この世界に、正義の味方なんていない。
お母さんを轢いて殺した男は、今も捕まることなくのうのうと生きている。警察の皆に、お父さ――ううん、『あいつ』に、その男の名前を訴えても何もしてくれなかった。
悪党ばかりがのさばる世界。それが、"私"の生きる世界なのだと。いつしか、"私"は正義というものに対して諦観していた。
そんなある日のことだった。本当の正義の味方が現れたのは。
『――突然罪を告白した秀尽学園の体育教諭、鴨志田卓 容疑者には"心の怪盗団"を名乗る予告状が届けられており……』
『今回逮捕された斑目一流斎の元にも、"心の怪盗団"からの予告状が……』
『"心の怪盗団"が、今度は渋谷のマフィアグループの頭領を……』
正義の味方、"心の怪盗団"は、警察にも手が出せないような悪党を、次々に捕まえてくれた。世の中に諦めていた"私"は、彼らに強く、強く惹かれていった。怪盗団を題材とした配信で多くの同好の士と出会い、怪盗団のグッズもたくさん買って。この世界に希望を見出したのは、怪盗団のおかげと言っても過言ではなかった。
――そして、だからこそ。
彼らに裏切られた時の反動は、とてつもなく大きかった。心の怪盗団が世を乱し、殺しまでするテロリストであるとの指名手配報道。その際に近衛社長が語ったこれまでの改心事件の手口も凡そ納得がいくもので。これまで怪盗団を一緒に応援していた皆も、全員ではなかったけれど、大衆に迎合していくように一人、一人と怪盗団を悪党呼ばわりし始めて。
――そして、だからこそ。
"私"――長谷川茜の心の影として、私が生まれた。
「人に殺し合いを強いるなんて……悪党だね……改心させなきゃ。」
私――『シャドウ茜』は、『ジェイル』で怪盗団を待ち伏せしている最中だった。それが、いつの間にかこのような世界に呼ばれていた。怪盗団を改心させるための罠の邪魔をしたのが誰なのかは分からないが――絶対に、許せないと思った。
「それに、殺し合いでしょ?ㅤどうせ悪党しかいないんだもん。それならみんな、改心させてやるわ。」
だからといって殺し合いに反目するわけでもない。茜は、誰も信じない。警察も、あいつ――長谷川善吉も、心の怪盗団を騙る極悪人どもも、指名手配されるや否や心の怪盗団に罵声を浴びせ始める大衆も。信じられるのは、本物の『怪盗団』だけ。
方針を定めた茜は、支給品として配られた短剣を手にする。それを、クルクルと手のひらで弄んで――
「私の怪盗団……私を守って!」
――そして唱える。すると間もなく、茜の眼前にひとつの影が現れる。その影が模すのは、たくさんの怪盗団グッズに描かれた、黒い衣装と白い仮面の男。しかしグッズとただ一つ異なる点として、茜の名をなぞる様に、茜への忠誠を表すかの如く、紅い髪をしている。
茜の手に収められていた短剣は、まるでマジックのショーのように、一瞬の内にその影――『マイ・ディア・ジョーカー』の手のひらに移る。
「正義の味方なんていないのなら、私と、私の怪盗団がなってやるの。」
【シャドウ茜@ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ】
[状態]:健康 『マイ・ディア・ジョーカー』の顕現
[装備]:アサシンダガー@ドラゴンクエスト3
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:『悪党』を全員殺す。
1.どうせ皆、悪党なんでしょ?
2.本物の怪盗団は、私を裏切らない……。
[備考]
心の怪盗団を京都ジェイルに誘い込むまで待っている時からの参戦です。
認知の怪盗団は、複数体同時に顕現させることはできません。
[状態]:健康 『マイ・ディア・ジョーカー』の顕現
[装備]:アサシンダガー@ドラゴンクエスト3
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]:基本行動方針:『悪党』を全員殺す。
1.どうせ皆、悪党なんでしょ?
2.本物の怪盗団は、私を裏切らない……。
[備考]
心の怪盗団を京都ジェイルに誘い込むまで待っている時からの参戦です。
認知の怪盗団は、複数体同時に顕現させることはできません。
【アサシンダガー@ドラゴンクエスト3】
毒の塗られた短剣。うまく急所に刺されば、即死するほどの効き目がある。
毒の塗られた短剣。うまく急所に刺されば、即死するほどの効き目がある。
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