エレル――ELEL――
見るだけで顔を顰めたくなる、鮮やかな赤で染め上げられた巨大な湖。
そこに伸びる、水面が少し波立つだけでも崩れ落ちてしまいそうな程に壊れかかった桟橋。
そして桟橋が導く先の、赤錆で腐食している事がこの暗闇でもはっきりと分かる、オンボロ旅客船。
研究所への道程で通りかかった桟橋の手前で、
またベタな幽霊船だな。新堂は誰に気を使う事もなく、率直な感想を漏らした。
「新堂さん。まさかあの船に乗り込もうってんじゃないよな?」
後ろからかけられた圭一の声。
肩越しにそちらを見れば、深紅と並ぶ圭一と、
座り込んでツカサを撫でているジェニファーの姿があった。
「当たり前だろ。あんなもん人が乗ったらそれだけで沈むとしか思えねえ」
「だったら早く行こうぜ。ジェニファーからも話聞かないとならないんだしさ」
決して時間がある訳ではないらしいから。
深紅がやや控えめに口にしたそんな言葉により歩きながら行われようとしていた情報交換は、
結局の所は新堂の判断で、安全な場所に到着してから、という話で纏まった。
原因は、名簿だ。
新堂も初めは、とりあえずジェニファーの知り合いがいるかを確認しようと考えたのだが、
取り出した名簿には気付かぬ合間に赤い線が引かれた名前が増えていたのだ。
その中には殺人クラブのメンバー、日野、岩下の名前もあったが、それには然したる感慨もない。
特別仲の良い間柄ではないし、日野だろうと岩下だろうと先程の自分のように
化物の大群に囲まれるような局面に出食わせばあっさり命を落としたところで不思議はないのだから、一々驚いてはいられない。
そんな事よりもまずいと感じたのは『竜宮レナ』と『園崎魅音』の2つの名前の方。
この2人は圭一の友人だったはずだ。
バーでの情報交換では、圭一からは仲間思いの印象を強く受けた。
下手に彼女達の死亡を伝えれば、圭一が冷静でいられなくなり使い物にならなくなる危険がある。
現状自分を除けば圭一は唯一の戦力。
駅から研究所まではそれなりの距離があるというのに、その間圭一の注意力が散漫になるのは正直痛い。
伝えるならせめて、比較的安全な場所で落ち着いてからが良い。
その為、新堂は適当な理由をつけて情報交換を後回しにする事にしたのだ。
「分かってるよ。ちょっと見てただけじゃねえか。急かすなよ。
てかお前ジェニファー口説きたいだけじゃねえのか?」
「そ、そんなワケないだろ! 何を言ってるんだ新堂さん!
ただジェニファーは本場の外人だしメイド服を着せたら如何程の破壊力があるかという
男なら誰でも抱いて当然の疑問が沸々と沸き上がってきてるだけで決して下心があるというワケじゃ――」
「分かった分かった。雛咲、出番だ。こいつをどうにかしろ」
「えっ……あの……」
再び始まった痴話喧嘩に、新堂は苦笑する。
先程はただ鬱陶しかっただけのじゃれ合いだが、
自分で振ってみれば、これはこれでからかい甲斐のある反応だ。
やれやれと呟いて、新堂は視線を桟橋に戻した――――その時。
僅かな一瞬だけ視界の端に青白く光る何かが入り込んだ気がした。
「あん?!」
慌てて首を巡らせ、青白い何かが見えた船の上を凝視する。
しかし、ボロボロの船以外には既に何も見える物は無い。
錯覚か。いや、違う。この暗闇で発光していたのだ。錯覚などという事は無いはず――――。
「いる…………!」
いつの間にか痴話喧嘩をやめていた深紅が静かに呟いた。
振り返れば、深紅はこれまでのオドオドした雰囲気の一切を消し、
ある種の精悍さすら感じられる表情で湖、いや、桟橋に注意を向けていた。
「こっちに、来る……! 新堂さん、下がって……!」
「雛咲? お前何か分かる――――」
「早くっ! 下がって!」
「なっ!? 危ない新堂さんッ!」
新堂の言葉に被せられた、深紅と圭一の必死な叫び。
しかしそれに身体が反応を示すよりも早く、足先から脳天まで悪寒が駆け抜ける。
直後――――新堂の視界が一変し、モノクロに染まった。
すぐ側に居た圭一達の姿が消えていた。
変わりに見えているのは、いつの間にか前方に突き出していた自身の右腕。
その手に握り、構えている拳銃。
そしてその銃口を突きつけられている外国人風の顔立ちの男だ。
それは、テレビのチャンネルでも切り替えたような、あまりにも脈絡の無い場面転換だった。
(な、何だよ、こりゃあ!?)
怒鳴ったつもりが、声は出せなかった。口すら動かせていない。
身体の自由がまるで効かなかった。
声を出そうとしても、首を巡らそうとしても、いつの間にか座り込んでいた身体を立たせようとしても、指先1つ、いや、眼球や瞼すら1ミリたりとも動かせない。
まるで自分の身体が何者かに支配されてしまっているかのようだ。
外国人風の男は拳銃から逃れるように自分とすれ違い、暗闇の中に走り去っていった。
待てよ、と声をかけようとしても、やはり声は出ない。そして――――
ぺちゃり
決して歓迎出来そうにない不気味な足音が耳に届いた。
視線を走らせたい衝動に駆られるが、反して視界はゆっくりと動く。
そこで漸く新堂は、今自分が居る場所が何処なのか認識する事が出来た。
ここは、デッキだ。狭さからして、右舷か左舷か――――とにかく船の上に自分は居る。
おそらくはあのオンボロ船か。しかし分かったところで身体が動かないのならば意味はない。
足音の主達が、視界に入った。
一目で連想したのはカエルだ。
巨大化し、二足歩行を覚えたカエルが数匹、だらしなく大口を開けて鈍い歩みで迫ってくる。
(新手のバケモンだと?! 冗談じゃねえぞこんな時に!)
思いが通じたのだろうか。
『自分の』両手が銃を構え、カエルに向けられる。
3発の銃声が、耳を劈いた。カエルの胴体から血飛沫が上がる。
が、『自分が』出来た事はそこまでだ。カエルは痛みに呻いたが、それだけだ。
刻まれた銃痕などお構い無しに、化物は歩みを再開する。
続けて引き金を引かれた銃は、空撃ちの音を虚しく立てるばかりだった。
(お、おい。ふざけんな! これで終わりかよっ!)
だったらいつまでも座り込んでる場合ではない。立たねば。逃げ出さねば。
『自分の』身体が壁を支えに立ち上がった。片足が床に着くと同時に激痛が走った。
『くっそう!』
『自分の』口から、『誰かの』声がした。
『自分は』最後の抵抗とばかりに手に持つ拳銃を化物に投げつける。
拳銃は化物にぶつかるも跳ね返り、海の中へと虚しく落ちていった。効いた様子は全くない。
『自分は』化物に背を向け、足を浮かせた状態で壁伝いに逃走を試みる。
それも悪あがきに過ぎなかった。どうあがいてもそれは化物共の鈍い歩みよりも、遥かに遅い。
追いつかれるのは時間の問題だ。
(け、圭一! 雛咲! ジェニファー! 何処だ!?)
声は――――出せない。
(ちくしょう、もっと速く動けねえのかよ! 追いつかれちまうだろうが!)
身体は――――動かせない。
絶望の足音と鳴き声が、すぐ背後に迫っていた。
『自分の』首に何かが触れた。
そう思った次の瞬間――――強力な力で身体が宙吊りにされた。
『かっ……』
『誰かの』声が、掠れた声を上げた。
『自分の』身体にも何かが――おそらくは化物の腕が巻きつき、固定される。
そのまま後ろに引っ張られ、見えたのは、あの大口の上顎だ。
巨大な舌が、後頭部を舐めた。
(や、やめろ、おい! 圭一ぃ! どこにいるんだよ! た、助けてくれ!)
形にならない叫びを上げ、『自分は』化物に呑み込まれていく。
モノクロの世界が、真っ暗に閉ざされていく。
粘ついた液体が上半身を包んだ。着衣に染み込み、不快な生温かさが直接肌にへばり付く。
化物が喉を鳴らす度に、強靭な圧力が身体を絞めつけた。呑み込まれていくのだ。
呼吸は、既に出来ていない。
『すまん、なぁ。朝、子……』
『誰かの』掠れた呟きが、口から漏れた。
圧力が強められる。骨という骨が軋みを上げている。
首が、強く、強く、捻じ曲げられ――――
ごきり
――――気味の悪い音を、鳴らした。
(うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!)
絶叫が、どこか遠くから聞こえてくる。
遠く――――いや、遠くではないような気もしていた。
では近くなのか。それも良く分からない。はっきりとしない。
確かな事は、誰かが何処かで絶叫を上げている事。
そして、その絶叫に混じって別の誰かの呼びかけが聞こえてくる事。
自分の名を、誰かが呼んでいるような――――――――。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――……………………はッ!?」
視界は、また唐突に切り替わった。
目の前には新堂の顔を心配そうに覗き込んでいるジェニファーが居る。
新堂は慌てて上体を起こした。起こす事が出来た。身体が今は自由に動くのだ。
「マコト! マコト、大丈夫!?」
「どう、なって――――」
声を出し、自身の息が切れている事に漸く気付いた。
全力疾走でもした直後のように、肺が悲鳴を上げていた。
上手く酸素を取り込めず、喋ることすら覚束無い。
しばらくの間、新堂は荒い呼吸を繰り返すのがやっとだった。
「ミク! ケーイチ! マコトは大丈夫みたい!」
「そうか! いきなり悲鳴なんか上げだすから心配したぜ新堂さん!」
少し離れた場所から圭一の声がした。
気怠さを堪えて目を向ければ、バットを構えた圭一と、その後ろにいる深紅の姿が映る。
しかし、何よりも目を惹いたのは圭一の前に居るものだ。
青白く光っている人のような何かが、今、呻き声を上げて圭一に襲いかかろうとしていた。
「なん、だ。ありゃ……?」
圭一は後退りをしながらバットをがむしゃらに振り回し、そいつの接近をどうにか阻んでいた。
服装だけで判断するならば警察官のようだが、そいつは決して人ではない。
不規則に揺らめかせる身体は、実体が無いのか、後ろ側が透き通って見えていた。
幽霊というやつだろうか。それでも不思議とバットで殴る事は出来ているらしい。
しかし幾度も幾度も殴られ、怯みながらも、そいつは圭一を掴まえようと一つ覚えに両腕を前に伸ばしてくる。
「マコト。あなたさっきアレに襲われたのよ。
ケーイチが何とか引き剥がしてくれなかったら今頃……」
ジェニファーは言葉を濁すが、その先は何となく想像はつく。
あれが幽霊だとしたら『取り殺されていた』、或いはこの赤い湖に転落して溺死していた、といったところか。
先程の妙な体験は、あの幽霊の仕業だったらしい。
舌打ちを1つ鳴らし、新堂は立ち上がろうと地面に手をついた。
身体のあちこちが若干の痛みを訴えた。
無視してどうにか立ち上がるも、大きな疲労感で足が笑っていた。
危うくバランスを崩しかける。ジェニファーが横から支えてくれなければ間違いなく転倒していた。
(あのバケモンが……ふざけやがって……!)
苛立ちが膨れ上がり、こんな目に合わせた張本人に睨みつけるような視線を投げかけた。
が、そこに居たのは圭一と深紅だけだ。幽霊の姿は無い。
少し目を離した間に倒したのか。いや、それにしては圭一達の緊張は解けていない。
姿を消したのだ。
そんな芸当も可能なのかよ、と一瞬考えたが、相手が幽霊ならばそれも当然だ。
そもそも自分が先制を許してしまった理由は、敵が見えなかったからに他ならない。
(やばい、どうする!?)
自分も参戦するべきか、新堂は迷った。
呼吸は整ってきた。とりあえず動く事は出来るはず。戦えなくはないだろう。
だがいつの間にか――おそらく最初に攻撃された時――バットをどこかに落としていた。
幽霊の攻撃を食らえばあの幻覚を見せられるのだと思えば、とても素手では戦う気にはなれない。
「ジェニファー、俺のバット知らねえか?!」
「あそこよ! 圭一達の向こう!」
ジェニファーが指を指す。見ると確かにバットが落ちている。
だが、あそこに向かうということは、幽霊のいるかもしれない場所を突っ切らねばならないという事。
その時に襲われでもしたら本末転倒だ。
どうするか、新堂は判断に迷う。と、そこで深紅の存在が気になった。
深紅は何をしている。圭一の後ろにくっついて、一体何をしている。
あんな所に居ては圭一の邪魔になるだけだ。それなのに。
その疑問を解決したのは、他ならぬ深紅だった。
深紅はハッと何かに気付いたように顔を強ばらせると、圭一に指示を出す。
圭一が深紅の指示通りに振り向き、身体を深紅の前に滑り込ませる。
同じ方向に警察官の幽霊の姿が浮かび上がったのは、その直後だった。
予めその出現を知らされていた圭一の一振りが、カウンターで幽霊の顔面を殴り飛ばした。
首が不自然すぎる角度に折れ曲がる。幽霊は苦痛に身悶えるように奇声を上げた。
それは、まさに断末魔の叫び。
暫時辺りに響き、やがて声が消えると同時に幽霊は身体を散り散りにして、消滅した。
後には、残るようなものは何も無かった。
「やった、のか?」
新堂は問いかけた。圭一も戸惑うように深紅を見る。
視線を向けられた深紅は躊躇いがちに頷き、でも、と付け加えた。
「封印出来たわけじゃない……。多分、また現れます……」
「封印? どういうことだよ雛咲さん」
「それは――――」
「ちょっと待て雛咲。お前が何か知ってるのは分かったけど話は後にしろ。
アレがまた出て来るなんて面倒臭え。とっとと離れるぞ」
圭一達の戦闘を見る限り、深紅は幽霊の居場所をある程度探知出来るようだ。
そうと知っていれば、あの幽霊にはもう不意を突かれる事は無い。負けはしないはずだ。
しかし、万が一にも攻撃されればあの幻覚を再び見せられる事になる。それはもう願い下げだった。
ここは逃げの一手が正解だろう。
小さく舌を打ち、新堂はバットを拾いに向かった。
その時視界に入った、今にも朽ち果てて沈没しそうな、しかし、不気味な存在感のある幽霊船。
先程見た幻覚の中の自分が居た場所だ。
(……幻覚ねえ)
幻覚――――いや、あの映像を単なる幻覚と片付けるのはやや抵抗があった。
あの映像の生々しさは脳裏に刻み込まれていた。臭いや痛みまで思い出せそうだ。
あれは、記憶なのではないか。あの幽霊船で化物に殺された人間の記憶。
攻撃がきっかけで見えた映像なのだから、あの幽霊の記憶ではないだろうか。
そう思えた。
ふと、新堂はポケットから名簿を取り出した。
あの幽霊は、この街で化物に襲われ殺された警察官。
そう仮定するなら、つまりあの警察官も「呼ばれし者」の内の1人だったという事になる。
ならば、名簿を見れば名前くらいは分かるかもしれない。そう思い当たったのだ。
赤い線の引かれている名前に上から順に目を通す。果たして、該当する名前は見つかった。
現時点で日本人の男の名前で死亡者は「日野貞夫」「藤田茂」の2名。
日野ではないのは確実なのだから、残るは「藤田茂」。この男だろう。
(「藤田」、ね。もう1人いやがったな。あいつは……)
記憶の中で見た、外国人風の男。
一応名前をチェックしようと考えたが、新堂は自嘲気味に鼻を鳴らし、すぐに名簿をしまった。
そもそもこちらは死んでいるかどうかも分からない人間だった。チェックするだけ無駄だ。
だが、男の顔は覚えておく必要がある。
あの記憶の中では、男は藤田に銃を突きつけられていた。
そして、男は藤田を置き去りにして逃走した。
経緯はまるで分からないが、男は間接的にとは言え藤田を殺害した。
あの記憶だけで判断するならそういう事になるのだ。警戒は、必要だ。
「新堂さん。どうかしたか?」
「ああ? いや、何でもねえよ」
バットも拾わずに立ち止まっていた新堂を不審に思ったのか、圭一が声をかけてきた。
藤田や男の事は、今はまだ話せない。話すには流れとして名簿を見せる必要がある。
圭一の仲間の事もあるし、それは研究所に着いてからでいい。
新堂は名簿をポケットに戻し適当に誤魔化す事にした。
「ちょっとまだ身体が痛くってな」
「あ……さっき圭一さんが叩いてたから……」
深紅が聞き捨てならない言葉を口にした。
瞬間、慌てふためいた圭一が素早く深紅に近付き、口を抑えた。
その態度は、どう見ても後ろめたさの証明。新堂の顔が、険しさを増した。
「……そういやさっきジェニファーが『圭一が引き剥がした』とか言ってたな。
お前まさかそのバットで俺ごとぶん殴ったんじゃねえだろうな?」
「い、いやー、だってしょうがないだろ? そうでもしないと新堂さん殺されてたかもしれないし」
引きつった愛想笑いを浮かべる圭一を、新堂はしばし睨みつけていた。
圭一の言う事は尤もだ。ここは新堂も感謝をしなくてはいけないところかもしれない。
しかし、全身の痛み。倦怠感。そして借りを返すべき相手からは逃げねばならない苛立ち。
八つ当たりをするには充分の理由が揃っていた。
新堂は意地の悪い笑みを圭一に返した。
「覚えとけよ圭一。世の中にはほんの些細な恨みで人殺す奴もいるんだぜ。
例えば、部活の勧誘を無視されたってだけで、とかな」
「お、おいおい。だから物騒なこと言うなって」
困惑し、まあまあの反応を見せる圭一。
ささやかな憂さ晴らしくらいにはなった。今はその程度で良しとしておこう。
「ふん、まあいいや。とにかく急ごうぜ。モタモタしてるとまたアレが出てきちまう」
新堂はバットを拾い、全員を見返した。
ジェニファー。深紅。圭一。幸い1人として負傷者はいないようだ。
自分だけが攻撃された事には少々の不満を覚えるが、これ以上の愚痴は止めておく。
倦怠感の抜けそうにない身体で、新堂は先頭を行く。
休める場所――――研究所までは、後、もう少しだ。
【D-4/リトル・バロネス号付近/一日目夜中】
【新堂誠@学校であった恐い話】
[状態]:銃撃による軽症、肉体的疲労(大)、精神的疲労(大)
[装備]:ボロボロの木製バット
[道具]:学生証、ギャンブル・トランプ(男)、地図(ルールと名簿付き)、その他
[思考・状況]
基本行動方針:殺人クラブメンバーとして化物を殺す
1:研究所へ向かう
2:研究所に着いて安全を確保するまでは名簿の死亡者については話さない
3:安全な場所で雛咲、ジェニファーから情報を得る
【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:銃撃による軽症、赤い炎のような強い意思、疲労(小)、L1
[装備]:悟史の金属バット
[道具]:特に無し
[思考・状況]
基本行動方針:部活メンバーを探しだし安全を確保する
1:研究所へ向かう
2:安全な場所でジェニファーから情報を得る
3:部活メンバーがいれば連携して事態を解決する
【雛咲深紅@零~zero~】
[状態]:T-ウィルス感染、右腕に軽い裂傷
[装備]:アリッサのスタンガン@バイオハザードアウトブレイク(使用可能回数7/8)
[道具]:携帯ライト、ヨーコのリュックサック(P-ベース、V-ポイズン、ハンドガンの弾×20発、試薬生成メモ)@バイオハザードアウトブレイク
[思考・状況]
基本行動方針:ヨーコの意思を引き継ぐ
1:研究所へ向かう
2:安全な場所でジェニファーから情報を得る
3:幽霊……触れる……? どうして?
※怨霊が完全に姿を消している時でも、気配を感じることは出来るようです。
「……ん? ツカサ?」
4人の最後尾を行くジェニファーは、ツカサの姿が見えない事に気付いた。
先程までは、自分がエスコートをするのだ、と言わんばかりに優雅に先頭を歩いていたツカサが見当たらない。
キョロキョロと辺りを見回す。振り返った時、漸くその姿を見つける事が出来た。
ツカサは顔を上げてはいるものの、腹ばいの体勢で地面に座り込んでいた。
「ツカサ。行くわよ」
呼び掛けに対し、ツカサは、クゥン、と小さな返事を返して立ち上がった。
カツカツと爪音を立ててジェニファーの横を通り過ぎていく。
「疲れたの? もうちょっとだから我慢してね。
……何か餌になるようなものがあるといいけど」
マコト達の目指す先は「研究所」。
とても食べ物とは縁の無さそうな場所だが、まあ着いたら探すだけ探してみるとしよう。
ツカサがマコト達に追いつき、彼等の前を歩いていく。
思考に沈みかけていたジェニファーはそれに気付き、慌てて早足で後を追った。
【ジェニファー・シンプソン@クロックタワー2】
[状態]:健康
[装備]:私服
[道具]:丈夫な手提げ鞄(分厚い参考書と辞書、筆記用具入り)
[思考・状況]
基本行動方針:ここが何処なのか知りたい
1:餌……探さないと
2:安全な場所で三人から情報を得る
3:ここは普通の街ではないみたい……
4:ヘレン、心配してるかしら
<オマケ>
【ツカサ・オブ・ジルドール@SIREN2】
[状態]:T-ウィルス感染
[装備]:首輪
[道具]:なし
[思考・状況]
基本行動方針:主人を探す
1:人間は守る
2:西の方から主人の匂いを感じる
3:空腹?
※ゾンビを噛んだため、T-ウイルスに感染したようです
※オマケなので、参加者として扱う必要はありません
『敵』はもう、いなくなった。
この船に入ってこないのならば、追いかける必要は無い。
自分の役目は、『敵』を捕まえる事ではない。
自分の役目は、『敵』を殺す事ではない。
自分の役目は、今度こそ――――。
霧散していた身体を、時間をかけて1つ1つ繋ぎ止め、
誰もいなくなった桟橋付近で藤田茂は再生を果たした。
ゆらり。ゆらりと。青白く光る身体を宙に漂わせ、
ゆっくりと桟橋を渡り、リトルバロネス号へのテロップを滑るように昇る。
デッキを通過し、客室の一室の扉を「開けもせずに」中に入った。
その部屋で蹲っているのは、1人の少女の幽霊だった。
生前、助けたくても助けられなかった外人の少女。その幽霊だ。
死の直前、余程怖い思いをしたのだろう。
こうして肉体を失った後でも少女は身体を小刻みに震わせてすすり泣いていた。
不憫に感じ、藤田は目を細める。少女の頭に実体の無くなった自分の右手を、優しく置いた。
もう大丈夫だ。
ちょっと苦労したけど、怖い奴らはおまわりさんがみーんな追っ払ってやったから。
だから安心して、休むんだ。…………なっ!
【D-4/リトル・バロネス号客室/一日目夜中】
※怨霊に攻撃をされると呪いにより体力を奪われる事があるようです。
また、怨霊の死亡時の記憶を見せられる事があるようです。
どちらの現象も、怨霊の攻撃の際に必ず起こる事とは限りません。
※怨霊には物理攻撃もそれなりに通用するようです。
倒せば一旦は消滅しますが封印される訳ではないので時間経過で復活します。
※怨霊は基本的に実体化してますが、攻撃してこない間は姿を消す事も出来るようです。