前編
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homuhomu_tabetai
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━━ 前編 ━━『トンネル』
「やっぱりアンタ達か」
アタシの予想は当たったよ。犯人はこいつらだった。
「ホムッ♪」ホムホムダヨ
「ホミャ」コンニチハ
押し入れの中から物音が聞こえたんだよね。蜥蜴や百足の足音とは少し違うやつ。
ちょっとリズミカルに「トトトッ、タタタッ、カリカリカリッ」って音がね。
こう言う感じの音を出すのは、概ね小型の哺乳類っぽい生き物なんだよ。
具体的には鼠とか、もしくはイタチの子供あたりのイメージかな。
でもアタシの予想の本命は、見た目は小型哺乳類っぽいけど、
実は謎多き不思議生物のコイツらだったのよ。
「ホムゥン…」タハハ…
「ホミィ///」ミツカッチャッタ
この可愛らしい、おバカ達……
人間に見つかった時にその反応じゃダメだと思うよ?
少しは隣で怯えてるめがほむの臆病さでも見習いなs……
「あっ……」
「ホビャァ…アァ…アァァ…」チョロロッ…
ちょっ、めがほむ! それ酷くない?
何でアタシみたいな可愛い女の子の顔を見てお漏らしすんのよ……
しかもそこ、アタシの部屋の押し入れの中だし……
「ホムムッ ?」ドウシタノ ?
「ホビャ…ァァ…」コワイ カタカタ…
「ホミィ ?」ナニガ ?
「アンタらの性格、足して二で割ってあげたいわ……」
いつも思うよ。この子達こんな性格で、よく絶滅しないよねって。
やっぱ数の力なのかな? 子だくさんってスゴイね。
「ホムムッ♪」オネエサン
「ホミィ」アソボ♪
うーん、とりあえず何匹いるんだろ? いち、にぃ、さんまの、しっぽで……
…………………………
………………
アハハ。かなり多いわ……
「ホムホムッ///」ヨロシクネ
「ホミィ♪」ヨロチクネ
「いや……。ヨロシクされても困んだけどね……」
えっと、ごめん。野良のほむほむ達になつかれても、あんまり嬉しくないんだよね。
頻繁に餌をねだられたり、勝手に部屋に浸入されたりして困るらしいし、
それに、もし情が移っちゃったら、死なれた時にちょとだけ悲しいだろうしさ……
アンタ達って、すぐに死んじゃうんでしょ?
「ホムムーッ」オネーサーン
「ホミミィ~」アソンデヨォ~
そう言えばこの子達、どうやって押し入れに入ったんだろ?
普通に入り口を開け閉めするのは、サイズ的に絶対無理だろうし……
仔ほむはともかく、大人のほむほむが浸入出来る隙間があったらマズイよね。
「ホムゥ ?」ナアニ ?
「ホミャァ ?」クビカシゲ
そうだね、聞いてみよっと。鼠とかとは違って、言葉は通じるんだし。
「ねえ、アンタ達さぁ。どうやって、この中に入ったの?」
「ホムッ !? ホムゥ///」ニヤニヤ
「ホミミィ///」ニマァ~
何? この得意気な顔は。何となく嫌な予感がするんだけど……
まあいいや。とりあえず情報を聞き出さないとね。
「ホムホムー」トテトテ タタタ…
「ホミュミュン」ピョンピョン
えっと、ここ? これ、衣装ケースの向こうなの?
うーん、これは……。嫌な予感が当たりそう……
ちょっと重いね。よいしょっと…………あ!?
「げっ! ナニコレ……」
「ホムムン♪」トンネルダヨ♪
「ホミィ///」トンネルダヨォ~
「トンネルだよって……」
何となく、そうじゃないかなって思ってたけど、ちょっとビックリしたよ……
ほむほむに言われて、押し入れの中の衣装ケースを動かしたら、
押し入れの隅っこのとこ。何とそこには、小さなトンネルがありましたとさ……
「ホムッ///」スゴイデショ
「ホミュッ♪」カッチョイイデショ♪
「アンタらねぇ……」
ほむほむが、嬉しそうにトンネルを自慢してるよ。
無邪気って言うか、馬鹿って言うか……
うん。馬鹿に一票いれとこう。
でも、本当に誇らしげだよね。そう思えるだけ頑張って、このトンネル掘ったんだろうけど……
この穴を封鎖するって言ったら、一体どんな顔するのかな……
ん? あれ? 何だかその顔……。すごく見てみたいんだけど……
……何でだろ……
トンネルの大きさは、ゴルフボールより少し大きいくらい。
ほむほむが使うだけなら、もっと遠慮したサイズでも良かったんじゃない?
「これさぁ、アンタ達が掘ったの?」
聞くまでもない事だけど、一応確認しといたよ
「ホムホムッ」ソウダヨ♪
「ホミュン///」ガンバッタヨ
「ホムムッ」エライデショ
「ホミィ♪」ホメテイイヨ
「ホムムッ」ドヤッ
駄目だわ。全く罪悪感が無いみたい。
人の部屋の押し入れにトンネル掘ったくせに……
これだから、ほむほむは……
「マドッ…」……
えっ? 「マド」? 今のは……
「マドッ…」カリカリ カリカリ
「ホミィ♪」オカアサン
「ホムゥ///」ゴメン
「ホムムゥ」ワスレテタ… カリカリ
あっ、まどまどもいたんだ。でも、何で一匹だけトンネルの向こうに?
つーかこいつら、アタシの前で堂々とトンネルの拡張工事始めてるし……
ここは、怒ってもいい場面だよね?
「コラ! ちょっとアンタら……。あっ……」
「ホムゥ ?」キョトン ?
「ホミ ?」クビカシゲ
「マドォ…」ペコリ…
あはは、駄目だ。こりゃ怒れないわ……
トンネルの向こうで、申し訳なさそうに頭を下げたまどまどを見たら、
アタシはもう、この子達を怒れなくなっちゃったよ。
「マドッ…」カリカリ カリカリ
「ホムムッ…」ムリシチャ ダメ
「…マドォ///」ダイジョウブ
この子。妊娠してるんだもん……
なるほどね。あのお腹じゃ、このトンネルは通れないわけだ。
妊娠したあの子のために皆で頑張って、新しい出入口でも作ってたのかな……
「ホムムッ」アナホリ カリカリ
「ホミュッ」ガンバル♪
「ホミィ~」ガンバレ~
「仕方ないなぁ……」
たまには、良いことしましょうかね。
アタシも物好きだよ……
「ほら、ちょっと下がりなよ」
「マドォ ?」
「ホムゥ ?」
「アタシに任せなさい。一分もかかんないよ」
棒ヤスリで押し入れの穴をガリガリやっちゃった。
うぅっ、お父さんに怒られる……
アタシって、タマーに、勢いで行動しちゃうんだよね……
「ホミュミュゥ !!」チュゴイ !!
「ホムムゥッ !!」チカラモチ !!
「ホミャ~ン///」カッチョイイ
「マッ…マドォ…」アリガトウ ウルウル…
あはは、いっちょまえに誉めてくれんの? ありがと。
こらこら、この程度で感動して泣かないでよ。照れるじゃん……
……ガリガリ・ガガガッ・ガリガリ……
うん。こんなもんだね。
「はい、完成。まどまど、通っていいよ」
「マドドォ///」アリガトウ モソモソ… スルリ…
「ホミィ♪」ヤッタァ
「ホムムゥ///」トオレタ ! スリスリ
「ホミャァ~」オカーサン♪ スリスリ
「マドォ///」ミンナ アリガトウ…
あはは、可愛い。なんか映画の一番いいシーンみたい……
ほむほむ達が、こんなに可愛いなんて知らなかったよ。
もしかして、今まで人生損してたかもね。
「ホムホムッ」オネエサン
「ホミャン」ダイチュキ♪
「マドドッ///」ペコリ
「あぁ、駄目……。目尻がどんどんタレてきちゃう……」
あはは、どうしよう、これ以上タレ目になったら、ちょっとマズイかも……
ちなみにこの後。軽い気持ちで、ほむほむ達の記念撮影とかやってあげたんだ。
ちょっとしたアクシデントが入ったけど、面白かったよ。
「ハイ、チーズ」
「ホミィ ?」チーズ ?
「ホムムッ !」チーズ !
「ホムホムムッ」チーズ チーズ
「マドドッ♪」タベタイ
「アハハ、はいはい。お約束のボケ乙乙……」
よし、いくよ「カシャッ」「ピカッ」……
「ホビャアアアアァァァァァアアア!!!!!!!」ビクッ オロオロ ガクガク チョロロ…
「えっ!? めがほむ??」
「…ホ…ヒャ…ホッ…」ピクピク プクプク… ポテン…
「ホミャアァァッ!!」オネータン!!
「ホムラチャアァァン!!!」シッカリィィ!!!
カメラのフラッシュに驚いためがほむが、泡をふいてひっくり返ちゃった。
めがほむって、ホントに臆病なんだ……
えっと、とりあえずゴメンね。めがほむ。
「……」プクプク…
「ホミャアァ…」オネエチャン… オロオロ
「ホビャアァァ…」シナナイデ ポロポロ
「いや、死なないでしょ? たぶん……」
でもさあ、あの時のほむほむ達の反応って、マジで可愛いかったなぁ……
「ホビャアア」「ホミャアア」「ホムラチャーン」って叫び声は絶品だったし、
めがほむは泡吹いて、ピクピクしながらひっくり返ってたし、
不思議な踊りみたいに手足パタパタしながら走り回ってる子達も面白かった。
涙目でオロオロしてた子達も良かったなぁ。
マジでみんな、すっごく可愛いかったんだよ。
あれって最高だよね? 録画しとけば良かったよね。
アタシほむほむ大好きになっちゃった。