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ロノ
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gensousyusyu
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ロノ/Lono
ハワイで信仰される農耕の神・天の神・気象の神。
ポリネシアで一般的に信仰される四大神の1つ。「クー」「カネ」「ロノ」「カナロア」と呼ばれる四大神が知られる。他の地域のロンゴに相当する。
クーやカネと共に原初の世界に光をもたらした。クーが天空を三層に作り、その下層をロノのものとした。
10月(昴が東の夜空に上がり始めた頃)から3ヶ月間(あるいは4ヶ月間)行われるマカヒキ祭では、カヒキ(タヒチ)からロノが雲・雨・雷などと共にやってくるため、ハワイは雨季の続く冬になる。ロノは歌と踊りを好むため、マカヒキ祭では大々的に歌と踊りが行われる。その際、高位の神官は5日間目隠しをされ、人々はレスリングなどのスポーツを楽しむ。直立した竿に横木を付け、そこに羽の輪やタパ布で作った長い吹き流しを下げたものを神像とし、島の広場に担ぎ込まれる。神像が上陸すると槍が投げられ、従者たちはこれをかわし、模擬戦闘が行われる。翌日、祝宴が催され、食物で満たされたマオレハの網が揺さぶられる。網に残る食物が無ければその年は豊作になるという。祈祷師による祈りは以下の通りである。≪ロノよ。食料に満ちたる網を揺るがしたまえ/そして、雨一杯の網を揺るがしたまえ/我らがため集めたまえ/食物を集めたまえ、嗚呼ロノよ!/魚を集めたまえ、嗚呼ロノよ!/ワウケの若茎と、タパの染料を集めたまえ≫
マカヒキ祭の間、クーの神殿は閉じられ、戦争が禁じられる。祭の終わりには、船の帆先にロノの神像を乗せ、それを神輿として島を時計回りに一周し、収穫の税を徴収する。この間、人々は仕事を休んで身を清める。それが終るとロノは殺され、ルアキニ・ヘイアウに納められ、象徴的にクーに取り込まれる。最後にロノを乗せるカヌーが作られ、ロノはタヒチに帰される。その際に首長が出帆して出迎える。マカヒキ祭でのロノはロノ・マクア(父なるロノ)と呼ばれる。
マカヒキ祭の起源には以下のような神話が伝えられる。ロノは人間の妻を求めて虹を伝って下界に降りた。ロノと妻ははじめは幸せだったが、ある日妻の不貞を疑い、殴り殺してしまった。後にロノは悔やみ、妻に敬意を表してゲームを作り、レスリングの試合を申し込みながら島中を廻った。そして食料を満載したカヌーに乗り、食料をたくさん持ち浮島に乗って戻ってくると約束して出帆したのだという。
キャプテン・クックがハワイ諸島を発見した時、島民たちは彼の船をロノの再来だと思ったという逸話が残っている。
ポリネシアで一般的に信仰される四大神の1つ。「クー」「カネ」「ロノ」「カナロア」と呼ばれる四大神が知られる。他の地域のロンゴに相当する。
クーやカネと共に原初の世界に光をもたらした。クーが天空を三層に作り、その下層をロノのものとした。
10月(昴が東の夜空に上がり始めた頃)から3ヶ月間(あるいは4ヶ月間)行われるマカヒキ祭では、カヒキ(タヒチ)からロノが雲・雨・雷などと共にやってくるため、ハワイは雨季の続く冬になる。ロノは歌と踊りを好むため、マカヒキ祭では大々的に歌と踊りが行われる。その際、高位の神官は5日間目隠しをされ、人々はレスリングなどのスポーツを楽しむ。直立した竿に横木を付け、そこに羽の輪やタパ布で作った長い吹き流しを下げたものを神像とし、島の広場に担ぎ込まれる。神像が上陸すると槍が投げられ、従者たちはこれをかわし、模擬戦闘が行われる。翌日、祝宴が催され、食物で満たされたマオレハの網が揺さぶられる。網に残る食物が無ければその年は豊作になるという。祈祷師による祈りは以下の通りである。≪ロノよ。食料に満ちたる網を揺るがしたまえ/そして、雨一杯の網を揺るがしたまえ/我らがため集めたまえ/食物を集めたまえ、嗚呼ロノよ!/魚を集めたまえ、嗚呼ロノよ!/ワウケの若茎と、タパの染料を集めたまえ≫
マカヒキ祭の間、クーの神殿は閉じられ、戦争が禁じられる。祭の終わりには、船の帆先にロノの神像を乗せ、それを神輿として島を時計回りに一周し、収穫の税を徴収する。この間、人々は仕事を休んで身を清める。それが終るとロノは殺され、ルアキニ・ヘイアウに納められ、象徴的にクーに取り込まれる。最後にロノを乗せるカヌーが作られ、ロノはタヒチに帰される。その際に首長が出帆して出迎える。マカヒキ祭でのロノはロノ・マクア(父なるロノ)と呼ばれる。
マカヒキ祭の起源には以下のような神話が伝えられる。ロノは人間の妻を求めて虹を伝って下界に降りた。ロノと妻ははじめは幸せだったが、ある日妻の不貞を疑い、殴り殺してしまった。後にロノは悔やみ、妻に敬意を表してゲームを作り、レスリングの試合を申し込みながら島中を廻った。そして食料を満載したカヌーに乗り、食料をたくさん持ち浮島に乗って戻ってくると約束して出帆したのだという。
キャプテン・クックがハワイ諸島を発見した時、島民たちは彼の船をロノの再来だと思ったという逸話が残っている。
別名
参照
参考文献
- 山北篤監修『東洋神名事典』新紀元社
- 秋道智彌著『海人の民族学 サンゴ礁を超えて』NHKブックス
- 平辰彦著『来訪神事典』新紀元社
- ロズリン・ポイニャント著/豊田由貴夫訳『オセアニア神話』青土社
- アーサー・コッテル著/左近司祥子,宮元啓一,瀬戸井厚子,伊藤克巳,山口拓夢,左近司彩子訳『世界神話辞典』柏書房