「どういうこと……?」
疑問を唱えたのは、ピンクの髪に、スカートの少女。
このバトルロワイアルに関する疑問ではない。目の前の水色の髪に、制服姿の少女が言っていることが理解できなかったのである。
疑問を唱えたのは、ピンクの髪に、スカートの少女。
このバトルロワイアルに関する疑問ではない。目の前の水色の髪に、制服姿の少女が言っていることが理解できなかったのである。
「分からなかったんですか?私、『ホワイトナイト』のアシスタントをしているんですよ。」
制服の少女、藍野伊月は、屈託なく答える。
「そのことを聞いているんじゃないわ。あなたはどうしてその佐々木って人に大切なものを奪われて、笑っていられるの?」
「どうしてって……。嬉しいからですよ。私と同じ考えを持った佐々木先生の、アシスタントが出来るのですから!」
(言ってることが分からない……頭がおかしくなっているの?この状況で……。)
かつてメカトピアのスパイだった少女、リルルの思考回路はショートしそうになる。
かつてメカトピアのスパイだった少女、リルルの思考回路はショートしそうになる。
彼女が出会った人間たちは、皆感情豊かだった。
自分達メカトピアのロボットが地球征服を企てていると話せば、間違っていると怒り、皆でキャンプを楽しみ、敵である自分でさえ危なくなれば助けてくれた。
しかし、目の前の少女は違う。
明らかに自分が描いた漫画の中身を盗まれているというのに、その相手を糾弾するどころか、尊敬の念を込めている。
自分達メカトピアのロボットが地球征服を企てていると話せば、間違っていると怒り、皆でキャンプを楽しみ、敵である自分でさえ危なくなれば助けてくれた。
しかし、目の前の少女は違う。
明らかに自分が描いた漫画の中身を盗まれているというのに、その相手を糾弾するどころか、尊敬の念を込めている。
彼女が見た地球人とは、全く違う部類だった。
「嬉しいって……あなた本気で言っているの?」
「この気持ちに嘘はありません!それよりも今度はリルルさんのことを教えてくれませんか?」
「この気持ちに嘘はありません!それよりも今度はリルルさんのことを教えてくれませんか?」
伊月はちらりと横に目をやる。
そこには、巨大なゴブリンが黒焦げになって倒れていた。
そこには、巨大なゴブリンが黒焦げになって倒れていた。
信じられないことだが、少し前にリルルの指から出た熱線によって、焼かれたのである。
「私があなたに話すことなんてないわ。ただの少女よ。」
リルルはそのまま立ち去ろうとする。
リルルはそのまま立ち去ろうとする。
「ただの少女なら指からレーザーなんて出しませんよ。」
それを追いかけるアイノイツキ。
それを追いかけるアイノイツキ。
「私、漫画家としてあなたのことをもっと知りたいんですよね。」
「今どんな状況に置かれているのか分かっているの?」
「ええ。こんな未知の状況、10年分の取材にも匹敵する経験だと思いますよ!!」
「今どんな状況に置かれているのか分かっているの?」
「ええ。こんな未知の状況、10年分の取材にも匹敵する経験だと思いますよ!!」
(………。)
自分にとって、この少女は理解の範疇を超える存在だと認識した。
中学校に行っていないのに学校の制服を着ている点など特に。
自分にとって、この少女は理解の範疇を超える存在だと認識した。
中学校に行っていないのに学校の制服を着ている点など特に。
「それに、危なくなったらリルルさんが守ってくださるんで!!」
彼女はリルルが守ってくれることを前提に話を進める。誰も彼女のことを守ると言っていないのに。
彼女はリルルが守ってくれることを前提に話を進める。誰も彼女のことを守ると言っていないのに。
―――時々理屈に合わないことをするのが人間ってものなのよ。
故障寸前になったリルルを、修理してくれた少女の台詞。
まだまだ自分は人間というものを知らないのだと、改めて認識させられる。
まだまだ自分は人間というものを知らないのだと、改めて認識させられる。
「……仕方がないわね。けれど、どこへ行くかはあなたが決めなさい。」
「はい。私に着いてきてくださいよ!!」
「はい。私に着いてきてくださいよ!!」
リーダーか何かのようなセリフと、それに似合わない弱い力を持って、伊月は勢いよく野を駆けて行く。
実は、リルル自身は、目の前の少女よりも自分自身に悩んでいた。
ロボットの味方に戻るか、人間の味方になるか。
地球人を奴隷にしようとするメカトピア軍総司令に自分達の非を説き、逆鱗に触れた上で処刑されそうになった。
ロボットの味方に戻るか、人間の味方になるか。
地球人を奴隷にしようとするメカトピア軍総司令に自分達の非を説き、逆鱗に触れた上で処刑されそうになった。
それを地球人に助けられ、自分はこれからどうすべきか悩んでいた所、この戦いに呼ばれた。
メカトピアのロボットとして生きるなら、少なくとも人間の参加者は皆殺しにするべき。
そうでないなら、今のように人間を守るべき。
そうでないなら、今のように人間を守るべき。
自分がかつて出会った地球人の少年少女は、皆欠点こそあれど良い人ばかりだった。
しかし、彼女から聞いた佐々木哲平という男は、どう考えてもそのような人間とは思えない。
メカトピアの神様が絶望したという、ずるくて弱い人間さながらだ。
しかし、彼女から聞いた佐々木哲平という男は、どう考えてもそのような人間とは思えない。
メカトピアの神様が絶望したという、ずるくて弱い人間さながらだ。
人間が守るに値するか、そうでないか。
答えは、この会場にあるのかもしれない。
答えは、この会場にあるのかもしれない。
【藍野伊月@タイムパラドックスゴーストライター】
[状態]健康 好奇心
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:リルルと共に、この世界で漫画の題材になりそうなものを探す
1:リルルさんってすごい人?ですね
[備考]6話終了後。
[状態]健康 好奇心
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:リルルと共に、この世界で漫画の題材になりそうなものを探す
1:リルルさんってすごい人?ですね
[備考]6話終了後。
【リルル@ドラえもん のび太と鉄人兵団】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品 ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:藍野伊月を守りながら、人間を守るべきか否か決める。もし守るべきでないなら……?
1:藍野伊月……何言ってるのこの人
2:佐々木哲平という人物が気になる
[備考]
アイノイツキとの会話で、彼女の過去、現在を知りました。
処刑されそうになっていた所を、ドラえもん達に助けられた直後からの参戦です。
原作版、羽ばたけ天使たち版どちらを参考にしても問題ありません。
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品 ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:藍野伊月を守りながら、人間を守るべきか否か決める。もし守るべきでないなら……?
1:藍野伊月……何言ってるのこの人
2:佐々木哲平という人物が気になる
[備考]
アイノイツキとの会話で、彼女の過去、現在を知りました。
処刑されそうになっていた所を、ドラえもん達に助けられた直後からの参戦です。
原作版、羽ばたけ天使たち版どちらを参考にしても問題ありません。
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