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花のように意思を繋ぐ

最終更新:2025年05月22日 21:19

zombi2baisoku

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土台はサクサクのパイ。
歯応えを楽しんでもらう為に甘さは控えめ。
けどこれだけでは味気ない、なんて心配は無用。
山のように重なるシュークリーム、その数計8個。
たっぷりの生クリームの上から垂らした黒が、絶妙なコントラストを醸し出す。
チョコソースとクリームで胸焼けしないようにと、散りばめられたのは甘酸っぱい苺。
何より目を引く星形のクッキーは、一年に一度訪れる日のお祝いを籠めて。

甘党好きには堪らないシュークリームケーキが切り分けられ、自分の前に置かれ早数分。
琴岡みかげは一口も手を付けず、居心地の悪さに胃を痛めていた。

代わり映えのしないケーキから視線を横へ、今宵の茶会の出席者を見やる。
年は自分よりも上、だけど大人にはまだ届かない。
同性のみかげから見ても整っている顔に、気味の悪さを覚えるのは無理からぬこと。
瞳が映す景色は無く、確固たる自分の言葉は一文字も出ない。
大変失礼ながら、精巧な人形と言われても納得し兼ねない少女だった。

「あら、美味しいわねこれ」

上機嫌な声に、みかげの視線は正面へ移動。
シューをフォークで崩し、生クリームとチョコを乗せ口に運ぶ。
匙加減を一つ間違えれば複雑で強烈な甘さに変わるも、くどさはほとんど感じない。
それぞれ異なる甘さが綺麗に融合し、思わず綻ぶ美味となった。
今度は苺をクリームに絡め、再度フォークを口へ。
食器の持ち方、菓子の食べ方、両方共に上品だなとみかげは思う。
品のある、悪い言い方をすれば少々過剰に『女性らしさ』を意識している。

人形染みた少女が可愛らしいに分類されるなら、こちらは間違いなく美人と誰もが口を揃えて言うだろう。
みかげ自身、ここまで完璧な顔のパーツの持ち主を見た事が無い。
街を歩けば羨望と嫉妬を一身に受け、やれどこのモデルだどこの女優だと会話が絶えない。
尤も、仮に本当に大通りを歩こうものなら向けられるのは奇異の視線。
人間のものでは有り得ない、獣の耳と尾が異様な存在感を放っていた。

(何やってんだろ、私……)

一体全体、何がどうして奇怪な二人組とケーキを突く羽目になったのか。

助けてくれた、でも自分の琴線に触れた少女から逃げ出しそう間もない頃。
いきなり人形のような少女に捕まった。
ロープでぐるぐる巻きにされた挙句、猿轡を噛ませるという微塵も嬉しくないおまけ付き。
撫子の家でのお泊り会の時に見たドラマで、確かこういうシーンがあったような気がする。
つい最近の事なのに記憶がどこか曖昧なのは、それだけ自分の心が荒んでるからか。
『普通』じゃない奴には『普通』とは程遠いアクシデントがお似合いなのか。
結局、何もかも全部自分が悪者だから天罰でも下ったのだろうか。

傍目にも危ない状況だというのに、思考は危機感よりも投げやりさが勝った。
そのくせ心は泡立て器でかき混ぜられたみたいに気持ちが悪い。
何でこうなってしまうのだろうと口は動かせずとも顔が歪み、しかし意外にも最悪の展開にはストップが掛かる。
獣耳の美人が少女に指示を出し、みかげの拘束はあっという間に解除。
状況に付いて行けず目を白黒させる様子を笑いもぜず、こう提案して来た。
「どこかで腰を落ち着けて、話をしましょう」と。
断る理由は無い、というよりは断るだけの余裕が無い。
逃げようにも妙に身のこなしの素早い少女がいては、あっさり捕まるのがオチだろうし。
二人組から離れ、また忍者気取りの少女の元へ戻るのも嫌だ。
ほとんど流されるまま付いて行って、到着したのが今いる施設。

(最悪……)

座れるなら別にどこでも良かった。
殺し合いなんかでお洒落なカフェとか、よく行くカラオケ店を望みはしない。
でもだからって、どうして自分の通う学校なのか。
生徒も教師も、用務員だってここにはい一人もいない。
もう二度と『失敗』しない為に通い始めた場所が、本物の桜ノ館中学校でないことくらいはみかげにも分かる。
だけど嫌なものは嫌だ。
何と言えば良いのか、大切なアルバムを泥だらけの靴で踏み付けられた気分。
思い浮かべた喩えについ乾いた笑いが漏れる。
『3人』の関係を自分で壊しておきながら、何とも都合の良い怒り。
場所が変わろうと、本物の中学校であろうとなかろうと、起こってしまった過去には何ら影響を与えなかった。

「美味しかったわ。やっぱり頭を働かせるには、単に甘いだけじゃ無く味も良くなくちゃね」

皿に乗った分を完食し、満足気にコーヒーカップを啜る。
そりゃ作ったの私ですし?美味しいのは当たり前なんだけど?っていうか、あなたの為に作った訳じゃないっての。
口には出さずに残ったシュークリームケーキを眺めると、星形のクッキーは手付かずのまま。
その部分を食べるのには躊躇があったのだろうか。
地べたに落ちたというのに上の方は大丈夫などとのたまい、バクバク食べた顔を思い出す。
喧嘩中でもあの時感じた胸の高まりは色褪せない。
彼女への好きが如何に大きいかをこんな場面でも再認識し、却って心が重くなる。

「でもこっちは安っぽい味ねぇ。ティータイムが台無しじゃない」

ケーキとは打って変わって辛辣な評価が下される。
職員室から拝借したインスタントコーヒーを、人形のような少女が淹れたものだ。
そりゃそうだろうと、みかげも思わず呆れ笑い。
テスト採点やらプリント作成の合間に嗜む程度の飲み物だ、本格的な豆など置く物好きはいない。

「さて、と。そろそろ話を聞かせてもらっても良いかしら」

お気に召さないコーヒーはそれ以上飲む気も起きず、本題に入る。
真紅の瞳に見据えられみかげは縮こまった。
美人ではあるけど、相手の目はどうも苦手に感じる。
知られたくない全部を見透かされ、逆らう選択肢を消し去る威圧感。
大人からの説教を受ける時とは比べ物にならない息苦しさがあった。

「別に、怒鳴り散らすつもりはないわよ?ただココアが見付けた時のあなた、随分顔色が悪かったみたいじゃない。それで良かったら、事情を聞かせてもらえないかって思ったの」

風に吹かれた煙みたく、みかげを包む重圧が消失。
代わりに感じるのは心を撫でられるこそばゆさ。
ささくれ立った内心に優しく手を当て、心配ないと繰り返し言い聞かせられた感覚。
会って間もない相手へ自分の複雑な事情を明かすのは、ゲームで二度目となる。
それでも、話しても良いのではと思えたのは投げやりな部分もあっただろう。
しかし一方でこうも思う。
大人だったらさっきの少女と違い、自分の望む答えが返って来るのではと。
当たり前だが自分の抱える秘密を、みかげが大人に打ち明けた事は無い。
家族に言った所で困らせ、最悪小学校の時のトラウマが再現されないとも限らない。
けど何故か、この人になら話す気になった。
自分の思考が誘導されてるとは気付きもせずに、おずおずと口を開いた。

「そう……」

内容は少し前、別れた少女へ語ったのと大差ない。
話し終えると相手は唇に指を当て、暫し考え込む仕草を取った。

途端に流れる沈黙へ、みかげを襲うのは後悔。
やはり安易に話す事では無かったんじゃないか、相手の答えが否定的な意見の可能性だって十分に高い。
未来ある若者が同性愛という『普通』とはかけ離れたものに現を抜かす、大人が聞いたら誰だって良い顔はしない。
散々物知り顔で間違いを指摘し、無知蒙昧な子供を導く教育者にでもなった気分で叱り付ける。
そうはならないと何故言い切れる、だってこっちは相手のことなど何も知らないのに。

ああつまり、自分はまた同じ失敗を繰り返したのだ。
傷付きたくないのに、自分で自分を傷付けてしまった。
公園で言い争った土砂降りの日、心に入った亀裂が更に広がり、

「ええ、そうね。自分が普通じゃないって突き付けられると、苦しいわよね」

痛みが急速に薄れる。
一瞬何を言われたのか分からずぼんやりと相手を見つめ、我に返った。
真紅の瞳はみかげを見ていながら、みかげではない何処かへ向けられる。

「どれだけ望んでも、どれだけ願っても叶えられない。能力が足りないからとかじゃなく、『普通』じゃないから。
 それで諦めを押し付けられて、仕方ないで自分を納得させる。痛くない、なんて人間はよっぽど鈍いか死んでるかのどっちかよ」

亀裂は言葉の入り込む隙間となり、内側から縫い合わされる。
適当な同情と言い切るには、一言一言がやけに重い。
癒えぬ傷がそのまま相手の口から溢れ出て、自分の内側に入って行くのをみかげは拒絶出来ない。
みかげにとって、それは初めて得られた共感だった。

「傷付きたくない?当たり前だわ、一度だって耐えられたのは奇跡に近いもの。二度目がどうなるかなんて…想像もしたくないわよね?」

その通りだ。
『普通』のあの子は『普通』じゃない自分の気持ちに応えられなかった。
同じ痛みを今の3人で味わうなんて、絶対に嫌だ。
仲の良い『友達』の3人としてこれからも一緒にいたい、だから『普通』になるしかなかった。
傷付きたくないと、そう願って『普通』を望んで何が悪い。

「あなたの友達をどうこう言うつもりはないわ。その子達なりの考えがあるのだろうし、それにあなたもお友達を他人から悪く言われるのは不快でしょう?」

だけど、と一拍置き言う。
みかげの心を包み込む、甘く優しい毒を。

「あなたを悪く言う気もない。…辛かったわよね?誰も味方してくれないのは」
「……っ」

思わず唇を噛み、頷くみかげは自分の頬が濡れているのに気付いているのだろうか。
啖呵を切ったように、言葉が途切れず溢れ出す。

「あ、私…が、頑張ってたのに、全然っ、うまく、いかなくて……私、ばっかり、悪者に、されて……っ!」

白鳥司は鷲尾撫子のみかげへの想いを知っていても、自身へのみかげの想いは知らない。
鷲尾撫子はみかげが自分の想いを拒絶してるのに気付いても、自身への司の想いは知らない。
琴岡みかげだけが3人の矢印の向かう先を知っている。
誰かに相談できる内容じゃあない、だから自分一人で守る為に何でもやった。
3人が3人でいられるように手を尽くし、けど上手くいかない日々にストレスは溜まる一方で。
公園でのいざこざで、自分がカッとなってしまった自覚はある。

それでも、司と撫子には自分の味方でいて欲しかった。
二対一で自分を責める真似はして欲しくなかった。
小学校の時のあの二人みたいに、自分を一人にしないで欲しかった。

殺し合いでもそうだ。
向こうに悪気が無かったのだとしても、苛立ちを抑えられなかった。
『普通』になる以外に3人を守る方法がない、だからずっと頑張って来たのに。
それを間違ってると言われたようで我慢が出来ず、助けてくれた少女へ背を向け今に至る。

目の前で微笑む獣の特徴を持つ人。
自分が溜め込んだもの吐き出させ、欲しかった言葉をくれた。
司と撫子とは違う、自分の苦しみを分かってくれた。
喧嘩別れして以来燻り続けた胸の中に、ようやっと光が差し込んだ気がする。

――全てが都合良く進んでいるとは気付きもしないで。


○


我ながらクサい演技だと、カイザーインサイトは胸中で呆れを抱く。
みかげにやったのは、ココアの時と然程変わらない。
思考誘導と簡単な暗示により心を自身への信頼に傾かせ、後は彼女が望んでるだろうお優しい言葉を並べる。
廃人一歩手前だったココアと違い、みかげは焦燥こそしていても思考は正常。
その為少しばかり手間ではあったが、結果は成功と言って良い。

(アレがあったらもっと楽なのだけどね…)

覇瞳天星を含めプリンセスナイト達を圧倒した能力に枷を付けられた以上、あと何人にこの手が通じるかは分からない。
王宮騎士団(NIGHTMARE)を支配下に置いた洗脳装置は存在せず、無い物ねだりは時間の無駄。
今ある手札を活用すべくみかげと会話を続け、更に情報を聞き出す。
殺し合いで彼女が出会ったのはカイザーインサイト達が最初ではなく、その前にもう一人いたらしい。
助けてくれた事には感謝していても、会いたいという気にはならない。
複雑さを表情に出しボソボソ呟くみかげへ相槌を打ちつつ、窓の外を横目で眺める。

(どこかのナイト気取りは運が無いみたいねぇ)

みかげと共に桜ノ館中学に移動してからそれなりの時間が経った。
にも関わらず件の少女は一向に現れない。
NPCのモンスターを一蹴する実力の持ち主なら、一般人のみかげに追い付くくらい容易いだろうに。
愛想を尽かし見捨てた?初対面の相手を助けるお人好しにしては違和感がある。
暫く一人にしておこうと気遣い、あえて追わなかった?単独行動が危険だと分からない方がおかしい。
となれば恐らく、追いたくても追えないトラブルに見舞われた。
十中八九他の参加者との戦闘になり、足止めを食らっているに違いない。
自分にとっては都合の良い展開だが。

「あと、司……さっき言った、友達のことなんだけど……」
「心配しなくても私の言う通りにすれば大丈夫よ。その代わり、ミカゲにも色々と手伝ってもらう事になるわね」
「あ、うん。それは勿論オッケーなんだけどさ。陛下には本当に感謝してるし…」

会いたいけど会いたくない。
好きだけど顔を見るだけの勇気も無い。
簡単に仲直りなんて出来る訳が無いけど、絶対に死んで欲しくない。
片思い相手の安全を保障してくれた、カイザーインサイトの指示に従う。
陛下との呼び方も機械のように従うココアにも何の疑問も持っていない事から、みかげの思考が正常から離れつつあるのは確実。
打ち明けた事情に共感してくれた、責めたりはせず味方でいてくれた、これまで一人で手を回すしか無かったけど初めて協力してくれる。
これらがみかげに安堵を抱かせ、付け入る隙を与えてしまった。

何故殺し合いに巻き込まれたのか分からない、何の力も持たない少女だろうとカイザーインサイトには無関係。
使い捨ての駒が手に入った、後は死ぬまで自分の役に立たせる。
そこに罪悪感や躊躇が入り込む余地は無く、本気でみかげを慰めたつもりもない。

(…少し、つまらない事を言い過ぎたかしら)

ただみかげの言う『普通』に、僅かなりとも思う所があったのは否定できない。
女の子が女の子に恋をするのは『普通』じゃない。
どれだけ相手を強く想っても、同性愛は『普通』の括りには入れて貰えなかった。
当人が強く願ったところで、『普通』と違うなら叶わない。
例えばそう、お姫様になりたい男の子がいても不可能なように。

「……」

王子様のキスで魔女の呪いが解かれるプリンセスにはなれない。
国中の人達から愛されるプリンセスにはなれない。
女の子なら誰もが一度は夢見る憧れの存在にはなれない。
カイザーインサイトは、千里真那は『男』だからプリンセスには絶対になれない。

「フン…」

余計な事に気を取られるのを好まず、思考を切り替える。
とにかくココアに続き二人目の駒は確保したが、檀黎斗を出し抜くにはまだまだ準備不足。
やる事の多さに反して人手が足りないのには頭を抱えたくなる。
この場で腰を据え来訪者を待つより、積極的に動き参加者との接触の機会を増やすか。
暫し悩んだ末に決定し、二人の少女を従え桜ノ館中学校を後にした。


◆◆◆


「勝負は…ここからデース!」

倒すべき敵にぶつけた言葉は、自らを鼓舞する為でもある。
疲労は限界を通り越し、ロクな応急処置もせずに戦い続けたツケは今も体で支払っている最中。
正直に言って、まだ戦えるのがニノン自身にも不思議なくらいだった。

なれど放たれた一撃は、満身創痍の四文字からは程遠い鋭さ。
切り裂かれた空気は悲鳴を上げ、余波を受ければNPCの低級モンスター数体を纏めて葬るだろう威力。
忍術を修め天下統一をショーグンと共に目指す、ニノン本来の戦闘スタイルではない。
纏う金色は普段の鎧姿でなければ、オーエド町での騒動時のくノ一装束にも非ず。
仮面ライダーネクロム・友情バースト魂。
友の誤った選択を止めるべく、眼魔界の若き指導者が起こした奇跡の戦士。
変身者は違う、しかし友への想いはニノンとて引けを取らない。
熱き魂はそのまま拳の威力へ変わり、眼前の強敵目掛けて突き進む。

「無能め、学習能力の欠片も無いのか?まあお前にそんなものを期待する方が無駄だろうがな」

決意、戦意、覚悟。
ニノンの全てを嘲笑い否定する紺色の剣士。
直見真嗣という少年の負の側面を抽出し捻じ曲げた、人の形をしながら人では無い怪物。
マサツグ様と、名簿で称された存在は迫る拳を前に余裕を崩さない。
わざわざ剣を振るう必要すら無いと分かり切っているが故に。

あらぬ方向より飛来するは二本の聖剣、翠風。
元はニノンに支給された心強い武器も、今やマサツグ様を守護する役目を押し付けられた道具。
異世界での蹂躙を可能にした「守る」のレアスキルは健在だ。
気合十分に踏み込んだは良いものの、肝心の一撃はマサツグ様に命中せず。
斬撃を無視してでも攻撃を続行するには、傷を負い過ぎている。
結果、拳を慌てて引っ込め翠風を腕部装甲で防いだ。

ネクロムの攻撃こそ失敗に終わったとはいえ、他の者が指を咥えて見ている訳がない。
翠風の飛来とほぼ同じタイミングで動くはモニカ。
ニノン程でなくとも重い負傷を抱えつつ、戦意に微塵の揺らぎも無いのは流石のギルドリーダーか。
振るう得物はマサツグ様が持つのとはまた異なる世界の聖剣。
未だ聖遺物の真価を発揮出来ない以上、頼れるのは培ってきた自らの技術だけ。

今度は「守る」スキルではなく、マサツグ様手ずから対処へと出る。
ぶつかり合う聖剣と聖剣、強度も切れ味も秘めた神秘も互いに劣らない。
であるならば、勝敗を分けるのは使い手の技量だろう。

「やれやれ、お前のような無能が持ち主では剣が泣いてるぞ?そこいらの棒切れでも握ってる方がお似合いだ」
「…私の未熟さが、この剣の力を引き出せていないのは百も承知だ。貴公に言われるまでもない!」

十聖刃を翳す腕に、モニカの剣から掛かる重さはまるで感じられない。
優れた身体能力の持ち主であっても、クロスセイバーとなったマサツグ様相手では膂力の差は大き過ぎる。
反対にほんの軽く押し返してやれば、それだけで向こうは体勢が崩れ無様を晒す。
尤も、マサツグ様がそう出ることくらいモニカの予想の範囲内。
鍔迫り合いには発展させず、小さな体躯で姿勢を更に低くし踏み込む。
小柄さを活かした斬り上げに、敵を討った手応えは無し。

あっさりと弾かれ切っ先すらも掠めさせてもらえず、反対に蹴りがモニカへと飛ぶ。
打撃一つですらこれ以上傷を増やすのは得策ではない。
地面を転がり後方へと回避、行動に僅かでも遅れが生じれば顔面が潰されていた。
立ち上がり構え直すモニカを待たず、マサツグ様への攻撃は続く。

「フン、また一匹羽虫が死にに来たか」

吐き捨てられた侮蔑には動じず、青鬼を模した戦士が接近。
罵倒や挑発程度で動揺を誘える程、深海マコト…仮面ライダースペクターは甘くない。
長銃と棍棒を一体化させた可変型武器、ガンガンハンドを豪快に振るう。
先端の五指に搭載済みの粉砕装置を用いて、クロスセイバーの装甲を破壊せんとする。

幼き日に天空寺龍の下で鍛え、眼魔界に飛ばされてからも妹を守らねばという一心で修練を積んで来た。
そこから更に眼魂を巡る戦いでの経験を経たスペクターの攻撃だ。
巨大な得物を使っているにも関わらず、隙の見当たらない完成された戦士の動き。
生憎とマサツグ様に敵の力を称賛する性根は存在せず、またしても無意味な行動に出た虫けらを嘲笑う。

マサツグ様自身が何かをするまでもなく、虫けらの悪足掻きなど届かない。
小癪な抵抗によるダメージを「守る」スキルは断じて認めず、翠風が標的を変えて襲い来る。
既に複数回見た現象故に今更驚かない、スペクターは防御へと移行。
ガンガンハンドの強固なフレームにより無傷で凌げたが、やはり肝心の攻撃自体は不発に終わった。

スペクターの狙い通りに。

「學!」
「は、はい!」

緊張を隠さない返事をするや否や、マサツグ様へと駆け出す少年。
この場においては唯一の一般人、土部學もまた仲間と勝利を掴むべく剣を振るう。
主催者の恩恵であるのは複雑だが、それでも學の助けとなっているのも事実。
緋々色金を振り被るフォームは、お世辞にも恰好が付いていると言えない。
しかし元の彼からは想像も出来ない身体能力を駆使すれば、格上にも突き立てられる牙と化す。

「弱いのは力だけじゃなく頭もか?お前みたいな木っ端を参加させるとは、主催者も意地が悪いな」

但し、相手が甘んじて牙が突き刺さるのを受け入れるかは別。
軽やかに緋々色金を受け流し、學の体勢が崩された。
間抜け面で隙を晒した相手を見逃してやる、そんな気まぐれをマサツグ様は起こさない。
弱かろうが敵は敵、目障りで苛立たせる塵も同然。
対峙する4人の中で最も取るに足らない雑魚だが、殺さない選択肢は最初から無かった。

「させるかぁっ!」

學一人ならば死は避けられなかった、故に仲間がいる此度は死が遠ざけられる。
斬り掛かるモニカへは「守る」スキルが発動し翠風が妨害。
なればと残る二人が救出へ動く。

跳躍し勢いを付けてガンガンハンドを振り下ろす。
強固なクロスセイバーのアーマーとて、頭部は幾分か脆い。
マサツグ様としてもこの一撃で死ぬとは思っていないが、無駄に攻撃を食らってやるのも癪。
舌打ちを零し十聖刃を頭上に翳し、両者の耳には金属同士の衝突音が鳴り響く。
命中など元からスペクターは期待していない、學が離れられる時間を稼げれば目的は達成。

「忍法、分身の術デース!シュババババッ!」

スペクター一人に役目を押し付けた覚えは無い。
自慢の脚力に加え、ネクロムへの変身で強化された身体スペックを駆使。
高速移動しつつマサツグ様を取り囲むように回転、足は止めずに打撃を繰り出す。
複数人に増えたネクロムが一斉攻撃を行っている、そんな錯覚を抱き兼ねない光景だ。

「何だ、羽虫ではなくゴキブリだったか。害虫がヒーロー(笑)を気取るなんて傑作だな」

尤も、相手がマサツグ様の変身したクロスセイバーでなかったら話だが。
四方八方から叩き込まれる殴打の嵐も、マサツグ様の目には全て捉えられている。
変身後の大幅なスペック上昇、何よりニノンの攻撃が苛立ちを更に加速。
そこかしこから飛ぶ拳や蹴りというこの状況が、忌々しい過去と重なる。
まだ何の力も持たない弱者だった、ミヤモト達によるイジメが日常茶飯事の頃。
男子複数人掛かりでのリンチも珍しくは無く、体以上に心へ刻まれた傷が今でも痛む。

「害虫は害虫らしく、這い蹲って惨めに死んでろ!」
「キャッ…!?」

過去を思い出させた不快感が増大、マサツグ様へ力を齎す。
剣術の精度が今以上に上がり、高速移動中のニノンを的確に斬る。
考えるよりも早く体は殺気に反応し、咄嗟に両腕を交差。
防御態勢を取った直後に十聖刃が走り、装甲越しに痛みが襲う。
通常形態のネクロムを超える耐久力だというのに、ダメージを殺し切れなかった。
怯み後退するニノンへ追撃が迫り、同時にマサツグ様へと駆ける気配を複数察知。
無駄な事を、そう吐き捨てたのを聞き届けたのか「守る」スキルが発動。

「モニカ!」
「分かってる!」

翠風の飛来は最早、スペクター達にとっても目新しさは無い。
そう来ると分かっていれば対処も迅速に行えるというもの。
聖剣を叩き落としたスペクターに背を押されモニカが疾走、遅れは取るまいと學が並ぶ。
二方向からの斬撃も容易くいなす、その一瞬でニノンも体勢を立て直し蹴りを叩き込んだ。

「気安く俺に触れるなよ蛆虫ども!」

大振りながら長剣とは思えぬ速さに、ニノンは急遽足を引っ込め後退。
同じくモニカも接近戦の継続は悪手と即座に判断を下す。
敵の攻撃に思考が追い付かない學の腕を掴み、紙一重でどうにか躱した。

「ご、ごめんモニカちゃん。また助けてもらって…」
「私達は仲間なんだ、助けずにどうする。ニノン、そっちも大丈夫か?」
「オールオーケーデース!このままイケイケドンドンに、いつでも実行可能デース!」

力強い言葉とは裏腹に、二人の少女は息が上がっている。
限界は近い、いやとうに限界を迎えた身を気力で動かし戦いに臨む。
正論を言うならば、これ以上戦わせるべきではないのだろう。
理解していようと學も、少し遅れて彼らに並んだマコトもそれを口に出さない。
モニカとニノン、彼女達の生半可ではない覚悟を聞いた以上、二人の仲間として水を差す事など出来なかった。
何より、目の前の相手がそれを許してはくれないのだから。

戦闘が始まり嫌と言う程に思い知らされたが、敵の強さは相当なものだ。
単純な身体スペックのみならず、自動で攻撃を防ぐ能力に加え、変身者本人の剣の腕。
三つが合わさり絶望的な強さを発揮するマサツグ様に、今に至るまで死者を出さずに持ち堪えられたのは奇跡に近い。

「だが…全く対処不可能という訳でもない」

モニカの言葉に三人共同意する。
クロスセイバーの変身解除に追い込むのは困難を極め、戦う程に力が異様に強化される絡繰りは不明。
但し、「守る」スキルだけは何とかできない訳じゃない。
幾度も攻撃を防がれたからこそ、「守る」スキルの抜け穴に気付けた。

「守る」スキル。
マサツグ様が転移した異世界で猛威を振るえたのも、全てはこの異能があったからに他ならない。
1億年に1人いるかいないかのレアスキルは、虐げられてきたマサツグ様がタガを外すのに十分過ぎる力。
とはいえゲームと称した殺し合いにおいて、強力な参加者には何らかの枷が付けられている。
神器錬成で無くともダメージを受けるポセイドン、ジョセフ・ジョースターの血を吸った時よりも時間停止の間隔を狭められたDIO。
彼らと同じくマサツグ様の「守る」スキルも制限の対象であり、ミヤモト達へ苛烈な復讐を行った時程の理不尽さは無い。

弱体化の分かり易い特徴として、「守る」スキルはこれまで一人を対象にしか発動されていない。
モニカとニノンにトドメをそうとするマサツグ様へ、マコトが阻止に動いた時だ。
「守る」スキルは機能しマコトへ翠風が飛来、だがほぼ同じタイミングで動いた學にはスキルが発動されなかった。
偶然による不調では無い、同じような現象は戦闘の度にモニカ達4人共確認済み。
故に4人は常に二人以上が同時に攻撃を仕掛け、内の一人が「守る」スキルの標的にあえて選ばれるようにしていたのである。
一人しか対象にされない、ならば一人が「守る」スキルで翠風の妨害を受ける間はマサツグ様に直接攻撃が可能なチャンス。

「猿の浅知恵…おっと、これじゃあ猿に失礼だな。雑魚の悪足掻き程見苦しい物はない」

無論、マサツグ様もモニカ達の狙いには気付いていた。
業腹だが今の「守る」スキルに、異世界で好き勝手やれた時程の理不尽さは無い。
制限についてはマサツグ様自身、非常に気に入らないとはいえ受け入れざるを得ない。
が、それでも自分の絶対的優位は覆らないと断言できる。

これまでの攻防を見ればマサツグ様でなくとも、どちらが有利かは誰の目にも明白。
「守る」スキルを凌いでこそいるが、未だモニカ達は決定打を与えられず悪戯に体力を消費するばかり。
対してマサツグ様はほぼノーダメージで、疲労も少しばかり怠いと言った程度。
ニノンとの遭遇に始まった此度の戦闘、常に圧倒して来たのはマサツグ様の方だった。

「やれやれ、大口を叩いた割りにはまるで大したことないな。こんな頭お花畑集団に時間を取られたかと思うと、本当に腹立たしい」

尊大な口調で不満を言う割に、浮かべる表情はあからさまな嘲笑。
偽善者らしいお寒い友情(笑)を見せ付けられ苛立ったものの、少し剣を振るえば冷静さを取り戻す。
4人掛かりでもロクなダメージを与えられず、戦う度に息が上がる。
勝てる筈も無いのに口先だけは立派。
そのような雑魚集団の戯言にほんのちょっぴりでも余裕を失うとは、我ながらどうかしていた。

「ゴミの相手もいい加減飽きて来た所だ。お前らの薄っぺらい正義共々、さっさと片付けるに限る」

時間を取られたがマサツグ様が殺すべき相手は4人だけではない。
並行世界の自分と、顔も知らない他の参加者連中。
雑魚を嬲るのに少しばかり時間を掛け過ぎてしまった。
これ以上モニカ達の相手をしてやっても無駄の一言に尽きる。
死ねば泰平の世がどうのという、頭空っぽな戯言は二度と口に出来まい。

「笑わせるな、本当に薄っぺらいのはどっちだ」

相手を徹底的に見下すマサツグ様の言葉に、黙っていられない男がいた。

「うん?なんだ?今何か言ったか?生憎とゴミ虫の言葉は分からなくてな」
「薄っぺらいのは貴様の方だと言った」

挑発をぶつけられてようとマコトは揺るがない。
仮面で隠れていても、マサツグ様には相手がどんな顔かが分かった。
己を微塵も疑わない堂々とした、癪に障る表情。
異世界で自分に言い負かされ、みっともなく泣き喚いた連中とは違う。
その立ち振る舞いが気に入らない。

「口を開けば他者を嘲り、誰かを傷付ける事でしか己を満たせない。そうする以外の生き方を選べないお前の言葉には何の力も籠っていない!」

マサツグ様の力は強い、実際に戦ったマコトにも否定は出来ない。
されど、心は自分の知る中で最も弱い。
己の蘇生よりもカノンを優先し、優しさと言う名の強さで自分の目を覚まさせたタケル。
家族の死に一度は心が折れ、それでも再起し心の叫びを戦場へ響かせたアラン。
仮面ライダーでなくとも共に戦い諦めなかったアカリや御成。
やり方は間違えたが眼魔界を救う決意は本物だった父、ダントン。
そして、どれだけ傷付こうと友の為に戦いを投げ出さないこの地で出会った者達。
誰もが強く、自分の生き様に誇りを持っている。

「虐げられた過去を言い訳にし、己の脆さを殻で覆い隠したお前は弱い。そんなお前に、モニカ達を否定する資格などない!」

有無を言わさぬ力強い断言に、戦場は暫しの沈黙に包まれた。
不思議と嫌では無い静けさの中、思わず學は笑みを作る。
最初に会った時からそうだ、マコトの言葉は聞く者の胸を打つ。
横を見ればモニカと、仮面で見えないがきっとニノンも同じ顔をしてるに違いない。

「どうやら…本当に死にたいらしいな。目障りな羽虫が……!」

対照的な表情で吐き捨てるのは、当然マサツグ様だ。

劣勢を強いられるだけの雑魚の分際で、自分の方が弱いとどの口が言えるのか。
ああそうだ、確かに異世界に転移する前は常に虐げられ、見下されて来た。
それをよりにもよって言い訳呼ばわりとは、怒りで頭がどうにかなりそうだ。
何度助けを求めても助けてくれず、今になってノコノコ現れお説教。
どいつもこいつも、弱いくせに、一人じゃ何もできないゴミのくせに。

「…ふう。もういい、害虫駆除に時間を掛けたのが間違いだったな」

どうせ自分には勝てないと分かっていても、これ以上連中を調子付かせるのはストレスの元。
もっと早くにこうするべきだった。
口調はあくまで冷静に、内心では嫉妬と八つ当たりの感情が渦巻きながら十聖刃に手を添える。

『激土!翠風!錫音!既読!』

『激土!翠風!錫音!クロス斬り!』

鍔部分のエンブレムを操作し、刀身を滑るように移動。
スライドの度に宿した聖剣の力を読み込み、必殺のエネルギーを溜め込む。
刃王剣十聖刃とは、ソードオブロゴスの剣士達の聖剣がその力を結びつき束ね生まれた物。
神山飛羽真の火炎剣烈火を始め、10本の聖剣の能力を自在に操る事が可能なのだ。
クロスセイバーの固有能力は制限により使用出来ずとも、十聖刃を用いた技までは制限の対象外らしい。
神秘的ながら絶望を感じさせる聖剣の輝きに、4人へ戦慄が走る。

世界の均衡を守る剣士達の誇りが、身勝手な暴力として顕現を果たす。
身の丈以上の巨大な剣、土豪剣激土。
あくまで本物の聖剣では無く幻影に過ぎなくとも、放たれる威力は偽りではない。
厳しくも優しき父の魂を穢すかのような一撃が振り下ろされた。

「あんなビッグサイズなんてありデスカ!?」
「言ってる場合か!来るぞ!」

剣術でさえ主催者に仕込まれたスキルの影響で脅威だったというのに、ここへ来て大技を繰り出すとは。
悪夢としか言いようが無いが、現実逃避は許されない。
ドライバーを操作するスペクターに倣い、ニノンもネクロムの力を引き出す。

『ダイカイガン!スペクター!オメガドライブ!』

『ダイテンガン!ネクロム!オメガウルオウド!』

それぞれの眼魂からエネルギーが放出、彼らの背後にて紋章を形作る。
モノリスと同じ形状のソレらは、二体のライダーへ必殺の力を付与。
青と緑、異なる色のエネルギーを右脚に纏い跳躍。
憤怒の鉄槌と見紛う鉄塊と激突、砕けた刃は地面に落ちる前に霧散していく。

「ま、また来た…!」
「マナブは下がれ!貴公には近付けさせん!」

激土を凌いだからといって終わりでは無い。
続けて飛来するは、「守る」スキルにより幾度も妨害を受けた翠風。
但し今回は十聖刃の作り出した幻影、それもこれまで以上の速度を発揮していた。
単に剣を振るうだけでは防げない、故にモニカも技を出すまで。

「紫電…一閃!!」

最速の斬撃に翠風は弾かれ、激土同様に霧散。
仮にモニカ本来の愛剣だったら押し負けただろうが、此度は得物に恵まれた。
敵の得物は聖剣、対するモニカの武器も聖剣なのだから。

と言っても翠風の飛来する勢いも相当なものであり、迎撃には成功したモニカもまた吹き飛ばされる。
受け身を取る前に背中から地面へ激突。
重傷の身には堪える痛みだ、一瞬呼吸が止まり掛けた。

「もう馬鹿面で安心してるのか?やれやれ、揃いも揃って低能だな」

嘲笑に反論する者はいない、そんな事をしている余裕は無い。
十聖刃が読み込んだ聖剣の力は三つ、最後の攻撃が放たれた。

「マズい…!」

モニカが焦るのも無理はない。
三本目の聖剣、音銃剣錫音による銃撃、いや最早砲撃と言うべきか。
標的複数体を纏めて消し炭にし兼ねないエネルギー弾が、4人を襲う。

黙って殺されるつもりはなくても、体が反応できるかは別。
再度技を繰り出すべくドライバーに手を伸ばすスペクター達、だがエネルギー弾の到達には間に合いそうもない。
激土を防ぎ間を開けずに錫音の砲撃が起きた為、さしもの彼らと言えども僅かな遅れはどうにもならなかった。

「髪の毛一本も残さずに死ね。不細工な顔の死体なんて見たくもないからな」

勝ち誇ったマサツグ様の声もやけに遠く聞こえた。
間に合わない、手遅れ、全滅、死。
最悪の結果を意味する言葉が脳内を駆け巡る中、無我夢中で學の元へと走る。
目を見開いた少年の全身を極彩色が照らし、モニカ自身の視界も塗り潰されていき――










『Ready GO!』

『VOLTEC BREAK!』

――STEAM BREAK!COBRA!――


待ち受ける末路へ否と叫ぶ、けたたましい電子音声。
錫音とは別方向より戦場へ飛び出す、複数のエネルギー弾。
誰が、どうして、そんなありきたりな疑問を口に出す暇はどこにも無く。
ただ予想だにしない攻撃を受け、音銃剣が齎す死は途端に弱々しさを見せる。

『ダイカイガン!スペクター!オメガドライブ!』

『ダイテンガン!ネクロム!オメガウルオウド!』

首を傾げて尋ねるより、優先すべきは敵の攻撃への対処。
唐突な支援攻撃でスペクター達が動ける時間が生まれた。
ガンガンハンドと右拳にエネルギーを纏い錫音目掛けて発射、砲撃は失敗に終わり聖剣も塵へ逆戻り。

「今のは一体……」

どうにか全員無事で済んだなら、次いで頭に浮かぶのは至極当然の疑問。
攻撃した何者かは自分達4人じゃあないし、当然対峙中の敵でもない。
では誰がと視線を動かせば、数秒と掛らずに見付けられた。

『まさか、本当にこっちでドンパチ遊んでるとはねぇ。男二人で数時間もお散歩したのが馬鹿らしくなるなこりゃ』
「それを言うんじゃねぇよ。…どうにか間に合ったみたいだな」
『見る限り、やちよが大好きないろはの嬢ちゃんはここにもいないようだがなァ。こいつはァ合流したら、俺が機嫌を取ってやるしかねぇか』
「本気でやめろ。七海と会ったら俺が良いって言うまで絶対何も喋んな」

緊迫した命の取り合いの場には不釣り合いな、気の抜ける軽口の応酬。
気付けばモニカのみならず、全員が現れた二人組へ視線を向けた。
赤と青、二色で構成された装甲服の人物。
宇宙服にも似た全身血濡れの怪人。
奇妙なコントを思わせるやり取り、なれど纏う空気は戦士のソレに他ならない。

『仮面ライダービルドとその頼れる相棒只今参上、ってな』
「勝手に相棒枠に収まってんじゃないよ」


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