【設定】
アナハイム・エレクトロニクスが開発した地球連邦軍の可変モビルスーツ(TMS)。
アッシマーの後継機にあたり、名前はヒンドゥー教の神「ガネーシャ」の持つ杖に由来する。
整備の効率化と生産性を高めるべく、
ジム・
ジェガン系MSと共通の部品を多く使用しており、カメラアイもバイザータイプ複合ツインアイに変更されている(カメラアイの仕様変更については、モノアイなどジオン及びティターンズを思わせる意匠にアレルギーを持つ連邦軍上層部の意向も含まれている。ただし、ジェガン・リゼルと共通の物を使用しているため、バイザー内部にはモノアイが残っている)。また、これらの変更により、機体分類も可変MAから可変MSへと変更されている。
MA形態となった本機は、機体上部に他のMSを乗せて重力下飛行を行うことができ、サブフライトシステムとして運用することが可能であり、そのためのグリップも設けられている。そのため、
リゼルの運用体系を地上で適用した機体として見る事も出来る。
この頃は軍縮傾向ゆえに高コスト機である可変MSはこうした副次的運用により生き残る道を模索していたようだ。
宇宙世紀0096年頃に地球上の重要拠点や超大型輸送機ガルダに配備されており、宇宙世紀0105年にも引き続き運用が確認されている。
【武装】
60mmバルカン砲
連邦系MS伝統の牽制用機関砲。
頭部に2門を装備。
ビーム・サーベル
両膝のニークラッシャー内に装備。
空中戦を得意とする本機の場合、近距離におけるフェイルセーフとして使用するのが基本だが、ガルダ所属のパイロットはこれを二刀流で積極的に使用している。
ムーバブル・シールド・バインダー
ギャプランに採用されていた攻撃・防御・推進用の複合兵器。
機体供給式のビーム・ライフルを内蔵している他、シールド・スラスターとしての機能も兼ねている。
なお、ギャプランのものとは違って射撃安定用のグリップは採用されていない。
【原作の活躍】
小説第7巻及びOVA版episode 5で登場し、ガルダや地上の重要拠点に多数が配備されている。特に前者ではガルダ構想における重要な役割を果たしていたとされている。
ガルダの周辺で発生した戦闘でも出撃し、
ユニコーンガンダムに攻撃を仕掛けたが一蹴されている。
また、ユニコーンガンダムと
バンシィがガルダの上で戦闘を繰り広げた際、接近していた1機が発生したサイコフィールドに触れてしまい、弾き飛ばされガルダの尾翼に激突、爆散している
【搭乗者】
カーム・フライターク
外電漫画「
機動戦士ガンダムUC 星月の欠片」に登場する、地球連邦軍の超巨大輸送機ガルダのMS小隊に所属するパイロット。
宇宙育ちであり、重力下における飛行では未だサポートシステムに頼っている状態だが、それでも乗機のアンクシャを完全に乗りこなす事を目標としている。
宇宙世紀0096年のラプラス事変の最中、先輩パイロットのマイオスとビーナが休暇のため地上に降りている間に1人で特別訓練を受けていたが、その最中にガルダが未確認所属機2機を捕捉。
直ちに目的のポイントに向かうが、そこでは武器商人ジョムア・ビエルと武装グループの密売が行われており、裏取引で手に入れたティターンズ機に乗ったマイオスとビーナが、かつての上官であるジョムアへの復讐を果たそうとしていた。
ビーナとの通信で2機に乗っているのが先輩たちだと気付いたカームはそれをホビーモビルスーツを使った演習と誤解したが、直後に秘匿されていた
ドライセンが出現。
ようやく状況を理解したカームは地上に降りてマイオス達と共に攻撃を開始。地上に降りた事でリラックスした結果、巧みな連携術を披露し、現れた3機のドライセンを全滅させた。
【原作名台詞】
- 「お二人とも!!識別信号の発信忘れてます!! 見つけたのが自分だったから良かったものの… 浮かれすぎてんじゃないですか!!!」
- 「マイオス隊の一員として情けない!! 今回の件…貸しですよ!!!」
- 「隊長達がそうして遊んでいる間に死ぬ程飛行時間を伸ばしましたが… やっぱり自分は隊長から直接教えてもらった方が身になるみたいです 早く帰って来て下さいね!!」
- ティターンズ機に乗っているマイオス達を見て「地球にはこんなレクリエーションもあるのか」と誤解した際に。陰鬱とした状況とは真逆の調子の狂う発言だったが、その朗らかな笑顔で放った言葉がマイオスの心からわだかまりを消す事に繋がった。
- 「…どこまでも支えてくれそうなこの地面の感触がなんだか気持ちよくて… そうしたら迷いも無くなって…」
- 「気がついたら考える前に体が動いていたんです 隊長が言ってたように… 機体が手足へと変わった…」
- ドライセン撃破後に。地上に降りた途端ドライセンの1機を両断し、もう1機をビーナとの同時射撃で仕留めるなど、マイオス達が知らない実力を見せたカーム。今回の一件で自信をつけたカームはあとはサポートカットで飛行できるようになるため、次は特別訓練に付き合うようマイオス達に熱望するのだった。彼は果たして今後どこまで実力を伸ばせるのだろうか。
【VS.シリーズの活躍】
EXVS.2IB
バンシィのアシストとして登場。
【その他の活躍】
機動戦士ガンダムNT
マーサ・ビスト・カーバイン護送の護衛機として引き続き登場。
1機は奇襲により墜落し、もう1機は
ヨナ・バシュタの
ディジェの右腕を切断しているが、反撃にあい胴体と頭部、右腕以外を切断されてしまう。
それでもなおビーム・サーベルで抵抗しようとするものの、別のディジェに胴体を撃ち抜かれ撃墜された。
機動戦士ガンダムUC 星月の欠片
第4話にガルダの艦載機として登場。
主なパイロットはマイオス・ホーデン、ビーナ・スンレン、カーム・フライタークの3名で、普段は新兵のカームを訓練している。
とある事情でアッシマーとギャプランに乗っていたマイオスやビーナと共にジオン残党のドライセン3機のうち2機と交戦。1機はビーナとの連携で、もう1機は単独で撃破した。
現状ではアンクシャが活躍する唯一の作品となっている。
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
漫画版第1話にダバオ基地のMS部隊の1機として登場。
他機体に先行して戦闘を行おうとしたが、変形後にハサウェイの
メッサーに左肩を撃ち抜かれ墜落した。
スーパーロボット大戦
『V』で初登場。常時モビルアーマー形態だが、ビームサーベル使用時に変形する。
『V』では
アッシマー乗りだったブラン・ブルタークが乗ってくる。残念ながら中村秀利氏が逝去後のライブラリ出演のため新録はない。
また、地上専用機であるためか仲間にならないが、死亡することなく自軍の拠点を防衛してくれる場面がある。その後どうなったかは不明。
『30』では『NT』出典扱いで登場。今回は地球連邦軍とは敵対しないため、無人機が敵として登場する。
【余談】
ガンプラは2012年にHGUCで発売。
アッシマーの後継機だが、実はHGUCアッシマーのランナー流用一切なしの完全新規造形であり、アッシマーから主に可動範囲や強度を見直し一から作り直した設計になっている。
詳細に言うなら、原型機では差し替えなし変形の代償として一切回らなかった腰部を差し替え式にしたことで腰に回転軸ができ、ABS樹脂を使用したスライド収納式だった手首もポリキャップ接続となり変形時は外す必要がある。
ABS樹脂への依存が強かったアッシマーと比較すると、HG00(2ndシーズン)から顕著だった「可動軸の大半をスチロール樹脂と新型ポリキャップに依存する」コンセプトが強く、ABS樹脂はあまり使われていない。原型機では一重関節だった肘が、0ガンダムで培われた腕関節の技術を活かし二重関節になっている。
最終更新:2025年07月08日 07:49