「はぁ〜・・・どうしよう?」
イヤーマフ付きの帽子に繋ぎ姿の女性・・・西東京妖怪園に勤める妖怪の飼育員さん・鳥月日和は、
『殺し合い』会場をあてもなくトボトボと歩きながらため息を漏らした。
『殺し合い』会場をあてもなくトボトボと歩きながらため息を漏らした。
「・・・明日までに帰らないと、無断欠勤になっちゃうよ。はぁ〜」
ここが『殺し合い』の場だと分かっているのかいないのか、
日和はわりと呑気な悩みをぼやいた。
日和はわりと呑気な悩みをぼやいた。
「・・・そんな呑気な事を、言っている場合ではないじゃろうが!」
「あ、すみません」
「あ、すみません」
そんな日和の肩には、小人か人形のように小さい者がついていた。
人間の眼球に、そのまま小さな胴体をつけたような外見をした生き物・・・
言わずと知れた水木しげる御大の代表作『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する主人公・鬼太郎の父親『目玉おやじ』である。
言わずと知れた水木しげる御大の代表作『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する主人公・鬼太郎の父親『目玉おやじ』である。
どういう訳かは不明だが、日和のデイバッグの中に『支給品』として入れられており、
こうして日和と行動を共にすることとなったのである。
こうして日和と行動を共にすることとなったのである。
「いやあ〜。でも、あの目玉おやじさんが実在していて、一緒に行動する事になるなんて・・・信じられないくらい光栄ですよ!」
「・・・わしからしたら、人間が『妖怪園』なんて物をやっている事の方が信じられんがな。しかも、わしや鬼太郎がそんなに有名になっておるとは・・・」
「まぁまぁ。世の中は目玉おやじさんが思っているより、結構広いって事ですよ」
「・・・わしからしたら、人間が『妖怪園』なんて物をやっている事の方が信じられんがな。しかも、わしや鬼太郎がそんなに有名になっておるとは・・・」
「まぁまぁ。世の中は目玉おやじさんが思っているより、結構広いって事ですよ」
日和と目玉おやじが呑気に話していた時だった。
グゥゥゥオォォォォ!!!
突然、物凄く大きな唸り声のような音が聞こえて、日和はずっこけてしまった。
まるで地獄の奥底に封じ込められた大悪魔の苦悶のうめき声のようだった。
まるで地獄の奥底に封じ込められた大悪魔の苦悶のうめき声のようだった。
「え?え?」
「な、なんじゃ今のは!?」
「な、なんじゃ今のは!?」
突然の謎の音に日和は目を白黒させ、目玉おやじも目を見開いた。
まぁ、『見開く』も何も元々目玉だけなのだが。
まぁ、『見開く』も何も元々目玉だけなのだが。
グゥゥゥオォォォォ!!!
またしても、謎の大音が周囲に響き渡った。
日和は唾を大きく飲み込むと、恐る恐る音のしてきた方へと近づいていく。
日和は唾を大きく飲み込むと、恐る恐る音のしてきた方へと近づいていく。
そして、そこには・・・
「・・・シオシオシオシオ」
人間大の黄色いタヌキか黄色いレッサーパンダみたいな、
なんとも表現し難いゆるキャラチックな外見をした生き物が、木の根本でうずくまっていた。
その生き物の頭には王冠のようなヒレのような物が乗っかっており、腹部には大きな出べそが出ていた。
そして何より、その生き物の首には日和と同じく金属製の無骨な首輪が嵌められていた。
どうやらこのゆるキャラチックな生き物は、日和と同じくこの『殺し合い』の参加者のようだった。
なんとも表現し難いゆるキャラチックな外見をした生き物が、木の根本でうずくまっていた。
その生き物の頭には王冠のようなヒレのような物が乗っかっており、腹部には大きな出べそが出ていた。
そして何より、その生き物の首には日和と同じく金属製の無骨な首輪が嵌められていた。
どうやらこのゆるキャラチックな生き物は、日和と同じくこの『殺し合い』の参加者のようだった。
グゥゥゥオォォォォ!!!
また再び、あの唸り声のような音が響き渡り、日和はその正体に気づいた。
唸り声のような音の出所は・・・
唸り声のような音の出所は・・・
目の前のゆるキャラチックな生き物の腹部だった。
ようするにあの音は、いわゆる『腹の虫』の音だったのである。
「・・・あれ?」
「・・・あ」
「・・・あ」
そこで、ゆるキャラチックな生き物と日和の目があった。
ゆるキャラチックな生き物は木の根本から立ち上がって日和に近づくと・・・
ゆるキャラチックな生き物は木の根本から立ち上がって日和に近づくと・・・
「・・・こ、こんばんは」
・・・丁寧に挨拶したのだった。
「あ・・・こんばんは」
慌て日和も頭を下げて挨拶を返す。
「えっと・・・私は西東京妖怪園の鳥月日和です」
「わしは目玉おやじじゃ」
「あなたは?」
「・・・僕、ブースカれす!」
「わしは目玉おやじじゃ」
「あなたは?」
「・・・僕、ブースカれす!」
日和と目玉おやじが自己紹介すると、ゆるキャラチックな生き物・・・ブースカも元気に自己紹介した。
しかし・・・
しかし・・・
グゥゥゥオォォォォ!!!
「・・・シオシオシオシオ」
・・・またもあの地獄の奥底に封じ込められた大悪魔の唸り声を思わせる腹の虫の音が響き渡り、ブースカは力無くうずくまったのだった。
「えっと・・・お腹、空いているの?」
「・・・うん」
「・・・うん」
日和は幼稚園の先生が子供に話しかけるようにブースカに話しかけ、ブースカも幼い子供のように答えた。
「えっと・・・渡されたカバンの中に入ってたカップ麺は?」
「・・・もう、みんな食べちゃった」
「それでも足りないの?」
「・・・うん」
「・・・もう、みんな食べちゃった」
「それでも足りないの?」
「・・・うん」
ブースカからの返答を聞いて、日和は苦笑いを浮かべた。
インスタントとはいえ、ラーメンを一杯食べたら大人でも満腹になるというのに、
ブースカはデイバッグの中に入っていたカップ麺を全て平らげてもまだ空腹だという。
その大食漢ぶりに、日和は苦笑するしかなかった。
インスタントとはいえ、ラーメンを一杯食べたら大人でも満腹になるというのに、
ブースカはデイバッグの中に入っていたカップ麺を全て平らげてもまだ空腹だという。
その大食漢ぶりに、日和は苦笑するしかなかった。
「・・・仕方ないなぁ」
日和は苦笑いを浮かべながら自身に支給されたデイバッグに手を入れると、カップの『サッポロ一番塩ラーメン』を取り出した。
「はい。あたしの一つあげるよ」
「・・・バラサバラサ!!」
「・・・バラサバラサ!!」
日和から『サッポロ一番塩ラーメン』を受け取ったブースカは、大げさに喜びながら早速『サッポロ一番塩ラーメン』の蓋を開けようとした・・・が、
「・・・はい、ストップ!」
・・・日和は生のままカップ麺を食べようとするブースカを制止した。
「・・・生のまま食べたらお腹壊しちゃうから、先にお湯を探そうか?」
「はーい!」
「はーい!」
日和の言葉に、ブースカはまるで子供のように素直に返事をし、そのまま日和と共に移動を開始したのだった。
「おい良いのか?大切な食糧を見ず知らずの妖怪に渡したりして?」
「まぁ良いじゃないですか。『困った時はお互い様』ですよ」
「・・・はぁ」
「まぁ良いじゃないですか。『困った時はお互い様』ですよ」
「・・・はぁ」
日和の呑気な答えに、目玉おやじはため息をつくしかなかったのだった。
【鳥月日和@妖怪の飼育員さん】
[状態]:健康
[装備]:目玉おやじ@ゲゲゲの鬼太郎
[道具]:基本支給品(カップ麺一つ減)、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]
基本:早く帰りたいけど、人殺しはしたくない
1:ブースカとお湯を探す
2:まさかあの目玉おやじが実在していたなんて!
[備考]
単行本8巻時点からの参戦。
ブースカを『妖怪』だと思っています。
基本支給品のカップ麺は全て『サッポロ一番塩ラーメン』です。
[状態]:健康
[装備]:目玉おやじ@ゲゲゲの鬼太郎
[道具]:基本支給品(カップ麺一つ減)、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]
基本:早く帰りたいけど、人殺しはしたくない
1:ブースカとお湯を探す
2:まさかあの目玉おやじが実在していたなんて!
[備考]
単行本8巻時点からの参戦。
ブースカを『妖怪』だと思っています。
基本支給品のカップ麺は全て『サッポロ一番塩ラーメン』です。
【ブースカ@快獣ブースカ】
[状態]:空腹、シオシオのパー
[装備]:無し
[道具]基本支給品(食糧は全滅)、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:早く帰りたい
1:お腹減った。シオシオのパー
2:大ちゃんやチャメゴンもいるのかなぁ?
[備考]
少なくとも、最終回でR惑星に旅立つよりも前からの参戦。
[状態]:空腹、シオシオのパー
[装備]:無し
[道具]基本支給品(食糧は全滅)、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:早く帰りたい
1:お腹減った。シオシオのパー
2:大ちゃんやチャメゴンもいるのかなぁ?
[備考]
少なくとも、最終回でR惑星に旅立つよりも前からの参戦。
【目玉おやじ@ゲゲゲの鬼太郎】
鳥月日和に支給。
言わずと知れたゲゲゲの鬼太郎の父親。
体は小さいが、妖怪に関する豊富な知識と幽霊族特有の様々な妖力、ぺしゃんこにされても生き残る生命力を持つ。
関係ないが、僕は野沢雅子さん声の目玉おやじより、田の中勇さん声の目玉おやじが好きである。
鳥月日和に支給。
言わずと知れたゲゲゲの鬼太郎の父親。
体は小さいが、妖怪に関する豊富な知識と幽霊族特有の様々な妖力、ぺしゃんこにされても生き残る生命力を持つ。
関係ないが、僕は野沢雅子さん声の目玉おやじより、田の中勇さん声の目玉おやじが好きである。
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