とある王城の一室、そこでは一人の少女がみずぼらしい恰好をした男に詰め寄っている姿があった。
"わたし、元の世界に戻るために、いっぱい、いっぱい、がんばったよ?それなのにこんな……"
その少女は表情が一切見えない顔のまま、目の前にいる男に怒りをぶつけていた。
その少女は謎の竜巻によってこの世界へ飛ばされてしまった存在だった。
見知らぬ土地に取り残され絶望していたが、旅の中で出会った3人の男によって一縷の望みを与えられた少女だった。
『この国の王様なら、どんな願いもかなえてくれる』……その手繰り寄せた希望にすがり、3人の男と共に必死に生き続け、そして戦い続けた少女だった。
……だがその希望は不条理な現実によって更なる絶望へと変わってしまった。
その国の王様はただの詐欺師だった。彼女も仲間たちも、そしてその国の住人すべてが彼に騙されていたのだ。
当然そんな男が彼女の『元の世界に帰りたい』という願いなど叶えられるはずもない。故に彼女は目の前にいる男に怒りをぶつけているのだ。
そして彼女は詐欺師に掴みかかり……
◆◆◆◆◆
ところ変わってここは殺し合いの会場、雑草が生え荒れ果てた獣道の中。
ところ変わってここは殺し合いの会場、雑草が生え荒れ果てた獣道の中。
そこには三つ編みがほどけたようなおさげ髪の、ズタボロの姿をした少女がいた。
所々に穴が空いてる上に右腕の裾がちぎれた洋服に同じく穴だらけのソックス、くすんだ銀の靴を履き右目には包帯を巻いた少女だった。
「ここは、どこ……?さっきのアレは、なに……?殺し合えば、願い事が叶えられるの……?」
その少女は困惑していた。今まで自分は見知らぬ土地に取り残され、元の世界に帰ることもできずに絶望していたはずだったから。
それなのに何の前触れもなく別の場所に連れてこられ、そして訳も分からないまま奇妙な少年が現れて『互いに殺し合うゲーム』の宣言を開始したから。
そして彼に反抗した少年とその兄が殺されてしまうところを目撃したから。
それなのに何の前触れもなく別の場所に連れてこられ、そして訳も分からないまま奇妙な少年が現れて『互いに殺し合うゲーム』の宣言を開始したから。
そして彼に反抗した少年とその兄が殺されてしまうところを目撃したから。
「あの子、"ノア"という子は願い事を叶えると言っていた。でも、信用できない……!きっと、あの時と同じこと……!あれもきっと、何かのトリックが使われているはず……!」
彼女は一人の少年が『殺し合いについての説明』の為だけに殺され、そして生き返る光景を見せつけられた。
そして今度はその少年とその兄、二人の兄弟が殺される様を目撃した。
そして今度はその少年とその兄、二人の兄弟が殺される様を目撃した。
だがその光景を彼女は否定した。あれには何かカラクリがあると、彼女はそう考えていた。
何故なら彼女は『願い事を叶える』とうそぶいた男に騙され、いいように使われた経験があったからだ。
何故なら彼女は『願い事を叶える』とうそぶいた男に騙され、いいように使われた経験があったからだ。
あの時、自らを王様だと偽った詐欺師は張りぼてや仮面などを駆使して変装し、まるで奇跡を起こせるような神秘的な存在であると彼女たちに思い込ませた。
そしてあの詐欺師は『願いを叶えてほしければ、西の国にいる悪い魔女を退治してほしい』と彼女たちに頼んできたのだ。
そしてあの詐欺師は『願いを叶えてほしければ、西の国にいる悪い魔女を退治してほしい』と彼女たちに頼んできたのだ。
その結果自分と3人の仲間たちはボロボロになり、そのうち二人は一度命を落としながらも魔女を打ち倒した。
だが詐欺師は自分たちの願いを叶えようともせず、『忙しい』との理由で門前払いをしてきた。
だが詐欺師は自分たちの願いを叶えようともせず、『忙しい』との理由で門前払いをしてきた。
そして怒りのままに男のいるであろう玉座に押し入り、そこで真実を知ることになった。その男が本当は願い事を叶える力など持っていないことを、自分たちが騙されていたという事を。
『自分とその仲間たちは詐欺師に騙され、いいように利用されていた』……その経験から彼女は乃亜の言葉を一切信用していなかった。
「もう…元の世界にも、みんなの元にも帰れない…なら、全部壊しちゃえばいいんだ」
それと共に彼女は誰に話しかけるわけでもなくそう独り言を言い、ランドセルの中から何かを取り出した。
それは鍔(つば)と呼べる部分が存在せず、また持ち手となる部分の金属が剥き出しになった一振りの刀だった。
それは鍔(つば)と呼べる部分が存在せず、また持ち手となる部分の金属が剥き出しになった一振りの刀だった。
それはとある英雄が自らの義手の中に仕込んでいた刀。聖別され、決して腐ることがない刃を持つ武器。
その名を『マレニアの義手刀』といった。
その名を『マレニアの義手刀』といった。
彼女はそれを取り出し、使い方を覚えるために振り回していく。まるでカカシのように片足で跳躍し、嵐のように高速で振り回して周囲のものを切り刻んでいく。
それはまさしく彼女の絶望のきっかけとなった、巨大な竜巻のようであった。
それはまさしく彼女の絶望のきっかけとなった、巨大な竜巻のようであった。
「あは…あははは…あはははははははは!」
次第に彼女はその口元に笑みを浮かべ始めていった。だがそれは歓喜によるものではない。
それは絶望からくる諦め、どうしようもない状況に陥ったことによる暗い笑みだった。
それは絶望からくる諦め、どうしようもない状況に陥ったことによる暗い笑みだった。
見知らぬ土地で出会ったカカシも、自分を守ってくれるブリキの木こりも、勇気を振り絞って戦ってくれたライオンも、そして元の世界からいつも一緒にいた飼い犬もこの地にはいない。
この地において彼女は本当の孤独を味わっていた。
この地において彼女は本当の孤独を味わっていた。
故に彼女の孤独を埋められる者も壊れ始めていく彼女を止められる者もおらず、ただひたすらにその場に絶望の竜巻が吹き荒れていくのであった。
◆◆◆◆◆
とある王城の一室、そこでは口から泡を吹きながら痙攣している詐欺師の上に一糸まとわぬ姿の少女がまたがり、必死に腰を振ってその男性器に奉仕をしている姿があった。
少女は目の前にいる男に騙された屈辱と怒り、そして絶望に彩られた顔のまま叫ぶ。
"帰りたい……みんなのいる世界に帰りたい……。こんなところヤダよぉ!"と……。
そこにはただ、歯を食いしばりながら泣いている一人の少女がいるだけだった。
彼女の名は『銀靴のおさげ髪』。
不条理な現実に翻弄され、絶望に打ちのめされた一人の少女にして、元の世界では『ドロシー』と呼ばれていただろう少女である。
【銀靴のおさげ髪@Alice Re:Code】
[状態]:健康、絶望と諦め
[装備]:マレニアの義手刀@ELDEN RING
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本行動方針:元の世界に帰りたいけど、乃亜が本当に願いをかなえてくれると思えない。だから自分を含め、何もかも壊してしまおう。
1:もう…帰れない…なら、全部壊しちゃえばいいんだ。
2:乃亜は願いをかなえてくれるって言ってたけど、もう騙されない。
3:せめて、ブリキの木こりさんたちともう一度会いたい。
[備考]
過去の経験から、乃亜の言葉を信用していません。
[状態]:健康、絶望と諦め
[装備]:マレニアの義手刀@ELDEN RING
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本行動方針:元の世界に帰りたいけど、乃亜が本当に願いをかなえてくれると思えない。だから自分を含め、何もかも壊してしまおう。
1:もう…帰れない…なら、全部壊しちゃえばいいんだ。
2:乃亜は願いをかなえてくれるって言ってたけど、もう騙されない。
3:せめて、ブリキの木こりさんたちともう一度会いたい。
[備考]
過去の経験から、乃亜の言葉を信用していません。
『支給品紹介』
【マレニアの義手刀@ELDEN RING】
『銀靴のおさげ髪』に支給。『ミケラの聖樹』に登場するボス『ミケラの刃マレニア』を倒し、その追憶から作られる刀。
マレニアの義手に仕込まれていた武器であり、不敗の象徴とされていた武器。
またマレニアと同じように水鳥のごとく一本足で跳び、超高速の連続斬りを放つ『水鳥乱舞』という技などが存在する。
なお筋力値、技量値が必要な数値に達していなければ真価を発揮することは出来ないが、このロワではその制約は取り払われている。
【マレニアの義手刀@ELDEN RING】
『銀靴のおさげ髪』に支給。『ミケラの聖樹』に登場するボス『ミケラの刃マレニア』を倒し、その追憶から作られる刀。
マレニアの義手に仕込まれていた武器であり、不敗の象徴とされていた武器。
またマレニアと同じように水鳥のごとく一本足で跳び、超高速の連続斬りを放つ『水鳥乱舞』という技などが存在する。
なお筋力値、技量値が必要な数値に達していなければ真価を発揮することは出来ないが、このロワではその制約は取り払われている。