*
「……ひでえな、こりゃ……」
時空管理局所属の魔導師にして、軌道六課スターズ分隊の隊長。
そんな高町青葉一等空尉が『それ』を見つけたのは、この殺し合いのゲームに放り込まれてから一時間ほどしてからだった。
ちなみにそれまで何をしていかといえば、他に巻き込まれたものがいないか捜索していたのだ。
運良くか悪くか、誰にも会うことはできなかったが。
時空管理局所属の魔導師にして、軌道六課スターズ分隊の隊長。
そんな高町青葉一等空尉が『それ』を見つけたのは、この殺し合いのゲームに放り込まれてから一時間ほどしてからだった。
ちなみにそれまで何をしていかといえば、他に巻き込まれたものがいないか捜索していたのだ。
運良くか悪くか、誰にも会うことはできなかったが。
初めは、それを動物か何かだと思った。
しかし、すぐに違うと気づく。
オイルの匂い。手足がばらばらに砕け散り、顔はめちゃくちゃにつぶされている。しかし、その首に巻かれた首輪が、それが参加者であることを証明していた。
「……ロボット、だよな……」
どう考えても人間ではない。それは理解した。
しかし、それがなんだというのだ。
命の重さに人間もロボットも関係ない。あるはずが、ない。
「……くそっ……命をなんだと思ってるんだ……」
ロボットの残骸を抱きかかえ、運ぶ。このままにしてはおけない。
もう失われた命であっても、せめて弔うことはできるはずだ。
「もっと早く俺がここに来ていればこんなことにはならなかったよな…………今更嘆いても仕方ないのは分かっているが……ともかく、せめて安らかに眠ってくれ」
魔法を使って穴を掘り、その死骸を埋める。墓石でも掘ってやりたかったが彼女―――リボンがついていたからおそらく女だろう―――の名前が分からない。
仕方なかったので『青色のたぬき型ロボット、ここに眠る』とだけ刻んでおくことにした。外見的特徴が書かれていれば、ここに彼女の知り合いがいたときに気づくだろうから。
墓の前に立ち、死者に黙祷。
風が流れ、しばしの時が経過した。
青葉はゆっくりと立ち上がり、心の底から申し訳なさそうな顔で墓に向かって語りかける。
「……もしお前に仲間がいるなら……俺が守ってみせるから、だから……間に合わなかった俺を許してくれ」
ここでの出来事に一切関与していない青葉が責められるべきことではないのだが、彼の性分を考えればこれも仕方ないことといえよう。
しかし、すぐに違うと気づく。
オイルの匂い。手足がばらばらに砕け散り、顔はめちゃくちゃにつぶされている。しかし、その首に巻かれた首輪が、それが参加者であることを証明していた。
「……ロボット、だよな……」
どう考えても人間ではない。それは理解した。
しかし、それがなんだというのだ。
命の重さに人間もロボットも関係ない。あるはずが、ない。
「……くそっ……命をなんだと思ってるんだ……」
ロボットの残骸を抱きかかえ、運ぶ。このままにしてはおけない。
もう失われた命であっても、せめて弔うことはできるはずだ。
「もっと早く俺がここに来ていればこんなことにはならなかったよな…………今更嘆いても仕方ないのは分かっているが……ともかく、せめて安らかに眠ってくれ」
魔法を使って穴を掘り、その死骸を埋める。墓石でも掘ってやりたかったが彼女―――リボンがついていたからおそらく女だろう―――の名前が分からない。
仕方なかったので『青色のたぬき型ロボット、ここに眠る』とだけ刻んでおくことにした。外見的特徴が書かれていれば、ここに彼女の知り合いがいたときに気づくだろうから。
墓の前に立ち、死者に黙祷。
風が流れ、しばしの時が経過した。
青葉はゆっくりと立ち上がり、心の底から申し訳なさそうな顔で墓に向かって語りかける。
「……もしお前に仲間がいるなら……俺が守ってみせるから、だから……間に合わなかった俺を許してくれ」
ここでの出来事に一切関与していない青葉が責められるべきことではないのだが、彼の性分を考えればこれも仕方ないことといえよう。
「……しかし、知り合い……か」
思い出すのは、自らの保護した少年―――ヴィヴィオのこと。
自らを父親のように慕う―――19歳で父親とはなんだかむずがゆい思いでいっぱいなのだが―――彼を思い出し、やや表情が暗くなる。
「まさか、ヴィヴィオが巻き込まれてはいないよな……?」
ヴィヴィオだけではない。幼いころからの親友であり戦友であるフェイトやスバル達後輩も巻き込まれているのでは、そう思うと青葉の背筋を寒いものが走る。
そして、先ほどの死骸を見るに、この殺し合いに積極的な人間がいることは事実。
まさか、もう既に仲間たちも―――?
そんなことはない。言い聞かせるが、嫌な気分は振り払えない。
「……許せねえ……」
青葉は呟く。
その顔は、感情的でありながら、決意を秘めたものだった。
「絶対に俺は殺し合いなんてさせない!この殺し合いを計画していた男女二人と殺し合いに乗った人物は捕獲する!殺人は絶対に俺が止めてやるっ!」
どんな悪人でも、死んでいいはずがない。
それが青葉の、そして自らの所属する組織自体の持論でもある。
甘いと言われようとそれを曲げるつもりはない。
何故なら自分はエースオブエースなのだから。
自分が積極的に弱者を救い、殺し合いを止めることをしなくては後輩に何を教えられるというのか。
「……俺が行かなきゃだめなんだ……」
そして青葉は、もう一度墓石に手を合わせ、背を向ける。
もしこの場から抜け出すことができた時には、そこに花を手向けてやろう、そう決めて。
思い出すのは、自らの保護した少年―――ヴィヴィオのこと。
自らを父親のように慕う―――19歳で父親とはなんだかむずがゆい思いでいっぱいなのだが―――彼を思い出し、やや表情が暗くなる。
「まさか、ヴィヴィオが巻き込まれてはいないよな……?」
ヴィヴィオだけではない。幼いころからの親友であり戦友であるフェイトやスバル達後輩も巻き込まれているのでは、そう思うと青葉の背筋を寒いものが走る。
そして、先ほどの死骸を見るに、この殺し合いに積極的な人間がいることは事実。
まさか、もう既に仲間たちも―――?
そんなことはない。言い聞かせるが、嫌な気分は振り払えない。
「……許せねえ……」
青葉は呟く。
その顔は、感情的でありながら、決意を秘めたものだった。
「絶対に俺は殺し合いなんてさせない!この殺し合いを計画していた男女二人と殺し合いに乗った人物は捕獲する!殺人は絶対に俺が止めてやるっ!」
どんな悪人でも、死んでいいはずがない。
それが青葉の、そして自らの所属する組織自体の持論でもある。
甘いと言われようとそれを曲げるつもりはない。
何故なら自分はエースオブエースなのだから。
自分が積極的に弱者を救い、殺し合いを止めることをしなくては後輩に何を教えられるというのか。
「……俺が行かなきゃだめなんだ……」
そして青葉は、もう一度墓石に手を合わせ、背を向ける。
もしこの場から抜け出すことができた時には、そこに花を手向けてやろう、そう決めて。
【D-6 釜石小中学校裏/一日目・深夜】
【高町青葉@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一色、不明支給品2~3
[思考]:
1:殺し合いを止める
2:主催者、殺人をなすものを捕縛する
3:仲間がいるならできるだけ早く合流する(特にヴィヴィオ)
[備考]
※ドラえもんはD-6 釜石小中学校裏に埋められました。
墓石には『青色のたぬき型ロボット、ここに眠る』と書かれています。
【高町青葉@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一色、不明支給品2~3
[思考]:
1:殺し合いを止める
2:主催者、殺人をなすものを捕縛する
3:仲間がいるならできるだけ早く合流する(特にヴィヴィオ)
[備考]
※ドラえもんはD-6 釜石小中学校裏に埋められました。
墓石には『青色のたぬき型ロボット、ここに眠る』と書かれています。