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空と君のあいだには

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「成程、確かに最多の数を自称するだけの事はある───」



暖かな朝陽に照らされる島に、凍てつくような声が響く。
それは、一体の竜種から発せられていた。
メリュジーヌと名付けられたその竜は、冷徹に魔女を見下ろして。


「物量で言えば、人間どころか妖精でも勝てる者はそういないだろう。応用性もある」


冷たい声色とは裏腹に、次々と評価の声を述べる。
実際に、魔女の扱う影の魔術は大したものだった。
数時間前に交戦したシカマルと言う少年とは比べ物にならない。
準備を弄された上で術中に嵌まれば、シカマルの影の拘束と違い不覚を取る可能性がある。
面倒なな能力だと、およそ竜が人に向ける最大級の評価を、竜は魔女に与えていた。



「だけど、君の力はあくまで人を嬲り殺す為の物だ」



その上で今度は、魔女の力の致命的な弱点を指摘する。
確かに、人を殺すのには十分すぎるくらいの能力だ。
自分の斬撃を避けた事から身体能力も人間を超越し、妖精クラスの実力なのは伺える。
だがしかし、彼女の力はあくまで人間を嬲り殺す為の物である、と。
竜は魔女の能力の本質を見抜いていた。



「竜を墜とすには、破壊力が足りない」



人を嬲るには十分すぎる性能を有していても。
天を飛翔する竜を墜とせるものだろうか?
その問いの答えが、今の竜(メリュジーヌ)と魔女の状況だった。



「私を……見下ろすな………!」



空から冷厳に見下ろしてくる竜(メリュジーヌ)を仰ぎ見て。
魔女──ルサルカ・シュヴェーゲリンは情念の籠った、唸るような声を漏らした。
彼女の胸の中に渦巻くのは、メリュジーヌに対する妬み、それから来る執着。
ルサルカには許せなかった。
偽りの記憶をしかと植え付けたはずなのに。
自分を愛しい者として見るように、過去の改変を行ったハズなのに。
それなのにメリュジーヌは──空から自分に冷たい視線を送って来る。
まるで、明日屠殺場に送られる家畜を見る様な瞳だった。


(許せない……許せるもんですか……私を空から見下すなんて……)


ぎり、と歯を強く噛み合わせて、ルサルカは中空に浮かぶメリュジーヌを睨みつける。
挟みこまれた数百年間という時間の中で、あれだけ愛し合ったのに。
私を大地に永遠に横たわらせ、彼女は届かぬ高みを目指そうとしている。
私を殺して、置き去りにして、優勝と言う座に至ろうとしている。
オーロラなどと言う、醜悪な、他人の足を引っ張るしか能のない女の為に!
許せない。絶対に認めるものか。
私に屈服させて、足元に跪かせてやる。
どろどろの淫欲で蕩けさせて、オーロラの事など忘れさせやってもいい。
置き去りになどさせるものか、遥か彼方に飛び立つなど許せるものか。


「今、その足を掴んで、私と同じ大地に引きずり降ろしてあげる!!」


咆哮と共に。
ルサルカの立つ大地に伸びた影が、立体的な輪郭を得る。
食人影(ナハツェーラー)と名付けられた、人間をゼリーの様にかみ砕き咀嚼する、彼女の操る魔道だった。
同時に、その影を媒介に様々な拷問道具が現出する。
槍の穂先の様に尖った椅子、鉄の処女、表面が真紅に見えるほど熱された牡牛、その牡牛の放つ熱から逃げようと大挙する鼠の影、鎖、鎖、鎖。
数えきれない断末魔と血を啜って来たそれらの凶器が、空のメリュジーヌへと殺到する。しかし。


「言っただろう───」


津波の様に迫りくる拷問器具の群れに対するメリュジーヌの反応は、実に冷え切っていた。
黒円卓の一席を担い、紛れもなく魔人たるルサルカでも微かにしか見えぬ速度で、腕を振るう。
疾風(はやて)が、世界を駆け抜ける。


「それは僕を墜とすには弱すぎるし、遅すぎる」



メリュジーヌの行った迎撃は実に単純。
竜の炉心より生み出され、手甲より伸びる剣に纏わされた超高濃度の魔力。
それを音の速さを超える速度で振るった。
結果、放たれた魔力の鎌鼬は、空を刈り、それだけに留まらず。


「………っ!?」


ルサルカの放った拷問器具の群れを一蹴した。
もし彼女の本来の形成であれば、ここまで一方的な結果にはならなかったかもしれない。
だが、現在のルサルカのエイヴィヒカイトには乃亜のハンデが加えられている。
霊的防御が剥ぎ取られ、物理的干渉が可能となっている。
その結果、ただでさえ内包した神秘の質で後れを取っていた彼女は、更にメリュジーヌの後塵を拝する結果となっていた。


「君の能力は影を起点にしてる。なら、影の軌道に意識を集中するだけだ。
下からしか攻撃が来ないと分かっていれば、対処は難しくない」


簡単に言ってくれる。ルサルカは臍を噛む思いだった。
確かに攻撃を行うのは影を起点としている。
故に、今のメリュジーヌにとっては、下からしか攻撃が飛んでくる心配はない。
何処まで行っても影は影、大地を這うしかないのだから。
いくら影を伸ばしてきた所で、叩き落すか切り落とせば問題にはならない。
ルサルカがブック・オブ・ジ・エンドで仕掛けた罠の地雷原も、地面に降りなければ踏みぬく恐れはない。


「問題は私と君の体力、先に根を上げるのは何方かだけど…それも結果が出つつあるね」


指摘されたルサルカの肩が、図星と言うかのようにびくりと震える。
事実、今の彼女の状態は今はまだ、僅かであるが。
息が上がり始めていた。
当然だ。メリュジーヌもホバリング状態で飛行し、少しずつ体力を使っているとは言え。
一度守勢に回ればそのまま空から襲い来るメリュジーヌを躱しきれない。
躱せたとしても、まず軽傷では済まないダメージを負う事になるだろう。
それを回避しようとすれば、彼女はメリュジーヌを撃墜するために攻め続けるしかない。
必然的に、食人影達を全力で稼働する羽目になる。
限られた方向からしか襲ってこない攻撃の迎撃に専念すればいいメリュジーヌとは違い、
精神的にも体力的にも消耗が早いのはルサルカの方だった。


(どうする…逃げる……?それとも、創造を……
でも、もし創造でも倒しきれなかったら……!?)


ルサルカの脳裏に浮かび上がる、撤退か、切り札を切るかの選択肢。
逃げるのは現状難しいだろう。
先ず速度で此方が相当に劣っている以上、それなり以上の隙を作らなければならない。
背を向けて逃げるなど論外だ。
メリュジーヌの、形成位階に達したシュライバーとも張り合えそうな理外の速度を考えれば背を向けた次の瞬間貫かれている。

では、自分の切り札たる、『創造』のカードを切るか。
如何にメリュジーヌが大隊長に匹敵する猛者でも、創造なら確実に動きは止められる。
乃亜のハンデを考慮すれば…止められる筈だ。
創造──『拷問城の食人影(チェイテ・ハンガリア・ナハツェーラー)』であれば。
影に触れた者の動きを完全に停止させる。それが自分の創造の能力。
強制力は絶大であり、メリュジーヌにも通じる筈だ。
だが、動きを止めたとして、食人影でメリュジーヌを倒しきれるだろうか?
形成で攻撃を行ったから分かる。メリュジーヌの鎧や肉体は、鋼の様だった。
人間程度であれば余裕で喰らえる食人影でも、短時間のうちに倒せるかは非常に怪しい。
それに、メリュジーヌ自身の動きも妙だった。
メリュジーヌが地に落とす影と、自分の伸ばす影が接触しそうになった場合、彼女はその時だけ高速移動で移動している。
まるで、影で相手を縛る相手とついさっき戦ったかのようだ。
理由はさておき、ルサルカの影に警戒を向けているのは明らかだった。
こうなると、不意打ちでメリュジーヌを拘束する事は難しいだろう。

もし倒しきる前に創造が解除されてしまえば、窮地に立たされるのは自分の方だ。
それに倒せたとしても、その後に再び創造が使える時までにシュライバーと出会ったら…


(くそ…!何でこんな……巡り合わせが悪すぎよ!!)


そう叫びだしたくなる衝動を、必死に堪える。
ルサルカの本領は権謀術数を活かした策謀だ。
準備期間さえあれば、メリュジーヌだって撃破できる自負が彼女にはあった。
だが、それはあくまで相応の陥れる準備を行った場合の話。
こんな、突発的な遭遇戦は全くもって想定していない!


(落ち着け……落ち着くのよ。メリュジーヌだって私の能力を警戒して近づけない。
ここは撤退のための陽動に力を割り振れば───)



破壊力が足りないだの、トロ臭いだの、好き放題言ってくれてはいるが。
しかし、メリュジーヌだって自分に近づけていない。
ブック・オブ・ジ・エンドで見た記憶でもそうだが、彼女の得意とする戦闘は白兵戦。
遠距離攻撃は門外漢であるはず。
ならば、此処は攻勢に割り振っていた魂のリソースの約三割を、陽動のための一手に回す。
選ぶ拷問器具は最も名の知れた鋼鉄の乙女(アイアン・メイデン)。
ただし、サイズは急場で作れる最大級に。簡単には出られぬよう、内部の作りは堅牢に。
いける。メリュジーヌであっても、三十秒は捕らえられる、形成の檻の出来上がりだ。
後はこれでメリュジーヌを捕えられれば。
そう考えた矢先の事だった。ルサルカの耳朶に「ジャキン」という金属音が響いたのは。




(あれは、不味───!?)



天空で未だルサルカを見下ろすメリュジーヌ。
その手には、漆黒の長筒が握られていて。
黒光りするその砲門を見た瞬間、ルサルカの背筋が凍り付いた。
拷問器具の群れを含めた、食人影の全てを防御に回す。
最早、陽動など考えている場合ではない。メリュジーヌは、勝負を決めに来ている。
然しまさか、彼女があんな武器を使うなんて───!


「意外かい?まぁそうだろうね、マレウス。騎士の決闘には相応しくない兵装ではある。でも僕個人の趣味としては中々好みなんだ」


マレウス、と。
冷え切った感情を示すように、その名を呼ぶ時だけ声のトーンを低くして。
彼女は言葉を続ける。


「それにもう、今の僕はオーロラのためだけの騎士で───
そして、君たちにとっての厄災だ。僕は僕の在り方を、そう定めた」


そして、何より。




「他人の大切な過去を、土足で踏み荒らす毒婦を誅すには、相応しいだろう?」




その言葉に、ルサルカの表情が更に強張った。
キウルから奪い取った支給品の解説の通りだ。
メリュジーヌに対するブック・オブ・ジ・エンドの精神干渉は既に解除されている。
冷淡でありながらドス黒い憎悪が籠められた視線が、その証明だ。
まるで、害虫の遠くから殺虫剤を向けるように。
トン単位で重量があるであろうその砲門を軽々振るい、狂いなくルサルカに狙いをつけた。
ブック・オブ・ジ・エンドによる罠の挟み込みはもうできない。
何もない空中に罠を仕掛けるなど、ルサルカであっても不可能だからだ。
不可能な過去は、挟み込むことができない。


「この、卑怯者───!!」


それでも騎士かとなじりたかったが、既に騎士である事は否定されている。
影を集め、敵意を露わにするルサルカを見るメリュジーヌの視線は、どこまでも冷たい。
このまま虫けらの様に押し潰れろ、そう語っている様だった。
腹立たしかった。百年以上妖精騎士として肩を並べ、愛し合ったはずのメリュジーヌに。
身下げ果てた視線を向けられることが。
そして───そんな彼女ですら、美しいと感じてしまう事実が。
ルサルカには、空に浮かぶメリュジーヌが朝に現れた星の様に煌めいて見えた。
同時に、お前は決して星(わたし)の様には成れないんだぞ、と。
そう突き付けられている様で、燃え盛るような嫉妬の炎が魂を焦がす。



「消え失せろ、マレウス」




能面のような、一切の感情が欠落した無表情で。
メリュジーヌはその手の兵器を。
かつて、狂気に堕ちた湖の騎士が使用し、魔力によって再現されたその機銃を。
M61機関砲の引き金を、容赦なく発射した。
瞬間、世界に暴風の様な轟音が響き渡る。


「───うっ、ぐっ、あぁぁああああああああ────!!!!」



鋼鉄の豪雨が、毎秒百発と言う密度でルサルカに襲い掛かる。
着弾した瞬間察する。
これは、近代兵器であるにも関わらず聖遺物に匹敵する魔道を帯びている。
人食影を盾にして防いでいるが、これが無ければ魔人たるルサルカの肉体でも当の昔に挽肉に変わっているだろう。

当然だ。現在進行形でルサルカを蜂の巣にするべく唸りを上げている機関砲こそ。
カルデアに招かれた、狂戦士として現界した湖の騎士の宝具なのだから。
正確には宝具に変化させられた兵装であり、通常の機関砲と違って魔力の続く限り射撃し続ける事ができる。
そんなガトリングガンを竜の炉心により無尽蔵の魔力生成量を誇るメリュジーヌが扱えば、容易に通常の機関砲の威力を遥かに超えた鋼鉄の豪雨を生み出すことができる。

そんな魔弾の波濤を防御できているだけ、ルサルカの形成も人の領域を遥かに超越していると言えた。
しかし、直接的なダメージこそ形成の効果で完全に防げている物の、凄まじい衝撃が、継続的にルサルカに襲い掛かる。
まるでサンドバッグにされている様だ。


(こ、の……っ!?いい加減───!!)


最早、温存がどうとか言っている場合ではない。
時間にして一分近く銃撃は続いている。恐らく、単純な弾切れはあの銃にはない。
このまま形成で防御し続けられればいいが、そこまで集中力を保てる自信は無かった。
それよりも先に、創造位階でカタをつける。



『───ものみな眠る小夜中に───
────In der Nacht, wo alles schlaft───』



腹を括り、鈴の音の様な美しい声で、辿り着いた魔道の秘奥の調べを奏で始める。
弾幕から身を守れるだけの形成の能力を維持しつつ、創造を発動しようとしている事そのものが、ルサルカの能力の高さを証明している。
戦塵が噴きあがる中、紫電の魂を帯びる彼女の姿は、高名なオペラ歌手さながらだった。
そのまま次の一説を口ずさもうとした瞬間、違和感に気が付く。


(───銃撃が、止んだ?)


数秒前まで飛来してきた嫌になるほどの怒涛の掃射が、ピタリと止んだのだ。



(───弾切れ?それとも、私の創造を使う気配を感じ取って離脱したの?)



前者であれば僥倖だが、後者であれば不味い。
メリュジーヌの速度を考えれば、彼女が本気で退けば既にこの場を去っているだろう。
そうなれば創造を発動しても、ただの切り札の浪費に終わる。
浪費に終わるだけならばいいが、その直後にメリュジーヌがUターンしてきたり、
シュライバーが襲来すれば目も当てられない。
殆ど何の抵抗もできないまま殺される事となる。
どうする、と。ルサルカの詠唱が五秒にも満たない時間、中断される。


(…いや、待って。そもそも、今のあいつは、何処に───?)


撒きあがった粉塵によって、視界はすこぶる悪い。
そこで視界での捜索を早々に切り捨てて、エイヴィヒカイトによる索敵に切り替える。
あんな出鱈目な出力を誇る小娘だ。直ぐに見つからぬ訳もない。



「どこ、何処に────!?」
「此処だよ」


事実、直ぐに見つかった。
ルサルカの後方、約三十センチの距離に、メリュジーヌは佇んでいた。
その事実を認識すると、ルサルカは戦慄を禁じ得なかった。
慌てて影を殺到させようとするが、すでに遅い。
食人影がメリュジーヌに食らいつくよりも早く。



「────かっ!?」



メリュジーヌの手甲に包まれた鉄拳が、ルサルカを撃ち抜いていた。
ボクシングで言うアッパーカット。一撃で顎が砕け。脳が揺れる。
起死回生を狙った詠唱は完全に妨害され、顎が砕かれた以上仕切り治すこともできない。
更に当然、追撃の一撃が飛んでこない道理はない。



「わざと逃げ道を作れば、必ず乗って来ると思ったよ」



既にルサルカが過去を挟んだのは割れている。
挟まれた過去のルサルカの情報は誇張と虚偽に溢れた物だ、アテにはならないだろう。
だが、他人の過去を騙り、その方法も不意打ちと言う下種窮まる相手なのは確定している。
そう言った者は逃げ場を与えれば戦おうと考えない。
真っ先に考えるのは保身で、即ち逃げる事だ。ルサルカは想定通りの判断をした。
メリュジーヌは安堵した。切り捨てるに一片の躊躇も抱かずに済む。


「安心したよ、君が憐れみながら首を差し出してくる相手では無くて」


其方の方が、地獄だった。
超人の聴覚であるルサルカであっても聞き取れない小さな呟きと共に。
アッパーカットで浮き上がったルサルカの鳩尾に更にもう一発。



「ご……ッ!?!?ぐぉぇっ────!!!!!」



ぶちゅり。
臓腑が潰れる手ごたえと共に、女性が出してはいけない嗚咽がルサルカの口から零れ出る。
だが、構いはしない。
そのまま握りつぶす勢いでルサルカの柔らかな腹部を鷲掴みにして、全力で魔力を放出。
二人の少女の姿が、空へと打ちあがる。
メリュジーヌはルサルカの死刑執行を、竜の領域で行う事に決めた。



(ぐ───しまった。空中戦じゃ私が────!!)



空中で影を操る事は出来ない。
影が伸びるべき大地が、存在しないからだ。
遥か彼方となってしまった地平より、空中まで影を伸縮させることは可能だが。しかし、


「がはァッ!?」


それは竜(メリュジーヌ)の妨害を掻い潜ってと言う話になる。
ちらりと大地の食人影を確認するための一瞥すら許されない。
まず空中に放り投げられ、ルサルカの体躯が宙を舞う。
如何な魔人、黒円卓第八位とて、空を飛ぶことは叶わない。成すがままに空を踊る。
直後、上段二時の方向から衝撃が来た。
あろうことか、放り投げたルサルカを追い越し、メリュジーヌが殴りつけたのだ。
その勢いで、今度は下段八時の方角にルサルカが吹き飛ぶ。


「げほッ!!」


大地へ落下するルサルカにメリュジーヌが再び追いつき、今度は下段から蹴り上げた。
みしみしと蹴りがめり込み、サッカーボールの様にまた上へと蹴り上げられる。
とても影を操る余裕はなかった。人(ルサルカ)にとって空は、死の世界だった。



「ごぇ……ぎゃッ!ごふッ!げぇえ……あぁあ───ああああああああああ───」



手刀、突き、掌底、貫手、蹴り上げ、蹴り降ろし───
混じり気のない暴力がルサルカの全身を蹂躙する。
まるで、ミツバチの群れに群がられる雀蜂の状態──蜂球の様だった。
それをたった一人で、残像すら残る速度でメリュジーヌは成し遂げていた。
全身の骨を砕き、宝具で以てトドメを刺す。
私を相手に過去を騙った、自身の醜悪さを呪いながら逝くがいい。
ドス黒い憎悪と殺意を胸に、メリュジーヌはルサルカの元へと突き進む。




「お、ねが……も、やめ────……」



腫れあがった顔で、ルサルカは懇願の声を上げるが。
そんな彼女に、メリュジーヌが抱いたのは、もう遅いという感情だった。
元より殺さない選択肢は存在しない。
凍り付いた眼差しはそのままに、トドメの刺すべく宝具の開帳に移行する。
照準はルサルカが今迄これだけはと、必死に守っていた日記だ。
あれを破壊すれば彼女にとって致命となる。
ならなくとも、そのまま胴体をぶち抜いて終わりだ。
それで死なない様であれば、首を落としても良い。
一片の慈悲も無く。
竜は魔女を殺す、死刑執行の断頭刃へと変貌する───!



「───敵、生命境界、捕捉」



手甲から、内包されていた刃が飛び出す。
ルサルカの食人影ですら枯れ木の様に切り裂く、硬度と鋭さを備えたメリュジーヌの槍。
それをルサルカの握る日記と、ルサルカに狙いをつけ、吶喊。
音の速度を一瞬で突破し、目の前の敵手を貫きにかかる。



「たすけ────」



その時、魔女(ルサルカ)が誰に助けを求めたのか。
竜(メリュジーヌ)には分からなかった。
メリュジーヌ自身か、愛しきものか、仲間か、それとも通りすがりの、都合の良い誰かか。
だが、竜にはそんなこと、どうでも良く、関係のない話だった。
放たれた弓矢の様に、二人の距離は縮まり、竜の穂先が魔女を貫こうとしたその時───、



────黒・魔・導・爆・裂・破(ブラック・バーニング)!!!



爆炎が、メリュジーヌとルサルカを見舞った。
横合いからの奇襲に、さしものメリュジーヌも動きを止める。
ルサルカも巻き添えを食ったのか、服や体を焼け焦げさせながら吹き飛んでいく。
五体全ての骨を砕かれ、臓腑も幾つか潰した。
間違いなく致命傷で、あの女の生命力の高さを考慮しても直ぐに遠くへはいけない筈。



「……いい度胸だ」



ぐりんッ!と。
魔術の砲撃が飛んできた方向へ顔と首を動かす。
その方角には、桃色を基調とした煽情的な服装の魔術師がいた。
だが、その姿を認めて数秒、本当の目標ではないとメリュジーヌは看破した。
変わらぬ氷点下の殺意を全身に漲らせ、彼女は無言で高度を上げた。
最強の妖精騎士の次なる戦端が幕を開けた瞬間だった。





         ■     ■     ■



メリュジーヌとルサルカが交戦を開始した同時刻。
古手梨花とサトシの二人は同じエリアに足を踏み入れていた。
梨花の足取りは重かった。
この近辺に、シカマルと言う少年がいる。
彼に会えば、きっと北条沙都子が殺し合いに乗っているかハッキリするだろう。
そう考えると、会うのは気が重かった。
だって、自分にとって望む答え…沙都子が殺し合いに乗っていないという答えは。
きっと、九割方待っていない。胸の内では、そう確信していたから。
だが、同時にハッキリさせなければ前へは進めない。
その想いも強く胸の内に在った。


「梨花…大丈夫か、疲れてないか?」
「大丈夫なのですよ。ボクには部活で鍛えた体力があるので、にぱー」


足取りの重い梨花に合わせるように歩き、サトシが尋ねてくる。
旅をしていて体力には自信があるサトシとは違い、梨花の身体の線は目に見えて細い。
ついでに言えば、凹凸も壁と見紛う程平らである。
そんな自分を気遣っての言葉だろう、と、梨花も直ぐに考えが及んで、笑みを返す。
空元気に近かったが、百年間通してきた演技だ。こんな時でも淀みない。


「私の知り合いは沙都子だけですー、サトシも知り合いが来ていない様で良かったのです」
「あぁ、みんなが連れてこられてなくて良かったよ。ピカチュウと一緒だから心強いしな」


梨花にとって、この地に連れてこられた知り合いは沙都子一人だけで。
サトシにとっては、人間の知り合いは一人もいなかった。
それについては間違いなく朗報だったと言えるだろう。
だが、梨花の表情はあまり明るくない。
見かねたサトシは、僅かな間を置いて尋ねた。


「………梨花は、やっぱり沙都子の事が気になるか?」


その問いかけに、言葉に詰まってしまう。
気にならない筈がない。百年間苦楽を共にしてきた、北条沙都子が。
一緒に奇跡を成し遂げた掛け替えのない仲間が、自分を地獄に叩き落した張本人で。
この殺し合いの儀式の中でも、凶行を及んでいるなんて、梨花は考えたくなかった。


「はい……沙都子は…僕の親友なのですよ」


もっとも、この島に連れてこられる前に、大喧嘩をしてしまいましたが。
そう言って表面上は普段通りに、しかし力なく梨花は笑った。
どうしても考えてしまうからだ。
沙都子が殺し合いに乗っていた場合、自分はどうするべきなのか。



「沙都子は多分、この殺し合いも部活の延長だと考えていると思うのです」



人一倍勝利に貪欲だった沙都子の事だ。もし殺し合いに乗っているのなら。
この殺し合いも、部活の延長線上として、ゲームの様に優勝を目指しているのだろう。
ただでさえカケラ渡りは正常な倫理観を破壊する。梨花もそれは良く知っている。
壊れた倫理観で、勝つことを目指す沙都子を止める方法は果たしてあるのだろうか。
古手梨花の魔女としての側面が、風見一姫の言う様に殺すしかないのではないか?と囁き。
北条沙都子の親友だった梨花の側面が否定する。しかし、代案は未だ思いつかない。
表情が暗くなるのも、無理はない話だった。



「……そっか、でもさ。二人は親友だったんだろ?」



そんな梨花を励ますように、サトシは肩に乗るピカチュウを撫でながら告げる。
頭を撫でられるピカチュウは気持ちよさそうに瞼を細めてほほ笑む。
一瞥するだけで、一人と一匹が強い絆で結ばれているのが見て取れた。


「俺とピカチュウも、最初は全然上手く行ってなかったけど…今では最高の相棒なんだ。
だから……二人でちゃんと話しあえば、また仲直りできると思うんだよ」


勿論、俺とピカチュウも協力する。
サトシは、梨花に力強くそう告げた。
肩に乗るピカチュウもピッカァ!と元気よく鳴き声を発し、頷いている。
そんな二人を見ていると、梨花も不思議と身体の奥から力が湧いてくるようだった。



「…そうね、良くも悪くもあの子は変わってない。ただの勉強嫌いのクソガキだったわ。
それなら、ちゃんと話し合えば…せめて此処だけでも協力できるかもしれないわね…」




最後に殺し合いながらお互いの心情をぶつけ合った時。
北条沙都子は本当に良くも悪くも、何も変わっていない様子だった。
雛見沢症候群を罹患している訳でも、誰かに操られている訳でもない。
ただ意固地になっているだけで、話が全く通じない相手では無かった。
なら、説得次第で一時停戦位は望めるかもしれない。
あの子、絶対そういうノリ好きだし。そこまで考えて、くすりと笑った。



「──サトシのお陰で元気が出ました!ありがとうなのです!
そうと決まれば、急ぎましょう!もうすぐここも禁止エリアになってしまいますから」
「あぁ、もうすぐ港が見えてくるところまで来てるし、急ごう!」



にぱーと、調子こそ何時もの猫を被ったものだが、笑顔は屈託のないモノを浮かべて。
ジョギングの様な所作を行い、急ぐように促した。
何せ先ほどの放送で既にここは禁止エリアだと告げられている。
シカマル達が近辺に居るのなら、嫌でも移動を始めているだろう。
であれば、今が最も遭遇できる可能性が高いのは自明の理。
今を逃せばこのエリアから離れてしまうだろうし、首輪が爆発して梨花達も死んでしまう。
故に、まだ二時間近く時間はあるが、急がなければならなかった。
てててて、と駆けながら、梨花は考えを巡らせる。


(そうね……沙都子(あのこ)が一番乗って来そうなやり口は……
テストの点数や、課外活動の評価を部活の様に競うのはどうかしら)


聖ルチーアにおいて、穏当に、共に歩むことができないのなら。
あえて憎まれる事で、好敵手(ライバル)として沙都子と関係を再構築する。
沙都子の勝負ごとに対する執着を利用するのだ。
不意に浮かんだ考えだが、不思議と上手く行きそうな気がした。
もしかしたら、そんなカケラが実際にあって、その残滓を感じ取ったのかもしれない。
今なら、沙都子が例え殺し合いに乗っていたとしても、その事実を直視して対峙できる気がした。


「先ずは全部をハッキリさせて──その後は、サトシ達の力を借りてでも、沙都子と話す」


サトシのお陰で、自分の心持の態勢が整った気がした。
ふん縛って、参考書を口の中に突っ込んででも先ずは彼女と対話する。
そう、強く強く決意を胸に、意志を表明した、その時の事だった。




鋼鉄の暴風とけたたましい破壊音が、周辺に響いたのは。




「───梨花ッ!!」



先ほどより緊張を露わにした声と顔で。
サトシが、梨花の手を掴む。
そして、有無を言わさず一番近くにあった民家の塀の影に二人そろって身を隠す。
緊張が走り、ドクドクと生命の危機を感じ取った心臓が鼓動を早める。
それを落ち着けてから、二人は意を決して、建物の影から音のした方向を伺った。


「な……何あれ………」


二人が目にしたのは、目を疑う光景だった。
赤毛の軍服を纏った少女が、空で銀髪甲冑の少女に嬲られている。
落下する事も出来ずに、全身を滅多打ちにされている少女の姿は遠目に見るだけでも心胆を一気に冷やす光景だった。
数秒ほどその様を呆然と見つめた後、サトシがある事に気づく。
銀髪甲冑の少女には、見覚えがあった。


「梨花、あれって……」
「……えぇ、沙都子と一緒にいた子だわ」


サトシの言葉に、苦虫を?み潰したような顔で梨花は応える。
あの目立つ格好に、人間離れした美貌。沙都子と一緒にいた少女だ。
確か名前は…メリュジーヌと名乗っていたか。
近場に沙都子がいない様だが、間違いないだろう。


「当たって欲しくない予想が、当たってしまったかもね……」


吐いた言葉は、実に苦々しい物だった。
あの様子であれば、メリュジーヌは殺し合いに乗っていると見て間違いないだろう。
赤毛の少女が襲った側であるなら、当に勝負はついている。
撃退するだけなら、全身の骨を砕く勢いで痛めつける必要はないからだ。
そして、そんな彼女と行動を共にしていた沙都子も恐らくは………



(今は一人みたいだし、沙都子は騙されているだけ、という線も無くはないけど……
それなら今度は沙都子が今も生きているのか怪しくなる、か………)


浮かんできた可能性は、何方も梨花にとって喜ばしい物では無かったし。
これ以上思索した所で、応えはあの騎士少女に問わなければ答えはでないだろう。
かぶりを振って、考えを切り替える。
問題は、これからどうするか、だ。


「……止めないと」


梨花が沙都子の事を考えている間に。
サトシは既に、目にした光景に対する結論を出していた様子だった。
その表情は強い決意に満ちている。
彼の肩に乗るピカチュウも、それは同じだった。


「ダメよサトシ、幾ら何でも無謀だわ」


猫を被る事を辞めて、梨花本来の口調で、サトシを制止する。
サトシの実力を疑っている訳ではない。
でも、幾ら何でもメリュジーヌを相手にするのは危険すぎる。
放送前に襲われた孫悟空という少年と比べても、なお強いだろう。
速さは同じくらいでも、体さばきは比較にならない。
下手に助けに入れば、此方も巻き添えを食う。
それが梨花の見立てだった。



「でも、放って置く訳にはいかないだろ。
俺も、何も勝負しようとは思ってないさ。それよりも………
さっき、梨花に支給されたあれ、貸してくれ」



サトシが譲渡を求めた物は、此処に来る道すがら確認した梨花の支給品だ。
梨花にとっては使い方すらピンと来ないが、サトシにとっては切り札になり得るアイテム。
渡しても惜しくはないが、それでも譲渡にあたって梨花の表情には躊躇があった。
そんな彼女に向けて、もう一度サトシは「頼む」と、要請を行う。


「大丈夫だ、約束する。梨花も、ピカチュウも危ない目に会わせるつもりは無いよ。
ただ……もしあいつが俺達に気づいて追ってきたら、きっと必要になる」


そう言われては、梨花も反論しようがなかった。
元より自分が持っていても意味のない道具だ。それならサトシ使ってもらった方がいい。
無言でランドセルから件の支給品を取り出し、サトシに手渡す。


「………それで、どうするの?」


渡された支給品を手早く身に着けるサトシを眺めながら、素の梨花の口調で問いかける。
メリュジーヌとの距離は五百メートル以上離れている。
ピカチュウの電撃の射程距離は、多分そんなに長くは無いだろう。
となれば、近づけなければならないが、そうなるとどうしてもあのメリュジーヌに近づかなければならない。
そこは最早死地だ。この距離であっても、安全であるとは言い難いのに。


「あぁ、ピカチュウもあれだけ強くて、しかも離れても相手を狙うのは難しい。
だから……これを使うんだ」


彼はポケモントレーナーであって決闘者ではなかった。
だから、可能なのかは間違いなく未知数だった。
それでも…目の前で危機に瀕している人がいれば放って置けない。
それが、ブラックマジシャンガールのカードを梨花の前に翳す、サトシと言う少年だった。





         ■     ■     ■




目論見は、半分は成功した。
呼び出したブラックマジシャンガールは、見事に作戦を遂行したのだ。
正確に放たれた魔力砲によって、メリュジーヌから、赤毛の少女を引き離した。
爆風によって、赤毛の少女が吹き飛んでいくが、今はサトシ達も気にしている余裕がない。
少女が生きているかは、祈るほかなかった。
今はただ、メリュジーヌの目標を此方に引き付ける事を優先する。



「よし、梨花、離れ───!」



後はこの場を急いで離れる。
敵はブラックマジシャンガールの方に気を取られて、サトシ達には気づいていない筈。
使用者が一定距離離れればカードから現れたモンスターは消滅するそうだから、
このままブラックマジシャンガールが殺される前にこの場を離れれば、犠牲者は0で済む。
その算段だった。急ごしらえとは言え、悪くない作戦だっただろう。



「……飛び上がった………?」



姿勢を低く、できる限り補足されにくい様にしながら、メリュジーヌの様子を伺う。
彼女は攻撃を受けて直ぐ、ブラックマジシャンガールに襲い掛かる真似はしなかった。
ただ、まるで「そらをとぶ」の様に更に高度を高く飛び上がって、そして静止した。
───まるで、高所から何かを探すように。



「────!!!ヤバいッ!ブラックマジシャンガール!!」



それは、サトシがメリュジーヌの意図に気づいたのとほぼ同時だった。
彼女(メリュジーヌ)は、ブラックマジシャンガールがカードによって呼び出された存在だと気づいている!
視線と視線が交錯する。
メリュジーヌの爬虫類めいた目と、目が合った。
見つかったと、瞬時に判断。こうなれば、腹を括るほかない。
ブラックマジシャンガールを呼び戻しながら、迎撃の態勢を整える。


「梨花…ごめん。結局こうなっちゃって」
「…いいわ。私も何となく予感はしてたし。あの子に聞きたい事もあるし。
その代わり、絶対に二人で切り抜けるのです。にぱー」


立てた算段を遥かに超える相手だった事をサトシは梨花に詫びた。
そんな彼の謝罪を、梨花は責めなかった。
ここまで連れてくるように頼んだのは自分自身だし。
責めた所で、何も状況は好転しない。
元より戦う力のない彼女にはサトシを信じる他ないのだから。
当初の計画は破綻したが、梨花の目に映るサトシの表情は未だ信頼に足るものに思えた。
迫りくる怪物を相手にしても、サトシの瞳に怯えは無く。
ただ強い意志だけを秘めた───歴戦のチャンピオンの目をしていた。




         ■     ■     ■




サトシの目論見は、きっと成功していただろう。
メリュジーヌが数時間前、カードから呼び出された星屑の竜を相手にしていなければ。
ブラックマジシャンガールの容姿が子供であったなら。
メリュジーヌはサトシの想定通り、ブラックマジシャンガールと交戦を開始していた。
だが、彼女は既に知っていた。
強力な幻想種を呼び出すカードが、参加者に支給されていることを。
そして、まず真っ先に目に入ったブラックマジシャンガールの容姿は、
これまで自分が出会ってきた参加者の共通した特徴と合致しない。
首輪も、参加者に嵌められている物とは大きく違っていた。
これ等の情報から、メリュジーヌは突然現れた魔術師をあの星屑の竜と同じ召喚獣だと判断した。



「見つけた」



召喚獣であるなら、呼び出した人間がそう遠くない位置にいる筈。
そう考えて高度を高くとっての索敵だった。
予想通り此方の様子を伺っている子供が二人、見つかった。
少年の方の行動は、迅速だった。
見つかったと判断するや否や、陽動役として前に出していた女魔術師を呼び戻した。
瞳の彩も冷静。戦う覚悟を既に決めている様だった。



「もう一仕事、働くとしようか」



両手の手甲から、『今は知らず、無垢なる湖光』を伸ばす。
目標との距離は一キロ近くある。
例え人智を超えた知覚能力を有するサーヴァントであったしても。
索敵スキルがないサーヴァントであれば、距離を詰めている間に近辺の民家に身を潜められれば探すのはそれなりに骨だっただろう。
だが、二人の子供達にとっては不運な事に相手は最強の妖精騎士。
その飛行速度は音速を優に超える。
制限下であっても、一キロに満たない距離であれば、数秒で到達可能だった。



「悪くない判断だ」



メリュジーヌは、追撃を行わず女魔術師を呼び戻した少年の判断を賞賛した。
女魔術師の魔力砲では自分を止められないと判断したのだろう。
その見立ては、決して間違っていない。
全身から魔力を放出、一秒でその速度は音速を超える。
先ほどまで小さな人影だった少年少女の顔立ちすらはっきりと見える距離まで駆け抜ける。
そして、黒髪の少年少女の前に、ドン!と。
右膝と左手を大地について、着地。
誅罰に横やりを入れた二人の“標的”と対峙した。


■     ■     ■


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