(なにこれ……殺し合い?)
四国の妖怪が通う高校『魍魎分校"死国校"』。そこの生徒である飴宮初夏は、風貌こそ人間と大差ないものの、れっきとした妖怪『舐女』である。彼女は現在、ひたすらに困惑していた。
少し前にも野襖によって変な催しが開かれたことはあったけど、今回はどの妖怪の仕業かも分からない。だから妖怪の知識をもっている初夏でも、具体的な対処法が浮かんでこない。
(……みんなも巻き込まれているの?)
じわじわと不安が襲ってくる。これまで出会ったタチの悪い妖怪はせいぜいヤマヒコくらいで、殺し合いを強要されることなんて一度も無かった。安心したくて、きょろきょろと知っている人(or 妖怪)を探し回る。
「お嬢さん、探しものですか?」
そうこうしていると、声をかけられた。インド式のターバンと青い和服という、和洋折衷の衣装に身を包んだ男だった。
(こ、この人……私の個人情報を探っている!?)
不審者地味ており、さらには殺し合いを命じられた場における他者との接触。本来はもっと怖がる箇所があるのだろうが、初夏が最も恐ろしいのは自分のことを探られることだった。開口一番、言い放つ。
「ひみつ。」
取り付く島もないその様子に、害意の無い者ならすごすごと立ち去る場面。しかし男は、それを聞いて悪戯にニヤリと笑う。
「ほう……それは"私にチャレンジ"ということでよろしいですね?」
「えっ……意味わかんない……」
「貴方の探し人、この私が当ててみせましょう。」
「……ほんと?」
その言葉を聞いて反応する初夏。人探しをしていたことはバレバレであり、その情報管理は飴のように甘い。
ㅤここにみんながいるのかどうかも分からないけれど、居場所が分からないというのはやはり不安だ。男がみんなの居場所を知っているのか半信半疑ではあるが、手がかりが他にない以上頼るしかなかった。
「じゃあ、お願い。」
「それでは、探している人のことを心に思い浮かべてみてください。誰か一人でお願いしますよ。」
「一人……一人……」
ほわほわほわっと考える吹き出しが初夏から浮かび上がっていき、その中央に一人の男の子の顔が浮かぶ。魍魎分校に引っ越してきた男の子、渡海隼人。真っ先に浮かんできたのはあの人しかおらず、同時に頬が紅潮を見せる。
「男性?」
「!?」
心の中を見透かされたように驚きつつ、コクコクと頷く初夏。
「髪は黒い?」
すると、よく分からない質問が飛んできた。再び首を縦に振る。
「好きな女性がいる?」
「すきっ……!?ㅤひっ……ひみつ!!」
「……ふむ、"わからない"と。」
その後も、矢継ぎ早に色々と質問され続けた。なんの意味があるのかは不明だが、時に答え、時にひみつにし、そうこうしている内にすべての問答が終わった。
「分かりました。あなたの探している人が。」
そして質問者の男――アキネーターはコホンと咳をして告げる。
ID:YX/MVJQE0 返信
108 : 言わないけどね ◆2zEnKfaCDc sage 2020/08/07(金) 22:47:47
108 : 言わないけどね ◆2zEnKfaCDc sage 2020/08/07(金) 22:47:47
「――『西片』……ですね?」
「違いますけど……」
初夏が交えた幾つかの「ひみつ」がその精度を落としてしまったようで、アキネーターの答えは微妙にズレた着地点に留まった。
「……ブラボー。あなたには負けたよ。」
「は、はぁ……。ちなみに私が探してるのは渡海くんっていう人間の男の子です。」
本当にこの人に任せて大丈夫だろうか。さっそく半信半疑だったのが疑に寄っていったが、とりあえず探し人の名前を伝えてみる。
「分かりました。」
「……」
「……」
「…………え?ㅤそれだけ?」
「はい。」
「探してくれるんじゃないの?」
「当てるだけですよ?」
そして、アキネーターはそのまま去っていった。
「何しに来たの……!?」
【飴宮初夏@こじらせ百鬼ドマイナー】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:ひみつ
1:みんなを探さなきゃ……
2:アキネーターは変質者ね。
[備考]44話以降からの参戦です。
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:ひみつ
1:みんなを探さなきゃ……
2:アキネーターは変質者ね。
[備考]44話以降からの参戦です。
【アキネーター@Akinator】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:チャレンジャーを探す。
[備考]全参加者についての『知識』があります。
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:チャレンジャーを探す。
[備考]全参加者についての『知識』があります。
アキネーターの去った後の初夏の方に向けて、一人の男が足音を殺し、こっそりと忍び寄っていく。
「何か……誰かに呼ばれた気が……」
偶然近くに居たようです。
【西片@からかい上手の高木さん】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:???
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:???
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