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晩餐

最終更新:

homuhomu_tabetai

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作者:MTQXCp2c0

619 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage] 投稿日:2011/12/23(金) 23:13:12.93 ID:MTQXCp2c0




「あー、日差しが暖かい」

久しぶりに昼間の温度が高めなので近所の公園で少し外の空気に触れていた。
暖かい缶コーヒーを片手に、もう葉もおちきった並木道をベンチにすわりながら眺めている。

ボケーっと日向ぼっこをしていたが、不意に小さな音が聞こえた。

キュー グルル

鳥の鳴き声でもない、野良猫の鳴き声でもない、変な音が断続的に聞こえてくる。
興味をもった俺は音がしたと思う方へむかった。

「こっちの方だと思うんだけどなぁ」

向かった先は一本の木が生えており、落ち葉が根元に集められている。

ホムゥ…ヒモジイヨ…

泣き声からどうやらほむほむがいるらしい。
この季節はもう冬を越すための準備を終え、巣にこもっているはずなのだが…

とりあえず落ち葉をどけてみる。

ほむほむ「ホムッ! ホムムー!」

浅い穴に入ったほむほむが驚いて声をあげている。
その声は小さくこちらを驚きと怯えのまざった表情で見上げてきている。

そしてほむほむを見つけた俺の顔は、きっと間抜けだっただろう。
そのほむほむが、異様な風貌をしていたからだ。

長いはずの黒髪はさやさや並に短くなっており、しかもぼさぼさで汚れている。
ほむ服も汚れ、そこかしこが破れてぼろぼろだ。

しかし、なによりも気になったのはそのほむほむには左腕が無かったことだ。


ほむほむ「ホム…ホムゥ…」ナミダメ

ほむほむは怯えながらも逃げようとしない。
いや、逃げたくても逃げられないのか。

グーキュルルル

残った右腕でおなかを押さえている様子を見ると、このほむほむは飢えてもう動けないようだ。
よくみればその顔はほむほむ特有のやわらかい頬もこけ、顔色も悪い。

「お前、腹減ってるのか?」

ほむほむ「…」コクリ

どうやら餌の蓄えに失敗したほむほむのようだ。
左腕をさやさややあんあんあたりに食べられ、それでもなんとか逃げてきたのか。
だが、それにしては違和感がある。
それはまだ黒ずんでいない血の後のような染みがほむ服についていること、
そして無事だとおもっていた右手の指が何本かなかった。

まさか、このほむほむ…

「お前、もしかして…その腕や髪の毛、自分で食べたのか?」

ほむほむ「ホビャァ…」ナミダメデウナヅク

あまりにも食料が無いとき、群れで一番の年長ほむが自分を餌として群れの若い命を守るという話を聞いたことがあるが、
まさか自分自身を餌にしたほむほむというのは聞いたことがなかった。


ほむほむ「ホム…ホムホムゥ」ペコペコ

右腕でなんとか身体を起こし、俺にむかって力なく頭をさげる。
どうやら餌をねだっているのだろう。
しかし、あいにく食べ物は持ち歩いていない。
それでも何か無いかとポケットを探ると、飴玉が一つだけあった。

「こんなものしかないけど、よければ食べるか?」

ほむほむ「ホム?ホムーホムン!」クレルノ?アリガト!

ほむほむが食べやすいように袋に入った状態でまず砕き、それから袋を開けてほむほむに飴玉の欠片を上げる。

ほむほむ「ホム…ホム」アマイ・・・オイシイ

一心不乱に欠片をかじるほむほむ。
しばらくその様子をみていたが、そろそろ日もおちるころだ。

「それじゃほむほむ。がんばって生きろよ」

それだけ言い残してその場をたちさる。
後ろからほむほむの精一杯の声を受け取りながら。




翌日、気になってほむほむの様子を見に行ってみた。
野良に餌をあげるのはあまりよくないのだが、やわらかいパンを買ってきている。


ほむほむは死んでいた。
俺が上げた飴玉の欠片を足りない指で握り締めながら、小さな穴で息絶えていた。


ほむほむの最後の晩餐は、俺のあげた飴玉だったのだろうか。
最後に口にしたものが自分の身体でなかったのであれば、少しは救われて旅だてたのだろうか。

俺はほむほむの亡骸を持ち上げ、家に帰った。
庭にパンと一緒に埋めてあげるために。



ジャンル:ほむほむ 自然


感想

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  • これくらい謙虚なら飼う気もわくってもんだよな
    こんなほむほむなんて何万匹に一匹だろうけど

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