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魔法少女職人の朝は早い その1

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homuhomu_tabetai

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1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2011/04/18(月) 01:36:31.27 ID:DfVXl/x+0


魔法少女職人の朝は井戸の水汲みから始まる
「ほむほむはデリケートですからね、清らかな水でないとすぐに汚れてしまうんです」


ほむ! ほむ!

ほむほむの鳴き声が聞こえてくる
「のびのびと育てたいですからね、管理は大変ですが いい魔法少女を作るためには必要なことですから」

この広い草原には およそ200人のほむほむが暮らしているという


「繁殖期には隣の魔法少女園からまどかを借りてくるんです」
ほむほむの髪の毛を優しくブラッシングしながら目を細める魔法少女職人

「最近はさやかを使う職人も増えてるんですが やっぱりまどかが一番相性がいいんですよ」
ーーさやかの40倍近い価格のまどかを使うのは やはり質を考えてのことなのですか?
「やっぱりさやかだと、ほむほむのストレスになるんです」
「安価なものは、結局魔法少女の質をさげてしまうんですよ」

真剣な眼差しの魔法少女職人は ほむほむの餌を用意し始める


ほむほむは主に マミマミーの脊髄をすり潰したペーストを食べる

「マミマミーは比較的手に入りやすい種類なので 沢山食べさせられるんです(笑)」
職人は父親そのものの目でほむほむを見つめる

「手に入りやすいと言っても、冬場はやはり収穫が減るんです」
職人はため息混じりに語る
「冬場は代用品として餡子を食べさせるんですが、与えすぎると虫歯になってしまうんですよ」

歯のブラッシングは流石にさせてくれませんからね と職人は笑う


ところで 国産ほむほむの出荷量は年々下がり続けている
「外来のアメリカほむほむの方が、育てやすく 成長も早いんです」
「職人仲間も何人かアメリカほむほむに乗り換えてしまいました」

日本有数のほむほむ職人は 少し誇らしげに言う
「ですが、国産ほむほむは見た目も性格もアメリカほむほむとは比べ物にならないんです」

その目にはほむほむへの愛情と誇りが映っている


魔法少女作りは 少女を育てる事から始まる

ほむほむが充分に育だつと 魔法少女職人は次の作業の準備に取り掛かる


「まだほむほむは少女ですからね」
「こうやって、ほむほむの背中からソウルジェムを埋め込むんです」

流れるようにほむほむの背中を開き ソウルジェムを埋め込んでいく職人の手は 一切の無駄がない

「こうする事によって、魔法少女になるきっかけを与えるんです」


少女ほむほむのうち およそ7割のほむほむは ソウルジェムに耐えきれず死んでしまうという

「やはり悲しいですね、手塩をかけて育てたほむほむですから」
「死んでしまったほむほむは 次の世代のほむほむの糧になるんです」

ソウルジェムにより ほんの少しだが魔力をおびたほむほむの死体は
倉庫に貯められ 若い少女ほむほむの餌に混ぜられるのだ

「感謝を込めて ほむほむに与えるんです」
「そうする事で、少しでも浮かばれてほしいと」
職人は 泣いてるようにも見えた


ソウルジェムの負荷に耐え切り 魔力をおびた魔ほむほむは 魔法少女になるべく
次の工程へとうつる

「ここからはちょっと残酷かもしれません」
職人の覚悟に満ちた顔が 我々の緊張を促す

「魔ほむほむは多少死ににくくはなってるんです」
「ですが、まだ魔力に慣れてはいないので急に苦しみ出したりするんです」


ほむぅぅぅぅ!!!!

早速一人のほむほむが苦しみ始めた

「それ! えい! ほむ! ほむ!」
職人は手に持ったQ棒と呼ばれる道具を使い 苦しみ始めたほむほむを殴り始めた

「Q棒には結晶化した魔力が含まれているんです」
「こうして叩く事で 魔ほむほむに魔力を流し込むんです」
「過剰な魔力を流し込む事で、ほむほむの魔力を底上げするんです」

職人は次々と苦しみ出すほむほむ達を 叩きながら 淡々と作業の説明をしてくれた


あまりの惨さに 目を背ける我々の前で
ぐったりと横たわるほむほむ
その体を優しく浴槽に運ぶ職人の姿がある

「こうしてぬるま湯に浸からせる事で アザになる事を防ぐんです」


「浴槽に入れて 沈んでしまうほむほむは 残念ながら廃棄なんです」

ーー 若いほむほむに与えないんですか?
「ええ、Q棒で叩いたほむほむには、強い恨みや苦痛、ネガティブな力が溜まってるんです」
「若いほむほむに与えると 一口で発狂してしまうんです」


ーー発狂・・・ですか
「はい」
職人は悔しげだ

「広い草原で なかまのほむほむと楽しく、豊かに暮らしていたほむほむには耐えがたい苦痛の塊なんです」
「ほむほむをほむほむのままに育てるなら、こんな残酷なことはしなくてすむんですが・・・」

魔法少女職人の業を背負ったその目には 深い悲しみと後悔の色がみてとれた


「ですが」
沈んだほむほむをトングで掴み バケツに入れながら話す
「こうして作られた魔法少女ほむほむは 強い魔力と怨念をもって出荷されます」

Q棒に耐えられたほむほむは しなやかな強さと 揺るぎない恨みをもつのだ と職人は語る


ほむぅぅぅぅぅ・・・ ほむぅぅ ・・・
ググググルルルルゴロズ キューボォェぇ ゴロズ

怒りと悲しみに声を震わせる魔法少女ほむほむ
各家庭に届けられた彼女たちは その役目を終えると
集めたQbの死体もろとも 姿を消すという


「ほむほむ・・・ ごめんな」
職人は沈んでしまったほむほむを集めると ビニール袋で厳重に封をし 石の棺にに入れる

「この石の棺は 75個目です・・・」
25mプール程の広さの棺には 真っ黒いビニール袋がいくつも積み重なっている


「本当は、本当は抱きしめてブラッシングをして ちゃんと火葬をしてあげたいんです」
職人は珍しく感情をあらわにする

「でも、恨みに沈んだほむほむは 我々人間にも有害なんです」
職人は上着を脱ぎ 我々に背中を見せる

「見てください 沈んだほむほむを酢でで触った結果がこれです」
赤黒く変色した背中の一部を 職人は撫でながら言った

「あと数回も有害なほむほむを触れば、歩けなくなるでしょう」


棺をあとにした我々は 若いほむほむの草原に戻ってきた

「どうぞ、撫でてやってください」
職人はほむほむを呼び集めると ほむほむたちに我々は紹介する

「ほむほむ、この人たちはほむほむを撫でたいそうだ」
「優しくしてもらえるぞ~」

職人の言葉に ほむほむ達は一斉に我々に飛びつく


ほむ!ほむ!

ほむほむは 撫でると嬉しそうに笑い
追いかけてやると楽しげに飛び跳ねて逃げる
その顔は 恨みも苦しみもない 純粋で健康的だ

「さあ、そろそろお昼ご飯だ 集まれ」
職人の号令で ほむほむ達は餌場へと帰って行った
「そろそろ 魔ほむほむを混ぜた餌を与える時期なんです」


「マミマミーの加工も含めて 餌の作り方をお見せしましょうか?」
職人の職人たる所以を探ってみよう

「とは言っても、加工自体は簡単なんです」
「こうやって、おいしょっと、マミマミーの腑を取り出し、毛を剃り・・・」
「あとはこの機械に放り込んで 乾燥させるんです」

乾燥したマミマミーを取り出すと 職人は一気にマミマミーを縦に裂く
「こうして背骨を取り出すんです」
「周りの肉はほむほむの寝床に敷く乾燥剤になります」


取り出したマミマミーの背骨を ほむほむが食べやすいように粉にする

「この時に魔ほむほむを混ぜるんです」
粉々になったマミマミーの背骨を機械に流し込むと 職人は魔ほむほむを取り出す

「ここに、こうして あとはスイッチを押すだけ(笑)」
魔ほむほむとマミマミーペーストが混ざった ドロドロの餌が出来上がる

「ほむほむ達には 大人になったら食べる物だと 小さい頃から言い聞かせてるんです」


ーー待ってください もしかしてこの餌にはソウルジェムが含まれてるってことですか?
「ええ、ソウルジェムに耐えきれず死んだほむほむが混ざってますからね」
ーーそれでは、若いほむほむは尚更耐えられないのでは?
「ははは(笑) そこなんです 」
「だからマミマミーの背骨と一緒に与えるんですよ」

職人が言うには マミマミーの背骨には 魔力を中和する作用があるそうだ

「安いさやかの背骨でもいいんですが」
「やはりマミマミーの方が栄養価も高く、便利なんです」


「こうやって ほむほむを徐々に魔力に慣らしていく」
「そうすることで、より強く、より安定した魔力もつほむほむになるんです」

職人の永年の経験の技は 一切の無駄がないのだ


「まだまだ子供のほむほむには マミマミーの背骨と水だけを与えて、純粋な、不純な魔力を一切含まないほむほむに育てあげます」
「そうすることで、個体差のない、安定したほむほむを作ることが出来るんです」


「一度に育てられるほむほむの人数は 無理をしても250人が限界なんです」
「そのうちの ほんの30人ほどが魔法少女になり、各家庭のまどかを守ります」


ーーほむほむは何故まどかをまもるんでしょうか
「それは、分かりません 」
「ですが まどかを見る時のほむほむの目には慈しみ、恋慕とも憧れともつかない深い感情があるんです」
「ほむほむは まどかの事が大好きなんですよ、大切な人を守るのに きっと理由なんていらないんです」

魔法少女職人の朝は早い
彼は明日も ほむほむを育て 愛し 叩き 恨まれながら 暮らしていく


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