ディジェ DIJEH |
登場作品 |
機動戦士Zガンダム |
型式番号 |
MSK-008 |
全高 |
18.4m |
重量 |
33.9t |
所属 |
カラバ |
【設定】
カラバが開発した試作型陸戦用モビルスーツ。
アポリー・ベイが残しアムロ・レイが搭乗していた
リック・ディアスを改良して開発されており、機動力も
リック・ディアスと比較して向上している。
旧ジオン系の技術者が多く携わったためか、
ゲルググに近い姿をしている。
武装は
百式系のビーム・ライフルとクレイ・バズーカ、そしてビーム・ナギナタを装備しており、新たに背部に搭載されたフィンは放熱効率を高めるほか、SFS搭乗時の機体の安定性を高める効果もあった。
また、本機にはアムロ専用機としてガンダムタイプの頭部が用意されていたとする説がある一方で、アムロの反対やエゥーゴの支援者には旧ジオン派もいたので彼らの感情を逆なでしないために用意されなかったともされている。
僅かな仕様変更を行い追加生産されており、熟練パイロットに配備、一部の機体はルオ商会などにも流れている。
また、スポンサーからシャア・アズナブル率いる新生ネオ・ジオンにも1機譲渡されており、第2次ネオ・ジオン戦争でシャアのパーソナルカラーとなるクリムゾンレッドと一部をワインレッドで染められている。
バックパックをシュツルム・ディアスのものに換装して、両腕に
ギラ・ドーガのシールドを装備している。
そして、データ取得のためサイコ・フレームを搭載しているのだが、作動させると連動して機体の全リミッターが強制解除され、機体の限界を超えた動作まで受け付ける代わりに、ビーム・サーベルを振るといった基本的な動作ですら自壊を引き起こす危険性が存在する。
【武装】
バルカン砲
連邦系モビルスーツの標準装備となる60mm口径の機関砲。
頭部に2門が内蔵されている。
ビーム・ライフル
射撃戦用のビーム兵器。
百式と同型の物を使用している。
ビーム・ナギナタ
近接戦闘用のビーム兵器。
ゲルググのビーム・ナギナタ同様に柄の両側からビーム刃を発生する。
クレイ・バズーカ
【原作の活躍】
キリマンジャロ襲撃戦において
ド・ダイ改に乗り戦闘に参加、その後のエゥーゴの主要な作戦でもクワトロたちの援護を行った。
U.C.0097年にはルオ商会に配備されたグレーの機体に
ヨナが搭乗している。
こちらは左肩にサーチライトが取り付けられ、使用するビーム・ライフルも改められており、
リゼルや
ジェガンが使用する共通規格のEパックを採用している。
【搭乗者】
アムロ・レイ
CV:古谷 徹
カラバのモビルスーツパイロット。
一年戦争時に
ガンダムを駆ってから7年、階級は大尉にまで昇進し、精神的にも随分大人になった。
伝説の
ガンダムのパイロットとして英雄的扱いを受けるが、ニュータイプの力を恐れた上層部によってシャイアン基地に軟禁されていた所を幼馴染フラウ・コバヤシとその養子カツ・コバヤシの発破で戦場に戻ることを決意。
監視の目を潜ってシャトルを強奪、
クワトロ・バジーナとカミーユ・ビダンに襲い掛かる
ブラン・ブルタークに突撃を仕掛け、退かせている。
この時点でクワトロは赤い機体ではない百式に乗っていたのだが、お互いにすぐに気付いていた。
そのままカラバに参加し、主に
リック・ディアスに搭乗した。
かつての脅威的テクニックは錆付いておらず、カミーユですら捕捉出来ないほどの視界と位置にいる敵の「バックパックだけ」狙撃して命中させるほどの腕前を見せる。
カミーユが宇宙に上がった後も地球に留まり、キリマンジャロ攻略戦ではディジェを駆っていた。
シャアとも特に仲の悪いこともなく、ダカール演説成功後は二人で乾杯したりしている。
カミーユとシャアを宇宙へ上げたが、自身は
ララァ・スンを失った事をまだ引きずっており地上に残った。
第一次ネオ・ジオン抗争の時期には宇宙に上がっていた事がブライトとハヤトの会話の中で語られている。
第一次ネオ・ジオン抗争後はロンド・ベル創設に伴い連邦軍正規部隊に正式に復帰。
新生ネオ・ジオンの証拠集め(=シャアの捜索)のためにコロニーに潜入調査を行なっていた。
そして
U.C.0093年、アムロは
自ら設計したガンダムを駆り、シャア率いるネオ・ジオン軍との戦いに挑む。
【原作名台詞】
- クワトロ「何をする気だ!?アムロ!」
アムロ「下がってろ、シャア!」- 輸送機から百式に向けてはなった発言だが、この時百式のパイロットがシャアとは知らず、無意識での発言。
- 「後ろにも目を付けるんだ!」
- 戦場でカミーユにしたアドバイス。「無茶言うな」と思う人も多いだろうが、戦闘機乗りの合言葉に同様の言葉があるとか。
- 「人は同じ過ちを繰り返す…まったく…」
- フォウの死に対して。かつての自分とシャア、ララァと同じ状態だと悲観する。
【その他名台詞】
- 「2分もかかったのか…現役のころはこんなはずではなかったんだがな…」
- 漫画『Zガンダム Define』より、シャイアン基地で部下相手にシュミレータで模擬戦をし、6機を2分で撃墜した後に。後でかなり悔しがっていた。
- シャア「何故リボンズという男は貴様と同じ声をしていたのだ?」
アムロ「……他人の空似だろう。」- 『ガンダムビルドファイターズ バトローグ』から、リバーシブルガンダムのAIパイロットがリボンズからアムロに切り替わった後にシャアに問われて目を逸らしながら答える。
- 声は似ていても片やアムロを演じて35年以上のベテラン声優、片やリボンズを演じて10年程度の新人声優なので他人の空似なのは間違いない。
- 「…やはりな。お前はイノベイター…変革者などではない」
「お前の言う人類の革新の先駆けとなる者…。その資格をお前は持っていない」
「お前はイノベイターでない。そして、人間でもない…!」- ゲーム『第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇』から。
人間も自分以外のイノベイターも見下し、傲慢な物言いをするリボンズを見限る。
アムロは真のイノベイターがリボンズを倒すと告げて彼の元を離れた。
- 「何もしゃべる必要はない、クワトロ大尉。あなたが迷っているのなら、俺が目を覚まさせるまでだ…!」
「自分が正しいと思うのならば。俺を力でねじ伏せてみろ!」- ゲーム『第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇』から、ホワイトファングに与していたクワトロに対する台詞。
自分の進むべき道を迷っているかつての宿敵に喝を入れるかのようにνガンダムの鉄拳が百式を捉える。
- 「孤立した魂…。これだけの力を持ちながらもお前はイノベイターにはなれない…もう俺の声も届かないなら、その業をこの手で払ってやる!」
- ゲーム『第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇』から。
人類の支配を目論むリボンズを説得するアムロだが、自分の存在が揺らぐことを恐れるリボンズはアムロの言葉を否定し続ける。
もはや言葉は通じないことを悟ったアムロは自身の手でリボンズに引導を渡す事を決意する。
なお、この台詞は会話の締めであり、実際のやりとりは刹那との会話より長い。
【VS.シリーズの活躍】
エゥーゴVSティターンズ(PS2版)
コスト250の機体として参戦。
見た目いかにも空中機動性が良さそうだが、期待に反してブーストは大して軽く無い上にブースト量も少なめ。
歩き・ステップも標準的な性能。
抜刀・納刀の切り替えが早く、BR・BZともに動作が軽めで着キャン・SDKも使えるため、小回りは効くMS。
だが正直強い機体では無い。
EXVS.FORCE
僚機専用のCPU機として登場。コストは2000。
モーションは百式と
シャア専用ゲルググをベースにしており、ビーム・ナギナタによる攻撃を仕掛けたりドダイ改に乗って攻撃してくる。
EXVS.2 XB
第2弾追加プレイアブル機体として参戦。CPU専用機からプレイアブル機体に復活した。
コストは2000の格闘寄り万能機という
一時期のプレイヤーが顔をしかめるカテゴリー。
カートリッジ式のライフル、サブはレバー左右対応のクレイ・バズーカ。3種のアメキャン対応の百式がアシスト。
射撃CSではハイパー・メガ・ランチャーを使用する。本編では使用されておらず、ROBOT魂で付属していたことから輸入されたものだと思われる。
変形でドダイ改に乗り、メインと同時にクレイ・バスーカを撃ったりバズーカ連射しながらの接近にドダイから離脱してバズーカなど射撃面も豊富。
格闘も飛びぬけて凶悪なものこそないが高火力コンボを狙えるものや強襲に使用できる変形格闘などいいものをそろえている。機動力が控えめなのでそこを補う立ち回りが必要だろう。
覚醒技はTV版Zのサブタイトルでもある「アムロ再び」。ドダイに乗って切り抜けから回り込みながら射撃を連射し最後は切り抜けで〆る。
最後の切り抜けは1st
ガンダム1話で
ガンダムがザクを両断したモーションの再現。
これ以外にはバズーカ移動撃ち(横サブ)や居合い斬り(後格闘)などが、他のアムロ機を思い起こさせるアクションである。
アムロの台詞も結構あり、カミーユやクワトロ、シロッコ、ハマーンといった同世代はもちろん、1stや逆シャアのシャアにも台詞はあるほか、サンダーボルト勢に「1年戦争時代のようだが見たことのない機体」と評するなど、特殊台詞はNEXT並みに充実している。
ただ少々残念なことに、前作に比べてカミーユ、クワトロ、シロッコなどは(環境的に)出会う機会が少ないか。
またGVSにもZ時代のアムロはいた(
リック・ディアスの乗り換え)が、本作にあたり一部ボイスが新緑されている。
【勝利・敗北ポーズ】
勝利ポーズ
敗北ポーズ
【その他の活躍】
ガンダムビルドファイターズ
第1話の第7回ガンプラバトル選手権世界大会のCMでトリコロールに塗装された機体が登場。
ビーム・ライフルを囮に接近して
フリーダムガンダムをビーム・ナギナタで瞬殺し、強さに原作の活躍は関係ないという本作を象徴するシーンとして視聴者に強烈なインパクトを与えた。
ちなみに、ディジェとフリーダムは続編において前作の主人公が搭乗した機体という共通点がある。
14話の第7回ガンプラバトル選手権世界大会予選第5ピリオドの玉入れでは一般機が登場。
勝利した白組の一員として勝鬨を上げていた。
スーパーロボット大戦
アムロの搭乗機だが登場したのは『Z』の一作品のみ。
初代ガンダムが残っていたりするのはまだいいとして、Z-MSVの「ディジェSE-R」の方が参戦数が多いほど。
一方Z時代のアムロはカミーユやクワトロとお馴染みの人物が出せる都合で参戦数が多く、機体やパイロットスーツだけ逆シャア仕様ということが一時期は定番だった。
『第2次Z再世篇』ではリボンズに同志として認められるほどに高く評価されていたが、アムロは傲慢なエゴを剝き出しにして人類を見下すリボンズに対して嫌悪の色を隠しておらず、彼を倒す事を誓っている。
【余談】
このディジェは元々は
ハマーン・カーンが搭乗するアクシズの量産機としてデザインされていたほか、コミックボンボン版では本機の一部デザインを変更した上でアクシズの量産機「チャイカ」として登場した。
アムロがガンダムタイプに乗らなかったためか一部ファンが苦情を言ったとか。
メカニックデザインの藤田一己氏曰く「元々はアクシズのMSとしてデザインした」「アムロが乗るのなら別のデザインにした」とのことだが、
ガンダムに似た百式に乗るクワトロ(シャア)と
ゲルググに似た機体に乗るアムロと対比になっている。
もし、アムロが
ガンダムに乗っていたらカミーユの印象が薄くなることも考えられる上でのスタッフ達の英断だったといえよう。
実際、
続編でも
前作の主人公をガンダムに搭乗させた為
今作の主人公の印象が薄くなった、ということがあった。
ちなみに放送当時にはベルトーチカのように「アムロに
ガンダムを乗せろ」との声も大きかったとか。
アムロはZZには出なかったが、小説版では登場している。
リック・ディアスの強化型となるシュツルム・ディアスに乗り、
ジュドー・アーシタと共演を果たす。
エルピー・プルにも「ジュドーほどではないけど好き」という旨の発言を受けたりし、ジュドーの先輩分として活躍したが、幼馴染ハヤトの戦死を目撃することに…。
最終更新:2024年10月02日 00:42