キングピンを交換する

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キングピンとはご存じの通り、某ショップの名前にもなっているくらい操縦安定性を維持する上で、とても重要な部品の一つであります。
ここは定期的な点検・整備が必要です。
キングピンの状態は前輪を上げて矢印の方向に揺することで、大まかな具合が判ります。

タイヤの上と下を持ってガタガタ揺する感じです。

キングピン・ナックル部分の整備方法は3つほどあります
1、ナックルごと交換
2、ナックルをショップに持ち込みオーバーホールして貰う
3、キングピンを自分で打ち換える

自分でやってみて思ったんですが、手間やコストの面を考えると2が一番良いかな~~と(笑)
とりあえず自分でやらなければ気が済まない質なので、チャレンジしてみましたが参考になるでしょうか?


必要な物

キングピンオーバーホールキット
タイロッドエンドプーラー
各種サイズのレンチ
打ち抜き、打ち込み用の金属棒
ハンマー

作業手順

1、
ジャッキアップしウマをかけます。
タイヤを外し、ナックルナットを外します。
ナックルベアリングと共にブレーキドラムを外します。
ベアリングを落とすと掃除が大変なので気をつけましょう。

2、
ブレーキのバックプレートを外します。
プレートの後ろ側に13mmのネジが2カ所で固定されています。
ここを外すだけで大丈夫です。
ホイールシリンダーやブレーキホースを緩める必要はありません。

注意してください

3、
タイロッドエンドを外します
詳しくはこちらを参照下さい

4、
リーフスプリングの端に軽くジャッキを噛ませてナックル上下の17mmのネジを外します。
ショックのナットを外します。

5、
これでナックルが取り外せます。
泥やらグリスやらでベタベタになっているので、汚れを綺麗に落とします。

6、
第一関門、キングピンのスプリングピンを打ち抜きます。
ここが錆び付いているとまず抜けません。
下手に叩いて頭を潰してしまうとかなりやっかいです。
バーナーなどであぶったりして何とか外しましょう。

7、
第2関門、フロントナックルブッシュを打ち抜きます。
プレスがないと(しかも大型の)作業は難航します。

今回も錆で固着していて7トンかけてやっと外れました。
しかも、その為にナックルが一つ割れてしまい、仕方がないので予備の部品を使いました(泣)
プレスがない方はゴムの部分を何とか削り取り、金ノコで切り込みを入れ、タガネなどで地道に外していくしかありません。

8、
キングピンを打ち抜きます。
これは以外に簡単です。
気をつけることは、底の部分の蓋の形状です。
ボクのは2種類ありました。
ディスクがカシめられているだけの物と、ネジ状の蓋の物です。
ディスクだけの場合は上からキングピンごと打ち抜きます。
ネジの場合はスナップリングプライヤーや、無ければタガネ・ポンチで外します。
これはディスクだけです
この様に打ち抜きます。

ワッシャーとシールの付き方を覚えておいてください。

9、
第3関門、真鍮製のブッシュを打ち抜きます。
うまく行かない場合は、金ノコで切ってからはがしていきます。
新品と打ち抜いたブッシュです。
打ち抜いた方は何故か長さが足りません。
これが入っていた方がガタガタになっていました。
途中までしか入らずに切ったのかな?と思ったんですが、新品を打ち込んだらちゃんと奥まで入りました。
う~~ん 謎です。

10、
新品のブッシュを打ち込みます。
打ち込みやすいように斜めに面取りがしてあります。
真鍮は柔らかいので潰さないように気をつけましょう。
さほど力を入れずとも入ると思います。

真ん中のピンはほとんど減ることはありません。
両側の真鍮のブッシュが摩耗します。
赤の矢印がグリスニップルに緑の矢印がスプリングピンの所に来るように上下を間違えないようにしましょう。

11、
第4関門、次にキングピンを打ち込みます。
本来ならストレートリーマーで穴のクリアランスを調節するのですが、本業でもない限り持っている人は居ないと思います。
荒技ですが、キングピンの端を面取りしてバリを落とし、スプリングピン固定用の切りかきを合わせ打ち込んでいきます。
ワッシャーやシールの付き方を間違えないようにしましょう。
そしてスプリングピンを打ち込んで固定し、上下から浸透潤滑剤を吹き付け、ナックルスピンドルをキコキコと動かしていくと徐々に動きが柔らかくなっていきます。


12、
その後、下部のディスクを入れてカシめ、上部のゴムブッシュを打ち込みます

グリスガンでたっぷりとグリスを注入します。
その時もキコキコと動かしながらやると良いでしょう。

13、
これを左右両方行います。
交換が終了したら 元通りに組んで終了です。
しばらくアタリが出るまでマメにグリスをさしましょう。

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