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がったいじこにきをつけて

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がったいじこにきをつけて ◆piKeR1obXI


 C-4の街に入ったテリー(ドラゴンクエストモンスターズ)は、
 大通りに面した商店街に、邪教の館を発見した。八百屋の隣だった。

「なんだここ、こんな普通の街のド真ん中に立ってていいような施設かよ」
≪アクマがつどいし じゃきょうのやかた に ようこそ≫

 入ってみると、やかたのあるじが出迎える。

「悪魔……!?」

 ここで解説しておくと、
 邪教の館とは女神転生シリーズのゲームに登場する配合施設のようなものだ。
 悪魔を合体させて新たな悪魔を作りだす倫理的に恐ろしいことをする場所であり、ゆえに邪教の館なのだ。
 でもそんなこと言ったら最近のソーシャルゲームなんて
 悪魔を悪魔に食わせるどころか天使のエサにもできるし、なんならアイドルをアイドルの餌にしたりできるけどね。

 元となるゲーム、女神転生が参加しているかどうかは分からないが、
 モンスター系のゲームとのシナジーを期待されてか、
 邪教の館は主催たるニンテンドー3DSの手によって施設として設置されていたらしい。

≪なんの ようかな?≫
「あ。えっとここってタマゴの孵化とかってできます?」

 持ち前の配合システムのおかげで邪教の館についてすぐに理解したテリーは、
 せっかくなのでポケモン赤との戦いの果てにゲットしたなぞのタマゴをやかたのあるじに見せてみた。
 邪教の館は悪魔合体以外にも、スタータスの確認や治療などもすることができる。
 タマゴの孵化だってもしかしたら出来るかもしれない。いや流石に出来ないかもしれない。

≪できるぞ≫

 出来た。

「あっじゃあよろしくお願いします」
≪ただ せんきゃくがいる かれのようじがおわったあとだ≫
「……先客?」
「――――おっと、ごめんよ!」「うわ!」

 と、やかたのあるじが気になることをテリーに告げたのとほぼ同時、
 ときメモで突然ぶつかってきて無理やりフラグを立ててくる女キャラみたいな勢いで
 男が館の奥から出て来たかと思うと、テリーの肩にぶつかってきた。
 振り返って文句を言おうとしたときにはもうどこかへ行ってしまっていた。
 あまりにも一瞬のことだったので、緑の怪獣っぽいきぐるみを着ていたことしか分からなかった。

「な、なんだあいつ……」
≪では タマゴを ふか するぞ≫
「あっ頼みます」

 微妙に痛む肩を押さえながらも、
 テリーはタマゴ孵化への期待が勝ち、先のきぐるみ男から意識を逸らした。

「さて、リザードンとリザードマンを配合したことになったとすると……。
 いったいどんなかっこいいモンスターが生まれるんだろうな! ワクワクが止まらないぞ!」

 そして奥の部屋でタマゴは光輝き、モンスターが生まれた。






       /ニYニヽ
   (ヽ   /( ゚ )( ゚ )ヽ   /)
  (((i ) /::::⌒`´⌒::::\  ( i)))  でっていう
 /∠_| ,-)___(-,|_ゝ \
( ___、  |-┬-|    ,__ )
    |    `ー'´   /´
    |         /

「なにこれ」
≪でっていう だな≫

 テリーは3秒ほど唖然とした。
 タマゴから出てきたのは、どこからどうみても煽り顔ダブルおちょくり指のヨッシーだったからだ。
 なんというか、がっかりだった。恐竜だし、モンスターカテゴリだけなら配合元と近くなくもないのがさらにムカつく。

「――あのすいません、なんか配合できる悪魔って余ってます?」
≪シヴァとかしか いないが≫
「なんでもいいんでこいつに配合しましょう」

 若干気の抜けてしまった顔のテリーは、ぶっきらぼうに目の前の恐竜へと悪魔を合体させていくことにした。
 果たして配合が終わったとき、でっていうの原型は残っているのだろうか。それは神のみぞ知る。

 ところでどうしてタマゴからでっていうが出てきたのだろうか。それはもちろん、でっていうのタマゴだったからだが、
 つまるところ、タマゴがすり替えられていたからなのだが――では本物のタマゴはどこに行ったのかって?


【C-4 邪教の館】

【ドラゴンクエストモンスターズ】
【状態】疲労(中)、踊る宝石&ぶちキング(死亡中)同行
【装備】でっていう
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:生き残る。戦力が整うまでは慎重に動く
2:でっていうってなんだよ配合すんぞおらー
※外見はテリー@テリーのワンダーランドです。



 テリーが持っていた本物のタマゴは、今はC-4の街中を走る緑恐竜きぐるみ男、
 ヨッシーのたまごの手の内にあるのだった。

「いやー思わず交換しちまったがww これ何が生まれるんだろうな!」

 パズルゲーム、ヨッシーのたまごは「交換」がそのゲームシステムの一つのキモだ。
 まず上から落ちてくるクリボーやらテレサやらの敵キャラを、下にある4つの受け皿に詰んでいく。
 その受け皿をプレイヤーはひょいっと左右交換。どの皿にどの敵を積み上げるかをこれで調整。
 そして同じ敵を連続で同じ皿に積んだり、タマゴの上カラと下カラではさむなどして消していくゲームなのだ。
 だからこのカセットロワにおいて、ヨッシーのたまごは「交換」に関する能力を持つ――、
 と、ここまでの説明からはそう連想してしまうだろうが実はそうではなく、彼の能力は「でっていうタマゴの生成」にすぎない。

「それにしてもいい支給品をもらったなwwww」

 交換は、支給品によって行われた。
 邪教の館ですれ違ったあの時、ヨッシーのたまごはとある支給品をテリーに使用したのだ。
 テリーからタマゴをかすめ取り、代わりにでっていうのタマゴを押し付けるに至った、その支給品。
 銀色のケーブルの両端に差し込みプラグがついているそれを、ゲームボーイユーザーなら知っているはずだ。
 そう、通信ケーブルである。
 ヨッシーのたまごは通信ケーブルをさりげなくテリーに触れさせ、一瞬でタマゴを交換したのだ。
 通信ケーブルで最初に通信できたときの感動って忘れたくないよね。

「これでww 特に役にたたない俺のタマゴといろんなアイテムを交換wwww
 最終的に最強アイテムで俺無双www 勝利wwww いけますわこれ!」

 溜めて溜めて一気に爆発させるのがパズルゲームの醍醐味とはよく言うが、
 ヨッシーのたまごもその例に漏れず、まずは爆発への下準備――無双の材料を集めることを意識したらしい。
 積み上げすぎてデッドラインを割るその寸前の興奮は確かに殺し合いのスリルにも似ていよう。
 まあ積みすぎて詰み(死亡)になるようでは結局意味がないのだが……と、

『私の名前は『ファイナルファイト』! 『最後の戦い』の名を持つ者である!
 私はここで待つ! 決して逃げない! どんな相手であろうと相手になろうではないか!
 さあ、戦おうではないか!! 君たちとの『最後の戦い』を!!!!!』


 さらなる積み上げを求めて街を走るヨッシーのたまごの耳に、暑苦しい拡声音が響いた。


「おおーう?w なんか先走ってる感じの声が聞こえたwwww」

 それはファイナルファイトによる参加者への宣戦布告だった。
 ヨッシーのたまごがこれに対しまず抱いた感想は、こんな始まったばっかでずいぶん早漏だな、だった。 
 積み上げを優先するヨッシーのたまごからすればここで無策の正面戦闘をしてクリアを遠ざけるなど愚の骨頂だ。
 よほどの戦闘狂か、自信過剰から生まれた行動と言えよう。しかし。

「はやいはやすぎるwww ……でも……面白いかもw」

 ――ヨッシーのたまごは、にやりと笑いながら、
 脇に抱えるなぞのタマゴにちらりと目線をよせた。
 そのタマゴは、

 なかから おとが きこえる!
 もうすぐ うまれそう!

 の状態になっている。テリーは孵化に際し、なにも施設を利用しなくてもよかったのだ。
 ポケモンのタマゴが混じったのであれば孵化に対して行うべきはただ走り回ること、それだけだった。

「もしこのタマゴから生まれるがすげーのだったら……w 試してみてもw いいのでは?w」

 ピキ、とタマゴがカケラ割れた音に、
 ヨッシーのたまごはヨッシーらしく舌を出して、この先の展開を吟味する。


【C-4 市街地】

【ヨッシーのたまご】
【状態】健康
【装備】なぞのタマゴ(孵化間近)
【道具】支給品一式、通信ケーブル
【思考】
1:積み上げて積み上げて……ドーンwwwwww
2:拡声器かーどーしよっかなー
※外見はヨッシーのきぐるみを着た男です。
※通信ケーブルで誰かと触れることで物の交換とかができる
※能力は「でっていうのタマゴを生成」、上カラと下カラで何かを挟むと?



 ところで通信ケーブルの話でひとつ語ることがあるとすれば、
 ゲームボーイのころの通信機能はまだまだ不安定だったということだ。


    __
   /  \
  /    \
  /      ∧ ピキ……
 ∧       ∧
 | \ヘ∧/\/ |
 |          |
 ヽ        ノ
  \____/


 ちょっとでも通信中に変な操作をしたりケーブルを抜いたりしたら通信は上手くいかず、
 下手をうてば通信したものがバグって大変なことになってしまったり、する。


    __
   /  \
  /    \
  /      ∧ パキ……
 ∧       ∧
 | \ヘ∧/\/ |
 |          |
 ヽ        ノ
  \____/



 ただでさえ別々のシリーズのモンスターをきらきらきっずが無茶に配合して出来たタマゴ。
 それをさらに、ヨッシーのたまごは通信ケーブルによって無理やり交換した。……そんなことをして。

    __
   /  \
  /    \
  /      ∧ ぎょろ。
 ∧       ∧
 | \ヘ(●)\/ |
 |          |
 ヽ        ノ
  \____/

 そんなことをして産まれてくる“それ”が、ヨッシーのたまごが望むような動きをしてくれるかは、
 正直なところ不安にもほどがあるところなのだけれど……?


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