その1
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homuhomu_tabetai
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「ホムッ、ホムホムッ!!!」
それじゃ、行ってくるね!!
「マドマドー///」テフリフリ
いってらっしゃい///
その日もいつものように、まどまどに挨拶をしてアタシは食べ物探しに出かけた。
まどまどと出会ったのは何日か前…アタシの家の近くで倒れていたんだ。
驚いたアタシは、気を失っていたまどまどをおぶって、家に連れて帰った。
寝床に寝かせてしばらくすると、まどまどは目を覚まし…きょろきょろした後に縮こまって…ガタガタと震えだした…。
…たぶん…なにか危険な目に合ったんだろう…。
…だけど怪我をしているようには見えない…とりあえず、落ち着いたら話を聞いてみよう…。
…もしかして…人間に?
…人間の中にはアタシ達を捕まえてひどい事をやるのが居るって聞いた事があるな…アタシは会った事ないけど…。
…かわいいって言って、食べ物をくれる人間の方が多いと思うんだけど…もしそうなら…よほど運が悪かったのか…この子…。
そんな事を考えながら、気が付いたまどまどに水を持っていった。
「…ホムホムホム」
…気が付いたみたいね…お水飲む?
「…マドッ!?!?…マドマド…」
え!?…あ…ありがとう…
まどまどはアタシの声に驚いた顔をしたけど、ほむほむだって分かると水を受け取って、一気に飲み干した…。
『…ありがとう…』
『いいわよ。まだ飲む?』
『…あ…もう一杯…ちょうだい…』
まどまどは遠慮がちにそう言った…。アタシは水を汲み、再びまどまどに手渡した。
『…ありがとう…いただきます…』
今度はゆっくり飲みだす…どうやら落ち着いてきた様子ね…。
『たいした事じゃないわ…それより…アンタ、どうしてあんなトコにいたの?』
アタシはまどまどに聞いてみた。まどまどは記憶を思い出すように、少しづつ話し出す…。
…自分の家が人間に襲われた事…両親と妹が捕まってしまった事…自分だけが人間の隙をついて逃げた事…
まどまどは話し終わると、またガタガタと震えだして…泣き出してしまった…。
話を聞きながら…アタシは驚いた…。この家にずっといるけどアタシは危ない目になんか会ったこと無い…。
食べ物を探しに行ってもそうだ…人間がアタシを見ても何もしてこないし、逆に食べ物をくれる事もある…。人間ってそんなことするの…?
…アタシが、たまたま運がいいだけか?…どうなんだろ?
…と言うか…この辺りでアタシ以外に仲間を見かけた事って無かったな…。
ほむほむが居る辺りは静かな場所で、あまり人間が来ない場所だった。
このほむほむが会う人間も、大体同じ人間である事をほむほむは知らない…。
その人間達が優しい人間であったのは、本当に幸運だったのだ。
知る人ぞ知る、隠れアイドルのような感じだったのかもしれない…。
…ちなみに、このほむほむの両親は天寿を全うして死んでいった…。
その為、ほむほむがまどまどの話を信じられなかったのも無理は無い。
「…ホムホム…ホムー…」
…そうだったんだ…大変だったんだね…
「…マドマド…」
…ごめんなさい…
それだけ言うとまどまどは黙り込んでしまった。
『そうだ!!アンタがいいなら…ここで暮すといいよ!!』
『え!?…それは…悪いよ…』
『気にしないで…他にいくアテはないんでしょ?』
『…それは…そう…だけど…』
『なら決まりね!!』
まどまどに有無を言わさずに決定!!
…ホントはアタシが…ちょっと寂しかったのもあるんだけど…それは内緒///
こうしてアタシとまどまどの同棲生活が始まった。
まどまどはまだショックから立ち直れてないので、食べ物探しは専らアタシの仕事になった。
アタシが外に出ている間にまどまどは家の中の掃除なんかをやってくれてる。
…帰ってきて誰か居てくれるって…なんか嬉しい///
…それに…まどまどって…かわいいし///…ずっと一緒に居られたらいいな///
…でも…まどまどって…積極的過ぎ///…まだ好きも言ってないのに…襲われちゃった…///
…お腹…大きくなってきたなぁ…明日には生まれそう///
…アタシ達の子ども///いい子に生まれるんだぞ///
…あ!生まれたらまどまども…ずっと居るよな?…じゃないと困る!!
…そして冒頭に話は戻る…。
無事に出産を終えて、いつものように一人で出かけたアタシは、考え事をしながら食べ物を探す。
…アタシって…ホントへたれ!!…結局昨日もまどまどに好きって言えなかったし…あ~あ…
…いっそ…まどまどから言ってくれるのを待つ?…いやいや!!それはダメだろ…
…でも…好きって言ってないのに子どもまで居るって…順番間違えてるような…うーん…
まぁ…いっか!!まどまどもチビ達もかわいいし///アタシは幸せだよ~!!
気を散らしながら探すので食べ物はなかなか見つからない…いつの間にか昼も過ぎてしまった…。
いけない!!時間かかりすぎた…どうしよう…お腹空いちゃったし…まどまどとチビ達が待ってるし…
アタシが途方に暮れていると、ベンチに人間が座っているのが見えた。
あ!!あの人間に頼んでみよう!!もしかしたら食べ物をもらえるかもしれない…よしっ!!
アタシは駆け出して…人間に声をかけた。
「ホムーッ!!! ホムホムホムーッ!!!」
おーい!!なにか食べ物ちょうだい!!
でも…人間は目をつぶったまま答えない…アタシはもっと大きな声で呼びかけた。
「ホムッホムホム!!!」
たーべーもーのーちょーだいー!!
声に気づいてくれたのか、人間が目を開けた。もう一押し!!
「ホムホムッ!!!…ホムホムホムー!?」
ごはんちょうだい!!…聞こえてるの!?
人間はアタシを見つけると、少し考えるようなそぶりを見せる。
…なに考えてんのよっ!?ごはんちょうだいよっ!!聞こえないの!?
すると…人間は、アタシ方に顔を向けると…ニコッと微笑みかけてきた。
え!?…笑顔じゃなくて…アタシは食べるものが欲しいの!!もう!!聞こえてるのは分かってんだからね!!
アタシは叫んだ…でも人間は微笑んだまま動こうとしない。
なんなのよっ!?この人間!!もー!!ごーはーんー!!
アタシはあんまり腹が立ったので、目の前の大きなな靴をポカポカ殴り始める。それでも人間はかわらない…。
…もー!!…手が痛くなっちゃった…なんなのよ…もういいわ!!ケチ!!
…仕方ない…今日は家に帰ろう…まどまども心配してるだろうし…
アタシは家のほうに向かってとぼとぼ歩き出した…
家のある茂みに入ろうとした時、大きな影がアタシを包んだ…。
アタシは驚いて振り返る…そしたらそこに…さっきの人間が来て…微笑みながらアタシを見ていた…。
…え!?なに!?…さっきはアタシの事…無視してたのに…
「…ホムホムッ!?ホムーッ!?」
…なに!?なにか用!?
アタシは人間に言った…でも、人間は微笑んでいるだけで何も言わない…。
…気持ち悪い…あ!このまま家に帰ったら、この人間をまどまどが見ちゃう…まどまどを怖がらせちゃいけないな…
…そうだ!あそこに行ってみよう!…あそこは狭いし、もうこの人間も着いて来ないだろう…もしかしたら食べ物も落ちてるかも…
思い出してアタシは、この人間から早足で離れ、よく人間達が座っているモノの下に入り込んだ…。
…ここなら大丈夫…さて!!あるかなー?ごはん~?
…うーん…時々あるんだけど…今日は無いのかなー
…ん~後ろに…なにかあった…え!?!?
後ろを振り返ったアタシは…一瞬息が詰まった…アタシの目に…またあの微笑が映し出されていた…。
…な…なんなのっ!?またあの人間!?なんでなの!?!?
アタシは怖くなって大きな声を出しながら走り出してしまった…。少しでも遠くに逃げたかった…。
…後ろを…ダメッ!…振り返っちゃダメ! …はぁはぁ…
…どっかに…隠れなきゃ!!…どこに…あ!!あそこに…隠れられそう!! …はぁはぁ…
走りながら隠れられそうな場所を探してると、ちょうどいい隠れ場所を見つけた…。アタシは急いでソコに走りこんだ。
…はぁはぁ…ここなら…はぁはぁ…大丈夫…なはず…はぁはぁ…
…息を…はぁはぁ…整えなきゃ…はぁはぁ…はぁあ…はぁ…よし……じっとしてよう…
少し安心して…アタシは考える…。
…あの人間…なに?…アタシのことを捕まえようとしてるの?…でも…捕まえようと思うんなら…もう捕まってるはず…だよね?
…なにがやりたいのかわかんない…今まで…こんな怖かった事…無かったし…まどまども…こんな感じだったのかなぁ…
「…ホ…ホム…ホム…」
まどまどの事を考えていた時に思わず声を出してしまった!!…小さい声だから…大丈夫だよね…?
ひざを抱えて縮こまってじっとしている…大丈夫…ふぅ…。
と安心した瞬間!! 突然周りが明るくなった!!
アタシを隠してくれていた屋根が無くなって…
代わりに…微笑があった…。
「…!?!?!?…ホッ!!!!!!」
…また…まただ…またこの人間だ!!
アタシは腰が抜けそうになるのを必死で我慢する…
逃げなきゃ!!…アタシの身体がアタシにそう言っている!!
頭の中が真っ白になり…
「…ホム…ホムッ…ホビャアアアアアァァァァ!!!!!!」ダダダダ゙ーッ
アタシはまた叫びながら走り出した…全力疾走…どこをどう走ったのか分からない…気づいたら真っ暗な建物の中に居た…。