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1106●菅首相の退陣

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1106●菅首相の退陣
 大震災への対応の混乱により内閣支持率は低下し、4月の統一地方選で民主党は大幅に議席を減らした。震災、なかんずく原発事故対応でもたつく菅内閣に対して、自民党は、復興基本法に関する協議には応じる一方で、不信任決議案の提出時期を窺っていた。
 衆参ねじれ国会のもと、2011年度予算は、衆議院の可決だけで成立した。しかし、財源となる赤字国債の発行については別途財政特例法の成立が必要であったが、その成立が見通せぬまま新年度に入ってしまった。焦る菅首相は、消費税10%への引き上げを柱とする社会保障・税一体改革の原案を唐突に発表し、野党(自・公)の協力を呼びかけた。しかし両党はこれに乗らなかった。党内の小沢系の民主党議員たちがまた消費増税案に大反発し、不信任が上程された場合は賛成すると話し始めた。
 自公両党は6月2日に不信任案を上程することを決めた。菅首相は、不信任案が可決された場合は解散・総選挙に打って出ること、賛成した民主党議員は除名することを臭わせ、牽制した。
 その2日午前、首相と鳩山前首相が官邸で会談し、「確認事項」という文書が交わされた。「①民主党を壊さない、②自民党政権に逆戻りさせない、③復興基本法成立、2次補正予算の早期編成のめどをつける」という内容であった。そして正午、首相は、民主党代議士会で、「一定のめどがついた段階で若い世代に責任を引き継いでいただきたい」と辞意表明した。
 直後に始まった衆院本会議では、不信任案を賛成152、反対293で否決。共産と社民は棄権した。民主党では、離党表明していた2議員が賛成し、小沢ら数名が棄権したに過ぎなかった。
 ところがその夜、記者会見に応じた菅が、辞任時期を明言せず、それでも記者につっこまれると、福島原発の冷温停止、すなわち工程表では来年1月まで、続投すると受け取れる発言をしたことで、党内は再び沸き立った。
 菅の発言を伝え聞いた鳩山は菅を「ペテン師」呼ばわりした。翌日は閣僚からも早期退陣を促す声が上がり、ついに菅も、4日には、主要閣僚と電話で話し、補正予算上程、すなわち8月前後に退陣するとして理解を得るしかなかった。
 またまたところが、自民・公明は、菅政権とは補正予算の協議には応じないという態度を崩さず、復興基本法の成立後日を置かずの退陣を迫るのあった。菅は、第二次補正予算、財政特例法、電力固定価格買取制度の三案の成立が退陣の「めど」だと表明したため、野党はこれを認め菅の退陣を待った。8月26日、菅は正式に退陣を表明した。

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