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クロス第10話

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datui

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山道の真ん中で、ゾフィーは考え込んでいた。

(このプログラムから生きて帰るには、最後の一人になるしかない。だが……。
 駄目だ、やはり私にはそんなことはできん! 友人たちを殺してまで生き残ろうとするなんて……)

普段は友人たちからヘタレだ何だとからかわれている彼だが、正義感の強さは本物である。
友を殺して自分が生き残るなど、できるはずがない。

(決めたぞ。やはり私は、こんな殺し合いに参加することなどできん! 絶対にここから脱出する手段を見つけてみせる!)

決意を固めるゾフィー。その直後、彼の背後で足音がした。
とっさに振り返ると、そこには黄色いリボンが特徴的な少女が立っていた。

「柊つかさか……」
「ぞ、ゾフィーくぅぅぅぅぅん!」

ゾフィーがその姿を確認するとほぼ同時に、つかさは彼に向かって駆け寄る。
そして、ゾフィーの大柄な体に抱きついた。

(こんなに怯えて……。普通の女の子がいきなり殺し合いをしろなどといわれれば、それも当然か……。
 彼女以外にも、怯えているクラスメイトはいるはずだ。探し出して守ってや……うっ!)

ゾフィーの思考は、途中で途切れる。原因は、突如腹を襲った激痛だった。
おそるおそる確認してみると、そこには一本のナイフが突き刺さっていた。そのナイフを握っているのは、もちろん……。

「ごめんね、ゾフィーくん」
「つかさ……。さっきまでの怯えようは……演技か……」
「私は死にたくないんだよ、どんなことをしてもね」

そう呟くつかさの目に、光はない。彼女の瞳は、どこまでも暗く濁っていた。

「この程度のフェイクも見抜けないとは……不覚……」
「まだしゃべれるんだ……。とどめ、さしておいた方がいいかな」

つかさはいったんゾフィーから離れると、近くに落ちていた大きな石を持ち上げる。
そして、それをゾフィーの頭に叩きつけた。

◇ ◇ ◇

「殺し……ちゃった……」

もはや物言わぬ骸と化したゾフィーの傍らで、つかさは気の抜けたような声で呟く。

「これくらいで挫けてちゃ駄目だよね……。うちに帰るには、もっとたくさん殺さなきゃ……」

ぶつぶつと呟きながら、つかさは不安定な足取りで山道を降りていった。

【19番 ゾフィー 死亡】

【29番 柊つかさ】
【学年】高3
【状態】精神不安定
【所持品】コンバットナイフ、ゾフィーの支給品
【能力】知力:D 体力:D 爆発力:B



【19番 ゾフィー】

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初登場!

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死亡



【29番 柊つかさ】

Former

初登場!

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