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『魔界村の騎士は両手に花』








 凶悪難易度ゲーム『魔界村』をプレイした男子なら誰もが妄想することだった。

知らんやつ宛に説明すると、このゲームの主人公はダメージを受けると鎧が壊れてパンツ一丁になるわけよ。
それを目の当たりにしたら、…必然的に思っちまうんだわ。
こいつが美少女だったらなぁー…。
主人公がおっさんじゃなくて女騎士版の魔界村作ってくんねぇーかなぁ……、とすけべ心が欲動しちまう訳だ。
……俺も男だから、そんな下衆な妄想すんのも仕方ねぇよな?…一応……。
初代魔界村が稼働し、十年が経つ今。
スト2はZEROへと進化を遂げバンバン女ファイターが活躍する一方で、魔界村は未だおっさんのままだ。
『いつまでも変わらない味』ってのは確かに大切なことだが、そろそろ女キャラ導入してもいいとは思うぞ?
あくまで、俺の個人的な意見だがな。

 …あぁ、そうだよな。
確かに、以上は今行われてる殺し合いとは全く関係ないゲーヲタの独り語りよ。
どうでもいいっちゃこの上はねぇー…。

だが、だぜ。
目の前にいる『コイツ』を見て、俺が真っ先に連想したのは魔界村だったんだ。
俺にとって、この『異常者』=アーサー…。
やつの格好は衝撃的過ぎてな…、思考停止した俺は魔界村という感想しか思いつかなかったんだよ。
……普通の非ゲーマーなら、めちゃくちゃ叫んで怯えまくるんだろうがな。
この、オルルみてぇーに……。


「な、なななんだ………、き、貴様ぁぁぁ……?!! ひぃ、やぁぁ……あぁ………ぁぁあぁぁ……………───────────っっっ!!!?????」

「…あぁ、すまない。俺は服装には構わない方だから。今下の鎧を取ってく──…、」


「『服装に構わない~』はまず服を着てるやつのセリフだわいっ!!! この…変態野郎がぁァァ───────ッ!!!!!!!」


 ゴスッ

「…があッ」


ソイツが喋りだした瞬間、やっと我を戻した俺は顔面めがけてダルシムパンチを一突き。
『下半身丸出し』の鎧野郎へ、まるで牛のケツに拳突っ込む酪農家ばりに顔面をぶん殴ってやった……。


「な、な、…なんだよこいつはぁっ??!!!」


…とりあえず一旦話を数十分前に戻すぞ。




「プル………、パパ……………、私…、辛いよ……苦しいよ…………………。ごめん、なさい…ごめ…うーん……………──」


「────ハッ!!!」

「うひっ?!! 起きやがった!!!」


「…あ」 「………あー…」


 …おうおう、地獄の始まりだぜ……。──源平討魔伝のババアが手招きしてらぁ。
俺を襲撃したガキ──オルルが目を覚ましたのは空が微妙に青くなってきた時間帯。
それまでは近くのケータイショップにて、ソファに寝かしつけといたんだが、十数分経てとうとう覚醒しやがったよ…。
…オルルが寝てる間に逃げれば良いじゃん、とか突っ込まないでな。
ガイルのおっさんに託された以上…、俺も義理堅い性格ではあるからなぁ…。


「……………………」

「………………はぁーぁー………、参っちまうぜ…」


目が合って数秒経ったが、さてどう話すべきか…。
ガイルの言った通り、確かにこいつは寝てりゃただのガキンチョで。
うーん…、とうなされつつもむにゃむにゃ夢見心地の可愛げある奴だった。
──…だけどんなの関係ねぇーーしぃっ!!!
こいつは何の面識もねぇ俺を切りにかかった野郎、…何よりさっきの激闘でKOされて憎んでるわけだぜ??
一応バカデカ剣は奪ったから悪・即・斬は封じといたが、それでもこいつと穏便に接するなんて無理ある話だわっ!!
…あっ、何か忘れてた頬の痛みがまたジワジワ湿りだしてきたし……。
ほんと…、どう話せばいいわけよ………?


 ピタッ…


「いっ??! いっでぇえええ!!!!!」


痛っ!!! 畜生!!
オルルのガキ、そっと俺の傷跡に手を添えてきやがった!!!
…あっ、反対の頬にも手当ててきたし。
な、なんなんじゃこいつ!!


「……………やっぱり、なんも『反応』がない………。『呪い』が…、発動しない………」

「はぁあっ??!! 意味分かんねーよ!!」


ポツリ…と小声を漏らしたオルル。
ガキの小さな手がゆっくりと頬から離れていった。


「……ごめん………なさい」

「……あ???」

「…貴方を悪魔だと勘違いして……、私…憔悴してたから………、殺しにかかっちゃって……………」

「あ、あくま??」

「本当に………ごめんなさい…」


正直、謝れるだなんて一ミリも予想してなかったから…虚を突かれちまって俺は固まった。
……えーと………。
クソッ……、割と穏便に済んだら済んだで困っちまうもんだぜ……。


「……………」


んまぁー、…とりあえずだ。
深々と頭を下げるオルルの、今にも溢れだしそうな目の潤いがなんとも気の毒だから、俺もそれなりの返しをしてやるか……。


「…お、おう……! 気にすんな…──って言うとなんかムカつくけど…まぁいいよ。…お前もガキだし仕方ねぇってもんだからな」

「…………許して…くれるの………?」

「そーしとくよ。…プロ殴られ屋の俺だ。頬の傷なんかどうってこたぁねえぜ」

「………ごめんなさい。…そして……ありがとう…………──」



「──……ねえ、キミ……名前はなんていうの?」

「…あー? 俺矢口ハルオ。──おっと、お前は名乗んなくていいぜ? オルル…だろ…?」

「…うん。矢口……ね」


…呼び捨てしちゃうッスかー?
オルルパイセンよ~~?


「矢口……、ちょっと私試したいことがあるから………。他の参加者に会いに…、外出たいんだけど」

「………げっ!! ゲヘェ~~~~っ………。外に出るー? 参加者に会いにー?? 俺襲われたばっかなんだぜ?? おい~……」


「………………そのことはごめんなさい」


「…あっ、いや俺が悪ぃ……」



「…でもほんとに…、私の『呪い』について確かめたいことがあるのよ………。──あっ、嫌なら…別に私一人で………いくけど。………うん。無理、だよね…………」


…露骨に悲しげな顔しよって。
これだから女のガキンチョは………、あー苦手だよ。
やるかやらないかで言えば絶対やりたくねぇーし、無理と判を押し付けたいくらいだぜ。──そのガキガキ顔にギューーッと判をよぉ?
………けどもだぜ。


 ──ハルオ……っ! ファイナルファイトで過ごしたあの時…を。隣に大野がいたあの時を思い出すんだ……っ!!

 ──2P同時プレイでの協力プレイ……。今すべきはまさに『ファイナルファイト』なんじゃないのか…? ハルオ……!!


…そうだ、しゃーねぇよな。


「…やべぇことになったら俺逃げるからな??」

「………えっ??」

「ほら、行くぞ。オルル……。なに試すのか知らねぇーけど…」

「……あっ…あ、ありがとう…!」


オルルのデイバッグを肩にかけ、俺はガキの手を引いてやった。
…あっ、そうだそうだ。


「言っとくけど、さっきみてぇーに手当たり次第「悪魔がぁ~」って襲うなよっ??! 保護者役の俺にも責任降りかかるんだからな!!? 分かったか?!」

「……それは勿論心得てるわ………。うんっ」

「ほんじゃ行くぞ。しっかり掴まってろ」

「…え? つかまるって…ど、どういうことよ?」



…どういうこと、か。
一から説明すんの面倒臭ぇーから……。ま、とりあえずノリよ。ノリ。


 (→↓+Pボタンx3)
──────『ヨガテレポート』


「わっ──…!!!!」


 ビシュンッ……


ダルシムの技テレポートで適当な場所へと向かっていった。





────んで、ワープした先っつうーのが………。




「な、ななななな、なにをしてるんだぁ───────っっ???!!!! きさまぁぁ───────っ!!!!」


 BAN!BAN!BAN!BAN!BAN!BAN!BAN!BAN!

 BAN!BAN!BAN!BAN!BAN!BAN!BAN!BAN!



────車をバンバンぶん殴る鎧ロシュツキョウジャーの前だったわけよ…。
いぃやテメェはスト2のボーナスゲーム中かっ!!!!


「ひぃいいいぃぃぃぃっ!!!!!」

「…あっ!!」


よく見りゃ車内には涙目の女子がうずくまっていたし……。
このクズ野郎!!!


「…あっ、やあ!!」

「「やぁ、じゃないわいっ!!!!」」


「俺はライオス。妹を助けに魔物食でダンジョンを進む冒険家さ。…あっ、俺は決して殺し合いには乗ってないから安心──…、」

「この悪魔が…成敗してくれるわぁあぁぁぁ──────っっ!!!!!!」


にこやかな狂人目掛けて、オルルは剣引きづらせ果敢に飛び込んだ…!!
さっきは、「襲いかかるなよ」と注意した俺だが………、いいぞっ!! やれやれ!!!


「わっ。は、話を聞いてくれ!! 俺は主催者を倒したいんだ!! これは本当なん──…、」

「オルル!! やっちまえぇえ!! 誰も文句は言わねぇーぜ!!!」

「うんっ!! 承諾済み…! うおおおおぉぉぉぉおおおぁあああああああああああああぁぁぁぁぁ──────っっ!!!!!!」


ったく、テレポート早々不埒な野郎に出くわしたもんだぜ…!
ふっざけんなよ!!! ゴラッ!!!


 スタタタタタタターーッッ


と、無駄のない華麗な動きで一気に距離を詰めたオルルは、あの重たい剣を天高く突き刺す。
…露出野郎も剣を持っていたが、差は爪楊枝と割り箸同然。オルルの鉄板のような剣に敵うわけがなかった。
月明かりに照らされ、一瞬輝きが走る剣先。
剣先が再び暗闇に鋼鉄した時、オルルは


 ビュン──────っ


と。
最低野郎の頭目掛けて、一気に振り下ろした。





 ────バリンッ


  バラ、バラバラバラ、バラバラ……





「……………はぁ、や…やっぱり……………………」


「…え? な、なんて??」



──剣を振り抜いたオルルが「やっぱり…」とため息をついた理由……、それが分かったのは割と後だったぜ……………。


「…えっ??!!」


 鋭い刃面がやつの頭に直撃した瞬間、大きく響いた粉々に割れる音。
…そいつは決して、異常者野郎の頭が砕ける音じゃねぇってのは分かるよな……。
バラバラに砕け散ったのはオルルのバカでかい剣の方。
異常者には大してダメージを与えることができず…、


「こ、これは…。きみっ!! 一体どうしたんだい!!」


──というか全く外傷つけることなく、剣はその役目を終えてしまった……。
いや、なんでっ??!!
どうしてっ?!!!
物理的におかしいだろ?!! チョキがグーを羊羹切るみたいにスーって切断したようなもんだぞ??!!


「…やっぱり……だ………。もしかしたら……、呪いが消えたかと思ったのに……………。思ってたのにっ!!! …うぐっ、えぇん………、ええんっっ…!!」

「うわっ!! 大丈夫かい?! どこか怪我をしたんじゃないのかっ!! き、きみ!!!」


ポン…と奴はオルルの肩に手を置いた。
……それだけ、だったのに…──刹那だ。


「ぐわぁああぁぁぁぁああああああぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~───────っ!!!!!!!!!」

「えっ??! オ、オルル!!!!」


突如、オルルの身体全身は…電撃で包まれ、ビガビガビリビリビリ────と稲妻を発し始めた…!!
言うまでもねぇーが、少女は悶絶と超絶痺れで表情を強張らせ、カクッ、カクッと首を動かす…。

 ビリビリビリビリビリビリビリビリ────────ッッ

雷鳴は…異常者が触れた手を話した途端に。


「…ぐっへっへぇえええええええええええあ…………………………!!!」


パタリと止まった……。
──あぁそうバタリッ、ともだ。…これはオルルが倒れた音。


「………き、きみ…。こ、これは……あれだな」

「………………………」



 痺れてビクンビクンッと、リハビリ患者みたいに死物狂いで体を動かすオルル…。
ボッコボコの車、内部にて鼻水を垂らしながらなにか叫ぶ女…。
そして、狂人。

これはー………。
俺の固い頭が導き出した現状把握は…こうだぜ。
…よく知らねぇが狂人野郎もスト2…いや、なんかのマイナーゲームの技をラーニングされていて。
そのマイナーゲームというのが電撃使いなわけだから、剣も簡単に折れたし触れるだけで感電もさせた…。
奴が車を物理的に攻撃したのは、車には電気が効かない作りになっているから、か……。
的外れなら許せ…。あくまで俺のバカ脳がひねり出した考察なんだからな……。


「…あぁ、すまない。俺は服装には構わない方だから。今下の鎧を取ってく──…、」


…まっ、んなこたぁ、どうだっていいが…。
とりあえず。


「『服装に構わない~』は…以下略っ!!! この…変態野郎がぁァァ───────ッ!!!!!!!」




 ゴスッ───────



俺は拳をヤツの顔面にビョーンっと一発。
ジャイアンに殴られたのび太並にめり込ませた…。
おーっ、セーフ……。感電なし~………。



 バタリっ…──

 ──ガチャリッ


「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!!! うっうぅわぁあぁぁああぁぁああああああああ~ん!!!!! 怖かったよ~!!! 助けてぇええ!!!!!!」

「うおわいっ!!!!!??」


やべーやつを倒したとほぼ同時、待ってましたかというように車から女が飛び出してきた。
ギュッ…と抱きしめられる俺……。
あー、このままエンディングロールとなれば締まりがいいんだけどよぉ~~……。





……
「…ふーん、矢口くんね……。私は来生。優勝狙う気だったけど…もうやる気滅入ったわ……。で、あなたがー………」


「私はルーヴィンス家の末裔…。悪魔ハンターのオルル。──…ごめん、矢口。試して分かったけど…、『悪魔の呪い』……。まだ継続中だったわ………」


「あーはいはい…。つまりオメーは悪魔的な奴に触れると痺れちまう呪いがあるわけね? …はぁーあ…おいおいだぜー……」


「うん…。その証拠に矢口も。あと…、ほら」


 ポンッ


「来生さんに触れても何ともないわ…」

「…なによ、その………(…いや私も十分悪魔的異常者なんだけどっ?! 腹立つわね……)」

「厳密に言えば、今までは魔界の…本物の悪魔に触れたときだけ呪いが発動したけど……。見た目は人間でも悪魔同然の奴もアウト……みたい。……ぐっ、うぐ………」


「また泣いたし~……。つーか、それじゃあ全然役に立たないじゃねえ────っか!!!!!」


「うぇえ~~~~ん!!! そうだよ~~~!! だから、だから私…悔しいんだよ~~~~~~~!!!!!! うわぁあ~~~ん!!!」

「ちょっと矢口くん!! こんな小さい子相手に言い過ぎじゃない!!? 謝りなさいよー!!」

「いや…………、だって…、あれだけ力あるくせにこんな呪いで……。…役に立たないのは事実じゃねぇーかよ」

「まぁまぁ!! …オルル、君は立派だよ。このメンバーに不要な人なんかいないさ。ハルオは格闘担当、オルルは悪魔判定機、来生も……医療担当…。決して外れちゃいけないピースだからなっ!!」

「………………………」

「ひぐっ………………、ひぐぅっ!!!」



「…おうおう、それはそうとなぁ……────」







「なんで変態鎧野郎がこの場にいるんだよ────ッッ!!!!!!??? 馴染んでんじゃねぇえええ!!!!!!」



ホテルの個室、ベッドを囲んで右回りから俺、オルル、来生とかいう女、そして…コイツ………。


「そ、そうよおおぉおおっ!!??!!! …ひ、ひぃやぁぁあああああああああああああああああああっ!!!!!!!」

「うわぁぁああぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~んんん!!!!!!!!」


 俺のツッコミが終わると同時に、悲鳴が二重奏で展開された。
なんでテメェまでノコノコついてきやがんだよ……。

…って………、


「なにテメェ困った顔してんのじゃいっ!!!! アホかお前?!!!!!」

「い…いや、だって。話が違うじゃないか!!!」

「矢口くんコイツ追い出してぇええええ!!!!! 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いひぃいいぃぃいもういやぁあああ~~!!!!!」

「…ちゃ、ちゃんと下を穿いてきたんだぞ、俺は…。それなのに、この対応はおかしいじゃないか?!」

「黙れ悪魔っ!!!」

「そうよそうよ!!! ひぐっ…悪魔は消えろっ!!!」


「…悪魔って…………。君たち………、そりゃないだろう………」


…だから、テメェが落ち込んだ顔してんじゃねぇえっ!!!!!

奴は相当堪えたのか、しょんぼりしながらトボトボと歩き出す。
…そのわざとらしさ感じるガッカリっぷりに得体の知れぬ狂気を覚えたがどうでもいい。
そのままアイツは扉を開けて、スタスタ部屋から消えていった。
 …──かと思えばさにあらずっ!!
出口付近の冷蔵庫をガチャリ…。
なんだか神妙な顔でゴソゴソ漁りだすと中にあった謎の機械??をヴィイイイーンと作動させて……、
遊んでいやがった……。


「や、やや、矢口くんあいつ殺しましょ?! ねっ、今がチャンスだから!!! 早くっ!!!」

「馬鹿野郎??!! 返り討ちに遭うだろうが?! 聞いてたかよ?! あいつ剣士だかなんだかつっただろうがよーーっ!!!!」

「矢口…、じゃあ一旦は逃げよう!! あの…ヨガテレポート(?)で!! それならいいわよね!!」

「あっ…、そ、そうだな!!」

「…な、なによテレポートって…」

「説明はあとですっから…とりあえず来生俺に掴まれ!!!」

「えっ? 分かったわよ……」


…両肩に高嶺の花……。
小さい手の感触が二つ、感じたところで俺は頭の中を念じ始めた。
ヨガテレポート………いけっ………! と。
適当な場所を始点にワープを開始したぜ…。


──あっ、ちなみにだが……。
…いやこれわざわざ紹介する必要ねぇーかな…。

 あのイカれた剣士の名前はライオス・トーデンだとかなんとか。
龍に妹を捕食されたから、救うためエルフ、ハーフフット、ドワーフの四人でRPGをしてるという……。
あぁ、説明だけでも完全にイカれてるよな。現に、あいつは「魔物が云々~」とめちゃくちゃ早口で喋ってて…マジ戦慄させられたしよ。
ダンジョンがどうの~だのと、連想させられるのはウィザードリィやドラクエとかだが生憎俺はアーケードゲーマーなんでね。
家庭用ゲーム機はほぼほぼ対象外だから、ヤツの話は興味をそそられなかった。
…まぁゲームの趣旨は抜きにしても、ライオスの話なんか聞いてたまっかよ……。




────そんなヤツの手が、


「あっ、来生。迷惑をかけたお詫びといったらなんだが…………」



────いや、ヤツが持つ電気マッサージが、


 ぶいぃぃぃぃぃん…


  …ぶぶぶぶっ


「…ぎゃっ──」



────ワープ寸前だった俺達の、──来生の肩にチョン…と乗っかり………。



「「「あっ」」」




 ピシュンッ




「おおっ!! ここはホテルのロビー…。瞬時に五階から一回までワープするとは……魔術………!? き、きみ…もしかしてマルシルを知ってるか?!」


────俺達『四人』は、一階までテレポートしていった。




「…やっ、やだぁあああぁぉぁぁぁぁぁっ!!!!!! お母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお父さんお父さんお父さんお父さんおまわりさんおまわりさんおまわりさん!!!!!!」

「うっわぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん!!!!!!!!」


「なぁハルオ。人は食わなきゃ生きていけない。それが掟なんだ。だからここいらで一つ。俺の魔物飯を──…、」

「いやお前は死なんかいっ!!!!!」


 ゴシュッ


「ぐへがっ」







 …
 ……
 “食うか食われるか。”


 “そこには上も下もなく、ただひたすらに食は生の特権であった。”


 “格ゲーブーム全盛の1994年から早二十年の今。”


 “異様で不気味な闘志が蔓延るゲーセンで生きた男・矢口ハルオと一行のもとに、ヤツは再び舞い降りた………。”




 “ハイスコアガール。あぁ、ハイスコアガール…。”




【1日目/B2/ラブホテル/1F/AM.01:35】
【ライオスさん隊】
【矢口ハルオ@HI SCORE GIRL】
【状態】頬に切り傷(軽)、ダルシム@スト2技ラーニング
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:【静観】
1:ライオスをどうにかしねぇと…。
2:ガイルの委託に従い、オルル(と来生)を守る。

【オルル・ルーヴィンス@悪魔のメムメムちゃん】
【状態】号泣
【装備】なし
【道具】???
【思考】基本:【静観】
1:矢口らと行動。
2:ただしライオスはくんなっ!!

【来生@空が灰色だから】
【状態】精神状態:恐怖(大)
【装備】アーミーナイフ@牛丼ガイジ
【道具】なし
【思考】基本:【静観】
1:矢口くんらと一応行動。
2:ただしライオスはくんな!! 普通じゃない普通じゃない普通じゃない普通じゃない!!
3:助けて助けて助けて助けて!!

【ライオス・トーデン@ダンジョン飯】
【状態】健康
【装備】鋼の剣『ケン助』@ダンジョン飯
【道具】クリスマスプレゼント・電マ@わたモテ
【思考】基本:【対主催】
1:来生、ハルオ、オルルを守る。
2:一旦は食事だ。
3:主催者を倒し、ゲームを終わらせる。
4:パンツがあるから恥ずかしくないよ!



前回 キャラ 次回
027:『新田さんは捨牌だゾ 029:『しかだがのこのこだがしかしたたん
006:『愛しさと、切なさと、心強さと ハルオ 076:『わが友よ冒険者よ
006:『愛しさと、切なさと、心強さと オルル 076:『わが友よ冒険者よ
020:『少女と異常な冒険者 ライオス 076:『わが友よ冒険者よ
020:『少女と異常な冒険者 来生 076:『わが友よ冒険者よ
最終更新:2025年09月03日 00:07