特技。
【呪文】とは似て非なる、キャラの技能。
Ⅳまでは原則的に敵キャラ専用であり、呼び方も「特殊攻撃」といわれていた。
味方側ではⅤで仲間モンスター専用で搭載され「とくぎ」のコマンドが初登場し、Ⅵで本格実装されるに至った。
「とくぎ」のコマンドを選ぶと、現在習得している特技の一覧が表示され、その中から1つを選んで放つことができる。
ただし、移動中は「じゅもん」コマンドで一括して扱われる。
本編シリーズ
特技の総数は、呪文に比べると遥かに多い。
呪文が「世界共通言語」的な性質を持つのに対し、特技は「キャラ独自の技」という性質を持っているからだ。
そのため、敵専用呪文や味方専用呪文が数少ないのに対し、敵専用特技や味方専用特技は数多く存在する。
もちろん、頭数自体が多いということは、それだけ多種多様な特技が揃っているということであり、全ての性質を正確に把握するのは至難の業である。
分類は、呪文と同じく「攻撃」「補助」「回復」「移動」の4つだが、
【かぶとわり】のように、複数の性質を併せ持った特技も存在する。
【属性】については、呪文よりもかなりややこしいことになっている。
炎の呪文属性には
【メラ系】・
【ギラ系】が存在するが、一部の特技はこれとは別な
【炎系】に属し、氷にも
【ヒャド系】に似て非なる
【吹雪系】が存在する。
これにより、メラ・ギラは効かないのに炎は効いたり、ヒャドは効かないのに吹雪は効くという、よく分からない現象も起きる。
他にも、
【いなずま】・
【いなずまぎり】は
【デイン系】かと思いきや
【イオ系】扱いだったりすることも。
しかもこれらの特技は本編ではイオ系を通しているのに、モンスターズではデイン系を通していたりと作品によっても設定はばらばら。
なおⅨでは、メラ系と炎系、ヒャド系と吹雪系が同一属性に統一された。
内容も多岐に渡り、剣技、格闘技、
【息】、
【踊り】、歌などなど…様々な特技が、戦闘を彩ることになった。
これらは、呪文に比べて封じる手段に乏しい。
せいぜい、
【おいかぜ】で息攻撃を跳ね返し、
【おどりふうじ】で踊りを封じることができるくらいだ。
このため、味方が使う際はローリスクで呪文よりも圧倒的に使いやすい。
反面、敵が使う場合は脅威となり、耐性装備などで対策をしておくことが重要となる。
習得方法はⅦまでは呪文と同じであり、
【レベル】、
【熟練度】(Ⅵ・Ⅶ)の上昇により新たな特技を覚える。
Ⅷ以降ではレベルアップではなく、
【スキルポイント】?の振り分けによって覚えるようになった。
一部はイベントでも習得する。
DQⅠ~DQⅢ
この頃は前述のように、特殊攻撃は基本的に敵専用であり、味方側の使用手段としてはⅢから登場した
【ドラゴラム】の呪文で変身して炎を吐くぐらいである。
DQⅣ
Ⅳでは1ターン休み系の
【おたけび】、補強系の
【ちからため】などが初登場したほか、スライムの合体やマンルースターのコンビネーション技など斬新なものも登場した。
また炎・吹雪のブレスは段階別に異なる名称になった。
DQⅤ
【仲間モンスター】の導入に伴い、初めてプレイヤ一側が自在に特技を扱えるようになった。
Ⅴの特技は従来の敵の特殊攻撃をそのまま引き継いだものがほとんどであるため、種類は攻撃用のものがメインであり、補強系や回復系はごく少数に限られ、移動中の特技に至っては皆無である。
MPを消費する特技もまだ無い。
戦闘コマンドは仲間モンスターに限り「じゅもん」が「とくぎ」に置き換えられているが、Ⅴでは呪文も特技も一括して「とくぎ」ウィンドウで扱われる。
最強特技である
【しゃくねつほのお】の威力は呪文の
【イオナズン】を上回るものの、Ⅴの特技はあくまでモンスター専用で使用者も限られているうえ、これ以外の特技はそれほど際立った威力があるわけでも無い。
そもそも、最終的には
【たたかいのドラム】によって特技の立場も追いやられてしまう。
このため、Ⅴではまだ特技が呪文の存在を脅かすまでには至っていない。
SFC版公式ガイドブックでも、呪文が写真&イラスト付きで詳しく紹介されているのに対して特技の扱いは小さく、一覧表として全特技が1ページにまとめられている程度でしかない。
DQⅥ・DQⅦ
Ⅵからは特技が本格的に実装され、モンスターだけでなく人間キャラも多採な特技を使用できるようになった。
特技の数はⅤに比べて大幅に増え、ブレス系や踊り系に加え、剣技や格闘技系が新たに登場。補助や回復系の特技も増えた。
もちろん、味方だけでなく敵キャラもこれらの特技を使ってくる。
この他、移動中のみ使える特技も初登場。
MP消費0の特技がまだまだ大半を占めるが、
【ギガスラッシュ】や
【ビッグバン】などMPを消費する特技も登場した。
戦闘コマンドも「じゅもん」と「とくぎ」が完全に分離された。
従来、魔法系キャラや仲間モンスターは多彩な行動をとることができた一方、戦士系キャラは基本的に通常攻撃一辺倒で、単調な戦闘をすることが多かったが、Ⅵはそんなマンネリを脱却させた。
呪文と同等かそれ以上の威力・効果を出せる特技も非常に多くなった。
特に攻撃系においてはほぼ特技の圧勝状態である。
先述のMPを消費する特技はもちろん、ノーコストで使える
【かがやくいき】ですら最強クラスの攻撃呪文を凌駕。
また剣技や格闘技系は攻撃力やレベルによってどんどん威力が上がる場合が多い。
しかもⅤと違い、転職すれば誰でも特技を覚えられるため、Ⅵ・Ⅶの特技は呪文の立場を完全に食ってしまった。
「ラリホーよりもあまいいき、ひつじかぞえ歌(Ⅶ)」「メダパニよりもメダパニダンス」「攻撃呪文よりしんくうは、まわしげり」「メラゾーマよりもばくれつけんorせいけんづき(Ⅵ)、つるぎのまい(Ⅶ)」などなど散々な言われ様である。
DQⅢ・DQⅣ・DQⅤ(各リメイク版)
またリメイクⅣでは、新たに仲間キャラとなったピサロ用の戦闘特技がⅦから輸入された他、主人公用の
【ギガソード】も追加された。
これらはすべて「じゅもん」ウィンドウで扱われる。
DQⅧ
今作からは多くの特技がMPを消費するようになった。
【スキル】?システムの導入に伴い、各武器種別ごとや素手用の独特の特技が多数登場し、それらは特技に対応する装備でないと使用できなくなった。
反面、各種ブレスのほか、Ⅴの仲間モンスターが使えたような特技(もともと敵キャラ専用だったもの)のほとんどは、人間が使うことはできなくなった。
味方側がこれらを発動するには
【トーポ】にチーズを与えてブレスを吐かせるか、
【スカウトモンスター】に任せるかしかなくなった。
ⅥやⅦでは、どう見ても斬れそうにない杖で剣技を放ったり、格闘技なのに武器の攻撃力が上乗せされたり、人間キャラが人間技と思えないようなブレスを吐き放題であったり、と色々と突っ込みどころのある仕様だったが、
Ⅷではグラフィックのリアル化に対応するためか、これらが解消された。
剣技なら剣、斧技なら斧…等々、対応する武器をきちんと用意したい。
DQⅨ
呪文と特技の棲み分けが明確化された。
呪文は職業ごとのレベルアップで習得し、転職をすると使えなくなるのに対し、特技はスキル振り分けによって習得し、こちらは職に関係なく使用できる。
一部の特技はクエストで貰える
【秘伝書】を所持することで使えるものもあり、こちらは秘伝書さえ持たせればスキルや職業・レベルに関係なく使用できる。
ただしいずれの場合も、武具系スキルの特技は前作同様、対応する装備をしないと使用できない。
また、
【ひっさつチャージ】によって使える必殺技や超必殺技が新たに登場した。
なお、各種ブレスはⅡ以来の完全な敵キャラ専用となり、
【ひかりのほのお】【やみのほのお】という亜種も登場した。
因みに、今作の攻撃呪文は従来よりもさらに上の第4段階目(
【メラガイアー】など)が登場し、
しかも
【攻撃魔力】?を上げることで威力も上がるようになったため、威力面ではようやく特技を見返せる存在になったといえるかもしれない。
ただ、コストパフォーマンス面は最強呪文と比べると依然としてビッグバンなどの特技の方が勝っており、また「フォース+はやぶさの剣改+はやぶさ斬り」がⅨで事実上最強といわれていることを考えれば、やはり特技に軍配が上がるということか。
モンスターズシリーズ
モンスターズでは呪文も特技の一部とされ、呪文とその他の特技が同列に扱われる。
また、ほとんどの特技に消費MPが設定されている。
前述した【いなずま】など、本編とモンスターズで属性や厳密な仕様が異なっている特技は多いことにも注意したい。
DQMJ以前では、特技は呪文・息・踊り・物理攻撃系(ジョーカーでの呼称は直接打撃)、その他の5つに分類された。
DQMJ2以降は新たな分類に
【斬撃】と
【体技】が加わり、ほぼ全ての特技が呪文・斬撃・体技・息・踊りの5分類のどれかに属するようになった
(テリワン3Dの
【だいぼうぎょ】や「霧」などの例外はある)。
斬撃や体技に対する対抗手段も存在し、さまざまなカテゴリの特技を使い分ける必要も出てきた。