山道の真ん中で、ゾフィーは考え込んでいた。
(このプログラムから生きて帰るには、最後の一人になるしかない。だが……。
駄目だ、やはり私にはそんなことはできん! 友人たちを殺してまで生き残ろうとするなんて……)
駄目だ、やはり私にはそんなことはできん! 友人たちを殺してまで生き残ろうとするなんて……)
普段は友人たちからヘタレだ何だとからかわれている彼だが、正義感の強さは本物である。
友を殺して自分が生き残るなど、できるはずがない。
友を殺して自分が生き残るなど、できるはずがない。
(決めたぞ。やはり私は、こんな殺し合いに参加することなどできん! 絶対にここから脱出する手段を見つけてみせる!)
決意を固めるゾフィー。その直後、彼の背後で足音がした。
とっさに振り返ると、そこには黄色いリボンが特徴的な少女が立っていた。
とっさに振り返ると、そこには黄色いリボンが特徴的な少女が立っていた。
「柊つかさか……」
「ぞ、ゾフィーくぅぅぅぅぅん!」
「ぞ、ゾフィーくぅぅぅぅぅん!」
ゾフィーがその姿を確認するとほぼ同時に、つかさは彼に向かって駆け寄る。
そして、ゾフィーの大柄な体に抱きついた。
そして、ゾフィーの大柄な体に抱きついた。
(こんなに怯えて……。普通の女の子がいきなり殺し合いをしろなどといわれれば、それも当然か……。
彼女以外にも、怯えているクラスメイトはいるはずだ。探し出して守ってや……うっ!)
彼女以外にも、怯えているクラスメイトはいるはずだ。探し出して守ってや……うっ!)
ゾフィーの思考は、途中で途切れる。原因は、突如腹を襲った激痛だった。
おそるおそる確認してみると、そこには一本のナイフが突き刺さっていた。そのナイフを握っているのは、もちろん……。
おそるおそる確認してみると、そこには一本のナイフが突き刺さっていた。そのナイフを握っているのは、もちろん……。
「ごめんね、ゾフィーくん」
「つかさ……。さっきまでの怯えようは……演技か……」
「私は死にたくないんだよ、どんなことをしてもね」
「つかさ……。さっきまでの怯えようは……演技か……」
「私は死にたくないんだよ、どんなことをしてもね」
そう呟くつかさの目に、光はない。彼女の瞳は、どこまでも暗く濁っていた。
「この程度のフェイクも見抜けないとは……不覚……」
「まだしゃべれるんだ……。とどめ、さしておいた方がいいかな」
「まだしゃべれるんだ……。とどめ、さしておいた方がいいかな」
つかさはいったんゾフィーから離れると、近くに落ちていた大きな石を持ち上げる。
そして、それをゾフィーの頭に叩きつけた。
そして、それをゾフィーの頭に叩きつけた。
◇ ◇ ◇
「殺し……ちゃった……」
もはや物言わぬ骸と化したゾフィーの傍らで、つかさは気の抜けたような声で呟く。
「これくらいで挫けてちゃ駄目だよね……。うちに帰るには、もっとたくさん殺さなきゃ……」
ぶつぶつと呟きながら、つかさは不安定な足取りで山道を降りていった。
【19番 ゾフィー 死亡】
【29番 柊つかさ】
【学年】高3
【状態】精神不安定
【所持品】コンバットナイフ、ゾフィーの支給品
【能力】知力:D 体力:D 爆発力:B
【学年】高3
【状態】精神不安定
【所持品】コンバットナイフ、ゾフィーの支給品
【能力】知力:D 体力:D 爆発力:B
【19番 ゾフィー】
Former
初登場!
Next
死亡
【29番 柊つかさ】
Former
初登場!