困惑
ヘザーと阿部は路地を出た後近くのモーテルに来ていた。
ここのモーテルには前に一度来たことがあるが、
以前ここに来た時とは置いてあるものが違う場合がある。
「それにもしかしたら誰かいるかもしれないし」
というヘザーの提案により訪れたのだが大正解とは言わずとも
正解に限りなく近い収穫であったと言えるだろう。
窓辺の机にスタンガンとバッテリー
陽動用の目覚まし時計
懐中電灯2つ
そして何よりの収穫はラジオと地図の二つ。
懐中電灯の片方と何故か中央の机の上に
むやみやたらに広げられ過ぎて半ばテーブルカバーと成り果てている数多くの地図は
もしも自分たちより装備に乏しい他の人間が来た時
困らぬようそのままにして
持っていく荷物を中央机の上に置き、収穫の確認がてら情報交換しようと言う事となった。
「じゃあその教団って奴らがこんな訳わかんねぇ事やったってのかよ?」
「えぇ、あなたの巻き込まれた方のヤツかもしれないけど」
軽い自己紹介を済ませ、ヘザーはこれまでの経緯を話した、
一瞬、もしかしたら頭のオカシイ狂人だと
思われるかもしれないと思ったが、
すぐに思い直した。
既にあんなモノを見た後なのだから
そんなの気にする事無いだろう。
話してみるとやはり阿部に驚く様子は無かった。
というか話した後に聞いた死体に取り憑き何度倒しても生き返る連中だの、
正面からの攻撃が全く効かない怪物だのの方が
ヘザーにとっては驚天動地であった。
「死んだフリをする敵となら戦ったことあるんだけど」
「お前の方こそ大変だったんだな、
んで、居そうな場所はわかってんのかよ?」
「大体はね、私この地図の上の方には行ってないのよ
だから・・・・そうね最初の目的地は・・・・」
そういってヘザーが地図を立てると阿部は裏に
名簿のようなものがあることに気づいた。
「裏になんか書いてあるぞ、んだよこれ?
『呼ばれし者』って・・・・
お!俺の名前、おめぇの名前も!
もしかしてこれってここに来てる奴等の名簿かよ?」
「へぇ、これ本当にいい拾い物だったようね」
ヘザーは首を回り込ませ裏面を見た、
ダグラスも巻き込まれてたら助けに行ってやろう、
そんな軽い気持ちで。
「でもおめぇの親父さんとかその・・・・クローディアとかいう女って
死んだんじゃねぇのかよ?」
ヘザーは目を見開き名簿を凝視している。
そこには確かに今は亡き父、ハリー・メイソン
自分達の運命を狂わせた張本人クローディア
そしてあの災害と呼ぶべき事態を一緒に切り抜けた友人、
ダグラスの名前も見受けられた。
幽霊を見た、父親が殺された、
幼い娘が誘拐された、災害で家を無くした、
そんな絶望と驚愕の入り交じった表情を
世界中から全て集めたようにヘザーの顔は青ざめていた
「そんな・・・・そんなはずない・・・・」
「お、おい大丈夫かよ?とりあえず外の空気でも吸うか?」
「・・・・・・・えぇ、ありがと、でもこのままでいいわ」
阿部の労りの言葉に我に返り
気持ちを落ち着かせる。
青ざめていた表情も心なしか紅色に戻った
が、戻ったのも束の間、
今度は逆に燃えるような憤怒の形相になる。
父の死を愚弄した罪は重い。
もしもこの名簿が本当で父が生きているならこの上ない喜びだ、
しかしそんなことはありえないのだから。
もしも怪物の1人として生き返っているのだとしたら・・・・・
「OK、もう大丈夫、心配ない。
こんなところで立ち止まってる場合じゃないわ、
行くわよアベ、このイカれた世界を作った『神』を殺しに」
「お、おう・・・・」
阿部は思った、このガキだけは怒らしちゃ駄目だと。
【C-5モーテル/1日目夕刻】
【ヘザー・モリス@サイレントヒル3】
[状態]:憤怒、この場所へ呼んだ者への殺意
[装備]:スタンガン(電池残量5/5)
[道具]:L字型ライト スタンガンバッテリー×2、SIGP226(装弾数7/15予備弾30)、携帯ラジオ、地図
[思考・状況]
基本行動方針:主催者を探しだし何が相手だろうと必ず殺す
1:先ずは遊園地、その後は教会ね。
2:他に人がいるなら助ける
3:名簿の真偽を確かめたい
※名簿に関して半信半疑です
※阿部と情報交換しました、
闇人@SIREN2、夜見島についての情報を得ました
【阿部倉司@SIREN2】
[状態]:健康
[装備]: バール
[道具]:懐中電灯、パイプレンチ、目覚まし時計
[思考・状況]
基本行動方針:戦闘はなるべく回避。
1:ヘザーについていく
2:まともな武器がほしい
3:どうなってんだこの名簿?
※ヘザーと情報交換しました、以前サイレントヒルに起こったことを知りました
一方その頃ヘザー達がいた路地裏では1人の男が死体を調べていた。
「弾丸は頭に一発のみ、射撃の腕は中々だな」
だが、と男は続ける
「このやり方はあまりにも猟奇的過ぎる、危険人物と見て間違いないだろう」
一発でへッドショットが出来るほどの腕前があり
なおかつ足跡から見るに二人いたはずなのだから戦闘は速やかに終了しただろうに、
そのわりには殴打の痕跡が多すぎる。
「さてどうするか、情報を優先するか、危険人物との接触を回避するか・・・・」
【C-6住宅街/一日目夕刻】
【ハンク@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ】
[状態]:健康
[装備]:USS制式特殊戦用ガスマスク、ステアー TMP(残弾30/30)、H&K VP70(残弾18/18)、コンバットナイフ
[道具]: ステアー TMPの予備弾倉×2、無線機、G-ウィルスのサンプル
[思考・状況]
基本行動方針:サイレントヒルより脱出し、サンプルを持ち帰る。
1: 2、3どちらを優先するか・・・・それが問題だ。
2:情報を集め、現状を把握する。
3:現状では出来るだけ戦闘は回避する。
4:出来るなら、“ナイトホーク”と連絡を取る。
※ヘザーを危険人物と認識しました。