I love baseball ◆OmtW54r7Tc
「ここは…」
それは、パワプロクンポケットが市街地を目指している時の事。
その途上のD-5地点に、そこはあった。
パワポケは誘い込まれるかのように球場へ入り込んだ。
殺し合いの最中とはいえ、野球ゲームとして見過ごすことなどできるはずもなかった。
しばらく歩くと、当然と言うべきかそこにはグラウンドがあって。
観客こそいないが、それは間違いなく野球場であった。
その途上のD-5地点に、そこはあった。
パワポケは誘い込まれるかのように球場へ入り込んだ。
殺し合いの最中とはいえ、野球ゲームとして見過ごすことなどできるはずもなかった。
しばらく歩くと、当然と言うべきかそこにはグラウンドがあって。
観客こそいないが、それは間違いなく野球場であった。
「野球…やりたいなあ」
ぽつりと、そんな本音が出る。
こんな立派な球場があるのだ。
そう思うのは、野球選手として当然だった。
そして、そんな想いが届いたのだろうか。
彼は、現れた。
こんな立派な球場があるのだ。
そう思うのは、野球選手として当然だった。
そして、そんな想いが届いたのだろうか。
彼は、現れた。
「お前は…」
そこにいたのは、野茂英雄…いや、実況パワフルプロ野球'94だった。
パワプロ94は、右手に握ったボールをグッと前に突き出すと、言った。
パワプロ94は、右手に握ったボールをグッと前に突き出すと、言った。
「野球、しようぜ」
その瞬間、パワプロ94の周囲に8人の人間が現れた。
みんな、野球のユニフォームを着ている。
みんな、野球のユニフォームを着ている。
「そうだな、野球選手が野球場でこうして出会ったんだ。やらないわけにはいかないよな」
パワプロ94の言葉に同意するパワポケ。
彼の周囲にも、8人のユニフォームを着た人間が現れる。
彼らは野球の試合を行うために生成された、人格を持たないNPCのような者だ。
それが、この野球場の力によるものか、はたまたパワプロ94とパワポケの能力によるものかは不明だ。
はっきりしていることは、ただ一つ。
野球選手が野球場で出会った以上、この戦いは避けては通れないということだ。
彼の周囲にも、8人のユニフォームを着た人間が現れる。
彼らは野球の試合を行うために生成された、人格を持たないNPCのような者だ。
それが、この野球場の力によるものか、はたまたパワプロ94とパワポケの能力によるものかは不明だ。
はっきりしていることは、ただ一つ。
野球選手が野球場で出会った以上、この戦いは避けては通れないということだ。
「「さあ、プレイボールだ!」」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
30分が経過した。
普通の野球なら9回まで試合をやれば数時間かかるのが普通だが、パワプロでもパワポケでもこれくらいの時間があれば試合は終了する。
そういうわけで、試合が終わった。
その結果は―
普通の野球なら9回まで試合をやれば数時間かかるのが普通だが、パワプロでもパワポケでもこれくらいの時間があれば試合は終了する。
そういうわけで、試合が終わった。
その結果は―
パワプロ94 15 ― 0 パワポケ
パワプロ94の、圧勝だった。
何故パワフルクンポケットは実況パワフルプロ野球'94に勝てなかったのか。
その理由を説明しよう。
何故パワフルクンポケットは実況パワフルプロ野球'94に勝てなかったのか。
その理由を説明しよう。
まず、パワポケは守備と走塁がオートなのだが、この守備と走塁がクソなのである。
なにしろ、キャッチャーゴロやら内野ゴロなんかでも、普通に出塁を許してしまうのである。
そして、長打にしろ内野安打にしろ打った球がワンバウンドするまでランナーが走ってくれないという走塁の頭の悪さである。
これのせいで打ったバッターが問題なく一塁に行けるのに一塁ランナーがむっちゃ遅いタイミングで2塁に走り出してアウトになるということがよくあるのである。
パワポケ94も、近来のパワプロと比べてバランスが悪い部分はあるとはいえ、パワポケのこの守備と走塁はかなりネックなのである。
ホームランさえ打てばあまり関係ないが、パワプロ94のピッチャーはあの野茂である。
そう簡単に打てるものではないだろう。
なにしろ、キャッチャーゴロやら内野ゴロなんかでも、普通に出塁を許してしまうのである。
そして、長打にしろ内野安打にしろ打った球がワンバウンドするまでランナーが走ってくれないという走塁の頭の悪さである。
これのせいで打ったバッターが問題なく一塁に行けるのに一塁ランナーがむっちゃ遅いタイミングで2塁に走り出してアウトになるということがよくあるのである。
パワポケ94も、近来のパワプロと比べてバランスが悪い部分はあるとはいえ、パワポケのこの守備と走塁はかなりネックなのである。
ホームランさえ打てばあまり関係ないが、パワプロ94のピッチャーはあの野茂である。
そう簡単に打てるものではないだろう。
そしてもう一つ、選手の問題がある。
初代のパワポケは、対戦チームが高校野球部しかなく、プロ野球チームを操作できないのである。
いくら優秀な選手を揃えようと、高校野球とプロ野球というこの差を覆すことは容易ではない。
初代のパワポケは、対戦チームが高校野球部しかなく、プロ野球チームを操作できないのである。
いくら優秀な選手を揃えようと、高校野球とプロ野球というこの差を覆すことは容易ではない。
そういうわけで、パワポケはパワプロ94に負けたのだ。
「くっ……そう」
パワプロクンポケットは何故か満身創痍になっていた。
初代の頃はまだ割とおとなしいとはいえ、パワポケは鬼畜なバッドエンドが有名なゲームである。
この初代も、バッドなイベントで彼女が死んだり、甲子園で優勝しないと彼女が死んだりするゲームなのである。
大好きな野球で、圧倒的な大差で負けるというのは、彼にとって死亡フラグ級のバッドイベントなのだ。
初代の頃はまだ割とおとなしいとはいえ、パワポケは鬼畜なバッドエンドが有名なゲームである。
この初代も、バッドなイベントで彼女が死んだり、甲子園で優勝しないと彼女が死んだりするゲームなのである。
大好きな野球で、圧倒的な大差で負けるというのは、彼にとって死亡フラグ級のバッドイベントなのだ。
「くそ、くそう…俺は、この殺し合いに優勝して、リメイクされるんだ!そうして、パワポケ復活の狼煙を上げなきゃいけないんだ!こんなところで死んでる場合じゃないってのに!俺は…俺は!」
「もっとパワポケを…野球がやりたいんだよ!!」
それが、彼の最期の言葉だった。
その右腕は、パワプロ94のスコアボードの得点欄に刻まれた「15」という数字に向けて伸びていた。
その右腕は、パワプロ94のスコアボードの得点欄に刻まれた「15」という数字に向けて伸びていた。
【パワプロクンポケット 死亡】
「死んでる…」
パワプロ94は、呆然とパワポケの遺体を見つめる。
何故彼が死んだのかは分からないが…
何故彼が死んだのかは分からないが…
「彼にとっては、これで良かったのかもしれない」
どうやら彼は、殺し合いに乗っているようだった。
しかし、野球への情熱、愛情は本物だと確信できる。
こんなに野球が大好きな同士が、ユニフォームを血まみれにする光景は、あまり見たくない。
しかし、野球への情熱、愛情は本物だと確信できる。
こんなに野球が大好きな同士が、ユニフォームを血まみれにする光景は、あまり見たくない。
「そろそろ…腹をくくる時が来たのかもしれない」
パワプロシリーズは、パワポケと違って今も毎年ゲームが出ている為、自分がリメイクされるメリットなどあまりない。
故にどう行動するべきか決めかね、なるようになるだろうとマイペースにやってきていた。
しかし、同胞が突然原因不明の死を迎え、その胸には徐々に怒りの炎が灯っていた。
そうして彼の口から、怒りの言葉が紡ぎ出される。
故にどう行動するべきか決めかね、なるようになるだろうとマイペースにやってきていた。
しかし、同胞が突然原因不明の死を迎え、その胸には徐々に怒りの炎が灯っていた。
そうして彼の口から、怒りの言葉が紡ぎ出される。
「3DS、お前を倒す!」
パワプロクンポケットは、自分と同じで野球が大好きだった。
彼はただ、野球がしたかっただけなのだ。
そんな彼の純粋な想いを歪めて狂気に走らせた3DSを、許せない。
3DSは、自分達中古のゲームソフトとは違い現役のゲーム機だ。
倒すのは容易ではないだろう。
しかし、パワプロ94の胸中に不安などない。
何故なら彼は…
彼はただ、野球がしたかっただけなのだ。
そんな彼の純粋な想いを歪めて狂気に走らせた3DSを、許せない。
3DSは、自分達中古のゲームソフトとは違い現役のゲーム機だ。
倒すのは容易ではないだろう。
しかし、パワプロ94の胸中に不安などない。
何故なら彼は…
「野茂だから大丈夫!」
野茂英雄なのだから。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
パチパチパチパチパチパチ
どこからか拍手が聞こえてくる。
パワプロ94は、振り向いた。
パワプロ94は、振り向いた。
「試合、見てました。かっこよかったです」
そこにいたのは―
)/_,,--ー'ー-、
_..-'''"""´` ,,,,,,,,,,, `ヽ
:/ ,,-''~'"´` ゛``‐ 、 、 ヽ
/ _,,-''~_..-‐‐ '"゛"゛`゛``‐ 、`ヽ| ヽ
/ ,-'_,,-''~ / `ヽ| ヽ
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_,,_-_''_~,,-'/ / / / / | | | |ヽ `ヽ :| |
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| i、\i\''~_..--、 i、;;;;;,i > | |
| \ ゝ< i';;;;;;,i ゝ∧ソ /| |
| i⌒ヽ ゝ∧ソ i  ̄ /::| |
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/ | `ー―-、ヽ ノ -―'~ ̄ 、 \
/ / `ーV -‐' ̄ ヽ |
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/`-、 / ヽ||/ ヽ ー、_ノ \
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| ヽ ヽ/ヽ、 人 | |
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( / /\ 入 / | | / ) / \ 人 ?
/ \ ,/ \ l、_ 人_ _,| -‐',/l / `ー、_>-‐'~ |
// 〈 | \ / | ヽ / | | |
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| | | | l、_ 人_ _ _ ,| _/ | |
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顔は美少女な、筋肉ムキムキな女性だった。
パワポケ94は…
A:「ありがとうございます」とお礼を言う。
[> B:「怪しい奴だ」と思い警戒する。
C:「結婚してくれ」と求婚する。
「怪しい奴だ」
パワポケ94は、突然現れたときめきメモリアルを警戒する。
パワポケ94の行動に、ときめきメモリアルは不愉快そうな表情となる。
選択肢を間違えたパワポケ94のもとには爆弾が生成され―
●~* ←この辺に爆弾
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/ \ ,/ \ l、_ 人_ _,| -‐',/l / `ー、_>-‐'~ |
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| | | | l、_ 人_ _ _ ,| _/ | |
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「え?」
いつの間にか爆弾はときめきメモリアルのすぐそばに現れていて、
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; ./ / ,; \/ / / ;. ;:; :.:,
/ / / \(^○^)/ / / キ i^\
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..,.,; `;; ":':....:... .:. ,,:: ..:.::.:..;,.. .从 ::., ;:;..,
" ';:. :,;':.: ' ". ..: . ..:;" ..,.,;;: .:':.,,"'"
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【ときめきメモリアル 死亡】
ときめきメモリアルの死因は、2つ。
一つは、パワプロ94が「警戒する」の選択肢を選んだこと。
警戒心を高めていたパワプロ94は、爆弾が爆発する前にその存在に気付くことができたのだ。
そしてもう一つは、彼の外見が一流のピッチャーである野茂英雄だったことだった。
爆弾を発見したパワプロ94はすぐさまときめきメモリアルに向けて投げつけたのだ。
野茂英雄としてのピッチャーの能力を持っていたからこそそれなりに距離を取っていたときめきメモリアルに素早く遠投することが可能だったのだ。
野茂だから大丈夫。
ちなみに「お礼を言う」を選んでいた場合二人が一緒に行動することになり、「結婚してくれ」を選んでいた場合「嬉しい!」と言って喜んだときメモがパワプロ94を抱きしめ彼の身体を潰していた。
どちらも爆弾は生成されない。
ハズレの選択肢が結果的に自分の首を絞めてしまったのは、皮肉としか言いようがない。
一つは、パワプロ94が「警戒する」の選択肢を選んだこと。
警戒心を高めていたパワプロ94は、爆弾が爆発する前にその存在に気付くことができたのだ。
そしてもう一つは、彼の外見が一流のピッチャーである野茂英雄だったことだった。
爆弾を発見したパワプロ94はすぐさまときめきメモリアルに向けて投げつけたのだ。
野茂英雄としてのピッチャーの能力を持っていたからこそそれなりに距離を取っていたときめきメモリアルに素早く遠投することが可能だったのだ。
野茂だから大丈夫。
ちなみに「お礼を言う」を選んでいた場合二人が一緒に行動することになり、「結婚してくれ」を選んでいた場合「嬉しい!」と言って喜んだときメモがパワプロ94を抱きしめ彼の身体を潰していた。
どちらも爆弾は生成されない。
ハズレの選択肢が結果的に自分の首を絞めてしまったのは、皮肉としか言いようがない。
「爆弾を仕掛けてくるとは…やっぱり敵だったか」
爆散したときめきメモリアルを見て、パワプロ94はそう判断した。
どこの誰が敵なのか分からない。
これからも参加者と接触する時は気をつける必要があるようだ。
どこの誰が敵なのか分からない。
これからも参加者と接触する時は気をつける必要があるようだ。
「さて、行くか」
バットとボールを拝借すると、実況パワフルプロ野球'94は野球場を後にした。
【D-5 野球場付近】
【実況パワフルプロ野球'94】
【状態】怒りと決意
【装備】バット&ボール
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:3DSを倒す
※外見は野茂英雄です。
【状態】怒りと決意
【装備】バット&ボール
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:3DSを倒す
※外見は野茂英雄です。