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  • 決闘バトルロイヤル @ ウィキ
  • Introduction:ふぞろいのPlayers!

決闘バトルロイヤル @ ウィキ

Introduction:ふぞろいのPlayers!

最終更新:2025年05月22日 10:28

zombi2baisoku

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電脳救命センター、またの名をCR。
主にゲーム病患者の特別治療を目的として、聖都大学附属病院の地下深くに設けられたエリア。
仮面ライダークロニクルを巡る一連の事件が終息してからは主に、ゲーム病により消滅した患者たちを復元させる方法の確立を最重要課題として、ドクター達が日々勤しんでいる。
とはいえそれはあくまで「本来の」CRにおける話。
現在この場所に設置されたのは殺し合いの為に用意されたレプリカ。
ゲーム病患者は当然のこと、一般の患者や医療スタッフすら影も形も見当たらない。
だがレプリカと言っても、用意したのはゲーム開発に一切の妥協を許さない檀黎斗。
名前は同じで外見だけを似せて作り、中は単なるハリボテ。
マップを未完成のまま販売するクソゲーの如き愚行は、ゲームマスターとしてあるまじき行い。
であるならば当然の如く、聖都大学附属病院の完全再現を完了させている。
一般病棟のみならず、CRも設備どころかホワイトボード用のペンやマグネットという事務用品に至るまで全てが本物と同じ。

そんなゲーム開発者の拘りを見せる地下空間に、一人の参加者の姿があった。
天津垓。ZAIAエンタープライズの元日本支部代表にして、現在は自らが設立した新会社の代表取締役。
正史においてはCRのドクター達と何の関わりも無く、ましてCRに足を踏み入れるなど有り得ない。
肩書きは一般市民から程遠くとも立場的には部外者。
必然的にエレベーターを利用し降り立ったこの場所が一体何なのか、天津には知る由も無い。
分かる事と言えばここは因縁の主催者、檀黎斗と関係があるらしい。
具体的にこのCRなる場所と黎斗の関係など、諸々を知る方法は目の前に存在する。

『うぅ~頭がピヨピヨしてきた…』

ゴテゴテした筐体の中にいる、黎斗からはポッピーと呼ばれた不思議な女性。
つい先程「ピプペポパニック」と叫んだように、現在進行形でパニック状態なのは見ての通り。
彼女と黎斗の会話から察するに、どうもポッピーは黎斗を前々から知っている。
ヒューマギアの黎斗と一悶着あった自分以上に近しい。
わざわざ黎斗自らお助けキャラと明言したのだ、ロクな情報を持っていないとはならない筈。
自力で混乱から回復するのを悠長に待ってはいられない。
少々強引だが話を聞かせてもらう。

「失礼、色々と理解が追い付いていないのは承知ですが宜しいですか?確か…ポッピーピポパポ?」
『へっ…?あ、あーごめんなさい!えぇっと、あなたは……』
「申し遅れました、私は天津垓。永遠の24さ…今これはどうでもいいか」
『…?まぁいいや。それより!あなたはどうしてここにいるの?というか、もしかしてクロトの知り合い?』

質問するつもりが逆に聞かれてしまった。
どうもポッピーの方にも疑問は多い。
というか今何が起きているのかを把握出来てはいない様子。
殺し合いと言う名のゲームに巻き込まれた大前提を、理解しているかも怪しい。
本題に入る前に、まずはそれらの説明が必要だろう。

「聞きたい事は多々あるでしょうが、まずは我々の置かれた状況を説明させてくれませんか?」
『状況…?クロトがまた何かタイヘンなことを始めちゃったの?』
「ええ……」

また、と口にしている辺り黎斗がゲームと称してロクでもない騒動を引き起こすのは、今に始まった事では無いらしい。
以前から振り回されているだろう相手へ内心で同情しつつ、状況を簡潔に伝える。
神を自称する黎斗と、彼が始めた悪趣味極まりないゲーム。
既に複数人の犠牲者が生まれた催しを打破する為に自分は動いている。

説明を聞き終えた彼女は明るい色の髪とは正反対に、青褪めた顔で頭を抱えた。

『クロト……ほんとに何してるの…!?』

黎斗の命に対する価値観は、常人のソレとは大きく乖離したもの。
彼なりに自分の生み出した命への想いはあれど、決して褒められた人間性ではない。
前々から分かっていた事実を加味しても、天津から聞かされた所業には動揺が抑えられなかった。
百人以上もの人々を殺し合いへ強制的に参加させ、しかも既に死者が出てしまっている。
その中には身動きを取れずに殺された女の子までおり、幾ら何でもゲームで片付けられる訳がない。

「……」

ショックを受け項垂れるポッピーを、天津は冷静に観察する。
画面越しだが演技をしている様子は見られない。
彼女の悲しみや怒りは見せかけではなく本物、一先ずはそう判断しても問題はない。
お助けキャラというのは偽りで、黎斗が自分達の妨害を目的としたNPC。
天津の中で僅かにあった懸念も杞憂で済んだと言って良い。
疑いを向けた事へ内心で謝罪し話を続ける。
またもや混乱状態に陥りかけているところ悪いとは思うも、必要な情報は山積み。
酷だが話を中断されては困るのだから。

「直ぐに受け入れられないのは私も分かっています。ですが…」
『……うん。クロトを止めなくちゃ、だよね』

俯いていた顔を上げ、断固とした決意を告げる。
自分が知らない間に黎斗が残酷なゲームを始めたのは、確かに衝撃だ。
何も知らなかった能天気な自身への怒り、罪に手を染めたけど自分にとっては生みの親でもある黎斗への複雑な想い。
永遠に失われた命を出してしまった悔しさ。
だけどポッピーとてCRの一員。
患者の命を守り、心身の傷を癒し、彼らが再び自分の人生を歩める手助けを使命とする者。
人間では無くとも、命の尊さはドクター達にも負けないくらいに理解しているつもりだ。
バグスターであるが医療現場に携わるナースとして、切り替えなくてはならない。
失われた命を蔑ろにする気はない、だがまだ生きている者達からこれ以上命を奪われるのを許してはいけない。

『いつもみたいに外には出れないけど、でも私に出来ることがあったら何でも言って』
「…分かりました。あの男を止める為に、我々に力を貸して頂きたい」
『うん!よろしくね、ガイ!あ!それと敬語は使んなくても良いよ!』

参加者ではなくとも志を共にする仲間が増えた。
心強さを覚えながら早速本題に入る。
ポッピーの知る黎斗の情報だ。

『んっと…長くなると思うよ?』
「構わない。まず敵の詳細を深く知らなければ、対抗策も編み出せないだろう」


○


『――それで、マイティノベルXもエムがクリアして。とりあえず事件解決!ってなったと思ったんだけど…」
「その矢先に今回の殺し合い、という訳か」

長くなる、その言葉に嘘は無かった。
ポッピーが語ったのは非常に濃い内容。
あの黎斗の話なのだから相応の情報量だと覚悟はしていたが、流石に予想以上の濃厚さ

天津の知らない、正真正銘の人間だった頃の黎斗。
幻夢コーポレーションのCEOとしてCRに協力し、裏での暗躍と終焉。
そして復活、以後はCRに協力しつつ父の野望を打ち壊す。
が、当然大人しくしている男ではなく、脱獄した彼がCRに仕掛けた新たなゲーム。

CRと黎斗の物語を〆たのは、宝生永夢がドクターになってから7年後に起きた事件。
差出人不明のガシャットを起動し始まった新たなゲームと、案の定黒幕だった黎斗との戦い。
どうも永夢自身の生い立ちが深く関係した事件らしいが、勝手に言い触らすのを嫌ったのかどのような過去かはポッピーも言わなかった。
天津としてもそこを詮索するつもりは無いので構わないが。

「しぶといにも程があるな…」

死んだと思ったら生き返り、消滅したと思ったらまた復活。
元よりあの男に倫理観など毛先程も期待していなかったが、こうも執念深いとは。
改めて、黎斗に散々振り回されたCRのドクター達には同情するしかない。
ついでにあの子にしてこの父ありと言うのか、檀正宗もとんだ大事件を起こしている。
親子喧嘩のとばっちりを受けた程度でそこまで詳しく知らなかったが、ある意味では黎斗の父親らしい男だ。
天津自身も過去の行いを振り返れば、他人をとやかく言えないが。

『私からは説明できるのはこれで全部だけど、ガイの役に立ったかな?』
「勿論、奴に関して十分過ぎる程に知れた。私の持つ情報だけでは不十分だったろう」

天津が持つ情報はほんの一部に過ぎなかった。
膨大であれど有益なポッピーの話へ満足気に頷く。
後は手に入れた情報を今一度整理し、主催者打破への手掛かりとなるものを厳選。
考え込む姿勢を作る天津へ、画面越しにポッピーが身を乗り出す。

『そういえば、ガイもクロトと前に会ったことがあるの?』
「ああ。尤も、君の知る檀黎斗と同じとは断言出来ないが」

こうして教えてもらった以上、こちらも質問の答えを返すのがフェアというもの。
情報開示に抵抗も無く、承太郎と一海にしたのと同じ話を伝える。
聞き終えたポッピーの顔は見るからに困惑、いやドン引きと言ってもいい。

『ほんっとに何してんのクロト…何かダンマサムネまでいるし…っていうかガイもガイだよ!その、ヒューマギアだっけ?クロトのロボットなんか作ったら絶対タイヘンな事になるじゃん!』
「それに関しては言い訳のしようもないな」

本人でさえ他者に従わない、媚びない、諂わない。
傲岸不遜の四文字に手足が生えたような人物で、質の悪いことにそういった態度も納得の才能の持ち主。
それが檀黎斗という男。
たとえ本人ではないヒューマギアだろうと、あの黎斗が他者の命令を素直に聞く筈がない。
黎斗への理解を天津にそこまで求めるのも酷かもしれないが、ヒューマギア黎斗の件に関しては天津の迂闊さも無いとは言い切れなかった。

『あれ?それじゃあ殺し合いを始めたのはヒューマギアのクロトってこと?』

ポッピーの疑問へ首を横に振って返す。
ゲームが始まった直後は天津も、黒幕はヒューマギアの黎斗と疑いはした。
しかし放送で姿を見せ、ついさっきホログラムで目の前に現れた黎斗にはヒューマギアモジュールが存在しない。

「私としては、君が説明した黎斗Ⅱとやらの方が可能性は高いと思う」

マイティノベルXを永夢に送り付け事件を引き起こした黒幕。
九条貴利矢との決戦に敗北し消滅した黎斗が、事前にバックアップを取って置いた為に生まれた新たな黎斗。
最終的にマイティノベルXは永夢の手でクリアされ、黎斗Ⅱも消滅。
と幕引きを迎えたものの、予め用意した何らかの方法を用いて復活を果たしたと考えられなくもない。
今回殺し合いを開催したのは例によってまた復活した黎斗、言うなれば黎斗Ⅲではないか。

『う~~~~~~ん……』

天津の立てた仮説に、ポッピーが納得した様子は無い。
主催者の黎斗が黎斗Ⅲである可能性を頭ごなしに否定はしないが、何か違和感を感じる。
具体的にどこがどうと説明するには、少々言葉が纏まらないのが困ったものだ。

「…ふむ。主催者の檀黎斗の正体は一旦置いておくとして、情報を仲間とも共有するべきだな」
『そういえばさっきクロトが上にいる連中とかなんとか言ってたような…?』

主催者に関する詳細な情報を、自分一人で独占するつもりはない。
承太郎達とも共有し、彼らからも意見を聞けば別の視点からの発見があるかもしれない。
加えて、彼らの持つ奇妙な能力の詳細などもそろそろ把握しておきたいところ。
とにもかくにも一度地上へ戻ろうと、ドレミファビートの筐体に背を向けた。

「少し待っていてくれ。彼らにも君の事を紹介したい」
『うん!でもガイも怪我してるんだし、あんまり無理しないでね!』

指摘されると改めて傷に意識が向き、遅れて痛みがやって来た。
支給品の回収や病院内の探索を優先し、自分の手当ては後回しにしたが放置して良いものではない。
殺し合いの前から傷だらけにされるのは、非常に不本意ながら慣れている。
しかし今後の戦いを考えれば適切な処置は必須。
エレベーターのランプを見上げながら、まずは言われた通り自分の傷をどうにかしようとぼんやり思う。

薄暗い空間を抜け来た道を戻り、近くの診察室で包帯や消毒液、ガーゼなどを拝借。
決して少なくない金を掛けた衣服を脱ぎ、傷を負った箇所に処置を施す。
医療用のヒューマギアがいればもっと手際よく行えたが、贅沢は言ってられない。
それとも、殺し合いなんぞにヒューマギアを投入されなかった事実を喜ぶべきか。
少し前の自分だったら有り得ないだろう、ヒューマギアの身を案ずるとは。
つい苦笑いしながら上着を着直し診察室を後にした。

一面に清掃が行き届いた床を革靴で進む度に、コツコツと乾いた足音が響く。
なまじ広い空間だけに人気の無さが際立ち、いやに大きく聞こえる。
やがて音は止んだ、天津が目的地へ着いた証拠だ。
病室のドアをそっと開き中を覗くと、入院患者用のベッドにそれぞれ横たわる人影が二つ。
逞しい胸を上下させる少年、小さな寝息を立てる少女。
戦闘の疲れが未だ残る二人は夢の中。
眠りに落ちた承太郎といろははともかく、本来いるべきもう一人の姿が見当たらない。

(彼はどこに行った?)

ドアを閉め件の人物の行く先に首を傾げる。
自分と同じく病院内の何処かか、まさか一人で勝手に出立した?
探しに行くべきかと悩み、響く足音と視界の端に映った姿にその必要はないと思い直す。

どこに行っていたのかを聞こうとして気付いた、彼一人ではないことに。

「あれは…向こうにいるのがあんたが会わせようとした相手か?」
「今度は普通に話ができる奴よね…?」
「キャルおねーさんビクビクし過ぎじゃない?。耳がぺたーんってなってるよ」
「し、仕方ないでしょ!だって、こ、こいつ…その…顔恐いし……」
「……」

先頭を歩く異形の剣士の後ろに続く、三人の参加者。
特徴的な髪型の青年、何故か猫耳を生やした少女と、彼女に背負われ垂れ下がった耳をつつく少女
謎の一団を仏頂面で引き連れる彼に、少々困惑しつつも全員こちらへの敵意は無いと判断。
傷の治療か何かで訪れた青年たちを黒死牟がここまで案内した、と言った所か。
協力可能な者達ならば、邪険に扱うつもりはない。
対応を考えている内に四人が目の前まで来た。

「ふむ…彼が中へ招き入れたという事は、君達は殺し合いを良しとしない者と判断して良いか?」
「ああ、檀黎斗達の言い成りになる気は無い」

質問へ真っ先に答えたのは青年。
初対面ながら怯まず天津と視線を合わせ、口に出したのは短いながらも確固とした意志。
嘗ての天津ならば嘲笑い、だが今は好ましさと眩さを覚える熱さ。
残る二人を見やると考えは青年と同じらしく、特にたじろぐ様子も無い。

「右に同じー。おねーさんもそうでしょ?」
「じゃなかったらあんたをおんぶなんかしてないわよ。っていうか、ちょっ!耳くすぐったいんだけど!」

感触が気に入ったのかそれとも単に珍しいからか。
猫耳を執拗に触られ抗議するが、聞く耳持たずで引っ張られる。
「振り落とすわよ!」と目を吊り上げ言ったら、「えーやだー」と適当な返事。
良く言えばほのぼのとした、悪く言えば緊張感のない光景。
仲が良いのは結構だが話の続きだ、中断されても困る。

「結芽、今は…」
「はーい」

長々と茶化す場面でもないと分かってはいるようで、青年に窘められれば直ぐに耳から手を離した。
彼に視線で礼を伝え、まだ名前を聞いていなかったと気付く。
ポッピーの時と言い自己紹介という基本を忘れがちな己への呆れは内心で留め、まずはこちらから名乗る。

「自己紹介が遅れたが、私は天津垓。君達同様、檀黎斗を倒しこの悪趣味なゲームを終わらせるつもりだ」
「こっちも名乗るのが遅れた。俺は――」

名を口にしかけた所で、遮るような音を全員が聞き取った。
発生源は彼らのすぐ近く、丁度天津が様子を見たばかりの病室。
ドアが開き、薄暗い室内から現れたのは日本人離れした体格の少年。
学帽の下から覗く鋭い眼光はそれだけで周囲を怯ませる。
但し、少年の人となりを知っている者は別だ。

「起きたのか承太郎君、怪我の具合は?」
「……ちと痛むが、死ぬ程じゃあねえ。天津、こいつはどういう状況だ?」

承太郎が最後に記憶しているのは、共に軍服の男と戦った仲間の最期。
首輪だけを残し一海が消滅した直後意識を手放し、目が覚めたらベッドの上にいた。
別のベッドでは見知らぬ少女が毛布に包まり、話し声が聞こえたので出てみたらこの状況。
天津はともかく、他の連中とは全員初対面。
見た限り天津は青年と会話の最中だったようで、出るタイミングが悪かったか。

「ん…んん……?」

一度中断されれば話の続きはどうにも上手くいかない。
物音と人の声に反応したのか、夢の世界から現実へと意識を引き摺り出される者が一人。
寝惚け眼を擦りながら体を起こし、開いたままの出入り口の方をぼんやり見やる。
知っている人と知らない人、向こうも気付いたようで自然と視線が集まった。

「……え、あっ、お、おはようございます…!」

寝起きを大勢に見られ羞恥で意識が急速に覚醒。
慌ててベッドから離れ病室の外に出るいろは、これで病院内にいる参加者全員が顔を合わせる事となった。

「環くんも起きたのか。…済まない、病室の前で少し騒がしくしたな」
「い、いえ!大分休めましたし、大丈夫です」

配慮が足りなかったかと自らの失敗に渋い顔を作る天津だが、いろはには問題無い。
今口にした通り睡眠を取り、疲労も幾らか抜けている。
少なくとも病院前での戦闘を終わらせた直後よりはマシだ。

「タマキ…?」

ポツリと、天津の言葉に反応を見せる者がいた。
猫の特徴を持つ少女、キャルだ。
天津が言ったのはキャルにも聞き覚えがある名前。
ランドソルの商業ギルド、メルクリウス財団に所属する獣人のタマキ。ではない。
殺し合いの前ではなく、巻き込まれてから聞いた名前の中に同じものがあったのを思い出す。

「もしかしてあんた、ゲントクとミフユが言ってた環いろはって奴?」
「みふゆさんを知ってるの!?」

思わぬ名前にいろはも驚きを隠せない。
殺し合いには乗っていないだろう魔法少女で、やちよの親友。
みふゆから自分の名を聞いたということは、彼女と既に接触したのか。
初めて得られた自分以外の魔法少女の情報に食いつく。
一方キャルもいろはの反応から、幻徳達から聞いた協力可能な人物で間違いないと確信。

「幻徳?そいつは確か一海の言ってた仲間か?」

キャルが出した名前を知っているのはいろはだけではない。
今は亡き仲間、猿渡一海が信頼できる人物として挙げた内の一人だ。
予想だにしなかった情報の入手には、面に出さないだけで承太郎も驚いている。

「ふむ……」

些か混乱の予兆を見せ始めた場に、天津は考え込む。
軽い自己紹介を済まし、具体的に互いの持つ情報を明かすのは承太郎達が目覚め落ち着いてから。
そのつもりであったが今や病室前の廊下へ一堂に会し、いろはや一海の仲間の情報が齎された。
予定は狂ったが逆に丁度良い機会にも取れる。

「良いだろうか?全員私の話に耳を傾けて欲しい」

実年齢とは逆に若々しく、同時に全員の意識を向けさせる声色。
各々聞く姿勢となったのを確認、満足げに頷き続ける。

「私も君達もそれぞれ聞きたい事が多々ある。そこで、腰を落ち着けて話し合う場を設けたい。場所はこれから案内する地下施設が望ましい」
「わざわざ地下まで行く理由は何だ?」

承太郎が訝し気に尋ねるのも無理はない。
座って話をするだけなら適当な病室や食堂スペースなど、探せば幾らでもある。
そういった部屋を無視して地下を選ぶ理由が分からなかった。

「詳細は降りてから話すが…檀黎斗に関する情報を持つ人物が地下で待っているからだ」
「なに?」

全員にとって驚愕の内容だろう。
ゲームを開催した元凶である男の情報は、殺し合いに反抗する者達には必要不可欠な武器。
それを知る者と天津が接触しており、しかも件の何者かは自分達のすぐ近くで待機中。

「この際だから先に言っておくと私自身、檀黎斗とは因縁がある。今ここにいる中では承太郎君しか知らないが。だが地下にいる『彼女』は私以上に檀黎斗を知る者だ。そこで互いに必要な情報を交換し、同じく檀黎斗に関しても共有するのは手間が省けるだろう?」

集まった者同士の情報交換と、黎斗に関する情報の共有。
二つを纏めて行うには、確かに良い機会と言えるのかもしれない。
反対する理由は見当たらない、探す必要も無い。
納得してもらえたのなら善は急げだ、彼らをCRという名の地下空間まで案内する。

医療スタッフや入院患者が目撃すれば目を疑うのは確実な、個性的過ぎる一団がそこにはあった。


◆◆◆


『おっかえりー!ってなんかめっちゃ増えてない!?』

エレベーターを降り、ぞろぞろと入室する面々。
天津の口振りから病院内に彼の仲間がいるとは知っていたが、ここまで多いとはポッピーにも予想外。
よく重量オーバーにならなかったものだ。
しかも猫耳と尻尾を付けた少女や、どう見ても人間ではない男までいる。
外見だけでもアクの強い面子には軽く頭がピヨりかけた。

「ポッピー、大勢で押しかけて済まない。もう一ついきなりで申し訳ないが、ここを使わせてもらっても?」
『あ、うん。それは全然良いけど。皆にはクロトの話はもうしたの?』
「いやまだだ。これから説明するので、君には補足を頼みたい」

ポッピーから聞いた全てをもう一度話すよりは、必要な部分を厳選しつつ要所要所でポッピーに補足してもらう。
ある程度は時間の節約になり、話もスムーズに進む。
会議の進行にはZAIAエンタープライズの元社員だけあって手慣れている。
特に断る理由の無いポッピーからも任せてと心強い言葉を貰えた。

「病院の地下にゲーム…?それにあの人は…」
「へー、なんか秘密基地みたい」

妹達のお見舞いや孤独な入院の日々など、病院と縁のある二人も興味深気に部屋を見回す。
年相応の仕草を見せる少女達を尻目に、天津はポッピーと説明の段取りを決めた。
後は腰を下ろしてお互いに話すだけ。
その旨を伝えると各自目に付いた椅子を持って来て座る。
中央のテーブルや四方のデスクに設置された物で、人数分は確保可能だ。

唯一、黒死牟だけは一歩引いた位置で立ったまま壁に寄り掛かる。
病室で天津と話をした時と同じ体勢。
他の者が腰を下ろすのを無感情に眺め、始まるのを待つ。

「あの、黒死牟さんもこっちにどうぞ」

が、それより先に話しかける者がいた。
桜色の髪を揺らす彼女の元には二人分の椅子。
自分一人だけ立ったままなのに気を遣ったのかつもりか。
頼んでいないし、余計な世話でしかない。
必要無いと視線を向けるも、眉尻を下げ困ったような顔を返される。

「……」

直接口に出そうとし、やめた。
十五かそこらの娘相手に、こんな些事で意地を張るのも馬鹿らし過ぎる。
檀黎斗に関する話の開始を無駄に長引かせるのは、こちらの望む所ではない。
それに分かっていた筈だ、この少女が不必要なまでに自分へ構おうとするのは。
用意された椅子へ無言で座る。
礼も言わない冷めた態度であるが、座ってくれただけで満足なのか笑みを浮かべるいろはを視界の端に捉えた。
ついでに、珍しいものを見付けたような顔をするキャルと結芽もだ。

「では始めるとしよう。まず各々の自己紹介と病院に来るまでの経緯を話してもらいたい。檀黎斗の話を一刻も早く始めて欲しい気持ちは理解しているが、こちらは少々長くなる。だから申し訳ないが一番最後にさせてもらう」
『私の自己紹介もその時にするね!』

最初は言い出しっぺの自分からと、一人目を買って出たのは天津。
自分の名前と元の世界での職業などの簡単なプロフィールに始まり、仮面ライダーサウザーという変身する戦力を説明。
最後に聖都大学附属病院へ来るまでの経緯を話す。
分かり易く尚且つ言葉不足にならない程度には、詳細な部分へ補足を入れた。

続けて天津と最も長く行動を共にした承太郎が、それから承太郎達の言う軍服の男と決着をつけた遊星と結芽、二人を病院まで運んだキャル、といった順で話が進む。

「…すまない。我々が奴を仕留めていれば……」
「謝らないでくれ。あんた達があの男をあそこまで消耗させてなかったら、多分俺達は全滅していた」

遊星達が大尉相手に勝利できたのは、敵が満身創痍にまで追い詰められていた部分も大きい。
そうでなければ最初に蹴りを喰らった時点で、肉片と化したに違いない。
加えて自分達と違い、万全の大尉と戦い犠牲者を出しながらも撃退した天津達をどうして責められようか。
彼らに怒りをぶつけるのはお門違いも良い所だ。

(しかし…不動君の言う支給品を使われていたら、私達もどうなっていたか分からんな…)

病院での戦闘では使わなかった、黒い手袋やデュエルモンスターズのカード。
絶大な強さを持つ化け物がもしそれらを、自分達相手に使用していたら。
もしもの可能性に背筋が寒くなる。

「結芽ちゃんも灯花ちゃん達と同じなんだ…」

元の世界では死んだ筈が、蘇生し参加者に登録された者。
結芽もそういった経緯の一人だと知り、いろはから驚きの声が上がる。

「あと城之内のおにーさんも生き返ったって言ってたよ。遊星おにーさんが言ってたカードゲームのせいとかなんとか」
「こいつの話聞いた後だと否定できないわね……」

遊星を見ながら呟くキャルにその場の全員が内心同意した。
デュエルモンスターズを殺し合いで初めて知った者からすると、何故黎斗がそこまでデュエルに拘るのか謎だった。
だが遊星の話を聞けば納得もいく。
冗談や誇張表現でなく本当に世界の危機を迎えるレベルの大事件が起きたとなれば、黎斗が興味を持たない筈が無い。
元は悪魔族のモンスターカードであるハ・デス、主催者に利用されているだろう海馬コーポレーションの磯野。
主催者とデュエルモンスターズの関係もある程度は把握出来た。
だとしてもカードゲームがそこまでの影響力を持ち、本当に日本かと疑いたくなるネオ童実野シティに関しては理解するのに少々時間を要したが。

「あーでも…あいつらがエルフのこと知らなかったっぽいのもそういうことね」

幻徳達にコッコロのことを尋ねた際、エルフと聞き困惑した様子だったのを思い出す。
あの時は焦りと苛立ちでつい八つ当たり気味にキツイ口調となったが、今では彼らの反応の理由も分かる。
並行世界、情報交換の中で知ったその概念。
アストライア大陸がそもそも存在しない世界の生まれなら、自分の方がおかしな事を言っていると思われたろう。
尤も、「現実側」のキャルは別だが。

「えっと、キャルちゃんはみふゆさんと会ったんだよね?」

いろはからの質問に首を縦に振る。
会ったと言っても、参加している者で誰が協力可能・危険かを教え合った程度。
場所は会場の北側であるA-5エリア。
怪獣に変身可能なアイテムを持つキャルだからこそ最速で移動できたのであって、人力ではもっと時間が掛かる距離だ。
遭遇から既に5時間近くが経過しており、向こうはとっくには移動したに違いない。
すぐに合流不可能なのは残念だが、知っている者の動向を知れただけでも運が良いだろう。
加えて施設の詳細が分かるアプリが支給品の一つとしてインストールされているらしく、確認を天津が頼めば見せるくらいならと許可を貰えた。

「じゃあ次はわたし、ですね」

おずおずと手を上げ次に話し始めたのはいろはだ。
魔法少女、キュゥべえと呼ばれる存在との契約で魂を肉体から引き離された者達。
願いの代償として、いずれ訪れる絶望の運命を決定付けられた悲劇の象徴。
だがいろは曰く願いを叶える力自体は本物のようで、実際妹の病気も本当に治ったのだという。
どんな願いも叶う、主催者が提示したゲームの優勝賞品と同じ。
単に参加者をその気にさせる為で偶然か、それともキュゥべえが主催者と関係しているのか。
主催者側の全容がまだ不明な以上、推測は出来ても明確な答えは出せない。

「実はわたしも遊星さん達が戦った男の人に襲われたんです」

ゲーム開始直後にいろはを殺そうとしたのは、話の中で何度目の登場になるか分からない軍服の男。
開始早々ゲームオーバーの危機に陥った所を黒死牟に助けられ、放送後は病院へ移動。
するとこれまた情報交換で何度も登場した真紅の騎士と交戦。
最終的には黒死牟と共に撃退し、後は天津が言った通りである。

「へぇ~!あのおにーさん達とも戦ってたんだ」

軍服の男とは本格的な戦闘になる前に撤退したようだが、真紅の騎士を斬り飛ばしたのには結芽も興味津々だ。
誤解から一度剣を合わせた娘に視線をぶつけられ、残る一人は鬱陶し気に六眼を細める。
否、結芽だけでなく全員が自分を見ていると気付いた。
いろはの説明が済み、檀黎斗に関する情報は一番最後であるなら、自分が口を開かねば話は停滞したまま。
屠り合いでの動きはいろはの語った内容で十分とはいえ、連中が何を聞きたいかは馬鹿でも察しが付く。
人間ではない化け物の正体以外にない。

「……」

今更、既にいろはには話した以上、口を噤むのは今更でしかない。
ならば己の正体くらいは良いかと胸中に抱えた投げやりさは決して面に出さず、唇から言葉が這い出る。
淡々と、自分の事でありながら至極どうでもよさそうに。
鬼、人の限界と寿命から解放された完璧に近い肉体、人間の肉を喰らい血を啜り糧とする化け物。
千年を生きる始祖に縋りつき、有難き血と首を垂れ、短き生からの脱却に歓喜し、何一つ手に入らなかった末路までもを話す気は無い。
この期に及んで恥部を曝け出すのには抵抗を抱く己を、何と無様かと吐き捨てるは内に留め一同の顔を見回す。

困惑、警戒、恐怖。
予想できたことだ、大小差は有れど友好的なモノが含まれないのは共通して見て取れた。
驚きは無い、むしろ当たり前だろうとしか思わない。
人を喰うのだ、人を殺すのだ、人にとっては害以外になり得ないから鬼なのだ。
荒魂や吸血鬼、魔女となにが違う。恐れられ、嫌悪されて当然の醜悪な化け物だろうに。

「……っ」

だからおかしいのは、化け物が皆に恐怖されていると知って。
まるで我が事のように悲しみの面を作る、鬼を助けると宣った娘の方だ。

そうではないだろう、お前が見ているのは何も可笑しくない、正しき人の姿に他ならない。
あれが正常な反応だ。
取り繕うのでも、恐怖を押し隠すのでも、媚び諂って誤魔化すのでもない。
本気の怒りを向け、袖を引き、あなたの命が危ないと心配する方が間違っている。
異常なのはお前の方だと、それ以外に何を言えば良い、何を思えと言うのか。

物言わぬガラクタにも似た有様で沈黙する間に、いろはがバッと立ち上がる。

「あ、あの!」

椅子が床を擦る音がし、全員がいろはを見やる。
視線を集め緊張に身が強張るも、怯まず真っ向から見つめ返す。

「皆が黒死牟さんのことで驚いたり、少し…恐くなるのは、仕方ないのかもしれません…」

最初に会った時から人間じゃあないんだろうなとは分かった。
鬼だと聞かされた時、驚いたのも嘘じゃない。
魔女やウワサとはまた違う、底冷えする殺気を向けられ恐怖を感じたのも本当だ。
多分、もっと違う出会いをしていたら、他の皆と同じように病院で初めて彼を知ったら。
自分も警戒したんだろうとは思う。

「けど、わたしは黒死牟さんに助けてもらいました。足手纏いのわたしを無視することだって出来たのに、でも、そうしなかった」

彼の過去に何があったかは聞かされてはいない。
ただ、良い行いをして来なかったんだろうとは薄々察せられる。
人を喰らう異形であるからだけではない、直に黒死牟から殺意を向けられたからこそ分かる。
おどろおどろしく、余りにも正しき怒りとはかけ離れた、呼吸すら止まりかねない感覚。

それでも、決して分かり合えない滅ぼすべき悪とは、どうしても思えなかった。
同じ痣を持つ男の存在を知った彼がどんな顔をしていたかを、すぐ隣にいたいろはは知っているから。
大事な何かを理不尽に奪われて、苦しそうにも見えた。
独りぼっちで出口のない場所に突き落とされた、迷子のようにも見えた。
真紅の騎士と戦い、笛を落とした瞬間の表情に彼自身は気付いているのだろうか。
まるで、行かないでと懇願する子供にも似た焦燥を浮かべたのは、きっと気のせいじゃない。
許されない事をしたとしても、彼が助けてくれた事実と、彼が抱える傷までは否定したくない。

「だから、黒死牟さんのこと、信じてくれませんか…?」
「…………」

傍らの鬼は一言も発さない。
形容し難いナニカを見る目をいろはに向けたまま、自身の発する息遣いすらどこか遠くに聞こえる。
何がしたい、何を考えている、何なのだこいつは。
己が助かりたいが為に、保身で鬼へ首を垂れる人間は知っている。
だが鬼を受け入れてくれと同じ人間に頭を下げる奇人は、この娘以外に知らない。

「一つだけ聞かせな」

静寂を真っ先に破ったのは力強く、有無を言わせない声。
顔を上げたいろはを射抜く承太郎の眼光。
敵意は無くとも威圧感を隠さない瞳に、ぎゅっと唇を噛んで真っ向から受け止める。
暫しの睨み合いが続き、先に視線を外したのは承太郎の方だ。
いろはから隣の鬼へ移し、静かな口調で問い掛ける。

「あんたが人じゃないってのは一旦置いとく。昔何をやったのかも興味はねぇ。ただ殺し合いに乗る気がないのかどうか、環に言わせるんじゃなくあんたの言葉で聞かせろ」
「……」

両者の間に流れるのは、まるで互いに得物を突き付け合っていると錯覚せん程に張り詰めた空気。
ややあって、誤魔化すつもりもない答えを返す。

「あの男の戯言に従うなど……虫唾が走る……」

虚偽を混ぜてはいない。
何らかの力があるのは事実だろう、死者の蘇生すらも可能ならば願いを叶えるというのも否定はし切れない。
しかし理解しても受け入れられないものはある。
弟を傀儡に変えたあの男に首を垂れる、そのような自分を想像しただけで猛烈な吐き気に襲われるのだ。

「…そうか。あんたが俺の敵に回らない限りは、特に言うこともねぇ」

眉間に皺をよせ吐き捨てられた内容に、無愛想に告げた。
承太郎には本当にそれ以上言うことは無いようで、部屋全体を覆った息苦しさが嘘のように霧散。
随分あっさりとしているだけに、却って黒死牟の方が困惑するというもの。

「いーんじゃないのー?あ、でももしおにーさんが敵になったらさっきの続きができるかも」
「ほんとに反省してんのかしらこいつ…。ま、まぁ別に何かされたとかじゃないし、頭まで下げられたら文句言うつもりもないけど…」
「ああ。襲って来たあの男と違って敵意は俺も感じなかった。なら信じてみて良いと思う」

「……」

承太郎へ続くように口々に言う彼らへ、黒死牟は沈黙する他ない。
本当の意味で鬼の脅威を知らない、鬼殺隊の人間でないにしても。
ここまで容易く事が治まる光景を前に、己の目が腐り落ちたのかと疑いすら抱きかけた。

「ありがとうございます…!!」

人間の小娘に庇われ、忌々しき最期を更なる恥で上塗りする始末。
自身への嫌悪と、娘への煩わしさが立ち込める。
何がそこまで嬉しいのか、先とは違う理由で頭を下げるいろはに、しかしぶつけるべき言葉は口を出ず。
嘆息するかのような音を微かに漏らし、微笑みこちらを見つめる顔から視線を逸らした。

各々の話が一段落着いた所で、天津から本題とも言うべき情報が語られる。

「ではそろそろ、全員が知りたがっている話を始めよう。ポッピー、君も構わないか?」
『もっちろん!皆でクロトを止められように、私も張り切っちゃうよ!』

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