記念日
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作者:uXbicgiAO
567 名前:『記念日』[sage] 投稿日:2012/06/06(水) 21:21:32.95 ID:uXbicgiAO
『ほら、ごはんよ』
ほむほむ「ホムッ!」アリガトウ!
主人からのもらったごはんにすぐさま飛び付くほむほむとその家族…
まどまど「マドッ」オイシイネ
仔ほむ「ホミュミュ」モグモグ
仔まど「ミャロン」パクパク
『ふふふ、いっぱい食べてね』
そう言ってほむまど家族に優しい笑顔を送る主人
…それには理由がある
『あの人がいなくなって…明日で一年か…』
元々この家族は彼女の飼いほむではなく、彼女が恋していた男性の飼いほむだった
ほむほむ「ココジャナイ…」ゴシュジン…
まどまど「アンマリダヨ…」サミシイヨ…
だが、その男性は不慮の事故でこの世を去った…
そして事情を知らないほむまどは飼い主のいない部屋で帰りを待ち続けた
『そんな暗い顔しないで…そうだ!なら明日は家に来て一周年パーティーをやりましょう!』
ほむほむ「ホムンッ!」パーティー!
まどまど「マドンッ!」ホントッ!
そんな主人の帰ることのない部屋に来てくれたのが一人の女性…今の主人だ
彼女から話を聞かされた時、ほむまどは泣いた…声が渇れ、深い眠りに着くぐらい泣き果てた
『うん、だから明日は楽しみにしててね』
ほむほむ「ホムッ!」ウン!
だが、彼女の優しい世話により、ほむまどはまた笑顔を取り戻し、仔宝にも恵まれた
ずっとこんな幸せが続けばいい…そんな事をほむまどは心の中で思って毎日を過ごしていた
………
……
…
ほむほむ「ホムゥン…」オリョウリ…
まどまど「マドドン…」マダカナ…
そして翌日…二匹はケージでパーティーの時を待っていた
『ちょっと手伝って欲しいから仔共達も来て欲しいんだ』
あの会話から仔共は主人に付いていき、長い長い時間待ち続けた
ほむほむ「ホム…」
もしかしてあの時のように…前の主人のようにもう戻って来ないんじゃないか…
ほむまどは自然とそんな不安を抱く…
まどまど「マド…」
そして不安は徐々に二匹を包み…気が付けばガタガタと震えていた
何でもいい…早く戻って来てご主人…
ガチャ…
『お待たせ』
ほむほむ「ホムッ!」ポロポロ
まどまど「マドッ!」ポロポロ
よかった…ちゃんとご主人は戻ってきた
その事実に二匹は大粒の涙を流して喜んだ…
『ちょっと手の込んだのを作っててね』
コトッ…
そう言って二匹の前に出来立ての料理を置く
ほむほむ「ホムー」ゴハンダー
まどまど「ウェヒヒ」ナニカナー
温かな湯気の昇る美味しそうなシチューと綺麗なデコレーションのケーキ…
そして…
仔まど「」イチゴノカワリ ナマクビ
仔ほむ「」ニコマレ トロトロ
その料理を彩る…変わり果てた愛しい仔共の姿でした
ほむほむ「ホ…ホビャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」コドモォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!
まどまど「マドォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」イヤァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!
『気に入ってくれた?暴れるから作るの大変だったんだよ』
いつもの優しい笑顔を浮かべる主人…
しかしほむまどにはその笑顔がまるで違うものに見えました
ほむほむ「ホ…ホムホ…」ナンデ…コンナコトスルノ?
『なんで?そんなの決まってるじゃない』
『私はね…』
『あなた達が大っ嫌いなの』
まどまど「マド…ド?」キライ?ドウシテ…ポロポロ
ほむほむ「ホムァァァァァ…」ナニモ…ワルイコトシテナイヨ…ポロポロ
『えぇ、あなた達は何もしてない』
『…何も出来ないから…あの人をあなた達なんかに取られたのよ』
主人の話すあの人…かつて彼女が恋をし、純粋に愛していた男性…
『私は本当にあの人が好きだった…』ギュ…
まどまど「マドッ?!」ツカマッタ?!
ほむほむ「ホムゥゥゥゥゥ!!!!!」マドカヲハナシテ!!! ピョンピョン
『あの人の為なら何だってやった…仕事に困ってると言えばお金を工面して作った、料理の出来る女が好きと聞いたから料理学校に通って調理師の資格まで手に入れた』グググ…
まどまど「マギギギギギギギギギギ!!!!!!!!」
ポロポロとほむほむの様に大粒の涙を流しながら胸の内に秘めた全てを吐き出していく…その手にまどまどを握りながら
『優しい人が好きだって聞いたからそれこそ血の滲むような努力をした…暗いって言われた自分もあの人の為に無理矢理変えたの!!!!』グチャ
まどまど「マギャ…」ブチッ
ほむほむ「マ…マドカァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!」ポロポロポロポロ
潰れたまどまど…それを無造作にケージに投げ捨てる
『なのにあの人は私を見てくれなかった…』
ほむほむ「マドカ!マドカァァァァァァァァ!!!!!!!!!」コネコネ ポロポロ
半狂乱になり、主人の言葉など耳に入らない…しかしそれでも構わず話続ける
『それどころか「君は強い女だから一人でも大丈夫だろう…だけどこのほむほむ達は僕がいないと生きていけないんだよ…」…そう言って私じゃなくてあなた達を選んだの』ガシッ!
ほむほむ「ホムッ!?ホギャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」テアシモタレテ ヒッパラレ
『私はそんな言葉が欲しかったんじゃない!少しでもいい!!あの人に私を見て欲しかった!!』ギギギ…
ほむほむ「ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」テアシダッキュウ ギチギチ
『あの人が死んだときはあなた達なんか放っておこうと思って…でも出来なかった…あの人が唯一残していったものだったんだから…』スッ…
ほむほむ「ホ…?」タスカッタノ?
『でもやっぱり抑えられなかった…一年我慢してもあなた達は好きになんかなれなかった…それどころか…こんな無力な生き物にあの人を取られたって思いだけがずっと私を苦しめた…』
『だから…もう我慢はやめたの…あの人を奪ったあなた達なんか…………』ブチブチ
『大 っ 嫌 い よ!!!!!!』ブチンッ!
ほむほむ「ホギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」ダンマツマ
………
……
…
『あはは…もう邪魔者はいなくなった…』
『これであなたは私だけを見てくれるよね…』
『うっ…うぅぅ…』
…部屋にはただ悲しい泣き声が響く
そこには自分の望みを最後まで叶えられなかった女と…
ほむほむ「」
まどまど「」
仔ほむ「」
仔まど「」
その悲しい運命に振り回された一つの家族があった…
『終わり』