りを見渡すと周囲はモンスターで囲まれていた。
手に斧を持ったゴブリンや槍を持ったオークが下卑た声を漏らし、下劣な瞳でオグリを見つめている。
その瞳に一瞬たじろいたオグリは、囲いにできていた隙間へ向けて走り出した。
それはオグリにとっては流す程度の足だが、ゴブリンたちにとっては全力疾走に等しい速度だった。
突然の出来事にゴブリンたちは慌てて追いかけようとしたが、すでにオグリははるか遠くへと逃げてしまっていた。
悔しさの余りゴブリンたちは得物を地面に叩きつけた。
「……足りない」
支給品の中の食料は軽く10人前は食べるオグリにとって少なすぎた。
そのほかに何かないかとバッグの中を奥まで確かめ、食料品が無いと分かると興味があるものを除いて全てしまった。
確認を終えたオグリがふと、辺りを見渡すと周囲はモンスターで囲まれていた。
手に斧を持ったゴブリンや槍を持ったオークが下卑た声を漏らし、下劣な瞳でオグリを見つめている。
その瞳に一瞬たじろいたオグリは、囲いにできていた隙間へ向けて走り出した。
それはオグリにとっては流す程度の足だが、ゴブリンたちにとっては全力疾走に等しい速度だった。
突然の出来事にゴブリンたちは慌てて追いかけようとしたが、すでにオグリははるか遠くへと逃げてしまっていた。
悔しさの余りゴブリンたちは得物を地面に叩きつけた。
ゴブリンたちから逃げた後、草原をオグリは走り抜けている。
『どうしよう……』
あんな連中がいるなら殺し合い云々の前に、何が起きるか分からない。
迷いのまま走っていると、右方向からエンジンの音と、地面を鳴らす足音が聞こえてきた。
一つはバギーで天井が吹き飛ばされたかのように断面がギザギザのオープンカー状態になっていた。
車体後部にシートとマシンガンが搭載されている。
そのシートには浅葱色の羽織を着た男が座っていた。
「おい、もっと速度出ないのか!? 追いつかれるぞ!」
そう叫ぶ男の後ろでは、ゴリラに似た体高10m以上の怪物がバギーを追いかけていた。
「これ以上出したら、あなたが振り落されるでしょ!」
運転席にいる、紫を基調としたジャケットを着た女性が怒鳴る。
「後ろの艦装ってやつ、付けられてるとこっち狭いんだけど!」
助手席にいる白の制服らしき衣装を着た赤毛の少女もまた怒鳴る。
「文句言わない! チャンスを狙ってるんだから!」
言い合いしている最中、少女とオグリの目が合った。
「乗って!」
赤毛の少女がドアを開け、手を伸ばす。
それに対し、オグリはバギーとの並走を始めた。
今までの走りとは違う。地面と上半身がほぼ平行になるほどの、超前傾姿勢によるオグリの全力疾走だ。
「嘘!?」
少女は驚いた。オグリは時速60km以上は出しているバギーと完全に並んで走っているのだ。
バギーに乗った者も含めた四人は、怪物から全力で逃げる。
『どうしよう……』
あんな連中がいるなら殺し合い云々の前に、何が起きるか分からない。
迷いのまま走っていると、右方向からエンジンの音と、地面を鳴らす足音が聞こえてきた。
一つはバギーで天井が吹き飛ばされたかのように断面がギザギザのオープンカー状態になっていた。
車体後部にシートとマシンガンが搭載されている。
そのシートには浅葱色の羽織を着た男が座っていた。
「おい、もっと速度出ないのか!? 追いつかれるぞ!」
そう叫ぶ男の後ろでは、ゴリラに似た体高10m以上の怪物がバギーを追いかけていた。
「これ以上出したら、あなたが振り落されるでしょ!」
運転席にいる、紫を基調としたジャケットを着た女性が怒鳴る。
「後ろの艦装ってやつ、付けられてるとこっち狭いんだけど!」
助手席にいる白の制服らしき衣装を着た赤毛の少女もまた怒鳴る。
「文句言わない! チャンスを狙ってるんだから!」
言い合いしている最中、少女とオグリの目が合った。
「乗って!」
赤毛の少女がドアを開け、手を伸ばす。
それに対し、オグリはバギーとの並走を始めた。
今までの走りとは違う。地面と上半身がほぼ平行になるほどの、超前傾姿勢によるオグリの全力疾走だ。
「嘘!?」
少女は驚いた。オグリは時速60km以上は出しているバギーと完全に並んで走っているのだ。
バギーに乗った者も含めた四人は、怪物から全力で逃げる。
◆◆◆
少し時間は遡る。
この四人が初めて出会ったのはカルデアのマスター、藤丸立香と艦娘の足柄の二人からであった。
立香が支給品にあった支援礼装を装備していると、近くから爆音が響いてきた。
一瞬関わるのはどうかと思ったが、逆に向こうから近づいてきた。
それは天井が吹き飛び、後部にマシンガンが備え付けられていた、イカれた造りとしか言いようがないバギーだった。
それに乗っていたのは妙齢の女性。背後に艦を模した装備をしていた。
立香の近くでバギーを止めた女性は、立香に尋ねた。
「私は足柄。いきなりだけどあなたは殺し合いに乗ってる?」
『……どう見ても乗ってそうなのはあなたの方っぽいけど』
そのツッコミを入れず、立香は自分の名を名乗り、殺し合いには乗らないことを宣言し、足柄の事情を聴いた。
立香が支給品にあった支援礼装を装備していると、近くから爆音が響いてきた。
一瞬関わるのはどうかと思ったが、逆に向こうから近づいてきた。
それは天井が吹き飛び、後部にマシンガンが備え付けられていた、イカれた造りとしか言いようがないバギーだった。
それに乗っていたのは妙齢の女性。背後に艦を模した装備をしていた。
立香の近くでバギーを止めた女性は、立香に尋ねた。
「私は足柄。いきなりだけどあなたは殺し合いに乗ってる?」
『……どう見ても乗ってそうなのはあなたの方っぽいけど』
そのツッコミを入れず、立香は自分の名を名乗り、殺し合いには乗らないことを宣言し、足柄の事情を聴いた。
足柄は、いきなりゴブリンの巣の中に放り出されたという。
『飢えた狼』の異名を持つ足柄がたぎる性欲のまま襲おうとするゴブリン相手に黙っているはずがなく、急いで支給品を確認し、中にあった足柄専用の艤装の艦砲で全員吹き飛ばした。
そして、こんな化物連中が跋扈しているのなら少しでも減らせば殺し合いに乗らない参加者の為になるのではないかと思い、怪物退治に乗り出したのだ。
さらに支給品にあったバギーを見た足柄はよりテンションが上がって、屋根を艦砲で吹き飛ばしてオープンカー状にし、艦装をつけたまま乗り、化物を追い掛け回して砲撃していたのである。
『飢えた狼』の異名を持つ足柄がたぎる性欲のまま襲おうとするゴブリン相手に黙っているはずがなく、急いで支給品を確認し、中にあった足柄専用の艤装の艦砲で全員吹き飛ばした。
そして、こんな化物連中が跋扈しているのなら少しでも減らせば殺し合いに乗らない参加者の為になるのではないかと思い、怪物退治に乗り出したのだ。
さらに支給品にあったバギーを見た足柄はよりテンションが上がって、屋根を艦砲で吹き飛ばしてオープンカー状にし、艦装をつけたまま乗り、化物を追い掛け回して砲撃していたのである。
「おい! なんだこの馬鹿騒ぎは!」
そう言って掛けつけてきたのは、浅葱色の羽織を着た青年。
手に持つ刀には血の跡がある。
「騒ぎは怪物を倒したから。私は藤丸立香でこっちは足柄さん。あなたは殺し合いに乗ってる?」
立香は先制して言葉を発し、話の主導権を握ろうとした。お互い興奮した状態ではそれも出来ない。まずはそれを押さえようとした。
「乗るわけないだろ。こいつはお前たちと同じ怪物を斬った跡だ」
男は刀の血振りをし、鞘に収めて答えた。
「ああ、あと俺の名は和泉守兼定だ」
名乗る兼定に立香は手を伸ばした。
「よろしく、兼定さん、足柄さん」
「なんかこういう状況に慣れてるって感じだな、嬢ちゃん」
「よろしくね、立香」
三人が手を繋いだところで、何か巨大な足音が聞こえてきた。
それはゴリラに似た、10m以上の単眼の怪物。
どうやら足柄の砲撃の噴煙が目について、近づいてきたようだ。
唖然とする三人。
「……勝てる?」
「無理だ」
「逃げましょう!」
三人はバギーに乗り込み、怪物から逃げ出した。
そう言って掛けつけてきたのは、浅葱色の羽織を着た青年。
手に持つ刀には血の跡がある。
「騒ぎは怪物を倒したから。私は藤丸立香でこっちは足柄さん。あなたは殺し合いに乗ってる?」
立香は先制して言葉を発し、話の主導権を握ろうとした。お互い興奮した状態ではそれも出来ない。まずはそれを押さえようとした。
「乗るわけないだろ。こいつはお前たちと同じ怪物を斬った跡だ」
男は刀の血振りをし、鞘に収めて答えた。
「ああ、あと俺の名は和泉守兼定だ」
名乗る兼定に立香は手を伸ばした。
「よろしく、兼定さん、足柄さん」
「なんかこういう状況に慣れてるって感じだな、嬢ちゃん」
「よろしくね、立香」
三人が手を繋いだところで、何か巨大な足音が聞こえてきた。
それはゴリラに似た、10m以上の単眼の怪物。
どうやら足柄の砲撃の噴煙が目について、近づいてきたようだ。
唖然とする三人。
「……勝てる?」
「無理だ」
「逃げましょう!」
三人はバギーに乗り込み、怪物から逃げ出した。
◆◆◆
逃げる4人。その中で足柄は一点を狙ってバギーを走らせていた。
そうしてようやく見つけた。地図に合った砂の窪み。
そうしてようやく見つけた。地図に合った砂の窪み。
足柄はドリフトで横向きにスライドし、艦砲で怪物の左足元を撃った。
狙いはバランスを崩し、砂の窪みに落す為。
その計算は見事に当たった。怪物の足が滑り、倒れこむ。
狙いはバランスを崩し、砂の窪みに落す為。
その計算は見事に当たった。怪物の足が滑り、倒れこむ。
――オグリキャップの方向へ。
オグリは自分に向かって倒れ込む怪物を見て、一瞬死の気配を感じた。
同時に、心の奥底から湧き上がる感情、身体から吹き上がる自分も知らない力を感じた。
同時に、心の奥底から湧き上がる感情、身体から吹き上がる自分も知らない力を感じた。
こんな所で死にたくない。死んでたまるか。
トレーナーのキタハラが、友達のベルノが、ライバルのマーチが待っている。
そして何より、東海ダービーに出場して優勝するという目標がある。
それまで――誰にも負けない!
トレーナーのキタハラが、友達のベルノが、ライバルのマーチが待っている。
そして何より、東海ダービーに出場して優勝するという目標がある。
それまで――誰にも負けない!
「ぜっ……たい……に……」
それを聞いた立香、足柄、兼定の三人は感じ取った。
オグリの内にある獣じみた闘志を。一瞬背筋が凍るほどの何かを。
オグリの内にある獣じみた闘志を。一瞬背筋が凍るほどの何かを。
「負けん!!」
そこから限界と思われていたオグリの足がさらに加速し、倒れ込む化物から猛烈な勢いで離れていった。
轟音を立てうつぶせに倒れ、窪みにはまった怪物を背に、オグリは立香が手招きするバギーへと飛び込むように入り、足柄と立香の腿の上に乗った。
そのまま足柄はバギーを再発進させ、怪物から離れた。
「ありがとう」
息を切らしながら、オグリは二人にお礼を言った。
轟音を立てうつぶせに倒れ、窪みにはまった怪物を背に、オグリは立香が手招きするバギーへと飛び込むように入り、足柄と立香の腿の上に乗った。
そのまま足柄はバギーを再発進させ、怪物から離れた。
「ありがとう」
息を切らしながら、オグリは二人にお礼を言った。
「まずは改めて自己紹介からしようか。私は藤丸立香」
「私は足柄よ」
バギーから降りた二人がまず名前を告げた。
「俺は和泉守兼定だ」
バギーの後部席から降りた、黒髪の男は刀の柄に手を置いて名乗った。
「オグリキャップ」
最後にオグリは後ろ髪を結んだ糸をほどいて、首を振り髪についた汗を飛ばして名乗った。
「私は足柄よ」
バギーから降りた二人がまず名前を告げた。
「俺は和泉守兼定だ」
バギーの後部席から降りた、黒髪の男は刀の柄に手を置いて名乗った。
「オグリキャップ」
最後にオグリは後ろ髪を結んだ糸をほどいて、首を振り髪についた汗を飛ばして名乗った。
◆◆◆
四人は建物の中でたき火を起し、そこで肉を焼いていた。
なぜこのような状況なのかは、また少し時間をさかのぼる。
なぜこのような状況なのかは、また少し時間をさかのぼる。
バギーで地図にある建物の密集地らしきところを目指していた四人。
理由としては、化物が跋扈する平原よりは隠れ家となり、目指す参加者も多いだろうという理由だ。
その途中で5つ首のダチョウのような鳥と出会った。
だが、先程の化物と比べれば大したことは無いと4人は判断。
鶏は5つの嘴でつつきにかかるが、二つの首は兼定が切り落とし、二つの首を足柄が砲撃で吹き飛ばした。
だが、残り一つの首で鳥はオグリに襲い掛かってきた。
その首は唐突に跳ね飛ばされた。オグリの指から発射された爪によって。
「……何、いきなり爪なんか飛ばして。そんな能力持ってたの?」
呆然とオグリを眺める立香が質問した。
「初めてここに来た時、バッグの中を確かめたら中にスタンドDISCというのが入っていた。それを頭に差し込めば能力が使えるようになるとあったから入れてみた。
能力を使ったのは初めてだ」
すべての頭を失った鳥。だがその鳥は首が刎ねられたまま、全力疾走をして逃げた。
全員がバギーに乗り込み、数キロ以上追いかけた先には、建物の壁を突き破り息絶えた鳥の姿があった。
建物の内部は案外広く、都合よく調味料や薪などもあったため、4人は基本支給品では食糧が足りないと判断し、鳥を捌いて焼くことにしたのである。
理由としては、化物が跋扈する平原よりは隠れ家となり、目指す参加者も多いだろうという理由だ。
その途中で5つ首のダチョウのような鳥と出会った。
だが、先程の化物と比べれば大したことは無いと4人は判断。
鶏は5つの嘴でつつきにかかるが、二つの首は兼定が切り落とし、二つの首を足柄が砲撃で吹き飛ばした。
だが、残り一つの首で鳥はオグリに襲い掛かってきた。
その首は唐突に跳ね飛ばされた。オグリの指から発射された爪によって。
「……何、いきなり爪なんか飛ばして。そんな能力持ってたの?」
呆然とオグリを眺める立香が質問した。
「初めてここに来た時、バッグの中を確かめたら中にスタンドDISCというのが入っていた。それを頭に差し込めば能力が使えるようになるとあったから入れてみた。
能力を使ったのは初めてだ」
すべての頭を失った鳥。だがその鳥は首が刎ねられたまま、全力疾走をして逃げた。
全員がバギーに乗り込み、数キロ以上追いかけた先には、建物の壁を突き破り息絶えた鳥の姿があった。
建物の内部は案外広く、都合よく調味料や薪などもあったため、4人は基本支給品では食糧が足りないと判断し、鳥を捌いて焼くことにしたのである。
食事をし、落ち着いたところで4人は自分がどういう身の上なのか話し合い、立香が一つの結論を出した。
4人はそれぞれ別の世界、並行世界からやってきた存在なのだと。
「並行世界か……確かに時間遡行とは違う現象である以上、そう考えるしかねえか」
兼定は時間遡行という超常現象を体験しているため、立香の推測に頷いた。
「私も刀剣男士やウマ娘なんて見たことも聞いたことないしね。そういう経験をしたっていう立香の推測を支持するしかなさそうね」
足柄もまた、立香に賛同した。
『ヘイコウセカイってなんだろう?』
その中でオグリだけは話の内容が理解できずに肉をほおばっていた。
4人はそれぞれ別の世界、並行世界からやってきた存在なのだと。
「並行世界か……確かに時間遡行とは違う現象である以上、そう考えるしかねえか」
兼定は時間遡行という超常現象を体験しているため、立香の推測に頷いた。
「私も刀剣男士やウマ娘なんて見たことも聞いたことないしね。そういう経験をしたっていう立香の推測を支持するしかなさそうね」
足柄もまた、立香に賛同した。
『ヘイコウセカイってなんだろう?』
その中でオグリだけは話の内容が理解できずに肉をほおばっていた。
「ところでオグリちゃんは大丈夫? 変な物差し込んで異常とかない?」
オグリは立香より背が高く、顔つき体つきも立香より年上っぽいが、どことなく幼げな所を立香は感じたため、気になって尋ねた。
「おかわり」
理由はオグリが膨らんだ下っ腹をジャージからはみ出させ丸見せにしながら食べ続けているからである。
「レース後のようにお腹がすいた……不思議だ」
「不思議なのはあなたの食欲と胃袋よ。限度ってものがあると思うわ」
艦娘にも大食いはいるが、ここまでの者はいなかったので、足柄が突っ込んだ。
オグリは立香より背が高く、顔つき体つきも立香より年上っぽいが、どことなく幼げな所を立香は感じたため、気になって尋ねた。
「おかわり」
理由はオグリが膨らんだ下っ腹をジャージからはみ出させ丸見せにしながら食べ続けているからである。
「レース後のようにお腹がすいた……不思議だ」
「不思議なのはあなたの食欲と胃袋よ。限度ってものがあると思うわ」
艦娘にも大食いはいるが、ここまでの者はいなかったので、足柄が突っ込んだ。
「しかし、わざわざ殺し合いをさせたいのなら、何でこんな怪物を島の中に放つ必要がある?」
兼定が今までの状況から抱いた疑問を口にした。
「あんな怪物共がそこら中徘徊しているなら殺し合いどころか、自分の命を守るのさえきついだろう。
その上で尚殺し合いに乗る奴なんてのはよっぽどの馬鹿かバケモノだけだ」
「全くその通りよね……私だって戦闘も勝利も好きだけど、殺し合いをする気は無いし、何より化物に殺される可能性の方が高いじゃない」
「……多分だけど……怪物と殺し合うのも主催者の計画の内なんだと思う」
そう言って立夏はかつて経験した並行世界での出来事を話した。
七体の英霊剣豪を召喚し、厭離穢土をこの世に顕現しようとした計画。
それは英霊を不死身の殺戮兵器に落とし、町村の人々を皆殺しにして怨念を一点に集め、魔界を召喚しようとするというもの。
最後の方では民衆も怨念の影響で化け物と変じ、正に地獄があふれ出ようとしていた。
「参加者同士で殺し合いをしても、化物を殺しても同じで、この地に怨念を溜めて集めて何かの儀式をしようとしているんじゃないかな」
立香の推測に全員反対しなかった。その知識が無かったというのもある。
「どう、この先も一緒に行動しない?」
「そうだな、俺は構わない」
「私も賛成よ」
「オグリちゃんは?」
「正直殺し合いなんて言われても実感できないし、私は戻ってレースに出たい。だから殺し合いに反対なみんなと行動する」
そうオグリが言った事に三人は胸をなでおろした。
兼定が今までの状況から抱いた疑問を口にした。
「あんな怪物共がそこら中徘徊しているなら殺し合いどころか、自分の命を守るのさえきついだろう。
その上で尚殺し合いに乗る奴なんてのはよっぽどの馬鹿かバケモノだけだ」
「全くその通りよね……私だって戦闘も勝利も好きだけど、殺し合いをする気は無いし、何より化物に殺される可能性の方が高いじゃない」
「……多分だけど……怪物と殺し合うのも主催者の計画の内なんだと思う」
そう言って立夏はかつて経験した並行世界での出来事を話した。
七体の英霊剣豪を召喚し、厭離穢土をこの世に顕現しようとした計画。
それは英霊を不死身の殺戮兵器に落とし、町村の人々を皆殺しにして怨念を一点に集め、魔界を召喚しようとするというもの。
最後の方では民衆も怨念の影響で化け物と変じ、正に地獄があふれ出ようとしていた。
「参加者同士で殺し合いをしても、化物を殺しても同じで、この地に怨念を溜めて集めて何かの儀式をしようとしているんじゃないかな」
立香の推測に全員反対しなかった。その知識が無かったというのもある。
「どう、この先も一緒に行動しない?」
「そうだな、俺は構わない」
「私も賛成よ」
「オグリちゃんは?」
「正直殺し合いなんて言われても実感できないし、私は戻ってレースに出たい。だから殺し合いに反対なみんなと行動する」
そうオグリが言った事に三人は胸をなでおろした。
この灰髪の少女の中には、恐らく本人も知らない『怪物』が棲んでいる。
丁度兼定の持ち主であった土方歳三の『鬼』のような、『飢えた狼』と呼ばれる足柄のような、立香が出会ったサーヴァントの戦士、武術家にいたような貪欲に勝利を求める人ならざる闘争心を持つ化生が。
そんな少女が殺し合いに巻き込まれ、人を殺して後戻りできなくなり『怪物』が目覚めたらどうなるか。
彼女の超人的な筋力、脚力、それに与えられたスタンドを用いれば惨事を引き起こしかねない。
故に三人は警戒していたのだ。
丁度兼定の持ち主であった土方歳三の『鬼』のような、『飢えた狼』と呼ばれる足柄のような、立香が出会ったサーヴァントの戦士、武術家にいたような貪欲に勝利を求める人ならざる闘争心を持つ化生が。
そんな少女が殺し合いに巻き込まれ、人を殺して後戻りできなくなり『怪物』が目覚めたらどうなるか。
彼女の超人的な筋力、脚力、それに与えられたスタンドを用いれば惨事を引き起こしかねない。
故に三人は警戒していたのだ。
刀剣男士、艦娘、ウマ娘。
三者とも各世界で勇名を残したモノたちが、人の姿を取り転生した者たち。
その中で自身の前世『葦毛の怪物』を知らないのはオグリキャップだけだった。
それ故、この中で一番未知の可能性を秘めているのはやはりオグリキャップだった。
三者とも各世界で勇名を残したモノたちが、人の姿を取り転生した者たち。
その中で自身の前世『葦毛の怪物』を知らないのはオグリキャップだけだった。
それ故、この中で一番未知の可能性を秘めているのはやはりオグリキャップだった。
【和泉守兼定@刀剣乱舞】
[状態]:健康
[装備]:和泉守兼定
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:帰還、救出優先。
1:殺し合いをする気は無い。
[備考]
和泉上兼定極にランクアップ済み。
[状態]:健康
[装備]:和泉守兼定
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:帰還、救出優先。
1:殺し合いをする気は無い。
[備考]
和泉上兼定極にランクアップ済み。
【足柄@艦隊これくしょん】
[状態]:健康
[装備]:艤装(20.3cm(2号)連装砲×3)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1、バギー♯9
[思考・状況]基本行動方針:戦闘、救出優先。
1:殺し合いをする気は無い。
2:化物退治なら大歓迎!
[備考]
足柄改二に改装済み。
[状態]:健康
[装備]:艤装(20.3cm(2号)連装砲×3)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1、バギー♯9
[思考・状況]基本行動方針:戦闘、救出優先。
1:殺し合いをする気は無い。
2:化物退治なら大歓迎!
[備考]
足柄改二に改装済み。
【オグリキャップ@ウマ娘 シンデレラグレイ】
[状態]:健康
[装備]:スタンドDISC『タスク』、特別製蹄鉄付シューズ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:とにかく生き残ろう。
1:いったいここはどこだろう……。
2:ヘイコウセカイって何だろう……?
[備考]
時間軸は西京盃後。
[状態]:健康
[装備]:スタンドDISC『タスク』、特別製蹄鉄付シューズ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:とにかく生き残ろう。
1:いったいここはどこだろう……。
2:ヘイコウセカイって何だろう……?
[備考]
時間軸は西京盃後。
【藤丸立香@Fate/Grand Order】
[状態]:健康
[装備]:魔術礼装・カルデア、支援礼装
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2、クレイジーソルト
[思考・状況]基本行動方針:仲間を集めて殺し合いを止め、推測される儀式を防ぐ。
1:ここから殺し合いに反対の人たちを説得する。
2:恐らくこれは何らかの儀式では?
[備考]
ここでは漫画版「英霊剣豪七番勝負」の女性主人公をベースにしてます。
最低でも人理修復後の時間軸です。
[状態]:健康
[装備]:魔術礼装・カルデア、支援礼装
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2、クレイジーソルト
[思考・状況]基本行動方針:仲間を集めて殺し合いを止め、推測される儀式を防ぐ。
1:ここから殺し合いに反対の人たちを説得する。
2:恐らくこれは何らかの儀式では?
[備考]
ここでは漫画版「英霊剣豪七番勝負」の女性主人公をベースにしてます。
最低でも人理修復後の時間軸です。
【スタンドDISC『タスク』@ジョジョの奇妙な冒険】
オグリキャップに支給された。
能力は爪弾を打ち出し、回転した爪で切り裂くというもの。
爪の回転は人体を切断する程鋭く、爪の再生速度も非常に早い。
オグリキャップの精神により、進化する可能性が有る。
オグリキャップに支給された。
能力は爪弾を打ち出し、回転した爪で切り裂くというもの。
爪の回転は人体を切断する程鋭く、爪の再生速度も非常に早い。
オグリキャップの精神により、進化する可能性が有る。
【支援礼装@漫画版Fate/Grand Order -Epic of Remnant- 英霊剣豪七番勝負】
藤丸立香に支給された。
腕輪状の、様々な魔術礼装の機能を回数限定で使用できる装備。
藤丸立香に支給された。
腕輪状の、様々な魔術礼装の機能を回数限定で使用できる装備。
【バギー♯9@マッドマックス 怒りのデス・ロード】
足柄に支給された。
オーストラリア産のスポーツカー「パーレンティ」をベースとした車。
車体後部にシートとマシンガンが搭載されている。
足柄に支給された。
オーストラリア産のスポーツカー「パーレンティ」をベースとした車。
車体後部にシートとマシンガンが搭載されている。
【クレイジーソルト@現実】
岩塩をベースにスパイス・香草等を調合した調味料。
岩塩をベースにスパイス・香草等を調合した調味料。
【縄張りバルバロッサ@ゼノブレイド】
NPC。ゴリラに似た軽く体高10mを超える巨体のモンスター。一定のフィールドを広範囲に移動する。参加者を見つけると追いかけて攻撃してくる。
転倒時に攻撃すると逆にダメージを負わされる。
NPC。ゴリラに似た軽く体高10mを超える巨体のモンスター。一定のフィールドを広範囲に移動する。参加者を見つけると追いかけて攻撃してくる。
転倒時に攻撃すると逆にダメージを負わされる。
【オーク@ドラゴンクエスト】
NPC。槍を持った猪顔の毛むくじゃらなモンスター。
NPC。槍を持った猪顔の毛むくじゃらなモンスター。
【ゲロルド@トリコ】
NPC。5つの首を持ち身体はダチョウ似。羽があって短時間なら飛べる。
肉をケバブにすると旨い。
NPC。5つの首を持ち身体はダチョウ似。羽があって短時間なら飛べる。
肉をケバブにすると旨い。
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