クレメンス・ドーソン(Clemens Dawson、宇宙暦740年 - )は自由惑星同盟の軍人。原作登場人物である。男性。ドーソン派の領袖

1 外見

小心で神経質な顔つきで口ひげを生やしている。

2 略歴

2-1 前世

自由惑星同盟軍大佐、士官学校教官。宇宙歴789年3月に転任、少将として第一艦隊後方主任参謀を務める。その後、中将として憲兵隊司令官、国防委員会情報部長を経て、統合作戦本部次長に就任。宇宙歴797年3月30日にアンドリュー・フォーク予備役准将による統合作戦本部長ネイサン・クブルスリー大将暗殺未遂事件が発生し、同年4月5日、国防委員長マルコ・ネグロポンティより本部長代行を承諾され大将に昇進する。救国軍事会議のクーデターが発生後は監禁され、終結後の同年10月まで役職を務めた。宇宙歴798年4月10日、イゼルローン回廊にガイエスブルク要塞が出現し第八次イゼルローン攻防戦が始まり、入院中のクブルスリー本部長に代わって国防委員長に就任したウォルター・アイランズと共にライオネル・モートン少将、サンドル・アラルコン少将、ロジャー・ザーニアル准将、モレノ・マリネッティ准将の独立艦隊編成しヤン・ウェンリー大将をイゼルローン要塞に送り帰す。同年7月6日、フェザーン自治領主・アドリアン・ルビンスキーの策略で皇帝・エルウィン=ヨーゼフ・フォン・ゴールデンバウムアルフレット・フォン・ランズベルク伯爵、レオポルド・シューマッハ大佐に誘拐される。同年8月19日に自由惑星同盟に亡命してきた彼らとヨッフェン・フォン・レムシャイド伯爵を首都防衛司令部に匿い銀河帝国正統政府の樹立に貢献する。これを受け同月下旬、最高評議会より病気で退役するクブルスリーの後任としてり統合作戦本部長に就任を集諾する。その最初の仕事としてユリアン・ミンツを少尉に昇進させ駐在武官としてフェザーンへの転勤命令の辞令を出す。同年12月30日、「神々の黄昏(ラグナロック)作戦」においてフェザーン無血占領した事を受け、宇宙歴799年1月、宇宙艦隊司令長官アレクサンドル・ビュコック大将に叱咤激励したりなだめたりされ第一四艦隊第一五艦隊設立に尽力する。同月下旬、ビュコックと共に元帥に昇進。同年5月5日、首席秘書官・ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフの策略でウォルフガング・ミッターマイヤーオスカー・フォン・ロイエンタール両上級大将の艦隊にハイネセンが占領され自身の代で伝統ある統合作戦本部を失う。そして国防調整会議にて無条件停戦命令を発動するヨブ・トリューニヒトにより彼と内通していた地球教徒によりビュコック、アイランズらと共に監禁される。その後、軍事の最高責任者たる統合作戦本部長として帝国軍に収監された。

2-2 逆行後

2-2-1 新版

 宇宙歴791年に第一艦隊後方部長を務めている。それ以前はトリプラ星系警備隊参謀長、第六方面軍情報部長、士官学校教授、統合作戦本部情報保全担当参事官などを歴任した。階級は宇宙軍准将。第一艦隊各艦のダストボックスを抜き打ちで検査し、使える食材を発見したらネチネチと説教し、始末書を書かせた。この行動は正規艦隊では評判が悪かったが、アーロン・ビューフォートの反応を見るに、地方の軍人からは一定の支持を集めていたようだ。この時、第一艦隊所属の空母「フィン・マックール」で補給長補佐を務めていたエリヤ・フィリップス少尉の勤勉さに目をつける。(8話)
 宇宙歴792年にはじゃがいもに関するレポートが高く評価され、同艦隊の副参謀長となる。エリヤの成長に期待し、その報告書に何度も訂正を加え、再提出を命じた。(12話)
 宇宙歴793年に憲兵司令官に転属、この時少将に昇進している。かねてから目をつけていたエリヤ・フィリップス中尉を憲兵司令部付士官に抜擢する。エリヤ達の報告を元に腐敗していた憲兵隊の大掃除を行い、不正を駆逐した。その後、エリヤの貢献を評価し、自身の副官に抜擢した。(13話)
 宇宙歴794年頃、帝国の憲兵隊と合同でサイオキシンマフィアの摘発に乗り出す。同時に過激派軍人の秘密組織嘆きの会対策も行った。同年1月、憲兵隊改革の功績、昨年8月のクーデター計画の阻止、そして昨年12月に国防委員会首席監察官グリューネンヒューゲル中将、情報保全集団司令官カッパー少将らのクーデター計画を阻止したことが評価され、宇宙軍中将に昇進する。(15話)
 同年の第六次イゼルローン遠征軍では総司令部副参謀長を務める。崇高な使命感と重箱の隅をつつく目をもって正確性の向上に貢献した。幽霊艦隊対策にマルコム・ワイドボーン代将の作成した案を提出した。エリヤの取りなしがきっかけとなり、ヤン・ウェンリーに対する負の感情が爆発し、ヤンのやること全てに強硬に反対した。(29話)
 宇宙歴795年、第一一艦隊司令官に就任する。シトレ派の参謀や下級指揮官達と対立した。第三次ティアマト会戦ではゼークト大将を討ち取る武勲を挙げたが、終盤、ラインハルトの猛攻で戦死しかけた。(33話)
 宇宙歴796年のレグニツァの悲劇の後、壊滅した第二艦隊の司令官に転任し、再編に当たる。(50話)
 宇宙歴799年からの良識派体制下で予備役編入される。その後、リムジーヌ星系航路保安隊司令官、警視監となり、サンドバッグを購入して「ダスティ」と名付け、金属バットで叩いていたらしい。(74話)
 宇宙歴801年、トリューニヒトが主導した「辺境正常化作戦」でマルコム・ワイドボーン警視監、コンスタント・パリー警視監と共に指揮を執った。この功績により現役復帰し、宇宙軍大将に昇進。統合作戦本部作戦担当次長となる。(75話)同年、「国家非常事態委員会」(SEC)のメンバーとなり、クーデター対策に乗り出した。民主政治再建会議のクーデター発生時はオリンピア市に居た為、即座に拘束された。(79話)クーデター鎮圧後、一時的に統合作戦本部長代行を務め、その後新設された国防監察本部長に就任した。エリヤが登場する番組を片っ端から録画し、エリヤを見いだし、指導した自分の正しさを自慢していた。(89話)
 宇宙歴802年頃、エリヤに第二艦隊司令官となるように依頼する。同年に銀河帝国ブラウンシュヴァイク公爵などが自由惑星同盟との講和を口にし始め、同盟内で講和派と抗戦派の対立が発生すると徹底抗戦派に回った。この時の階級は宇宙軍上級大将。また、エリヤの逃亡者擁護にも手を貸した。(93話)

 トリューニヒト派が寛容派厳格派に分裂して以降(114話)、どちらの派閥に属しているのかは作中で明記されていないが、彼が厳格派でないとは想像しがたい。

 宇宙歴804年3月時点で、引き続き国防監察本部長を務めている。(119話)


3 能力

 エリートコースの士官学校戦略研究科を卒業。数字に強く、報告書に目を通すだけで自分の指示が守られているか分かる。(8話)情報に貪欲であり、憲兵隊から腐敗を無くしたり、(13話)第三次ティアマト会戦ゼークト大将を討ち取ったり(33話)と素晴らしい手腕の持ち主だが、統率ぶりは酷い。仕事の質が落ちるのを嫌ったのか、部下の裁量に任せようとせずに、すべてを自分で取り仕切った。どんな情報でも集めようとするあまり、人の悪口や根も葉もない噂話にまで耳を傾けた。素早く仕事を進めるため、批判者を遠ざけ、言うことを聞く者だけを近づけた。しかし、ドーソンの人となりを理解したエリヤの努力によって、側近以外にも気遣いを見せるようになり、これらの欠点もやや改善された。(13話)
 もともと情報部防諜部門の出身で(53話)、隠密作戦の指揮は得意。(原作四巻)

4 性格

 異常なまでに細かい指導を好む、給食のカロリー計算、トイレットペーパーの節約、ミサイル補充作業の能率化といったことにまで口を挟む。ただし、指導の一つ一つは適切らしい。「切れ者ドーソン」の異名を取るが、切れすぎて人望に欠ける。(8話)不正を許さないが、自分が否定されることはもっと許さない性格。(13話)
 わかりやすい悪に怒り、わかりやすい不幸に同情し、わかりやすい善行を好む。生意気を嫌い、素直を好む。善意に対しても悪意に対しても敏感。人の言葉に左右されやすい。自分の視界に入っている人間には意外と優しい。要するにとても普通の性格の持ち主。(13話)基本的にはお節介。(14話)情に流されがちで、単純な問題では果敢だが、複雑な問題では不公平になりやすい。(20話)

5 座乗艦

  • 第一一艦隊旗艦「ヴァントーズ」(中将:第一一艦隊司令官として乗艦)
  第三次ティアマト会戦(第32話 - 33話) 
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最終更新:2024年05月01日 09:27