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1606■英国のEU離脱決定

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1606■英国のEU離脱決定
 16年6月23日、欧州連合(EU)からの離脱の賛否を問う英国の国民投票で、離脱51.9%、残留48.1%という結果となり、英国の離脱が決まった。
 離脱派の主張は、EUの基本理念「人の移動の自由」によって流入し続ける移民が国内の賃金を引き下げ、医療や教育などの公共サービスを圧迫しているということ、またEUへの分担金と受益のバランスが英国に不利(出超)になっているということなどであった。
 保守党政権は公約通り国民投票を実施することで離脱論争に決着をつけようとしたのであるが、結果は裏目に出た。保守層のもともと持つ国家主権の制限への反感に加えて、グローバル化の恩恵から取り残されたと感じている労働者階級の人々のエスタブリッシュメントへの反感を取り込み、残留派の保守・労働両党を取り残して離脱派の勢いは急速に高まっていたのであった。国民に人気が高いボリス・ジョンソン前ロンドン市長が離脱派に回って大いに説き、離脱派を勢いづかせた。
 直前まで「残留優勢」の予測を裏切る離脱の勝利は、英国社会に衝撃を走らせた。英ポンドは急落した。「離脱」に投票した人の中にも、「まさか」と思い、その決定が招くであろう今後の変化を想像して改めて事態の重大さを思い知った人が多くいた。国民投票のやり直しを求める署名が1週間で400万筆を超えた。
 残留の旗を振ったキャメロン首相は辞任し、内相だったテリーザ・メイが7月に首相となった。メイ政権は、「EUからのスムーズな離脱」を掲げ、17年3月末までにEUとの離脱交渉に入ると表明した。英政府は「欧州単一市場への参加の継続」をEUに求める方針であるが、EUにとってそれは虫の良すぎる要求で、交渉は難航することが予想された。
 残留派が多かったスコットランド自治政府は、EUとの緊密な関係継続を求めており、独立運動再燃のきっかけともなりかねなかった。
 EU側でも、英国の離脱決定が、各国の離脱派の伸長を招く懸念が出てきた。
★2016年
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