支配者◆dGUiIvN2Nw
サカキは林の中を歩いていた。
一応その足は魔理沙が逃げて行った方へ向いているものの、彼の歩みには焦りも追おうという気概も見られない。ただ別段行くところもないからという惰性で魔理沙の後を追っている。そんな感じだ。
それもサカキにしてみれば無理からぬこと。何故なら霧雨魔理沙に追いつくということ自体、ほぼ不可能なのだから。
元々はサカキに支給され、まんまと彼女に奪われてしまった首輪探知器。あれを使えば追跡者を巻くことなど容易にできる。
そして何より、別れ際に彼女が言った言葉。
一応その足は魔理沙が逃げて行った方へ向いているものの、彼の歩みには焦りも追おうという気概も見られない。ただ別段行くところもないからという惰性で魔理沙の後を追っている。そんな感じだ。
それもサカキにしてみれば無理からぬこと。何故なら霧雨魔理沙に追いつくということ自体、ほぼ不可能なのだから。
元々はサカキに支給され、まんまと彼女に奪われてしまった首輪探知器。あれを使えば追跡者を巻くことなど容易にできる。
そして何より、別れ際に彼女が言った言葉。
『私は霧雨魔理沙!“普通の魔法使い”だぜ!』
魔法使い。
指から光を放つという離れ業をやってみせたことから、おそらく真実だろう。何か特殊な支給品でそれを演出してみせただけかもしれないが、わざわざそんなことをしてまで自分を魔法使いに仕立てるメリットがない。
だから魔法使いは実在し、霧雨魔理沙こそが魔法を駆使し得る存在だということは確かなようだ。
魔法とはどういったものなのか、サカキにはまったく分からない。どういうことができ、どういうことができないのか。得体の知れない、全く未知な概念。
ただの一般人であるサカキが本気で魔理沙を追いかけようと、向こうは一息でその追跡を逃れることができるかもしれないのだ。
そんなことになれば、それこそ追いかけるなんて体力の無駄でしかない。だから魔理沙に追いつくことをサカキは半ば、いや完全に諦めていた。
指から光を放つという離れ業をやってみせたことから、おそらく真実だろう。何か特殊な支給品でそれを演出してみせただけかもしれないが、わざわざそんなことをしてまで自分を魔法使いに仕立てるメリットがない。
だから魔法使いは実在し、霧雨魔理沙こそが魔法を駆使し得る存在だということは確かなようだ。
魔法とはどういったものなのか、サカキにはまったく分からない。どういうことができ、どういうことができないのか。得体の知れない、全く未知な概念。
ただの一般人であるサカキが本気で魔理沙を追いかけようと、向こうは一息でその追跡を逃れることができるかもしれないのだ。
そんなことになれば、それこそ追いかけるなんて体力の無駄でしかない。だから魔理沙に追いつくことをサカキは半ば、いや完全に諦めていた。
ではサカキにとって先程の魔理沙との邂逅は不幸でしかなかったのか。否、そうではない。むしろ最大級の幸運と言っても良い。
何故なら、サカキは魔理沙と出会うことで魔法という存在を確かなものとして確認することができたのだから。
正直な話、サカキはこの殺し合いに呼ばれた時、抵抗など不可能だと思っていた。殺し合うしかない。優勝しか生きる手立てはない。自らが生きるも死ぬもマルクの気まぐれ一つなのだと、一種悟りの境地を以て自らの運命を受け入れていた。
だが今は違う。サカキは今、堂々と断言できる。
何故なら、サカキは魔理沙と出会うことで魔法という存在を確かなものとして確認することができたのだから。
正直な話、サカキはこの殺し合いに呼ばれた時、抵抗など不可能だと思っていた。殺し合うしかない。優勝しか生きる手立てはない。自らが生きるも死ぬもマルクの気まぐれ一つなのだと、一種悟りの境地を以て自らの運命を受け入れていた。
だが今は違う。サカキは今、堂々と断言できる。
(この殺し合い、攻略は可能だっ!)
まず、参加者と主催者について考えると、主に以下のことがこの二組の優位性を大きく隔てる要因となっている。
まず一つが首輪。言わずもがな、自らの生命を主催者に握られている以上、参加者と主催者の優位性が崩れる訳がない。
もう一つが力。一瞬で何十人もの人間をワープさせ、このような孤島を用意できる力。最早理解の範疇にないこの無尽蔵な力が、主催者の跋扈を許している。
そして最後が、場所である。この場、殺し合いの会場は一体どこなのか。少なくともカントー地方付近でないことは確かだ。場所の特定が出来なければ脱出など出来るわけもない。そして脱出できない以上主催者に迎合するしか道はない。
まず一つが首輪。言わずもがな、自らの生命を主催者に握られている以上、参加者と主催者の優位性が崩れる訳がない。
もう一つが力。一瞬で何十人もの人間をワープさせ、このような孤島を用意できる力。最早理解の範疇にないこの無尽蔵な力が、主催者の跋扈を許している。
そして最後が、場所である。この場、殺し合いの会場は一体どこなのか。少なくともカントー地方付近でないことは確かだ。場所の特定が出来なければ脱出など出来るわけもない。そして脱出できない以上主催者に迎合するしか道はない。
(大きく分類してこの三点。これらが参加者と主催者の絶対的な壁。だが逆を言えば、これらさえクリアできれば主催者の優位性は消える)
サカキが殺し合いに乗ったのもこれらを攻略する糸口がまるきり掴めなかったからだ。恥ずかしいことだが、この遊戯自体神の悪戯だとまで考えた。
だがそう考えたのも、サカキにとってそれらを成す術がまったくもって見当のつかないものだったからなのだ。
もしも魔法というものでこれら三つを説明出来るのだとしたら? サカキはそこにある種の抜け道を見出したのだ。
だがそう考えたのも、サカキにとってそれらを成す術がまったくもって見当のつかないものだったからなのだ。
もしも魔法というものでこれら三つを説明出来るのだとしたら? サカキはそこにある種の抜け道を見出したのだ。
霧雨魔理沙。
彼女の力は恐らくそれほど強いものではないだろう。それは先程の戦闘からだいたい察しがつく。だが他の魔法使いもそうだとは限らない。
彼女の、『普通の魔法使い』という奇妙な自称を信じるなら、この世の中には“異常”な魔法使いもいるということがわかる。そして少なくとも、霧雨魔理沙はその“異常”な魔法使いを知っている。
それはつまり、魔法使いは複数人いて、同じ魔法使いでもまったく異なる力を持っている者がいるということだ。
人間は人の数ほど才能がある。機械に詳しい者。科学に詳しい者。リーダーの素質を持った者。そういった個性を活かし、各々が活躍できる分野で手腕を振るうからこそ世界は循環する。
そして、そこは恐らく魔法使いも同じ。つまり今の状況を魔法で解明することが得意とする魔法使いもいる筈なのだ。
彼女の力は恐らくそれほど強いものではないだろう。それは先程の戦闘からだいたい察しがつく。だが他の魔法使いもそうだとは限らない。
彼女の、『普通の魔法使い』という奇妙な自称を信じるなら、この世の中には“異常”な魔法使いもいるということがわかる。そして少なくとも、霧雨魔理沙はその“異常”な魔法使いを知っている。
それはつまり、魔法使いは複数人いて、同じ魔法使いでもまったく異なる力を持っている者がいるということだ。
人間は人の数ほど才能がある。機械に詳しい者。科学に詳しい者。リーダーの素質を持った者。そういった個性を活かし、各々が活躍できる分野で手腕を振るうからこそ世界は循環する。
そして、そこは恐らく魔法使いも同じ。つまり今の状況を魔法で解明することが得意とする魔法使いもいる筈なのだ。
(『普通』の基準が分からない以上、早計な結論は下せない。だが多くの魔法使いがいて、主催者に近い力を持った奴がいてもおかしくはない)
無論、そんな魔法使いが殺し合いに参加している可能性は限りなく低いだろう。当然だ。そんな危険な魔法使いを参加者に入れる意味がないのだから。
そう考えるからこそ、サカキは敢えてこの殺し合いに乗るというスタンスは変えないつもりでいた。このゲームの打破を諦めるという訳ではない。あくまでも保険。万策尽きた時の最後の綱として優勝という選択肢は残しておきたかった。
優勝は目指す。だがその上で魔法に関する知識を増やし、ゲームの打破をも目指す。それが最善の作戦だとサカキは考える。
そう考えるからこそ、サカキは敢えてこの殺し合いに乗るというスタンスは変えないつもりでいた。このゲームの打破を諦めるという訳ではない。あくまでも保険。万策尽きた時の最後の綱として優勝という選択肢は残しておきたかった。
優勝は目指す。だがその上で魔法に関する知識を増やし、ゲームの打破をも目指す。それが最善の作戦だとサカキは考える。
(ならば今やるべきことは…やはり人材の確保っ! そしてそれによる副次的情報の収集っ!)
使える人材だけを集め、何の役にも立たない不安要素は早々に排除する。だが排除は慎重に行わなければならない。先程の様な失態はもう許されない。
思えば、あの時は少し浮ついていた。首輪探知器などという当たり支給品を手にし、早計に勝ちを拾いに行こうとした。その焦りに付け込まれ今苦渋を舐めさせられている。
慢心してはいけない。焦ってはいけない。慎重かつ大胆な行動がこの殺し合いでは重要になってくる。
思えば、あの時は少し浮ついていた。首輪探知器などという当たり支給品を手にし、早計に勝ちを拾いに行こうとした。その焦りに付け込まれ今苦渋を舐めさせられている。
慢心してはいけない。焦ってはいけない。慎重かつ大胆な行動がこの殺し合いでは重要になってくる。
そんなことを考えている内にサカキは林を出ていた。せせらぎが耳の中で心地よく弾む。
言わずもがな、そこは行き止まりだった。前方を川が流れ、奥は暗闇に紛れて見えない。だが少なくとも数キロは陸などないだろう。
ふと、水面に映る自身の姿を見遣る。そこには不本意ながらも装着された首輪もあった。
言わずもがな、そこは行き止まりだった。前方を川が流れ、奥は暗闇に紛れて見えない。だが少なくとも数キロは陸などないだろう。
ふと、水面に映る自身の姿を見遣る。そこには不本意ながらも装着された首輪もあった。
今の状況、まるで自分がポケモンになったようだとサカキは苦笑した。
捕えられ、戦いを強要され、まるで遊具のような扱い。そこには愛護の言葉などまるでない。だが我々はポケモンとは違い、反抗することができる。飼い主に牙をむくことができる。
捕えられ、戦いを強要され、まるで遊具のような扱い。そこには愛護の言葉などまるでない。だが我々はポケモンとは違い、反抗することができる。飼い主に牙をむくことができる。
(人は自らよりも強いポケモンという種族を抑えるため、モンスターボールという画期的なアイテムを開発した。人間の真骨頂は力ではない。頭脳っ! それこそが世界を支配する!)
思えば、マルクが万能だなどということはあり得ない話だ。それは皮肉にも、参加者を縛る為にあるはずの首輪が証明している。もしもマルクが、不可能なことなどない万能な神なのだとしたら、首輪などという道具を使う必要がないのだ。
首輪の存在は確かに参加者に恐怖を与える。死の存在をはっきりと示し続けることができる。だがそれ以上に、この首輪は脱出の糸口となる。
首輪解除という主催者に反抗できる隙を参加者に与えているのだ。実際サカキ自身もそこに希望を見出しマルクに反抗しようと考えている。
首輪という存在は主催者にしてみれば邪魔な存在。もし念じただけで人を殺せるのならこんなものを付ける必要はない。つまり、マルクは付けたかった訳ではなく、“付けざるを得なかった”のだ。そうしなければ参加者を縛れない。殺せない。
マルクは首輪以外に参加者の生死を操作できない。
それがマルクの隙。マルクを出し抜くことを可能にする大きすぎる隙。
首輪の存在は確かに参加者に恐怖を与える。死の存在をはっきりと示し続けることができる。だがそれ以上に、この首輪は脱出の糸口となる。
首輪解除という主催者に反抗できる隙を参加者に与えているのだ。実際サカキ自身もそこに希望を見出しマルクに反抗しようと考えている。
首輪という存在は主催者にしてみれば邪魔な存在。もし念じただけで人を殺せるのならこんなものを付ける必要はない。つまり、マルクは付けたかった訳ではなく、“付けざるを得なかった”のだ。そうしなければ参加者を縛れない。殺せない。
マルクは首輪以外に参加者の生死を操作できない。
それがマルクの隙。マルクを出し抜くことを可能にする大きすぎる隙。
(貴様がポケモンなのか、はたまた別の種族なのか。そんなことはどうでもいい。私を縛り、闘争を強要した貴様に教えてやろう。人間の底力を。支配とはどういうものかを!)
マルクに反抗することを決めたサカキ。そうすることで、眠っていた願望が目覚め始めていた。
彼は忘れていたのだ。
最強。それを手に入れんとする自らの貪欲なまでの執着を。その支配欲を。
ロケット団というテロ組織をその腕一つで纏め上げた自らの力を。
彼は忘れていたのだ。
最強。それを手に入れんとする自らの貪欲なまでの執着を。その支配欲を。
ロケット団というテロ組織をその腕一つで纏め上げた自らの力を。
思い出した。全て思い出した。
私はこんなところで燻るような人間ではない。
私はこんなところで殺されるような人間ではない。
これはチャンスだ。新たな、無尽蔵な、不合理な、そんな力を手に入れる為の。
私はこんなところで燻るような人間ではない。
私はこんなところで殺されるような人間ではない。
これはチャンスだ。新たな、無尽蔵な、不合理な、そんな力を手に入れる為の。
私は、生まれ持っての支配者なのだ。
訳もなく笑いが込み上げてきた。
「…クク、クククク」
思い出すのはロケット団という組織を一から作り出した時に味わった苦悩。
だがそこには確かに充実感があった。自らの野望へと一歩一歩近づくあの達成感。
それを再び味わうことが出来る。今ではすっかり忘れてしまったあの快感。他者を支配していくというあの圧倒的優越感を。
だがそこには確かに充実感があった。自らの野望へと一歩一歩近づくあの達成感。
それを再び味わうことが出来る。今ではすっかり忘れてしまったあの快感。他者を支配していくというあの圧倒的優越感を。
「ハハハハハハハハっ!!」
サカキは笑う。ただただ愉悦に浸り、この殺し合いを支配することだけを考えて。
【A-1 川辺 深夜・一日目】
【サカキ@ポットモンスター】
[状態]:健康、脛に軽傷
[装備]:M1911A1の予備弾(21/21)
[道具]:基本支給品一式、はがねの剣@ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡、モンスターボール(中身不明)@ポケットモンスター
[思考]
基本方針:脱出方法を模索しながらも、殺し合いには乗る
1:利用できる者は利用する。
2:魔法に関する情報を得る。
3:シルバーを捜す
4:魔理沙は見つけ次第殺す
※参戦時期は、少なくともトキワジムでレッドに負ける前です。
※この殺し合いが魔法を軸に動いていると考えています
【サカキ@ポットモンスター】
[状態]:健康、脛に軽傷
[装備]:M1911A1の予備弾(21/21)
[道具]:基本支給品一式、はがねの剣@ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡、モンスターボール(中身不明)@ポケットモンスター
[思考]
基本方針:脱出方法を模索しながらも、殺し合いには乗る
1:利用できる者は利用する。
2:魔法に関する情報を得る。
3:シルバーを捜す
4:魔理沙は見つけ次第殺す
※参戦時期は、少なくともトキワジムでレッドに負ける前です。
※この殺し合いが魔法を軸に動いていると考えています
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