友情に火を点けて - Friendly Fire -◆PatdvIjTFg
◇
姫河小雪が小学校へと向かい、残されたものは沈黙とやたらに甘ったるいシナモンティーの香りだけだった。
口から発する全てが偽りになるようで、何かを言おうとしても言葉が出ず、今だけは自分の不精に苛立ってしょうがない。
演技のレッスンを――もう少しだけ、ほんの少しだけでいいから、目の前の泣きそうな女の子と一緒に真剣にやっておけばよかったと
双葉杏は思う。
紅茶だけが、早く飲み干せと主張するかのように湯気を立てていた。
「あの……」
江ノ島盾子がおずおずとした様子で口を開いた。
誰がどう見ようとも、彼女は子羊のようにしか見えない。
とても、掲示板に書き込むような人間には見えない。
けれど――信用出来ない。と杏は思う。
江ノ島盾子の行動が演技とは思えないけれど、江ノ島盾子を見せつけられているように思えてしょうがない。
「ふたりともアイドルなんですよね」
盾子は不安気に、しかし――この緊迫した雰囲気を打開せんと必死で口を開いたように見えた。
信用できないのは、江ノ島盾子か、それとも自分か。
杏にはわからない。
「CDとか出してるなら……二人の歌聞いてみたいなって」
敢えて明るい声を出して、そう言って盾子はシナモンティーを口に運んだ。
まだ熱かったのだろうか、少し口に入れただけで急ぐようにしてティーカップをソーサーへと戻す。
そして、おどけるようにして「アイスティーにしておけばよかったかも」と言った。
「し……CDはまだ、出してないんだにぃ」
諸星きらりは飛びついた。
江ノ島盾子の出した話題はまさしく蜘蛛の糸であった。
なんだって良かった――少しでも、悲しくない話がしたい。
「レッスンもまだまだで、きらり達はアイドルのたまごなんだよぉ☆
でも、これからがんばっていくから……よろしくね☆」
「そうだったんだ!もちろん応援するよきらりちゃん!!杏ちゃん!!」
「え……?」
きらりの言葉で雰囲気がにわかに明るくなったように見えた。
しかし、3人の中で唯一人――杏だけが違っていた。
「あっ……いや、そうだね」
杏もきらりもトップアイドルではないし、江ノ島盾子に自分たちの存在を知られていなかった。
だから、へりくだってアイドルのたまごと自分たちのことを言うだけならばまだわからないでもない。
けれど、CDを出していない――なんてことはありえない。
きらりの――あの時の表情を、双葉杏は覚えている。
印税目当ての自分とは違う、何をそこまで喜んでいるのか――けれど、自分も何だか微笑ましくなるようなあの喜び。
自分の歌が日本中に――もしかしたら世界中に届くかもしれないと知った時のあの喜び。
だから、冗談でも――CDを出していないなんてことはありえない。
そこまで追いつめられてしまったのか。
それとも忘れさせられてしまったのか。
あるいは――そもそも、目の前にいる諸星きらりは、彼女と同じ顔をして同じ喜びと悲しみを持った――他人なのか。
「印税で生活したいねぇ……」
「もう、杏ちゃんったら」
この違和感を嗅ぎとったのはきらりではなく盾子だった。
CDの話を出したのは決して世間話などではなく、売上などの二人の間に存在するであろう格差を意識させて、
ほんの少しだけでも、二人の関係に傷を付けられればいいと思っただけだ。
もっとも、もとから大して期待はしていなかった。
あるいは幸福だった日に思いの少しでも寄せてくれれば儲けものと思った程度だ。
だが、双葉杏の反応はおかしかった。
自分だけCDデビューが決まったから誤魔化した――などという態度ではない。
そもそもきらりが知っていなければおかしい何かがある――そのような様子であった。
「少し落ち着いたら……」
思案を巡らせる。
二人の関係性の中にある秘密とは一体何か。
どうすれば、最も絶望的な終わりへと導くことができるか。
「みんなでカラオケにでも行きましょうね」
江ノ島盾子は微笑んでそう言った。
疲弊した心は脆い。
だから、しなければならないとわかっていても――ストレスになる行動を取りたくない。
傷ついた少女【諸星きらり】は偽りでも歪んでいても、それでも平穏を求める。優しくて甘いものを。
だから、双葉杏は口に出来なかった。
江ノ島盾子が作った抜け穴――当り障りのない遅効性の毒に逃げてしまった。
今、会話の主導権は――江ノ島盾子に握られている。
優しく微笑んだ超高校級の絶望に、地獄へと先導されている。
「盾子ちゃん」
「どうしました……杏ちゃん?」
「ランサーのこと、心配じゃない?」
「不安です、でも……彼女ならきっとだいじょうぶ、私のサーヴァントですから」
江ノ島盾子は小学校へと向かったランサーのことを――それこそ大丈夫の一言も言わずに、世間話へと移行した。
自身のサーヴァント、小学校で起こっているナニカ、それよりも優先して――きらりを立てなおそうと。
善人にしか見えなかった。
けれど――善人というにはあまりにも肝が座りすぎているし、どう考えてもおかしい。
常識が抜けているからのような、あるいは何かを狙っているかのようなズレだった。
「私、何にもできないから信じることぐらいはしっかりしたいんです……」
「……偉いね、盾子ちゃん。私にはとても出来ないよ」
杏はそう言って「私のサーヴァントはあんまり頼りにならないからね」と溜息をついた。
(訂正するニャン!!)
(……ランサー、少し静かに)
(ニャ?)
念話にて不本意を訴えるランサーを、気にしてやる余裕は杏にはなかった。
「……ねえ、盾子ちゃん。怖くない?きらりはともかく、私は出会ったばっかりでしょ?
襲われるかもって思わない?サーヴァントいないんだよ?」
「だって……」
そう言って、江ノ島盾子は少し考えこむように俯いた。
「きらりちゃんの友だちなら大丈夫ですよね?」
そして江ノ島盾子が顔を上げた時、やはり口元には微笑みが浮かんでいた。
「盾子ちゃん、きらり」
そう言う江ノ島盾子に対し、杏は申し訳ない顔を浮かべてみせた。
「ごめんね、さっきは盾子ちゃんを疑うようなことを言って」
「ううん……私、気にしてないですから」
「……良かったぁ、みんなトモダチではぴはぴだにぃ☆」
和やかな空気が、喫茶店の中に広がっていく。
欺瞞だ、この中で杏は誰よりもそう思っている。
(オレっちが頼りにならないっていうのは不服だけど、まぁ……この場は丸く収まりそうで良かったニャン。
けど!もしも悪いやつが出てきたらオレっちのひゃくれつ肉球が火を)
(……もしも)
(ニャ?)
(もしも杏が合図したら、すぐロボニャンに変身した後私達を逃がして)
(何の問題もなかったんじゃないかニャ?)
(令呪があるからすぐサーヴァントを呼べるって言っても、この状況であの態度、江ノ島盾子は……多分、かなりヤバイ。
彼女の言ってることが全部本当でも……正直、きらりと近づけておきたくない。いくらなんでも肝が座りすぎてる)
(よくわからないけど、わかったニャ。でも……正直オレっちには悪いやつには見えないニャ)
(私にだって、とても悪い奴には見えないよ……けどね)
(きらりは優しいから……私が疑うしか無いんだよ)
杏はきらりが自分に無いものを持っていることを、きっと事務所のアイドルの誰よりも理解していると思っていた。
何故ならばそれは才能でも何でもない思いと呼ばれるようなものであるから。
杏はそれを持たずにアイドルになり、きらりはそれを携えてアイドルになった。
きらりと一緒に仕事をしている内に、杏はそれを飴と一緒に分けてもらっていた。
優しさ、ぬくもり、情熱、そしてはぴはぴな思い。
だから、そのせいで人一倍きらりが傷ついているのならば、杏がやると決めた。
怠惰な自分が曲がりなりにもやってこれたアイドルとしての才能を、全力で発揮してみせる。
きらりのために出来ないは言わない。演じきってみせる。
これが嘘であると言うならば、その嘘に付き合ってやる。
きらりのために優しい表情を浮かべて、誰にもきらりを傷つけさせはしない。
その結果、人を殺すかもしれないけれど。
強い決意を固めた杏に、江ノ島盾子は微笑んでみせた。
幸福そうに、絶望とは程遠い顔で。
(アタシを疑って……くれてたらいいなぁ。まぁ、そうじゃなかったら、タダの馬鹿だけどさ。
思いが通じないってさ……それこそ、絶望的に辛いんだよ。
貴方の為を思って、だなんて――結局はする側の言い訳、される側には何の関係もない。
三人で仲良しこよしがしたいわけじゃないから……杏ちゃん、頑張ってじゅんこをぉ……疑ってにぃ☆
そして――出来れば)
江ノ島盾子はただ望む。
この表面上友好的な取り澄まされた三角関係がぼろぼろに崩れ去ってくれることを――そして、諸星きらりの絶望を。
杏に自分を疑わせてしまえば――どういう形に成ろうとも、諸星きらりの絶望というゴールは目に見えている。
だから、自分の予想出来ないような最大最悪の絶望を。
目の前のアイドルにできるかどうかはわからない。
けれど――望むだけならタダであるし、期待を裏切られても全く損はない。
少女が少女を殺すこの世界では、誰がどう足掻いても決着は絶望以外にありえない。
「……」
皆が笑っているから――きらりにとってはそれが、苦しい。
杏ちゃんはどことなく気怠げないつもの杏ちゃんではないし、
盾子ちゃんはランサーが戦いに行ったというのに自分たちにばかり気を遣っている。
何も出来ていない――一番近くにいるバーサーカーにも、誰にも何も返せていない。
昔確かにあった日常に帰ってきたようで――嬉しくてしょうがなくて、けど、皆が無理をしているから辛い。
アイドルにはもっと温かいものがあるはずなのに。
(――■■■■)
バーサーカーがきらりの悲しみに呼応して、唸り声を上げた。
きらりは甘ったるいシナモンティーと一緒に、
痛みも。
苦しみも。
辛さも。
悲しみも。
絶望も。
勢い良く、飲み干して、笑顔を、作った。
(■■■■■■)
怒りは――バーサーカーが持っている。
◇
輿水幸子の姿にランサーは、かつての自分を重ねていた。
姫河小雪が魔法少女狩りじゃなかった時代の――弱かった自分。
自分のために、誰かが死んで納得できるわけがないだなんて――そんなことは当たり前で、
何時だって忘れなかったし、忘れられるわけがなかった。
だけど、自分は何も出来ない。
困った女の子を前にして――心の声は聞こえるのに、魔法少女なのに。
何故なら、彼女は何をしても傷ついてしまうから。
姫河小雪も、そうだったから。
(急がなくちゃ……)
霊体化したランサーは、あらゆる障害を無視して風のように喫茶店へと向かう。
魔法少女は皆を救えるような存在じゃない、けれど何も救えないわけじゃない。
喫茶店の近くに到着し、付近のビルの陰で実体化する。
幸いにも、途中で邪魔が入ることはなかったから、考えうる限り最も早く辿り着くことが出来た。
ランサーは勢い良くドアを押し開けた。
「おかえり、ランサー……無事で良かった」
満面の笑みで、江ノ島盾子が出迎える。
大きく両腕を広げて、ランサーを抱きしめんとばかりに近付いた江ノ島盾子を無視して、椅子に座る。
テーブルの上にはケーキの皿が乗っている。
つまり、平然と営業ができる程度に――この地域には被害がなかったか、この店に影響はなかったということだ。
(こっちはだいぶ盛り上がったよ……ランサーも残ればよかったのに)
とぼとぼと自分の席に戻りながら、江ノ島盾子は嘲笑うように念話を送った。
そんなことは言われるまでもなく、わかる。
表面上は何の変哲もない日常会話だったのだろう、喫茶店は先ほどと変わらず平穏を保っている。
しかし、双葉杏と諸星きらりの心の声は聞けば――わかってしまう。
(それよりも……皆に説明してあげなよ、ランサーが自分で見た絶望を。始まっちゃったんでしょ、コロシアイ?)
煽り立てる江ノ島盾子にランサーは言葉を返さない。
時間の無駄だ。
「ねぇ、ランサー……何が起こったか教えてくれる?
皆が自分を守るためにも……大事なことだから」
表に裏にと忙しいことだ。
江ノ島盾子は何が何でも、自分の体験を――聖杯戦争を語らせるつもりだ。
「…………」
ランサーは諸星きらりを意識せざるを得なかった。
自分の体験した出来事は――現実的な聖杯戦争の話は、特に諸星きらりを傷つける。
それでも、情報の共有自体は間違ってはいない。
下手に何も言わないようにすれば、それは無為に敵意を抱かせることにも成り得ない。
これほどに時間を掛けて何もなかったは通じない。
(……ッ!?)
その時、ランサーは心の声を聞いた。
友達を探す声。
喫茶店の中の人は本当に自分たちを助けてくれるのか不安がる声。
喫茶店の中の人間が自分たちの敵だった場合を想定する声。
カラン。
コロン。
喫茶店の扉が開き、来客を告げるベルが鳴る。
「すみません……江ノ島盾子さんはいますか?」
小さい女の子。
天使のようにあどけない微笑み。
白を基調としたファッション。
その後ろには、魔法少女と騎士のように付き添う和装の――数時間前に戦ったセイバーがいた。
◇
件名:無題
送信者:【双葉杏のメールアドレス】
本文:江ノ島盾子です。
【住所の記述】の喫茶店にいます。
◇
紅茶のおかわりと一緒に、三皿のケーキが運ばれてきた。
ランサージバニャンも食べたいと駄々をこねるが、こんな場所で実体化させるわけにもいかない。
化け猫はコスプレなんて目じゃないぐらいに目立つ。
(我慢してよ、後でチョコボー買ってあげるから)
(目の前でケーキを食べられるなんて、生殺しだニャン!!)
(死んでるでしょ)
(ひどいニャ!!)
未だに江ノ島盾子のランサーが戻ってくる気配は見えず、迂闊に動くことも出来ない。
喫茶店に長居する覚悟を決めて、しかし――食べてる途中で戻ってくるかもしれないので、ランチではなくケーキを注文した。
杏はチョコレートケーキを、江ノ島盾子はブラウンバターケーキを、そしてきらりはショートケーキを。
「もし、良かったら……」
ブラウンバターケーキをハーフアンドハーフカットしたものを口に運んで、江ノ島盾子が言った。
「ケータイを貸してくれないかな、メールを送りたい相手がいるんだ」
「メール?」
ジバニャンを尻目にチョコレートケーキを一口、杏が聞き返す。
「ともだち?」
爆弾サイズの苺をきらりが一噛りする。
同じ事務所のよく食べるあの子ならホールサイズだってペロリと食べきってしまうかもしれないんじゃないかと思う。
「そう、ともだち……なのかな?この会場で知り合ったんだ。良かったらきらりちゃんたちにも紹介したくて」
「……盾子ちゃんは自分のケータイ持ってないの?」
「うん、ちょっと壊しちゃって」
「ふーん」
「どんな人なのかにぃ?」
「小学生の女の子だよ、結構頼りになりそうな」
「……不安じゃないの、小学校が危なそうなのにさ」
「こんな状況だからなるべく小学校に行かないようにしてるんだって。だから、多分大丈夫だと思う。
それに、何かあったらランサーが教えてくれるはずだから」
「……そうなんだ」
小学生かどうかは呼べばわかる話だ。
もっとも、杏みたいな小さい女の子がそうだったとして――真偽を確かめる術はない。
なんなら小学生かどうかはどうでもいい話だ。
呼ばれた子が危害を加えてくるかどうか――問題はそれだけだ。
出来れば、呼びたくはない。
けれど、きらりは――それを許すだろう。
江ノ島盾子を信じているから。
そして、これは何時か渡らなければならない危ない橋でもある。
杏とランサーときらり、そしてきらりのサーヴァントだけでこの世界を脱出出来るかと言えば多分、出来ない。
どこかで新しいマスターと接触しなければならない。
そして――掲示板の書き込みのせいできらりは疑われている可能性があるから、
潜在的な危険性を考えるならば、不意を打たれるよりは、未だ来るとわかっている方が良い。
もっとも、江ノ島盾子がケータイを持っていないと全面的に信じることも出来ない。
それよりは自分たちの内のどちらかのメールアドレスを利用したいだけかもしれない。
ただ、ケータイを借りなければ合図を出せないのならば――奇襲するにはあまりにも不安定だ。
江ノ島盾子の言っていることは真実かもしれない。
あるいは、ケータイに関する件自体がブラフで、そもそも――何らかの合図を出すことができているのかもしれない。
ただし、それならばケータイを貸してほしいなどと言う必要はない。
「いいよ」
杏は江ノ島盾子にケータイを手渡した。
「杏のケータイを使って」
「ありがとう!」
結局、きらりのケータイを使わせないようにすることしか出来ない。
「皆で力を合わせれば、きっと……終わらせられるよね」
色々と。
◇
「……知世ちゃん」
さくらが屋上についたとき、そこには
大道寺知世の姿はなかった。
戦いの跡は目を凝らしてもわからない。
けれど、たいせつなともだちは屋上で――消えてしまった。
喪失感で全身から力が抜けそうになって、しかしさくらは崩れ落ちるような真似はしなかった。
足に力を入れて、コンクリートの感触を強く意識する。
知世ちゃんを探しに行かなければならない。
死という言葉を否定することは出来ない、しかし、死を肯定する材料もまた無い。
さくらの諦めが知世の死に直結しているんじゃないか、そんなことすら思った。
だから、不安で、不安で、しょうがないけれど、
俯いて泣いてしまいたいけれど、
――絶対だいじょうぶだよ。
信じるための呪文を唱える。
知世ちゃんともう一度お話がしたい。
だから、誰よりもまず自分が――知世ちゃんを信じなければならない。
「……お願い!一緒に知世ちゃんを…………私の大切なともだちを探して!!」
屋上へと着いたセイバーと蜂屋あいに、さくらは頭を下げた。
この街は広く、知世を探すことは自分一人で出来ることではない。
それは積極的に聖杯戦争へとあいを巻き込んでいくことであるし、あるいはあいを深く傷つけることになるかもしれない。
自分が残酷なことを言っていることに気づいていた。
それでもエゴイスティックにならざるを得なかった。
助けて欲しかった、知世ちゃんを。
「……いいよ」
なんて色をしているのだろうと、あいは思った。
桜色の心は――決意と祈りで強く光り輝いていた。
誰かを思う心の――なんて美しいことだろう。
きっと、その光に手を伸ばせば骨まで溶けてしまいそうなそんな強い色。
そして、一筋の不安。
桜色の光の中に、時々走る黒い線。
桜の華を喰らう毛虫のような――そんな不安色の闇。
さくらちゃんが知世ちゃんに会えなくて本当に良かった。
「手伝うよ」
ふわりとあいがさくらに歩を進めた。
額と額が触れ合いそうな近い距離。
唇を交わしてしまいそうな程に近い距離。
愛/あいの距離。
桜と蜜の匂いが交差した。
その時、あいのケータイが鳴った。
小学校でのケータイの使用は禁止されているが、持ち込みは禁止されていない。
最も、屋上でそれを咎めることの出来る人間は今はいないが。
メールが一件。
知らないアドレス。
けれど、内容を見れば、すぐに誰から来たものかわかった。
彼女に会う利益は自分にはない。
ただし、さくらにはある――かもしれない。
少なくとも、あのサーヴァントはさくらに協力的であってくれるだろう。
自分は殺されるかもしれないし、
もしかしたら、さくらのセイバーも自分を殺すかもしれないけれど。
けれど、もっとさくらの色が見たい。
「……もっと、協力してくれる人を増やせるかもしれない」
あいは、喫茶店へ向かうことを提案し、さくらは頷いた。
セイバーは流れを感じてしまった。
マスターを言葉で止めることは、もう自分には出来ない。
仲間を思ってしまえば、利口にはなれない。
理屈で動くほどお利口であれば、自分は英霊としてこの場には立っていない――だから、わかる。
故に、マスターを止めることはしない。
その代わりに、とセイバーは言った。
「私を止めないでください」
【D-3/汚い喫茶店/1日目 夕方】
【双葉杏@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]精神的疲労(微)
[令呪]残り三画
[装備]
[道具]携帯ゲーム機×2
[所持金]高校生にしては大金持ち
[思考・状況]
基本行動方針:なるべく聖杯戦争とは関わりたくなかったが
1.謎の来訪者(さくら達)への対処
2.ランサー(姫河小雪)の報告を聞く
3.江ノ島盾子とサーヴァントは決定的ではないが、疑わしい。
4.少女(大井)を警戒。どうするべきか。
5.CDに対する発言によるきらりへの複雑な感情
[備考]
※大井と出会いました。大井を危険人物(≒きらりスレの>>1)ではないかと疑っています。
※『今からきらりちゃんと一緒に小学校に行きます』と書き込んだのは江ノ島盾子ではないかと考えています
【ランサー(ジバニャン)@妖怪ウォッチ】
[状態]健康
[装備]のろい札
[道具]なし
[所持金]なし
[思考・状況]
基本行動方針:なんとなく頑張る
1.双葉杏に付いて行く
【諸星きらり@アイドルマスターシンデレラガールズ(アニメ版)】
[状態]精神的疲労(微)、魔力消費(中)
[令呪]残り二画
[装備]なし
[道具]なし
[所持金]不明
[思考・状況]
基本行動方針:バーサーカーを元に戻し、元の世界へと戻りたい
1.ランサー(姫河小雪)の報告を聞く
[備考]
※D-4に諸星きらりの家があります。
※
江ノ島盾子&ランサー(姫河小雪)を確認しました。そして、江ノ島盾子を信用しています。
※三画以上の令呪による命令によって狂化を解除できる可能性を知りました(真実とは限りません)
※
フェイト・テスタロッサの捕獲による聖杯戦争中断の可能性を知りました(真実とは限りません)
※
ルーラーの姿を確認しました
※掲示板が自分の話題で賑わっていることをしりました
【
悠久山安慈@るろうに剣心(旧漫画版)】
[状態]霊体化
[装備]なし
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:
???
[備考]
※
雪華綺晶の存在を確認しました、再会時には再び襲いに行く可能性があります。
※江ノ島盾子&ランサー(姫河小雪)を確認しました。
スキル『こころやさしいひと』の効果できらりの精神の安定に江ノ島盾子&ランサーが役に立っていると察知しイレギュラーが発生。
狂化中ですが敵意を向けられない限りこの二人を襲いません。
【江ノ島盾子@ダンガンロンパシリーズ】
[状態]健康、涙で化粧が流れてる、小雪ちゃん(魔法少女育成計画最序盤)の真似中
[令呪]残り三画
[装備]なし
[道具]なし
[所持金]大金+5000円分の電子マネー(電子マネーは携帯を取り戻すまで使用できません)
[思考・状況]
基本行動方針:絶望を振りまく
1.あいちゃんおっすおっす
2.諸星きらりをプロデュース!
4.ケータイ欲しい……ケータイ欲しくない?
[備考]
※諸星きらりを確認しました。彼女の自宅の位置・電話番号・性格なども事前確認済みです。
※自身の最後の書き込み以降のスレは確認できません。
※数十分、もしくは数時間、あるいは数日、ひょっとしたら数年は同じキャラを演じ続けられるかもしれませんし、続けられないかもしれません。
※ランサーのスキル『困った人の声が聞こえるよ』に対して順応しています。順応に気付いているかいないかは不明です。動揺しない限り尻尾を掴まれることはないかもしれません。あるかもしれません。
【ランサー(姫河小雪)@魔法少女育成計画】
[状態]疲労(中)、絶望(微)、ストレス
[装備]
[道具]ルーラ、四次元袋
[所持金]なし
[思考・状況]
基本行動方針:出来る限り犠牲を出さずに聖杯戦争を終わらせる。
1.蜂屋あいへの対処
2.きらり達に報告を行う
2.出来ることなら、諸星きらりに手を貸してあげたい。
3.幸子はことはしばらくそっとしておく
[備考]
※
木之本桜&セイバー(沖田総司)、
フェイト・テスタロッサ&ランサー(
綾波レイ)、
蜂屋あい&キャスター(
アリス)、キャスター(
木原マサキ)、バーサーカー(
チェーンソー男)、輿水幸子を確認しました。ステータスは確認していません。
※江ノ島盾子がスキル『困った人の声が聞こえるよ』に対応していることに気づきました。蜂屋あいの心の声が聞こえません。
※諸星きらりの声(『バーサーカーを助けたい』『元いた世界に帰りたい』)を聞きました。
彼女が善人であることを確信しました。
【セイバー(沖田総司)@Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚】
[状態] 疲労(中)、ダメージ(中)
[装備] 乞食清光
[道具] なし
[思考・状況]
基本行動方針: さくらのために
1.白いサーヴァントへの対処
2.余裕があれば鞘を取りに行く
[備考]
※使わない間は刀を消しておけるので、鞘がなくてもさほど困りません
【木之本桜@カードキャプターさくら(漫画)】
[状態] 疲労(中)、魔力消費(中)
[令呪]残り三画
[装備] 封印の杖、
[道具] クロウカード
[所持金] お小遣いと5000円分の電子マネー
[思考・状況]
基本行動方針:知世ちゃんを探す
【蜂屋あい@校舎のうらには天使が埋められている】
[状態] 疲労(小)
[令呪]残り三画
[装備] なし
[道具] なし
[所持金] 小学生としてはかなり多めの金額
[思考・状況]
基本行動方針: 色を見る
1.さくらの色をもっと見たい
2.江ノ島盾子に強い興味
[備考]
【キャスター(アリス)@デビルサマナー葛葉ライドウ対コドクノマレビト(及び、アバドン王の一部)】
[状態] 魔力消費(小)、作っておいたトランプ兵は全滅
[装備] なし
[道具] なし
[思考・状況]
基本行動方針: オトモダチを探す
1.知世をオトモダチにしたい
2.さくらに興味
3.サーヴァントのオトモダチが欲しい
[備考]
※学校には何人か、彼女と視界を共有できる屍鬼が存在します
※学校の至る所に『不思議の国のアリス』への入口が存在しています
※不思議の国のアリス内部では、二人のアリスが遊園地の完成を目指して働いています
最終更新:2020年06月28日 00:27