クローロス・アエイ


概要


小島。元は国の管轄を外れた無人島であり、つい最近までヒトの手に触れなかった外界と隔絶された原始の地。
現在では楽園を失った木霊達が住まう拠点となっている。
中心となっているのは穏健派であるが、捕虜となった強硬派の面々の姿も見受けられる。
しかしながら一部の職についている者や許可を得たり事実上追放されたりした面々もおり、島の外で生活している者もいる。

女王であり、現木霊の元締めである大精霊コノハナの手により魔術障壁が展開され、島の姿ごと雲隠れしており島の存在を知る者は僅かである。
他にも幾つかの空間魔術が施されており、障壁や魔術を突破しようとした者を見つけ次第厳重な警戒態勢が敷かれるようだ。

木霊強硬派との最終決戦にて炎霊一派の襲撃により大被害を被ったものの、復興及び開拓が進んでいる。
現在では魔力で溢れた鬱蒼としていながらも幻想的な森に覆われその中に住人たちの住居が立ち並ぶ。
島の中心には魔術で育てられた大きな木の建物があり、コノハナら島の中心人物が暮らしている。

穏健派と強硬派両方が住んでいるこの島であるが、両者の間に広がる溝は今も色濃く残るままである。

産業


原始の地であるが故に古代から蓄積された地下資源に恵まれている。
これら地下資源をどうこうすることで資金を賄っており、加工技術の修練に励んでいる。


女王及び重要人物


コノハナ


「私の理想はこの島の第二の楽園とすること。もはや、そうしなければ…誰かが守らねばこの連鎖を止めることなどできないのです」

クローロス・アエイを取りまとめる若き大精霊、新たな木霊の元締めである春の乙女。
メリアスの実子であり、強硬派の事件の際は強硬派を止めることは叶わずとも穏健派を貫き通した。
現在は島の状態を整えつつも繁栄のためいろいろ活動中。

大精霊であるが故大人びた小悪魔であるとはいえ年頃の普通の女の子。ほんとはお父さん好き。ツンデレ
徹底した保守派であり、かつて築き上げた楽園を同胞とヒトの共存の理想としている。
要するにお互いに距離を置いて関わらないようにしましょうという考えである。


ブルーシャトー


「どうしてみんなすれ違うのだろう。争いなんて、誰も望んでいないのに……」

楽園出身の「プローディギウム」の少女。コノハナと仲が良い。
その特異かつ強大すぎる力を持つ為特に職につかずコノハナの従者として付き従っている。
無邪気かつおてんばではあるが絵に描いたような聖女のような性格をしており、島民の多くから慕われる純粋無垢な聖人君子。

サキラの策によりブルーヘヴンの代わりに誘拐されてしまう。


ブルーヘヴン


「わたし、こんな酷いことをして笑っている人たちを許さないよ………!!」

1000年前、古代樹木信仰にて進行されていた「プローディギウム」。青薔薇の願いの女神その人である。
古代戦争に巻き込まれた際に凍結、保存され遥か1000年後にその力を狙った調査団により眠りを覚まされ、持ち去られてしまう。
その後、彼女の奪還を目的とする強硬派から逃げ傭兵一行に保護され身を寄せることとなった。
女神とさえ呼ばれたその実力はプローディギウムの中でも随一であり、彼女を狙うものは数知れずである。
ひょんなことからブルーシャトーと入れ替わっていたが、ブルーシャトー誘拐の報を受け、ルルアンから正式に身柄を引き取っている。

現在、とある教団が起こした事件に自ら介入をしだしコノハナらの頭痛の種となっている。
性格はシャトーに比べ大分人間くさく、幼く純粋。しかし潔癖気味で嫌悪心を抱いた相手には毒舌かつ非常に態度が悪く、キツい。
女神として崇められてきたことから大人びた魅力を持つ。


島民


島で暮らす住人たち。多くの住人たちは何らかの職業(やくわり)に就いている。
随時更新。


開拓班


島の開拓や資源採取を行う面々。
陽気でガテン系なにーさんたちぞろい。
みんなしてお酒が好き。

しかしまとめ役のおばちゃんには皆頭があがらない。


技術班


島の資源の研究や加工などを行う面々。
日々修練に励み、よりよい技術を追求することを精を燃やす変態集団である。
穏健派に属する者が大半を占めているが、楽園があったころはメリアスの研究を手伝ってた者もいるとかいないとか。

見聞役


女王コノハナの密偵、使いであり、外界の情勢や情報を集め島に伝え広める職業。
対立する強硬派残党の残党狩りを兼ねるため情報収集能力や潜入調査の技術や知識に加え戦闘能力が求められる。
その関係か元から闘争を好まない穏健派よりも血気盛んな性分の元強硬派が採用されやすい。

残党狩り及び情報収集を効率よく進めるために例外的に傭兵任務への加担を認められている。
とはいえ、経歴が経歴なのでアングラな組織に所属していることも稀ではないようだ。

サイプレス


「さて、処刑執行とさせて頂きましょう。―――― 懺悔の用意は出来ているかッ!」

元強硬派幹部の一名であり、木霊勢におけるイレギュラーの筆頭。
種族は付喪神、20歳前半くらいの青年の姿をしている。白金色の長髪、漆黒の僧衣と鎖、青宝石の単眼が特徴。
信仰深そうなのは見た目だけで実際は宗教嫌い、神様嫌い、聖人嫌いと3点揃っており、なおかつ死のエネルギーを操る力を持つエセ神父。

性格は良心的で沈着。コノハナらへの忠誠心も高いが、むっつりいじられ苦労人の上に天然サディスト。
本人におけるハイテンションな状態が続いているのか楽園にいた頃とは想像もつかないくらいにやかましい上に馴れ馴れしい。

魔改造の結果強硬派所属時よりもかなり戦闘能力が上昇しており、現在において残党狩りの筆頭。見聞役の中では代表的な荒事担当。
島の外で暮らす面々との関係も深く、費用節約の為イオンの家に身を寄せており、イオンの私兵兼お守りと化している。

とはいえ最近は何か仕事を頼まれたのか残党狩りに参加する頻度が激減。サボリ疑惑を持たれている。


木槿


「人間社会はどうかって……?退屈しない……悪くないと、思う………」

読みは「むくげ」。
種族はゴーレム。10代中頃くらいの愛らしい少女の姿をしているがその表情は能面のように貼り付き、表情を見せることがあってもぎこちない。
それもその筈、彼女はコノハナの命により島の技術班によって生み出された最新型「ゴーレム」なのである。
艶のある黒髪に碧玉の瞳。黄色の肌。仕事時は漆黒の鎖帷子を仕込んだ忍装束に身を包み、平時は木槿の花の花飾りを頭に飾り、赤を基調とした和服に身を包む。
ゴーレム(人形)であるが故に生命探知、熱探知を誤魔化すことができ、密偵任務にもそれを生かしている。

甘い声に子供のようなあどけない口調。
大人しく見えるが単に思考回路で思案してものを言うので発言にはやや時間を有しているだけ。かなり冷めた性格をしており、ドライで堅物。多分冗談とか通じない。
生まれたての子供のように純粋無垢に演技しつつも彼女も荒事を得意とする見聞役の一人。戦闘時は冷酷、機械的に相手を屠る。

現在は密偵という身分を隠しある傭兵ギルドに傭兵として所属。諜報や潜入をメインに活動しているようだ。


澄彦


「まあまあ、特ダネがあるんだよ。買ってくかい?」

読みは「すみひこ」。外に出ている際は「紡音 澄彦」(つむぎね すみひこ)と名乗る。
種族は落ちぶれて殆ど力を失った地祇、木霊とも密接な関係を持つ山の精霊「幽谷響」。30手前位の東洋の巡回僧の見た目をした青年の姿をしている。
髪色は藤色、三度笠の下には犬耳。褐色肌に紫の瞳。筋肉質で細マッチョだが背は低い。魔力節約の為土と岩を用いてボディを制作してそれに宿っている。
仕事は出来るし頭は冴えるがいかんせんテキトーな性分でゴシップ好き。

同僚のエセ神父同様エセである。とはいえ澄彦の場合自身が地祇である為他人を信仰する必要がないのである。強いて言うなら祖霊信仰者。
といっても自身の力を回復しようとも思わず、他の神を憎むこともなく今のこの現状でいいやとか思っている。

他の面々とは異なり、巡礼僧を装い情報集めをしながら世界を渡り歩いている。
戦闘もそつなくこなし、腕も立つものの、このご時世傭兵任務に加担するのは旨みがないと思っており戦闘に携わるのは仕方がない場合のみ。
薙刀使いであるが、その真髄は音を操る神通力と地獄耳と称されるほどの異常聴力にある。


サンダルウッド


「コノハナさまから仰せつかった仕事だ。頑張らなきゃ……あー、そうこうしてたらお、お腹がぁ……」

とある傭兵ギルドに専属として活動している神霊樹。女性とも男性ともとれない極めて中性的な容姿をしている。
臙脂色のミドルヘアに赤い瞳。澄彦同様東洋系の顔立ちをしているが彫りが深く、現実世界で言う東南アジア系の人種に似ている。

元穏健派でもあった強硬派幹部、ナタの縁者であり、従弟に当たる。
姉たちの事件の影響で周囲からの目を必要以上に気にして、少しでも皆の役に立とうと見聞役になることをかってでた。
精霊としての力はそれなりにあるが霊力制御に慣れないのかエネルギー消費が大きい。その結果とにかくよく食べる。

性格は真面目で明るくポジティブ。ヘタレ気味だが紳士的で良識派と解りやすく扱いやすいタイプの性格。
しかし、戦闘中は極度の興奮とエネルギーにあてられるのか羅刹の如く好戦的になる二重人格。
限度知らずで喧しく、無邪気ささえ感じさせられるが割り切りがすっぱりしており、極めて情に薄い。

身内や友人ですら斬り倒すことを躊躇わず、恨むべき人間であろうとも、倒すべく敵であろうとも本人が気に入れば仲良くする。
従姉のこと、楽園のこと、事件のことは残念だと思いつつももう戻ってこないし姉が自分で決めた選択の末なのだから誰を責めることもできないと割り切りが完了している。

武器は羽衣で結ばれた2本の蛮刀を二刀流で扱う。この羽衣は精霊の霊力にて編まれており、物魔共に高い防御力を持つ。
サンダルウッド自身の身体能力は凡庸なものの、強力な強化術式の使い手。特に筋力強化の術式に優れる豪快なパワー派剣士。


ラディ


「逃げないの?逃げないの?これはラディのお仕事だよ。早く逃げないと、バラバラにしてフライパンで炒めて食べちゃうぞ~」

クローロス・アエイの見聞役の一人であるおとぎ話の一ページを切り抜いたようなファンシーな容姿をした小人、マスコットを思わせる非常に小柄な少女。
ウェーブした銀の短髪にディープブルーの瞳。エプロンドレスにしましまソックス。つばの大きなリボンつきのとんがり帽子を好んでかぶる。
その素性は意思を持つ魔植物の一種、マンドラゴラ。銀色の葉っぱに青の胴体を持つ。

元は島民ではなく、コノハナらが今の生活をするようになってから外部からスカウトされた外様。
無邪気で幼稚、快活とした見た目通りの子供らしい性格をしているがその恐ろしさは無垢ゆえの容赦のない残虐さにある。残虐ロリータ。


島の外で暮らす住人たち


様々な理由により島の外で暮らしている関係者。


イオン


「魔女と呼ばれるのも悪くはない。…男ですがね」

フルネーム「イオン・ジェルバ」。強硬派首魁、メリアスの転生体の神霊樹。
現在はとある地方にてローンで自宅を購入、そこを拠点として薬師及び傭兵業務に励んでいる。
あだ名は「魔女」。おっとりとしているようでとても腹黒い性格をしている。
メリアスとしての記憶は消失していたものの、最近復活してしまってた。
とはいえ元の記憶はだいぶ消失してしまった様子。

精神的には神の部類であるが非常に力が弱く、自身の力で具現化することもままならない。
事実上追放扱い。


ミラクス


「私、こうやって……償いをしなきゃ。その為にもたくさんの命を救えればいい、偽善でもね」

ルルアンとの取引で人質として出された元強硬派幹部の少女。
その素性は絶滅したとされた希少な魔物「リエールセルパン」である。
現在はルルアンの診療所で助手として働きつつ呪術医としての修行を積んでいる。

しかし、癒す呪術よりも呪う方が得意。ヤンデレ気質は変わらない。
楽園にいた頃~強硬派所属時よりも女性としても成長。好きな人でもできたのかというくらい女性的になった。
多分知り合いが見たら「だれお前!?」っていうレベルである。


ニーム


「所詮この世は混沌よ、適応できなきゃ飲まれるだけ……。なんで、あの時わかんなかったんだろなぁ」

サイプレスに拉致られた元強硬派リーダー格及び開拓班のしたっぱ。
現在は特殊な麻薬と酒に溺れて廃人一歩手前状態まで病んでしまっているものの、農業に精を出している。
イオンの家に住み着いており、外に出る際も変装や偽装をしっかりと施した上で行動する。些細なことであってもこの徹底ぶりである。

かつては快活な性格をしていたものの、もはやその影はない。
島の外へ出れたものの、イオン同様事実上の追放扱いを受けている。


ちなみに


  • 名前の由来は古代ギリシャ語で「常磐色」を指す「クローロス・アエイ」から。
  • 随時更新予定。
最終更新:2014年11月16日 03:17