曲紹介
とある世界の滅亡の顛末。
曲名:『熱異常 (vionan re:telling)』(ねついじょう (vionan re:telling))
- vionan氏によるいよわ氏の楽曲『熱異常』のRemix。
- オリジナルの歌詞が数多く追加されているため、別記事として記載する。
- ボカコレ2026冬REMIXランキング参加作品。
歌詞
(動画より書き起こし、一部聞き取り)
「ある時、人々は夢を抱いていた。
この地球か、はたまた遠くの星か。
とにかく何処かに彼らの理想郷があり、
いつか技術の進歩と共にそこに辿り着くことができる、と。
しかし、歴史の針が限界まで振り切れた時、
真に世界を覆ったのは、
熱であった。
進歩の果てに待っていたのは、すべての境界が融解するプロセスだった。
かつて個々人が抱いていた秘めやかな感情や、
誰にも触れさせなかった記憶は、
超高効率のネットワークによって抽出され、一箇所に集められた。
「人類の共有地」という美名の下で行われたそれは、
その実、情報の泥沼を拡大する蛮行でしかなかった。
街を満たしているのは、かつての喧騒ではない。
膨大な演算処理を続けるサーバー群が吐き出す、物理的な排熱である。
アスファルトは常に陽炎をまとい、
かつての「理想郷」の夢は、
熱波に歪む蜃気楼として都市のあちこちに投影されている。
情報の飽和は、
意味の崩壊を引き起こした。
人々が言葉を交わす必要はなくなった。
すべての思考がリアルタイムで同期され、
混ざりあい、
誰が何を考えているのかを区別する「個」の壁が消失したからだ。
愛の告白も、別れの悲鳴も、
すべてはひとつの巨大なノイズの中に溶け落ち、均一化されていく。
システムは最適化を繰り返し、
感情のゆらぎさえも計測可能な数値へと置き換えた。
だが、その計算式が複雑化すればするほど、
演算装置は更なる熱を帯びる。
かつて「心」と呼ばれたものは、
もはや、
オーバーロードの原因でしかなかった。
この世界において、唯一確かな事実は「熱い」ということだけだった。
幸福を定義しようとする試みは、
その都度、エラーメッセージを吐き出して停止する。
人々が目指したユートピアの最終形態は、
冷徹な理性が支配する静寂ではなく、
制御不能に陥った高熱の檻だったのだ。」
これが、とある世界の滅亡の顛末です。
私たちにはあまりに突拍子もなく見える出来事ですが、
彼らからすれば、小さな違和感の積み重ねに過ぎなかったのでしょう。
ところで、
“とある世界”って、
何処だと思いますか。
「死んだ変数で繰り返す 数え事が孕んだ熱
どこに送るあても無く あわれな独り言を記している
泣いた細胞が海に戻る 世迷言がへばりつく
燕が描いた軌跡をなぞるように灰色の雲が来ている
編んだ名誉で明日を乞う 希望で手が汚れてる
あなたの澄んだ瞳の色をした星に問いかけている
手を取り合い愛し合えたら ついに叶わなかった夢を殺す
思考の成れ果て その中枢には熱異常が起こっている
現実じゃない こんなの現実じゃない こんなの現実じゃない
こんなの現実じゃない こんなの耐えられないの
とうに潰れていた喉 叫んだ音は既に列を成さないで
安楽椅子の上 腐りきった三日月が笑っている
もう すぐそこまで すぐそこまで すぐそこまで
すぐそこまで すぐそこまで すぐそこまで
すぐそこまで すぐそこまで
なにかが来ている」
コメント
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最終更新:2026年02月26日 16:06