ジークフリード・キルヒアイス(宇宙暦776年 - )は銀河帝国の軍人。原作準
主人公である。
キルヒアイス派の領袖
1 外見
炎のように真っ赤な赤毛を持つ長身の人物。ハンサム。
2 略歴
2-1 前世
2-2 新版
宇宙歴801年の
ルドルフ原理主義革命では辺境のダルムシュタット星域において、ルドルフ原理主義者の連合軍二万五〇〇〇隻を半数に満たない兵力で撃破した。この時の階級は宇宙軍上級大将。大元帥府査閲官を務めている。(87話)
宇宙歴802年、
イゼルローン要塞での捕虜引き渡し式に参加。帝国軍副代表団長を務め、近衛第一艦隊司令官の肩書で紹介された。
大元帥府三傑の一人に数えられる。(92話)
同年2月、
ローエングラム大元帥のクーデターにより、
門閥派は壊滅し、
ブラウンシュヴァイク公爵が刑死している。クーデター後の論功行賞で元帥号を得る。また、ブラウンシュヴァイク公爵位と産業担当副首相の地位も獲得した。(97話)
同年、フレーゲル侯爵夫人の称号を得た
アンネローゼ・フォン・ミューゼルと結婚する。
同年4月の政変の後、爵位と所領を返上し、キルヒアイス男爵を名乗った。新興男爵家は爵位保有者の末席になる慣例により、キルヒアイスは貴族筆頭から末席に下がった。同時にラインハルトから帝国軍副最高司令官に任命され、軍務省第一次官・宇宙艦隊首席副司令長官・統帥本部第一次長・無任所尚書を兼任した。宇宙軍及び地上軍の筆頭元帥の称号も与えられた。公爵位と副首相職を失ったものの、軍令と軍政の全分野に関与する権限を与えられたため、実質的な権力は増大した。無任所尚書なので閣議に出席する資格を持っている。名実ともに帝国のナンバーツーとなった。(98話)その後、ラインハルトの暗殺を狙った
ベネディクト・フォン・オフレッサーらを撃退する。(99話)同時期、
リヒテンラーデ派の影響を受け、穏健改革派へと変わる。(100話)このため、急進改革派の
オーベルシュタイン上級大将及び
ロイエンタール宇宙軍上級大将と対立している。(104話)
同年10月、
第九次イゼルローン要塞攻防戦では
ガイエスブルグ要塞と共に五万隻の
ティアマト征討軍を率いて
イゼルローン要塞へと侵攻する。卓越した用兵でイゼルローン要塞への強襲上陸をやってのけた。(106話)その後も、同盟軍のイゼルローン攻略作戦を研究した艦隊行動を取るなど、名将の片鱗を見せるが、弱兵の統率・政治的事情などにリソースを割かれ、イゼルローン要塞に対し有効な攻撃を行うことはできなかった。(111話)その後、
ヤン・ウェンリー宇宙軍元帥率いる援軍の四個艦隊がイゼルローンへ到着したことで撤退する。(112話)
戦後、同盟軍の侵攻を防いだ英雄とされ、手厚い恩賞を与えられた。帝都に帰還すると、皇帝
エルウィン=ヨーゼフ二世直々の出迎えを受け、盛大な凱旋式が行われた。事実上の最高勲章である黄金柏葉・剣・ダイヤモンド付騎士鉄十字章を受章し、荘園と八〇〇万マルクを賜った。副首相に昇格し、帝国安全保障会議と帝国経済財政会議に出席する資格を得た。(113話)
宇宙歴803年8月、前
リヒテンラーデ公爵クラウスの葬儀では首相兼最高司令官ラインハルト、帝国塩業公社総裁
リヒテンラーデ公爵ハインリヒ、枢密院議長
ヘッセン公爵とともに霊柩車を先導した。また、アンネローゼと共に遺産の一部を受け取った。同年、財政難による下士官と兵卒の給与カット、大規模増税が原因となり暴動が発生し、また政府の政策に
ラインハルト派の諸将が反発すると、ローエングラム大元帥府に乗り込み、「国家の大事」を説いた。具体的に何が話し合われたのかはわからないが、決裂したことだけは確かである。大元帥府から出てきたキルヒアイスは、沈痛な表情で「わかっていただけなかった」と語った。その後、「ノイエ・シュタウフェン公のごとくせよ」と記された詔勅を渡され、暴動鎮圧を命じられた。(116話)
同年10月、
ローエングラム大元帥のクーデター(
救国軍事会議のクーデター)後、表舞台から姿を消しているため、粛清されたという見方もあるが、
エリヤ・フィリップス上級大将は
ベルゲングリューンや
ビューローといったキルヒアイス元帥府の古参が残っているため、生きているのではないかと思っている。(117話)
3 能力
指揮官としても戦士としても一流の人物
ただし、この世界では
カストロプ公爵の反乱を平定したのはラインハルトであり、同盟軍
第七艦隊司令官
ホーウッド中将を降伏させることもなく、
リッテンハイム侯爵を破ったキフォイザー会戦も発生していない。同盟軍主力と戦った経験が少ないため、格下殺しと嘲る者もいる。好意的な評価でも、帝国軍で一〇本の指に入る名将とされるにとどまっている。(107話)
第一辺境総軍副参謀長
チュン・ウー・チェン中将は
レンネンカンプ上級大将に及ばないとの評価を下し、(109話)同副司令官
ジェフリー・パエッタ大将は弱兵が多く、さらに派閥も違い連携が全く取れていない帝国軍を曲がりなりにも軍隊として機能させていることから「
ミュッケンベルガーには及ばんが、それに近い力はある。」と評している。(110話)前世世界から見ると低めの評価である。
長所を見つけることが得意な
チュン・ウー・チェン副参謀長によると、キルヒアイスの勝ちパターンは二つあるという。一つは機動力を生かして側面や後背に回り込み、一気に突入する。もう一つは陽動によって敵を誘い出し、側面や後背に回り込み、一気に突入する。それ以外の勝利パターンはないらしい。極端な先制速攻型なのだ。
欠点を抉ることが得意な
マルコム・ワイドボーン参謀長は、キルヒアイス元帥の欠点を探した。先制速攻型の提督は正面決戦が苦手だと言われる。反撃される前に敵を倒してしまうため、守りを固めた敵への対応に慣れていない。キルヒアイス元帥にもこの法則が当てはまる。ビブリスでは包囲軍を攻めあぐねた。ヴァルハラでは第八艦隊相手に苦戦した。正面決戦に持ち込んでしまえば、キルヒアイス元帥は恐ろしくないという。
4 人柄
温厚、下水道の中を覗いても、そこに美を発見するタイプ。寛容で賢明で柔軟な人。それ故に宇宙歴802年頃には保守派の能力が低い部下を多く持っている。
基本的に信者であるラインハルトの周囲の人間の中で姉
アンネローゼとともにラインハルトを人間として愛している例外的存在。それゆえに他の人々のように「カイザーがそうおっしゃるのなら」と最終的に引き下がることはない。(
感想返し)
5 座乗艦
- 国内艦隊A分艦隊旗艦「バルバロッサ」(大将:国内艦隊副司令長官として乗艦)
- 帝国軍左翼部隊旗艦「バルバロッサ」(大将:帝国軍左翼部隊司令官として乗艦)
第二次ヴァルハラ会戦(第67話 - 69話)
- 近衛第一艦隊旗艦「バルバロッサ」(上級大将:近衛第一艦隊司令官として乗艦)
捕虜交換式典(第92話)
- ティアマト征討軍旗艦「バルバロッサ」(元帥:ティアマト征討軍総司令官として乗艦)
第九次イゼルローン攻防戦(第106話 - )
最終更新:2025年03月20日 16:22