『だんきちのバクチン大作戦!!』( - だいさくせん)はRPGツクール2のサンプルゲーム。作者は当時のファミ通編集者の桃栗たき子。
概要
16歳の不登校児が美少女を彼女にするためにRPGツクールの使い方を学ぶという内容。ツクール2の説明書の内容にスポットが当てられ、ゲーム作りの概要が説明される。RPGとしての要素ももちろん兼ね揃え、物語の三日目までは屋内の探索に留まるが、四日目からはフィールドに出て本格的な冒険をすることになる。
ボリュームが大きいが、ところどころに容量節約の工夫も散見される。また、攻略本に載っている制作日記が面白くて参考になるとのこと。
ストーリー
序章
主人公のだんきちは16歳の不登校児。不機嫌な母親に叩き起こされて街へ赴くと、「ミス・ズビズバコンテスト」なるミスコンが開催されている。優勝者のミナヨに話しかけてみると、彼女の趣味はRPGで、「ジュン♡」とさせてくれるようなゲームを探し求めているという。そして彼女の好みに合うゲームを求めてゲーム屋を訪れると、「自分でロマンチックなゲームを作って彼女にプレゼントできる」ということでRPGツクール2を勧められ、言われるがままに購入する。
その後、家に戻ると妹のヒナコはRPGツクール2に興味津々で、二人でRPGを作る流れになる。しかし、ヒナコがツクールのマニュアルをだんきちに読み聞かせていると、突如謎の二人組が現れてだんきちを連れ去ってしまう。
一日目
気が付くとベッドで寝かせられており、そばにいるモモグリという人物から状況を説明される。自分たちのいる場所はツクール学園で、モモグリは教師だという。そしてだんきちを学園に誘拐するように指示した園長のアントニオ石木に会い、さらなる説明を受ける。いわく石木は最強のRPGを作る研究をしていたが行き詰まってしまい、代わりにRPGツクール2を発売することで熱意ある購入者にノウハウを授けようと考えた。卒業時には作品を制作してもらい、石木を満足させる作品を作ったものには1,000,000ゴールドが支払われるという。そうして一日目は主人公や乗り物の設定、初期位置、BGMや所持金の設定についての授業を受ける。
その夜、寝ていると同室のゴリサクに起こされ、下の階から薄気味悪い声が聞こえるということで一緒に様子を見に行くことになる。エンゼルのカギを使って閉鎖された通路の先へ行ってみると、コザワケンジという人物が閉じ込められていた。コザワは現在地がヘチマ島なる南の離島であると教えると、そのまま元いたリゾートホテルへと去っていく。そしてだんきちたちも自室へ戻ろうとするが、コザワを気に入っていたモモグリが待ち構えており襲われる。戦闘に勝利すればひとまず見逃される。
二日目~三日目
二日目の授業内容はマップの作成とイベントの作成について。しかしその夜、今度は同室のヌポノスケに起こされ、井戸の前で泣いている世話役のチサトに事情を聞きに行く。チサトは井戸に大切なものを落としてしまったといい、二人は井戸の下に降りてあぶらとりがみを持ち帰る。するとお礼にガーターベルトを渡され、気絶した仲間に使えると説明される。だんきちはヌポノスケにチサトへの思いを打ち明けられ、一晩だけガーターベルトを貸してしまう。
三日目はスイッチについての授業を受け、授業後は級友のタクヤに無理やり加わってヤイキキビーチへと遊びに行く。しかし到着後に別行動をとっていると、浜辺でミナヨと一緒にいるタクヤを発見。かと思いきや、学園へ戻った夜、タクヤからはミナヨに振られたことを打ち明けられる。
四日目
四日目は野外授業。だんきちは寝坊で出遅れるも、モヒカン大陸へと出向いて5枚のカードを探すことになる。大陸に行くと、まずカードの一枚は民家の赤ん坊が持っている。次に、借金を取り立てられている中島という船乗りの男と出会い、一方で寝たきりの老人と出会う。そこで、悪魔の森にいるハラポンというモンスターから死神の薬を手に入れ、老人に渡すと300,000ゴールドが報酬として手に入る。その金を中島に渡すと彼の借金は完済され、お人よしのバカ呼ばわりにはされるものの、ほら貝を渡されて船を自由に利用できるようになる。そうして船を使って海を渡ると、孤島に取り残されたタクヤを救出することで二枚目のカードが手に入る。
仲間と合流しようというタクヤの提案でルクソール城へ行くと、ゴリサクは踊り子のゴリ子として働いており、RPGを作ることはやめたと告げてくる。しかしその場を去ろうとすると止められ、ゴリサクは心変わりしてついてくることになる。だんきちはゴリサクから三枚目のカードを手に入れる。そして城主に会うと、ゴリサクに「ほんものの愛」を教わった礼としてカラオケマイクを渡され、これでだんきちは飛行船を使えるようになる。
飛行船を使って山に囲まれた場所に行くと、ヌポノスケはタマヨという老婆の前で踊りを踊らされていた。タマヨはタクヤに対して「愛のマッサージ」をするように求めるが、激昂したゴリサクに「このババア殺しちゃって」と提案され、ヌポノスケも加わって戦うことになる。このときにヌポノスケから四枚目のカードを手に入れる。そしてタマヨババアと部下のマツモトを倒すとろうやのカギが手に入り、牢からチサトを救出すると五枚目のカードが手に入る。こうして五枚のカードが揃い、それぞれに一文字ずつ記された文字を繋げて完成するキーワード「スルメイカ」を石木に報告。さらに石木との戦闘に勝利すると、だんきちたちは卒業を認められる。
終章
その後、だんきちはRPGを完成させて1,000,000ゴールドを獲得し、金の力でミナヨのハートを射止めることに成功する。しかしやがてRPGツクール3が発売されると、ミナヨのためにそれを購入したことで再びツクール学園へと連れ去られる。
登場人物
- だんきち - 主人公の不登校児。ツクール学園に誘拐されRPGの作り方を学ぶことになる。
- ミナヨ - 本作のヒロイン。彼女を「ジュン♡」とさせるRPGを作り上げることが本作の目的になっている。
- ヒナコ - ツクールを買ってきただんきちにマニュアルを読み上げてくれる妹。RPG作成の大まかな流れを教え、オリジナルRPGのアイデアも授けてくれるが、その内容は同じく桃栗たき子の作品、サテラビューで配信されていた『うまたろうのゲンナリン大冒険』のストーリーだという。
- モモグリ - ツクール学園の教師。その名の通り作者の桃栗たき子その人のようだが、一日目の夜に敵として相対することになる。
- アントニオ石木 - ツクール学園の園長。ラスボスの役割も兼ねる。野外授業クリアのキーワードとなるスルメイカは石木の好物。
- チサト - ツクール学園の寮で学生たちの世話役を務める18歳のお姉さん。スリーサイズは92・56・87。
- ゴリサク(ゴリ) - ツクール学園の級友。忍者の姿をしているがオネエ口調。だんきちに対して好意的に話す。ルクソール城で踊り子のリンダに憧れて同じ職業を志し、RPG制作の道を諦めそうになるも、だんきちや仲間たちへの思いに繋ぎ止められる。
- ヌポノスケ(ヌポ) - ツクール学園の級友。語尾に「ヌポ」を付けて話す。一日目の授業では寝ている。
- タクヤ - ツクール学園の級友。髪の長い美形の男で、それまで女性に振られたことはなかったが、ミナヨに振られることとなる。だんきちのことを邪険に扱うが、野外授業を経て二人の間に絆が芽生える。
- ねたきりジジイ - モヒカン大陸で病に臥せっている老人。悪魔の森のハラポンから手に入る死神の薬を服用すると、若返って赤ん坊になってしまう。
- タマヨ(タマヨババア) - 金の力でしもべを抱え、愛に飢える老婆。ヌポノスケをしもべにし、タクヤをも誘おうとする。
外部リンク
- 【TAS】RPGツクール2 だんきちのバクチン大作戦!! 31:51 - ニコニコ動画
- RPGツクール2 サンプルゲーム だんきちのバクチンだいさくせん!!-RPGツクールの森
- RPGツクール2 - ゲームカタログ@Wiki ~名作からクソゲーまで~ - アットウィキ