エルメス ELMETH |
登場作品 |
機動戦士ガンダム |
型式番号 |
MAN-08 |
全高 |
47.7m |
重量 |
163.7t |
所属 |
ジオン公国軍 |
搭乗者 |
ララァ・スン クスコ・アル |
武装 |
メガ粒子砲 ビット |
【設定】
ジオン公国軍のニュータイプ専用試作モビルアーマー。
キュベレイの原型とされている。
サイコミュ・システムを用いて機体本体の制御と機体内部に搭載する小型のビーム砲台端末「ビット」を遠隔操作する。
コクピット内部は必要最低限の操縦機器のみで、その殆どはコンソール類となっており、高重力による負荷を軽減するため高性能の緩衝装置も設けられている。
武装は長距離射撃用メガ粒子砲が2門のみで、機体自体がビットの運用目的に特化したものとなっている。
ビットを無線誘導することで、長距離からの攻撃もしくは攻撃対象に対して予期せぬ方向からの攻撃が可能である。
全長8.4mのビットにはビーム砲が装備され、搭載された小型ジェネレーターによりエネルギー供給を行う。
1基のメインバーニアと無数に配置された姿勢制御バーニアにより高い機動性を誇る。
ビットにはモノアイが設けられ、捉えた敵機の映像をサイコミュを介してパイロットに伝達し、機体後部の2つの射出口から射出し、一度射出したビットを回収することも可能である。
調整により長距離でのビットの運用も可能だが、パイロットに負担がかかり過ぎる事から断念されている。
また逆にMSが得意とする様な近接白兵戦闘は苦手の為護衛としてMSを必要とする。
3機が製造されており、1号機はパイロットのニュータイプ能力が不十分だったため暴走したビットの攻撃により爆破されたとされている。
2号機は
ララァ・スン少尉、3号機はクスコ・アルにそれぞれ与えられ、実戦に参加した。
ただし、クスコ・アルについては諸説あり記録が十分でない。
また
ハマーン・カーンの専用機が存在するとも言われており、彼女の
のちの搭乗機を彷彿とさせる白とピンクのカラーリングが施されている。
【武装】
メガ粒子砲
本体の左右に2門装備。威力は戦艦を一撃で撃沈できる程だと言われている。
ビット
本体内部に10基内蔵されている起動ビーム砲台端末。
ニュータイプの脳波とミノフスキー粒子を利用した通信による無線制御を可能としている。
【劇中での活躍】
ソロモン攻略戦終了後に登場。
ララァ・スンが搭乗し、コンペイトウ(旧ソロモン)に駐留している連邦軍艦艇に対し長距離からビットを利用して攻撃、数隻を撃沈する事に成功している。しかし、あまりに一方的な戦術であった事や正規の軍事訓練を受けてない少女が大戦果を挙げてしまった事も有って護衛に付いていたMSパイロット達が自分達の護衛は要らないと護衛任務をサボタージュする様な弊害も生じており、結局保護者代わりにシャアが
ゲルググで単騎で護衛する事になった。
連邦軍は当初コンペイトウに棲むジオン兵の悪霊の攻撃だと考え「ソロモンの亡霊」と恐れていた。
しかし、艦隊司令部から送られてきた機体の画像を見たミライ・ヤシマは、「チューリップだか尖んがり帽子みたいなの」と呼び、以後アムロを含む
ホワイトベースのクルーはこのエルメスのことを「とんがり帽子」、ビットのことを「とんがり帽子の付録」と呼んでいた。
その後
ガンダムと交戦するが、ニュータイプに覚醒したアムロに動きを予測されてビットを撃破され、エルメス本体も
シャア専用ゲルググをかばって撃墜された。
【パイロット説明】
ララァ・スン
CV. 藩 恵子(TV版) / 早見 沙織(THE ORIGIN版)
シャア・アズナブルによって見出され、フラナガン機関で育てられたインド系の女性。
非常に優れたニュータイプ能力を持ち、エルメスを手足のように扱うほどの素質でトップエースのシャアを越える戦果を出し、連邦軍からは「ソロモンの亡霊」とよばれ畏怖されていた。
ガンダムとの戦闘中にパイロットのアムロと交感し、その優しさに触れるも嫉妬したシャアの妨害により中断、妹セイラの登場により一瞬動きを止めたところをアムロに狙われたシャアを庇って戦死。
彼女の死はシャアの涙を誘い、アムロにも「取り返しのつかないことをしてしまった…」と言わしめるなど二人の中で非常に大きな存在となっており、彼女の死が二人の確執を決定付けた。
14年後においてもアムロの夢に登場し、シャアはナナイと接する中でもララァの事を考えるなど14年の月日を経てもいまだに二人の中で大きな存在となっているのがうかがえる。
彼女の死による心の傷はシャアの対人傾向に大きく影響を与え、これまで以上に他人の心に深入りせず、自分の心に深入りされることを拒むようになった。
彼なりの自己防衛及び女性への配慮であったのだが、
ハマーン・カーンやレコア・ロンドはそこに、気遣いよりも寂しさを感じていた。
原作中では語られていないが、ララァをメインにした小説ではシャアに出会うまでは相当悲惨な環境にいた(娼婦をやらされていた)らしく、彼女と出会ったシャアは彼女にNTの素養を感じ取り、自身の傍に置いて自身のNTの感性を磨くために娼婦館の主人から
ララァ・スンを買い取っている。
動機はともあれ、自身を救ってくれたシャアをララァは献身的に愛するようになった。
【原作名台詞】
- 「悪い人だ!シャアを虐める悪い人だ!」
- アニメ第40話から。
アムロとの初戦にて、NTの感応能力でアムロと戦いながら対話するララァ。
- 「大佐、今日からノーマルスーツをつけて出撃なさって下さい」
- アニメ第41話から、ノーマルスーツを着ないシャアの身を案じるララァが言った台詞。
- 「人は…変わってゆくのね。私達と同じように…」
「ああ、アムロ…時が見える…」- 最期の台詞。この出来事でアムロとシャアに一生のトラウマを残していくことになる。
【ゲーム内での活躍】
連邦VSジオン
エゥーゴVS.ティターンズ
一部の家庭版でのみ操作可能だったCPU専用機体。
本体のメガ粒子砲は空気だったが、四方八方から飛んでくるビット攻撃とエルメス本体への攻撃の当てにくさでプレイヤーを十二分に苦しめた。
ガンダムVSガンダムNEXT
Bコースのボスとして、
シャア専用ゲルググを引き連れて登場。
ステージ地形、ビットによるオールレンジ攻撃、
ゲルググのカットでプレイヤーを苦しめる。また、昔と違いエルメス本体のメガ粒子砲も的確に狙ってくる&大ダメージなので厄介。ただし、連ジよりも格段に本体にダメージを与えやすくなってはいるが、機動力が高い上にフィールドが高低差の大きいメサイアであるので地走機体の特に低コストでは逃げ場が少ない。さらにダウンさせても足を止めないので非常に厄介。
Hコースでは5面βのボスとして登場。
ステージ地形が平坦地に変更されているため、Bコースより苦労はしないかもしれないが、広い上に高空に逃げられることも。護衛に
ガンダムが追加され強化されている。
PSP版のI、L等でも名有りでターゲット機出現前に前座的に登場するがボスではなく、攻撃力・装甲・攻撃パターン共にかなり弱体化しているので倒しやすくなっている。
余談だが、ブリーフィング時に原作でも流れた「ラァ、ラァ…」が流れる。
当機をロックした時、パイロットがNTであればNTの感触やプレッシャーを感じ取る台詞がある。
また、NTではないパイロットがロックした時、武装からパイロットがNTだと判断する台詞もある。
本機は通常機体のようにララァの台詞や武装コマンドなどが設定されているようだが、残念ながら正規の手段では使用する事が出来ない。仮に使用できたら連ザ2のデストロイのように大暴れしていたことだろう。
EXVS.
シャア専用ゲルググのアシストとして登場。
家庭版ではコスト2000のNPC機としても登場。ララァのボイスもある。
ビットがスタンになっているが数も攻撃精度も大きく落ちているので大して怖い敵ではない。
EXVS.FB
シャア専用ゲルググのアシストの他に、新たに実装された覚醒技にも登場する。
NPC機はCPU戦に登場するが、前作と異なり1000コストに下げられた。
EXVS.MB
基本的に前作と変わらないが、アムロの
ガンダムに向けて撃つとララァの台詞が原作のそれに変わるようになった。
NPC機の方は他のCPU専用機同様、ララァのボイスが削除された。
EXVS.FORCE
ボス機体として復活。ボイスはEXVSのものと同じ。
攻撃パターンはEXVSとほぼ同じ。
GVS.
再びボス機体として登場。ボイスは新録。
NEXTのように
シャア専用ゲルググは引き連れていないが、メガ粒子砲にゲロビが追加され、体当たりも行ってくる。
【勝利・敗北ポーズ】(NEXT)
勝利ポーズ
接地してシャアゲルがエルメスの横に寄り添う。
敗北ポーズ
勝利ポーズと同じく接地するがメガ粒子砲の砲身が落ち、シャアゲルの右腕が破損している。光る宇宙の再現?
尚、勝利ポーズ敗北ポーズ共に通常の方法では確認出来ないので注意。自己責任で。
【その他の活躍】
ガンダムビルドファイターズトライ
第10話のガンプラコレクションでバッグとして登場。
エルメスのバッグといった所か
ララァ・スンのそっくりさんの女性モデルが肩にかけて持ち、
シャア専用ゲルググのガンプラを入れていた。
Defend Love
2009年に発売された安室奈美恵のアルバム「PAST < FUTURE」に収録されている楽曲。
ミュージックビデオにおいて、安室が搭乗するピンク色の本機がアムロの
ガンダムと交戦した。
「安室さんですね?あなたが来るのはわかっていました」
【余談】
- 商品化の際に商標が同名のファッションブランドとの関係で「ララァ専用モビルアーマー」に変更された。
近年では、ララァ以外も搭乗しているためか商標が「NT専用モビルアーマー」の物もある。
- 『機動戦士ガンダム サンダーボルト』でもララァとエルメスと思しき人物・機体の存在が示唆されており、あちら側でも「トンガリ帽子」と呼称され恐れられていた模様。ちなみにアムロに相当する少年兵の存在も少しだけ語られた。
- ガンダムの公式ギャグ漫画「機動戦士ガンダムさん」がアニメ化した際、アムロやシャア、ララァも含めてキャストは全員交代したのだが、「ガンダムさん」のララァ役は藩めぐみ氏で、元祖ララァ役の藩恵子氏の娘であることから話題となった。
めぐみ氏は後に「THE ORIGIN」においてシャアの妹であるアルテイシア(セイラ)役で出演することになる。
最終更新:2024年08月27日 16:36