PC Engine
概要
ハドソンとNEC-HEが共同開発した家庭用ゲーム機。
「PCエンジン」という表記が一般化しているが、本来の正式表記は「PC Engine」もしくは「ピーシーエンジン」である。
(「PC-Engine」とハイフンを入れると、PCエンジンとは無関係のPC88VA用OSのことを指す。)
略称は、当時のゲーム雑誌では「PC」とされることが多かったが、現在ではパソコンの略称との混同を回避するため「PCE」が使われる。
音源はCPUチップ「HuC6280」に内蔵された
波形メモリ音源6ch(うち5,6chをノイズ発生器として選択可)構成。
左右の音量レジスタ可変によりテレビゲームで初めてステレオ発音を実現している。
矩形波よりも表現にバリエーションがありながら省メモリを両立しており、PCエンジンの処理能力の早さに寄与している。
従来の波形メモリ音源に比べ汎用性があり、マリンバやシンセパッド系の音色が出せる。特にオルガンの音色に強みを持つ。
反面、太い音や金管楽器の音色は出しづらい。
1,2chはLFO合成することによりFM音源のような効果を得られる。
また1chにつき1音を、ソフトウェア処理によるPCM再生にすることも可能。
このサンプリング音はボイスや効果音のほか、BGMのドラムパートに使用されることも多い。
PCエンジンの音色は同時期の競合機種と比べて低音の弱さに起因する貧弱さが指摘されることが多い。
一方でベースに厚みを持たせるよう音色を工夫をしたり、サンプリングドラム等で低音を補強した作品では表現力の高さを実感できるため、使いこなすのがそれなりに難しい音源と言える。
なおゲーム内オプションやスタッフロール等において「PSG」と表記されるケースがあるが、これはゲーム開発者の間で波形メモリ音源を便宜上PSGと呼称するのが慣例化していたためである。
音源チップの設計者は、当時のハドソンのサウンド部隊トップである
笹川敏幸氏。
設計にはドイツ製シンセサイザー「PPG」のウェーブテーブル方式から着想を得ているとのこと。
また周辺機器として、家庭用ゲーム機で世界初となるCD-ROMドライブがある。
接続することで、CDから直接再生するCD-DAとモノラルADPCM1音が使用音源に追加される。
詳細は「
PCエンジン CD-ROM2」の項を参照。
上位機種として「PCエンジン スーパーグラフィックス」があるが、メモリの増加とグラフィック表示性能を2倍にしたのみで、音源性能に変更はなし。
また復刻ハードとして
PCエンジン miniが発売されている。
参考
最終更新:2023年04月09日 16:24