Courage point
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七◆
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ぼくは――――――
⇒ 小暮さんの後を追うことにした
梨花ちゃんを連れて素早く避難した
◆ 何もかも諦めて梨花ちゃんとこの街で暮らすことにした
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六◆
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◇ パリーン
ぼくは――――――
小暮さんの後を追うことにした
梨花ちゃんを連れて素早く避難した
ピッ⇒ ◆ 何もかも諦めて梨花ちゃんとこの街で暮らすことにした
何もかも諦めて梨花ちゃんとこの街で暮らすことにした。
そうだ。それがいい。難しい事に頭を悩ませるのはもう止めよう。
逆に考えるんだ。
この街から出られないというなら、出なければいいんじゃないか。
ここがどんなに酷い環境の街でも、住めば都という言葉もある。
梨花ちゃんもいるんだ。さみしくはならないだろう。
ここで梨花ちゃんと二人、幸せに暮らす。
ああ、きっと楽しい生活になるだろう。
うん、そうと決めたら気が楽になってきた。
これから待っている新しい環境に胸の高鳴りを覚えつつ、
ぼくは梨花ちゃんの手を取って、この暗闇へと溶け込んで…………
【風海純也@流行り神 現実逃避】
バン
総合評価 Dクラス
――――――――――――
特別編 サイレントヒル 完
……………………………………いや、待て。
そんな事、出来るわけがないじゃないか。
こんなおかしな街で一生暮らすなんてまっぴらだ。何を考えているんだぼくは。
さっきみたいな怪奇現象を体験して気が滅入ってしまっているのだろうか?
いけない、いけない。妙な思考に捕われちゃだめだ。自分をしっかりと保たなければ。
そう……自分を保つんだ。客観的に考えろ。
この状況でぼくがやらなくてはならない事は――――捜索と救出だ。
人見さんや兄さんや梨花ちゃんの友達だけじゃない。
名簿を信用するならもっと多くの人々が国籍を問わず殺し合いに巻き込まれているんだ。
警察官として、出来る限り大勢を救出してこの街から脱出させる義務がぼくにはある。
一体どんな理由があればこれ程の現象が起きるのか。気になるところだけどこの際それは無視だ。
ここの住人、名簿に掲載されていない人の安否も規模も不明だが、今はこれ以上の情報がない。
当面はこの名簿の名前に該当する人物の救出を目標にして、自分に出来る範囲の事をやろう。
捜索と救出。
となれば――――――――やはり、ぼくは小暮さんの後を追うことに決めた。
今はどうしても人手が必要だ。それも誰でもいいというわけじゃない。
さっきの警察署での様な事態が起きている事も考慮すれば、
協力を仰ぐ相手は信用のおける人物でないとならない。
だから、小暮さんがいいんだ。
小暮さんなら殺し合いに乗ったり暴動を起こしたりという事は絶対に無い。
そんなに長い付き合いじゃないけど、それだけは断言できる。彼なら無条件で信用できる。
ただ、そこで問題となるのは小暮さんに怯えてしまっている梨花ちゃんだ。
普段から小暮さんが子供に懐かれない体質なのはよく知っている。
ゆうかさんによれば、以前小暮さんの勤務していた乾署管内でよく子供たちに目撃された不審者「怪人・デカおじさん」の正体は小暮さんなのだそうだ。
そんな噂が立つ程までに、小暮さんの外見や迫力は子供との相性が悪い。
今みたいな緊急事態でまでその体質を遺憾無く発揮しなくてもいいと思うのだが、まあそれは仕方ないとして、とにかく警戒しなくてはいけないのはそれの怯えによる梨花ちゃんの『鬼化』だ。
もしも今無理矢理に小暮さんと合流しようとすれば、
梨花ちゃんの不安な気持ちを強く刺激して、『鬼化』という最悪の暴走に発展しかねないんだ。
『鬼』の危険性はこの身に刻み込まれている。あんな暴走だけは絶対に起こしてはならない。
だからここは梨花ちゃんに「小暮さんがどれだけ信用に足る人物なのか」をきちんと伝え、
不安を取り除いてあげないといけないだろう。小暮さんとの合流はその後だ。
ということで、建物の陰からガソリンスタンドの入口を伺いつつ、ぼくは小暮さんの良いところを思いつく限り梨花ちゃんにアピールした。
あんな見た目をしているけど中身は実直そのもので正義感溢れる好青年だということを。
あんな見た目をしているけどアイドルが大好きでファンクラブに入ったりもする意外な一面を持つということを。
あんな見た目をしているけど怪談やお化け、流血沙汰が大の苦手だということを。
あんな見た目をしているけどまだ27歳独身で毎日のコンビニ弁当に侘しさを覚えていてお嫁さん募集中だということを。
………………まあ最後のは果てしなくどうでも良かった気がしないでもないが。
ともあれ、ぼくの訴えはどうにか梨花ちゃんの心に届いてくれたらしい。
梨花ちゃんの強ばっていた表情は、段々と綻び始めていた。
「……小暮さんが信用できるって、分かってくれたかな?」
「……まだなのです」
あれ? まだ届いていなかったか……。
それなら……喫茶店ではストロベリーパフェを好んで食べたりする話なんかどうかな?
「でも、風海が小暮を大好きなことは、うーーーーんっと伝わってきたのですよ」
……しなくて済んだようだ。
梨花ちゃんは笑顔でそう言った。そんな風に言われると少しむず痒いけど。
だけど……それならそれで疑問は残る。
「ありがとう。でも、だったらどうしてまだ信用できないなんて言うんだい?」
「信用できないのでは……ないのです」
ぼくの言葉に、梨花ちゃんは途端に顔を曇らせた。
その表情から見て取れるのは怯えというよりも迷いの色だ。
何かを言おうと口を開いては思いとどまり目を伏せて、を繰り返している。
やがて心を決めたのかぼくの目を真っ直ぐに見据えると梨花ちゃんは言った。
とても真剣な顔で。どこか悲痛な面持ちで。
「信用できないんじゃない。でも……信用してもらえないんじゃないかって。
これから私が話すことは、全て本当のこと。私達の命に関わること。
……風海は私を信用してくれる?」
これはさっきも聞いた彼女の素の口調だ。
無邪気な仮面に隠していた、見た目には似付かわしくない大人びた本性をさらけ出し、梨花ちゃんはぼくに質問する。
その仮面にどんな事情があるのかは分からないけど、それだけ彼女は本気で伝えたいことがあるのだろう。
ここはぼくも相応の態度で応対しなくてはいけない。
ぼくは頷き、真意を確かめるようにぼくの目を覗き込む梨花ちゃんの視線を受け止めた。
ほんの少しの逡巡を見せ、梨花ちゃんはゆっくりと切り出した。
その内容は実に驚くべきものだった。
ワゴン車の側で死んでいた男性。
赤坂さんというらしいが、あの人は梨花ちゃんの知り合いなのだという。
梨花ちゃんにとって赤坂さんは、ぼくに対する小暮さんのように信頼のおける人だったらしい。
そんな人が命を落としてしまったのか――――と驚き、悲しんだのは早計だった。
驚くべきことは次だ。
なんと彼はこの街で怪物へと変貌を遂げてしまっていたと言うのだ。
そして襲いかかられ、已む無く抵抗し、殺めてしまったところでぼくが来た、というわけだ。
「そういうことだったんだ……」
「こんな突拍子も無い話……信じて、くれるの?」
「人が怪物のように変貌する事態には免疫があってね。……尤も、慣れたくなんてなかったけど」
正直簡単に信じられることじゃないけど、ぼくは知っている。
コックリさん事件の神山由佳。
鬼事件の安西聡子。
チェーンメール事件の川原ミユキ。
いずれも人の能力を超えた怪力を見せつけた犯人達。
いずれも人智を超えた『何か』の気配が背景に見え隠れしていた事件。
赤坂さんの身に何が起こったのかは分からないけれど、彼等のような『何か』が起きてしまったのだろう。
そして梨花ちゃんは小暮さんにも同様の『何か』が起きているように見えたらしい。
なるほど、ただ小暮さんの外見に怯えてただけじゃないってわけだ。
あの小暮さんに限ってそんなことは……と言いたいところだけど、
残念ながらこればかりはぼくにも否定できる要素が無い。
こうなれば確かめる方法は実際に接触することしか今は思いつかないけど、
万が一小暮さんが怪物へと変貌していたら梨花ちゃんを危険に晒してしまうし、梨花ちゃんも暴走してしまう危険性も依然存在する。
迂闊に近付くことは出来ない。
だけどもしもいつも通りの小暮さんだったら合流しないのは……。
「風海!」
考えを巡らせていると梨花ちゃんが小声でぼくを呼んで腕を引っ張った。
いつの間にかガソリンスタンドから小暮さんが外に出てきていたのだ。
建物の陰から顔だけしか出していなかったぼくには気付かなかったようで、
小暮さんはそのまま南の方角へとゆっくりと歩き始めた。
駄目だ、考えている時間がない。
「梨花ちゃん、ちょっとバッグを貸してくれるかい?」
「……?」
ぼくは梨花ちゃんのバッグを拝借し、中を覗いた。
さっきの家で梨花ちゃんはバッグの中身をテーブルの上に広げていたけど、
その時に「暗視スコープ」が置かれていたのをぼくは記憶している。
バッグの主がどうしてこんなものを持っていたのかは知らないが、あるものは有効に使わせて頂くとしよう。
ぼくは梨花ちゃんの怪訝そうな視線をよそに暗視スコープを取り出すと、
どうにか装着して建物の陰からそっと顔を出した。
遠ざかって行く小暮さんの姿がはっきりと見える。よし、これならばっちりだ。
「何をする気?」
質問と共に後ろからスーツが引っ張られる。
振り返れば梨花ちゃんが困惑したようにぼくを見上げていた。
「これから小暮さんを尾行するんだ」
驚く梨花ちゃんに、ぼくは説明を続けた。
現状ではぼく達には小暮さんの状態にはっきりとした答えは出せそうにない。
だから小暮さんが安全か危険かはっきりするまで彼を尾行することにするんだ。
ただ、考えたくはないがもしも小暮さんが怪物化しているのならば
尾行がばれた時には梨花ちゃんの危惧するように命に関わる事態になる。
そこでこの暗視スコープが役に立つ。
これを使えばかなりの距離を取って尾行が可能となり気付かれにくくなるし、
例え気付かれても距離を保っていれば逃げ切ることはできるだろう。
問題は小暮さんの状態がいつどんな時にはっきりするのかまるで見当もつかないことなんだけど……そこまで考えている時間は無い。今は追いかけよう。
ぼくは一応の納得を見せてくれた梨花ちゃんと小暮さんを尾行することにした。
そして――――――――
「……これで、どうかな?」
暗視スコープを梨花ちゃんに渡して小暮さんの様子を見せる。
幸いぼく達の尾行は最後まで気付かれることはなかった。
暗視スコープの中の小暮さんは1人の女性と遭遇し、
理由はよく分からないけどしばらくするとその女性をおぶって歩き始めた。
うん、やっぱり小暮さんだ。
女性と遭遇した時点ではっきりとしていたことだったけど、
これで少なくとも小暮さんが怪物になってしまったなんて心配はもういらないだろう。
あの小暮さんはやっぱりいつもの小暮さんなんだ。
梨花ちゃんが頷いてくれたことを確認すると、ぼく達は急ぎ足で小暮さん達に近付いた。
気配に気付いたらしく、小暮さんは足を止めて振り返った。
恫喝する様なその視線は、ぼく達の距離が縮まるにつれて驚きのものに変わっていく。
「小暮さん」
ぼくは呼びかけ、いつもの挨拶みたいに手を振った。
小暮さんは真赤な顔をポカンとさせていた。
【C-3/路上/一日目夜中】
【風海 純也@流行り神】
[状態]:健康、梨花に対する警戒心
[装備]:拳銃@現実世界
[道具]:御札@現実、防弾ジャケット@ひぐらしのなく頃に、防刃ジャケット@ひぐらしのなく頃に
射影器@零~zero~、自分のバッグ(小)(中に何が入っているかはわかりません)
[思考・状況]
基本行動方針:サイレントヒルの謎を解き明かし、人見さんたちと脱出する。
0:小暮さんに話を聞く。
1:人見さん、兄さん、梨花ちゃんの友人を探す。
2:出来る限り多くの人を救出して街を脱出する。
【古手 梨花@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:健康、L3-、鷹野への殺意、自分をこの世界に連れてきた「誰か」に対する強烈な怒り
[装備]:山狗のナイフ@ひぐらしのなく頃に、山狗の暗視スコープ@ひぐらしのなく頃に
[道具]:懐中電灯、山狗死体処理班のバッグ(中身確認済み)、名簿
[思考・状況]
基本行動方針:この異界から脱出し、記憶を『次の世界』へ引き継ぐ。
0:大丈夫みたいだけど、やっぱり少しだけ不安。
1:自分をこの世界に連れてきた「誰か」は絶対に許さない。
2:風海は信用してみる。
※皆殺し編直後より参戦。
※名簿に赤坂の名前が無い事はそれほど気にしていません。
【小暮宗一郎@流行り神】
[状態]:満腹、霧絵を背負っている、ポカン
[装備]:二十二年式村田連発銃(志村晃の猟銃)[6/8]@SIREN、氷室霧絵@零~zero~
[道具]:潰れた唐揚げ弁当大盛り(@流行り神シリーズ)、ビニール紐@現実世界(全て同じコンビニの袋に入ってます)
[思考・状況]
基本行動方針:目下、凶悪犯の逮捕と一般市民の保護。
0:やや!? やややや!?
1:一般市民の捜索と保護。
2:日野と老人を逮捕する。
3:警視庁へ戻って、報告と犬童警部への言い訳。
4:何かが起こっている気がしなくもないが……あまり考えたくはない。
※霧絵から「零~zero~」で起こったあらましを聞きましたが、信じたくありません。
※ここでのルールを知りましたが、信じたくありません。
【氷室霧絵@零~zero~】
[状態]:使命感、足の爪に損傷(歩行に支障あり)、疲労(中)、小暮に背負われている
[装備]:白衣、提灯@現実
[道具]:童話の切れ端@オリジナル、裂き縄@零~zero~
[思考・状況]
基本行動方針:雛咲真冬を捜しつつ、縄の巫女の使命を全うする。裂き縄の呪いは使わない。
0:この方々は?
1:小暮と共に人を捜し、霊及び日野の危険性を伝える。
2:真冬の情報を集める。
3:黄泉の門の封印を完ぺきにする方法を捜す。