1 歴史
宇宙歴770年代、自由惑星同盟の政権与党は保守政党
国民平和会議(NPC)であった。NPCの主導権を握る
ウェーバー派は金権政治に明け暮れ、世論の顰蹙を買っていた。一方で、対外出兵は控えられ、軍需と公共事業によりブルーカラーの所得は向上し、都市の金を辺境にばらまく政策は地域格差を縮小させた。(100話)
宇宙歴779年、NPC非主流派や野党
進歩党はウェーバー派を厳しく批判し、
ハイネセン主義への回帰を訴えた。反ウェーバー派の台頭である。世論はこの動きに賛同した。
宇宙歴789年、ついに「共和制防衛と財政再建のための超党派十字軍」として
ビッグ・ファイブが主導権を握ったNPCと進歩党による
改革派連立政権が発足した。彼らはさっそくハイネセン主義に基づく一連の改革を実施した。財政再建のための公共事業の削減はブルーカラーの家計を直撃し、利権構造打破を狙った辺境への補助金の縮小は辺境星系の予算を圧縮させた。当然、同盟市民の購買力は低下し経済も停滞した。こうした情勢の悪化を背景に再び辺境星域では
星系ナショナリズムが再び過激化し、政界でも極右(
トリューニヒト派、
統一正義党)と極左(
反戦市民連合、
汎銀河左派ブロック)が勢力を増大した。(29話)
低支持率に悩む連立政権は人気取りのための出兵を頻発させ、対帝国戦争が激化した。(100話)
宇宙歴797年3月、自由惑星同盟軍は悲願であった
イゼルローン要塞の攻略を成し遂げる。イゼルローン要塞失陥にもかかわらず内戦を続ける銀河帝国に対し、帝国領侵攻作戦
神々の黄昏(ラグナロック)作戦の実施が決定された。
宇宙歴798年、帝国領に侵攻した同盟軍は破竹の勢いで帝国軍を打ち破り、ついに帝都
オーディンを占領した。しかし、解放区で民主主義に基づく社会を建設しようとする同盟に対して、銀河帝国のもとでルドルフ主義を自明の理とする帝国臣民との間では次第に深刻な亀裂が生じ始める。長期にわたる遠征で広大な帝国領に分散した同盟軍は次第に疲弊し、降伏はすべてを失うと理解した帝国残存勢力の死に物狂いの抵抗に徐々に押され始める。帝国の民衆は
ハイネセン主義による改革のため、失業に追いやられ、理解しがたい奇習を押し付けられることに嫌気がさしてテロリズム(抵抗運動)に参加するようになる。
宇宙歴799年3月、
第三次ビブリス会戦での敗北及び
アースガルズ予備軍総攻撃からついに戦局は銀河帝国残存勢力に傾き始める。帝国領中枢アースガルズの確保を狙った
第二次ヴァルハラ星域会戦においても敗北を喫し、
神々の黄昏(ラグナロック)作戦は失敗に終わった。
ラグナロック戦役敗北後の同盟は混迷の時代を迎える。
進歩党を中心とした政権は急激な緊縮財政に踏み切り、その反動として
大衆党が政権を奪い、猛烈な積極財政へと転じた。
宇宙歴801年、大衆党の政策を全体主義的と断ずる自由惑星同盟軍首脳部は現職の
統合作戦本部長を盟主として
民主政治再建会議を結成し、クーデターを起こした。クーデターは反対派市民が結集した
市民軍と帝国領に捕虜帰還支援に出ていた
復員支援軍により鎮圧された。大衆党政権は巧みな大衆煽動で同盟市民の心を掴み、更なる改革を進めている。
2 組織
自由惑星同盟は成立時は多国間軍事同盟であり、宇宙歴788年時点でも各
星系共和国から構成される連邦制国家であり、議院内閣制を採用している。
連邦政府にあたる中央の自由惑星同盟政府は、立法、行政、司法の三権分立制をとっている。行政は最強評議会を頂点とする
各委員会、立法は両院制(二院制)の
同盟議会、司法は同盟最高裁判所を頂点とする裁判所に司られている。
指導者の序列としては
最高評議会議長が頂点、次いで下院議長、最高評議会副議長の順となる。国家元首と首相を兼ねる最高評議会議長、議長の官房にあたる最高評議会書記局の長である
書記と中央省庁にあたる
各委員会の長である各委員長によって行政を司る内閣に相当する最高評議会が形成される。その下に
各委員会が設置されている。物語開始時点の宇宙歴788年には九委員会体制であり、宇宙歴802年に中央省庁の改変が行われ十五委員会体制へと移行した。
立法を司る
同盟議会は加盟国の利益が反映されやすい上院と民意が反映されやすい下院から構成されている。議会は
最高評議会議長を選出する。通常、下院第一党の党首が選ばれることが多いが、政権与党内部のパワーバランス次第というケースも多い。
3 軍事
自由惑星同盟軍は宇宙軍及び地上軍から構成される。宇宙世紀794年時点で総兵力五七〇〇万人である。(29話)
4 地理
5 経済
6 宗教
最終更新:2018年02月17日 10:57