門閥とは血縁関係によって結ばれた派閥。ここでは自由惑星同盟における門閥を扱う。

概略

 人類の活動の部隊が地球教上に限られたころから支配階級の間では政略結婚を重ねることで、派閥を強化することが積極的に行われてきた。古くは地球上の各国の王室または貴族間で、そして本編*1中のゴールデンバウム朝銀河帝国におけるゴールデンバウム家及び門閥貴族でも政略結婚による勢力の強化・拡大はしばしばみられる。そして、長い伝統を持つこの行いは君主制国家だけに限られない。君主を持たない共和制国家においても、有力者同士の婚姻による門閥の結成はよくある出来事であった。当然、自由惑星同盟もその例外ではあり得ない。

「職業選択の自由が認められた同盟でも、家業というものがある。政治家、官僚、軍将校、企業役員、大学教員のようなエリート職を家業とする一族もいた。彼らは子供に英才教育を施してエリートに育て上げ、有望な若手エリートを婚姻によって取り込み、血の結束によって影響力を維持してきた。(29話)

血縁の絆は派閥を越えた力を持つ。だから、理想と野心のある者ほど門閥と縁を結びたがる。トリューニヒト委員長も大物財界人の娘と結婚したおかげで、軍需産業から支援を受けられるようになった。しかし、良いことずくめではない。何があろうと一族に尽くす義務も生じる。(29話)

 自由惑星同盟においてもこうした門閥が各界で大きな勢力を持っていることが描写されている。作中で特に有力な門閥としては政界のカネダ家、名門軍人家系のファイフェル家ワイドボーン家が登場している。
最終更新:2018年02月01日 17:53

*1 エル・ファシルの逃亡者をさす。