ギャルゲ・ロワイアル2nd@ ウィキ

requiem

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requiem ◆UcWYhusQhw


空が。

空が蒼い。

私――来ヶ谷唯湖――はそれを唯眺めていた。

もう朝だ。


蒼い。

本当に蒼い。

太陽が耀いている。

光に満ちて。

唯、光が眩しかった。


死人である私には。

その蒼過ぎる空と眩しすぎる光は。

余りにも。

あわない。

あわないよ。

なあ。

クリス君。

これが。

これが君が信じていた明日は希望か?
この満ち足りた光が希望というならば。




私はそれを二度と掴めない。

血と。
闇に。

染まりに染まった手では。

永遠に。
永久に。


掴めやしないんだ。


クリス君。






◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






西へ。

西へ進んでいた。


広がる住宅街を迷う事もなく唯歩む。


もと来た道に戻る必要性など無い。
罪を重なる為には私は進むしかない。
このまま歩き教会により大聖堂へ。

教会。
禁止エリアに囲まれたこの位置。
篭城するにはいいかもしれない絶好の位置。
参加者が居るかもしれないのだ。
寄らない理由が無い。

そして大聖堂。
始まりの地。
ここにクリス君が居る。
何故だかそんな確信があったから。
だから歩む。

放送があった。
短い放送が。

8人だったか?

その中にクリス君がいない事に安堵しつつも当然だとも想う。

彼はここで倒れる子じゃない。

そうだと信じきっているのだから。

そう彼は私が。

私が。

私が。


私があい―――。




おっと。

その先は言ってはいけない。

私は×××ではなく唯湖なのだから。


罪を犯す事も。
哀しみの連鎖を広げる事も。


厭わない唯湖なのだから。


さて。

真人少年。


遂に逝ったか。

これで。
これで。


あのころのリトルバスターズも終わりか。


――まったく愚かなものだな。


私は。


理樹君がこの島でも広げていたリトルバスターズをこの手で壊して。
あの安らげる場所であったリトルバスターズを壊し続けて。

そして元のメンバーだった皆は全員逝った。



ああ。

愚かだな。


私は真人少年に期待でもしていてたのだろか。
理樹君と同じくこの島でリトルバスターズを築いていた事を。


リトルバスターズは不滅だという事を。

望んでもいたのだろうか。


馬鹿だな。


私は。


私自身が壊し続けているのに。

もしかしたらこれからも壊し続けるというのに。

あの安らげる場所が。
あの楽しい場所が。

永遠であるとでも想っていたのだろうか。



なんて。

矛盾。

矛盾だ。




でも。
それでも壊し続けないといけない。


クリス君の為に。


千華留君を初めこの島に残っているかもしれないリトルバスターズを。



壊し続けるしかないんだ。




あは。


あはははははははは!


可笑しい。

可笑しすぎるよ。


私はなんて自分勝手なのだろう。

あれだけいいと想ったリトルバスターズを。

たった一人の想い人が出来ただけで。


壊すのだ。


完膚無きままに壊すというのだ。



これが自分勝手といわずに何が自分勝手だろうか。

だが。



いいだろう。

その自分勝手。


私は貫き通す。


たったひとつ。


全てが堕ちた私に残っている


この掛け替えのない思いの為にも。


貫き通してみせる。


明日の希望が無いとしても。


絶対。


絶対。



静留君。

君も逝ったか。

彼女は救われたのだろうか。

知る由も無い。


クリス君は彼女を救えたのだろうか。


その優しい手で。


救いを差し伸べていたのだろうか。


解らない。
解らなくていい。



もう彼の理想の傍には私はいれないから。


だから。


唯、それなりの縁が深かった参加者が死んだだけ。
クリス君が救おうとした人ではなく。

他人が死んだ。


それだけだ。




でも。

願うくは。


彼が。

その理想を信じて。


命を失った参加者の為に奏でるだろうレクイエム。



その時の彼の心に。


どうか。
どうか。



私が居ますように。


少しでも彼のやすらぎになれるように。


私の事を少しでも想ってくれるように。


そうすれば彼のレクイエムは聞こえてくるから。


あの優しい音が。


だから私は


唯、祈った。






―――しかし、唯湖は知らない。


クリスの傍には違う人が居ることを。

クリスの隣はクリスが新たにできた大切な人が居ることを。


クリスが奏でるレクイエムを聴くのは彼女である事を。



そう。


唯湖に。


唯湖の心に二度とレクイエムは届かない。


そう。


もう二度と届かないのだ。




【B-6 中央 / 2日目 朝】

【来ヶ谷唯湖@リトルバスターズ!】
【装備】:デザートイーグル50AE(2/7)@Phantom-PHANTOMOFINFERNO- カリバーン@Fate/staynight サバイバルナイフ
【所持品1】:支給品一式×4、デザートイーグル50AEの予備マガジン×3、S&WM37エアーウェイト(5/5)、S&WM37エアーウェイトの予備弾(×5)
     オペラグラス、マスク・ザ・斉藤の仮面@リトルバスターズ! 首輪×4(蒼井、向坂、橘、鉄乙女)
     RPG-7V1(弾頭1/1)、OG-7V-対歩兵用弾頭×2、斬妖刀文壱@あやかしびと-幻妖異聞録-、89式小銃(28/30)、
     鴉天狗秘伝の塗り薬(90%)@あやかしびと-幻妖異聞録-、不明支給品1~2(確認済み)
【所持品2】:ナイトゴーント@機神咆哮デモンベイン、斧、投石器、ウィルス@リトルバスターズ!、S&W M38(0/5)、37mmスタンダード弾×5発
    工具一式、拡声器、第1次放送時の死亡者とスパイに関するメモ、放送案の原稿、黒須太一の遺書、ウィンフィールドのメモ、
    ゲーム用メダル400枚@ギャルゲロワ2ndオリジナル、ICレコーダー
【状態】:疲労(大)、脇腹に浅い傷(処置済み)、全身に打ち身、膝に擦り傷、髪を後ろで結わえた
【思考・行動】
 基本:クリスを護る為、罪を重ねる為に殺し合いに乗る。そして最期にクリスに殺してもらう。
 0:祈る。
 1:クリス君、君は死なない(万が一、死んだら自殺する)。
 2:クリスが彼女を殺さざるを得ない状況になるまで手を血で染める。
 3:人を殺し、哀しみの連鎖を進めるもしくは断ち切る。
 4:北部エリアで源千華留よりも早く誰かと接触、殺害の機会を伺う。
 5:できれば休憩も取りたい。
 6:太一の遺言を叶える?(原稿をスパイに届ける) 。
 7:リトルバスターズメンバー、焼け焦げた男(ウィンフィールド)に対して僅かな罪悪感。
【備考】
 ※精神世界より参戦しています。
 ※クリスは唯湖を殺す哀しみを負って生きてゆけると信じました。
 ※クリスはなにか精神錯覚、幻覚をみていると判断。今の所危険性はないと考えています。
 ※美希に対し僅かな違和感を持っています。

232:第5回放送 投下順 234:Symphonic rain
時系列順
225:記憶の海 来ヶ谷唯湖 236:blue sky


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