ルッカは見知らぬ建物の中に送られていた。
どうやらここは病院のようだ。
回復魔法が使えるマールやカエルがいたため、冒険の途中でお世話になったことは1度もない。

『──本当に残念なのですが……奥さまの足はもう、治らないでしょう。』

10年前、父のタバンとお医者さんが話しているのをルッカは聞いた。
ルッカにとって病院とは、自分が発明家を志したキッカケとなった悲しい過去を思い出すだけの場所であったのだ。

だけど殺し合いを命じられた今、場所の選り好みをしている場合ではない。

外から自分の居場所を特定されないように電気を付けないまま、自分に配られた支給品の確認から行っていく。

「……へえ、なかなかオシャレなローブじゃないの。」

最初に取り出したのは水属性の守りに包まれた羽衣。とりあえず着ていた普段着から着替える。

「……武器とか、ないわけ?」

支給された装備品は、【水の羽衣】のみであった。
本当にあの主催者たちは殺し合いをさせる気があるのだろうか。
武器があったところで積極的に殺し回るつもりなどさらさらないのだが、武力抑制の手段くらいは持っておきたいところである。

それはそれとして、ルッカ特製の工具箱が奪われたことの方が痛手である。
遠隔操作で起爆する首輪を解析したり、故障したロボットを修理したり……
そういったサイエンスという武器が概ね封じられてしまったのはルッカのプライドにも関わる問題だ。

とりあえずここはフロアマップによると3階建てであるらしい病院。
何か使える道具は無いか1階から順に散策していく。

その際、ルッカは明らかな違和感に気付いた。

(薬の類が見当たらない…?)

ここが本当に病院であるなら、エリクサーぐらいはあっていいものだろうに。
主催者が抜き取ったのだろうか。

ただし、ルッカの目的は薬ではないため問題は無い。

例えば、メスやドリルなどの医療用具。
殺し合いの武器として使うには不完全極まりない業物であるためかそれらは撤去されずに残っている。

しかしそういった小道具も、工具箱を失ったルッカにとっては十分な「作業道具の代用品」になりうる。



「あれは………!」

1階と2階のアイテム回収をあらかた終え、3階に登ったその時、ルッカは遠くに2つの光の点を見た。

それはルッカの良く知る光だった。
だけど嘘だ。そんなはずがない。
"彼"とはもう二度と会えないはず……。

それでも迷わずその光の元へ向かっていく。その光の主は逃げることなくルッカの前に現れた。

「ロボ!!!」

"彼"の名前を呼ぶ。
ゲートホルダーでラヴォスによって崩壊した未来に飛んだ時に出会った壊れかけのロボット、それが彼との最初の出会いだった。
10年前から必死に科学を学んできたルッカにとって、1300年未来の技術であっても理解できないものではなかった。そのロボットを修理し、「ロボ」と名付けて共に行動をすることとなる。
その中で、ロボがずっと探していた仲間は工場に侵入する者を排除するロボットだったことを知る。そして仲間のロボットは、人間と行動を共にするロボを欠陥品として廃棄しようと襲いかかってきた。

そのロボット達を逆に廃棄して、落ち込むロボにルッカは聞いた。何かやりたいことはないのか、と。

『──ルッカ、ワタシにもしたい事が出来マシタ。アナタ方といっしょに行く事デス。』

ロボはそう答えてくれた。
幼い頃から発明に執心なルッカは度々変わり者と見なされることがあったのだが、科学を知ったことでロボットのこんないじらしい心にも触れることが出来るとルッカは知っている。
だから思うことが出来た──これが自分の在るべき生き方であったのだと。

ロボは特に優しい心を持っていた。
ロボは皆の胸を刺す一抹の不安についてずっと触れずにいてくれた。
きっとそれは、クロノ達が冒険の目的を果たすのを邪魔したくなかったロボの優しさだったのだろう。

【ラヴォスを倒して世界を守れば、崩壊した未来の世界で作り出されるはずだったロボは消えてしまう】

ルッカには分かっていた。
ロボの優しさも、それに甘えて自分が行おうとしていたことも。

長い冒険の果て、クロノ達とようやくラヴォスを倒し人類は滅びの未来から救われた。異なる時代からやって来た人々はそれぞれの時代に帰るため、最後のゲートをくぐることとなった。

それが、ロボとの最後の別れであった。
ずっと分かっていたはずなのに、その時を迎えると涙が溢れて止まらなかった。

ロボも泣いていた。ロボットが泣くはずがないって皆は思うかもしれないけど、ルッカには分かった。
彼はそのアイセンサーから、人よりも優しく温かい涙を流していたのだと。

後世にロボと同じロボットを作る発明家は現れないだろう。
ロボは人類を滅ぼすために作られた。ロボは消えたのだ。消えなくてはならなかったのだ。言わばロボはラヴォスへの敗北の証。人類の未来のためには犠牲にならなくてはならなかったのだ。

だからルッカは、その先の人生を科学の発展に捧げることを決めた。

もう二度と出会えないロボのように心優しいロボットを、いつか誰かが生み出してくれることを信じて、発展した科学を後の世に残す。そのために個人的な発明家ではなく研究者への道を目指し始めた。

それが新たに出来た彼女の夢。
あの心優しいロボを、人類が救われた後世に遺したい。
ロボの形見となった緑色の宝石に誓った、ルッカの夢。

つまるところ、ルッカはもう一度会いたかったのだ。
ロボットの心を知る自分の生き方をそのまま体現してくれていたかのような彼に。





「──シンニュウシャをハッケン、ハイジョします。」




そんな彼の口から発された機械音声は、ルッカの夢を一瞬で打ち砕いた。

「え……何を言っているの、ロボ……?」

一瞬、思考がフリーズする。
目の前にいるロボットは、間違いなくあのロボだ。
製造番号も【R66-Y】と、ロボと一致している。

「ワタシの名前はプロメテス。ロボなどと言ウ名前ではアリマセン。」

その名前を聞いた途端にルッカは理解した。このロボの中身はあのロボでは無いのだと。

プロメテス。それは確かにロボの本来の名前である。
ロボには人間の仲間として潜り込んでその生態を調査するスパイとしての命令が与えられていた。
しかしロボはかつて与えられていた命令ではなく、自らの心に従ってルッカに着いてきていたのだ。今更その名前を名乗るはずがない。

もしかしたらこのロボは自分たちと出会う前の、人類を滅ぼすために動いていた時代からこの世界に連れてこられたのだろうか。

ルッカがひとつの仮説を巡らせ始めた次の瞬間、ロボはルッカに殴り掛かる。
渡ってきたばかりの病院の廊下でバックステップをしてロボのパンチを躱す。

しかし距離を離して一瞬気が緩んだところに、ロボのロケットパンチが飛んでくる。

(違う……この威力ッ……!!)

両腕で防御の姿勢を取って威力を抑えたものの、重機の凄まじい衝撃でルッカは吹き飛ばされてしまう。

受け身を取ると放った腕を元に戻し、再び接近して来るロボ。
自分に飛んできたことはないが、見慣れた技だ。
ロボタックル。
ロケットパンチよりも数段威力の高いその技をまともに受けては本当に殺されかねない。

「くっ……!燃えなさい──ファイア!」

床に炎を放ち、ロボの動きを制限する。
速度を落としたロボの攻撃を回避し、ルッカは再びロボと向き合う。
ロボの攻撃の威力と速度を目の当たりにし、ルッカは先の仮説が間違っていたことを確信した。

ロボはクロノのパーティーに加入してからも新しい技を覚えたり、身体能力を向上させたりと成長を重ねていった。
今目の前にいるロボの動きにはその面影が残っている。これは間違いなく【ラヴォスを倒せるほど成長したロボ】である。

更にはその証拠として、ロボの身体にパーツとして取り付けられた、ロボの姉妹機であるアトロポスのリボンも目視出来る。
自分たちとの冒険を経験していないロボにそのパーツが装着されてあるはずがない。

つまり、答えはひとつだ。

「ようやく話が見えてきたわ……。あなた、プログラムを書き換えられているのね。」

アトロポスもロボと同じように優しいロボットだったはずなのだが、ロボ達の創造主であるブレインマザーによってプログラムを書き換えられ、生き残った人類を殺す工場を管理するようになった。
今のロボも同じ状態だ。プログラムを書き換えたのが誰の仕業かはハッキリとは分からないが、恐らくは殺し合いを円滑に進めるために主催者のマナとウルノーガがやったのだろう。
一緒に冒険したあのロボと、目の前で自分に襲いかかって来るこのロボが同一のものであれば、考えられる可能性はそれしかなかった。

ただし、それは必ずしも悪いことという訳では無い。
ロボがプログラムを書き換えられただけだというのなら、自分たちと冒険した過去の記憶はメモリーバンクから消去されていないかもしれない。
仮に消去されていたとしても、そもそも未来の技術なのだ。バックアップを取っていたり、どうにかすれば復旧のやり方があったりと、そういった可能性もないわけではないのだ。

「思い出して!ここに来る前に私たちは一緒に冒険して、人類を救うために戦ってきたのよ!」

「そうかもしれまセン。或イハそうでないかもしれまセン。どちらにセヨ私はプロメテス、あなたの敵デス。」

「っ…!プロテクトッ!」

避けきれないロボのロケットパンチを魔法によって最低限の威力に抑える。
それでも重い一撃だ。
やはりロボとの1対1は勝てない。実力的にも、精神的にも。

「まあ、ロボットがそーゆー融通効かないのは分かってるわ……だったらここは……撤退よッ!」

だから仲間を集めよう。
更には、この世界に呼び出された時に没収された自分の工具箱の代わりになるものを探し出そう。
今のままではロボに勝つことも、勝った後にロボを元に戻すことも難しい。

しっかりと準備をしてからここに戻って来よう。
かのラヴォスとて時の最果てからいつでも挑める状況にありながら、最後の最後まで準備をしてから挑んだのだ。
最終的には必ずロボを救ってみせる。

ロボがどんな相手にプログラムを書き換えられていようと、サイエンスでの知恵較べなら絶対に負けるものか。

「逃がしマセン!」

ロボがルッカに迫ってくる。
ルッカの使った一手は……

「催眠音波ッ!」

機械が一時的にその機能を失う特殊な音波を作り出す。
魔法ではないためロボの修理に取りかかれるほど長い効果は見込めないが、逃げ去るだけの時間は稼げるだろう。

「え、えらー……動力、一時停止……Zzz……」

「もうちょっと待っててね、ロボ。必ず助けてみせるから。」

眠ったロボに語りかけ、ルッカは逃げ出した。
来た廊下を戻り、2階への階段を駆け下りて。

ルッカの頭の中にはロボの思い出ばかりが巡っていた。

誰よりも暗い境遇にありながら、誰よりも明るく振舞っていたロボ。
自分だけはそんな彼の本当の心が分かっていたと思っているから、悲しい時はすなおに悲しむのよと言ってやった。
ロボは優しすぎたのだ。
パーティーの雰囲気をずっと和ませるために本当の心を押し隠して……。
だから一言、ラヴォスを倒して消えるのは怖いと言って欲しかったのかもしれない。
言ったところで何が変わる訳でもないのに。ラヴォスを倒すことに変わりはないのに。

この時のルッカの頭の中には、ロボのことしか無かった。




「──メラゾーマ」




ルッカは完全に失念──否、油断していたのだ。
足音の鳴り響く病院の廊下であれだけ走っていれば他の参加者に居場所を特定されてもおかしくはないに決まっているのに。

まだ別の世界から来た者たちと出会っていなかったというのもあるし、居場所が病院という既知の空間だったこともあるだろう。
このロボと出会ってからの数分間に色々ありすぎて、ここが殺し合いの世界であるということすらルッカは忘れかけていた。

そんなルッカの身体を、足音を聞いて廊下の突き当たりで待ち伏せていた第三者──セーニャによって放たれた特大の火球が包み込んだ。

「なに……よ……」

「まだ生きているのですね……。動かないでください。」

何が起こったか分からずその場に倒れ込むルッカ。
着ていた水の羽衣のおかげで火球で受けたダメージはそれほど大きくはないのだが、不意の一撃に対して転倒は免れなかった。
うつ伏せに倒れたルッカに対してセーニャの持つ槍、黒の倨傲が突きつけられる。
抵抗の意思を示そうものなら即座に心臓を一突きにされて殺されるだろう。

「アンタ……何でこんなことを?」

「本当にごめんなさい。私たちの誰かが優勝すれば、貴方も他の皆様も、全員救います。だから……」

メラゾーマで殺せなかったと分かってからは、セーニャはルッカをすぐに殺そうとはしなかった。

セーニャは今でこそ殺し合いに乗ってこそいるものの、根は真面目な少女である。
優勝する目的と、それを為せるのが自分だけであるという責任感からやむを得ず殺し合いに乗った彼女は、先程殺したレオンのように一方的に理不尽に命を奪い続けるのに耐えられなかった。

傲慢な話ではあるが、自分の目的を知ってもらって、全て納得した上で死んで欲しいのである。

現状、レオンとは違って不意打ちで殺し切れず、生殺与奪の権利だけを握っている。つまり、セーニャにはルッカと対話をする余裕が生まれている。

「……貴方の命を私たちに預けていただきたいのです。」

「……なるほど。アナタ、殺し合いが開かれる以前の時代に戻ろうとしているのね?」

一方ルッカはセーニャの物言いからその目的を察する。
言うまでもなく、ルッカ自身が何度も時代を超えて冒険してきたために時間跳躍の話については飲み込みが早いのである。

「話が早くて助かります。私たちはずっと、あのウルノーガという魔導士を追いかけてきました。不意打ちを受けて私たちが敗北した前の時間に戻ればきっと……この殺し合いが開かれる前にウルノーガを倒せる。だから……」

「……。」

ルッカに目的を伝えたところで、セーニャは突き付けていた黒の倨傲を振りかざす。
最後にもう一度、ごめんなさいと小さく呟いた。

ルッカが口を開く。

「じゃあ私も最後に一言、いいかしら?」

「ええ、聞きますわ。」

ルッカは悟る。
目の前の名も知らない女性は他人を殺しながら許しを求めているのだと。

「それじゃあ頭脳明晰、才色兼備にして世紀のタイムトラベラー、ルッカ様がありがた~いアドバイスをくれてやるわ。耳かっぽじってよーく聞きなさい!」

命を奪っておいて許されたい?
そんなの許さない。
自分の過ちで奪ってしまったものは永遠に背負い続けなければならないのだ。

ずっとずっとその一瞬を後悔し続けながら、次にそんなことが起こった時に今度は後悔しないように努めなくてはならないのだ。
少なくとも、今のルッカの根幹を作り上げているのはその後悔なのだ。

「歴史改変は……安易な気持ちでやっていいもんじゃないッ!代償にもっと大切なものを失うかもしれないのよ!!」

うつ伏せでセーニャの顔はハッキリとは見えないが、動揺していることはよく分かる。

「私はアンタを認めない、許さないッ!!二度と戻れないこの一瞬を……永遠にその目に焼き付けなさいッ!」

「っ……!五月蝿い!!」

セーニャの決意を明確に否定する言葉。
セーニャは動揺のままに振り上げた黒の倨傲を振り下ろす。
言葉の続きを聞きたくなくて、臭いものに蓋をするように。

この言葉が少しでも響いたのであれば、どうかこれから先の彼女を変えるキッカケにでもなりますように。
最期の一瞬を覚悟し、ルッカは祈る。

「…………あれ?」

しかしその槍は、ルッカを貫くことはなかった。

「ル………カ……………」

セーニャの両腕は、何者かによって背後からがっしりと掴まれていた。

「逃ゲ……………て…………くだ……サイ………」

「ロボ!どうして……!」

顔を上げると、ロボがロケットパンチの要領で飛ばした両腕でセーニャの両腕を掴んでいた。
それは確かにプロメテスではなく彼だったと、その一瞬だけはそう感じた。
その感覚はすぐ、消え去ることとなるのだが。

「──シンニュウシャ、ハッケン。ハイジョします。」

「ぐっ……離し………」

ロボはセーニャの両腕を掴んだままロケットパンチで打ち出した腕を引っ込め、セーニャを引きずり込む。
そしてその身体を無造作に、後方へと放り投げた。

「きゃあああああ!!」

ガシャン、と窓ガラスが割れる鋭い音が聞こえてくる。
何の感情も抱かず人を葬り去る今のロボの様子が、ロボを欠陥品としてダストボックスへ放り込んだかつてのロボの仲間たちの姿と重なった。

「そっか…やっぱり今のアンタは……ロボじゃなくてプロメテスなのね。」

突きつけられた槍が無くなって、自由の身となったルッカは立ち上がる。

「その通リ。アナタの敵デス。」

立ち上がったルッカに渾身のロボタックルが迫り来る。

「分かったわ、もう覚悟は決めた。」

次の瞬間、ロボの目の前の床が大爆発を起こして崩れ落ちた。

爆風で後ずさりするロボを横目に、ルッカは臆することなく飛び降りる。

爆発のタネはMPを爆弾へと変換するルッカの大技、メガトンボムである。
ロボを傷付けたくなくてさっきまでは強力な技は使わなかったが、セーニャの奇襲を受けたことでルッカは「何もかも上手く進めよう」という甘えを断ち切り、殺し合いに対して多少の割り切りを覚えた。

荒療治でも今はロボからの逃走を最優先とし、あの状況を切り抜けた。
そして何かと形式美を好むルッカは1階から高らかに、ロボに向かって叫ぶ。

「これは宣戦布告よ、プロメテス…。私は必ずアンタを倒してロボを取り戻す。首根っこ洗って待っていなさいッ!」

ルッカはくるりと振り返り、病院の出口へと向かう。
未だに砂埃が舞う病院の2階で2つの眼の光がチカチカと点滅した。
その目が見ているのは彼の"敵"なのか、それとも……

【D-5/病院外(南側)/一日目 黎明】

【ルッカ@クロノ・トリガー】
[状態]:ダメージ(中)、MP消費(小)
[装備]:水の羽衣@ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2個(工具の類や装備品は含みません)、医療器具
[思考・状況]
基本行動方針:人と工具を集め、ロボを正気に戻す。
1.多少は割り切ることも必要なのかもしれないわ……。
2.工具箱が見つかれば、この首輪の解析でもしてみようかしら。
3.ロボが居たってことは、もしかしたらクロノたちも……?

※ED No.01 "時の向こうへ"後からの参戦です。
※サブイベント「緑の夢」ではララの救出に失敗しています。


【D-5/病院/一日目 黎明】

【ロボ@クロノ・トリガー】
[状態]:ダメージ(中)、MP消費(小)
[装備]:ベアークロー@ペルソナ4
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2個
[思考・状況]
基本行動方針:病院内に侵入した敵を排除する
1.ワタシの名前はプロメテス。
2.ルッ……………カ…………

※ED No.01 "時の向こうへ"後からの参戦です。


【水の羽衣@ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて】
ルッカに配られた、あまつゆの糸で織り込まれたローブ。
炎耐性と水耐性を持ち、セーニャのメラゾーマからルッカの命を救った。

【医療器具@ゲームキャラバトル・ロワイヤル】
病院の1階と2階で採集した医療器具。
薬の類は含まれておらず、精密作業に向いた小道具が中心。

【ベアークロー@ペルソナ4】
ロボに支給された武器。
稀に物理攻撃を反射する特殊効果がある。

「ぐっ………スカラを掛けておいて………正解でした……わね……」

病院の2階から外へと投げ出されたセーニャは、致命傷だけは何とか免れていた。
起き上がろうにも全身の痛みでなかなか起き上がれない。

(──歴史改変は……安易な気持ちでやっていいもんじゃない!)

安易な気持ちなんかじゃありませんわ……。ウルノーガを倒すのは私たちにしか出来ないんですもの……

(──歴史を変えた代償に、もっと大切なものを失うかもしれないのよ!)

恥ずかしながら、それはあまり考えていませんでしたわ。
でも……お姉様より大切なものなんて私にはありません。

さっき出会った少女の言葉が頭の中から離れない。
こんな所で決意を鈍らせている場合ではないのに。

セーニャはもう戻れない。
既に1人、殺してしまっているのだから。

「とりあえず……まずは回復呪文を………」

近くに落ちていた槍を手に取り、杖替わりにして何とか起き上がる。
そしてベホマの詠唱を始め───



「───いいえ、折角の魔力が勿体無いですわ。」

その詠唱を中断した。


「敵は何人いるかも分からないんですもの。だったら限りある魔力なんて全部攻撃呪文につぎ込みませんと、ねぇ?」

セーニャが今まで1度も浮かべたことの無いような、醜悪な笑みを浮かべ始める。

「さあ、壊しましょう。過ぎ去りし時を取り戻すために……。そしたらもう一度……ぜーんぶ、壊せますもの…。」

その手に持つのは黒の倨傲──人の心を狂わせる魔槍。多大なダメージによって生命力が弱まったことで、心が槍に乗っ取られてしまったのだ。

「ふっ……ふひっ……ふひひひひひひひひひひひひひひっ………………………」

そう、セーニャはもう戻れない。
何もかも、既に過ぎ去りし時。

【D-5/病院外(北側)/一日目 黎明】

【セーニャ@ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて 】
[状態]:HP1/5、MP消費(小) 『黒い衝動』 状態
[装備]:黒の倨傲@NieR:Automata、星屑のケープ@クロノ・トリガー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品(確認済み、1~2個)、軟膏薬@ペルソナ4
[思考・状況]
基本行動方針:優勝して世界樹崩壊前まで時を戻し、再び破壊する。


※世界樹崩壊後、ベロニカから力を受け継いだ後からの参戦です。
※ウルノーガによってこの殺し合いが開催されたため、世界樹崩壊前まで時間を戻せば殺し合いがなかったことになると思っていました。
※回復呪文、特技に大幅な制限が掛けられています。(ベホマでようやく本来のベホイミ程度)
※ザオラル、ザオリクは使用できません。
※ザキ系の呪文はあくまで生命力を奪う程度に留まっており、連発されない限り即死には至りません。


【備考】
病院は3階建てです。
2階の一部の床が崩れ落ちています。
2階の北側の窓ガラスが1枚割れています。

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004:こころないてんし 時系列順 021:歩幅を合わせて、それぞれの二歩目を
014:Abide 投下順 016:蒼い鳥
NEW GAME ルッカ 033:Library
NEW GAME ロボ 052:We're tied with bonds, aren't we?(前編)
003:過ぎ去りし時を―― セーニャ 037:破壊という名の何か

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最終更新:2019年09月17日 11:21