その1
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homuhomu_tabetai
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…スタスタスタ…
「…ホミ!?…」ビクッ…キョロキョロ…
「ホミャーッ!!!」トテテテ…
「…今日はここで食うか……よっこいしょっと…」…ドサッ…
公園の木陰にあるベンチに座り…ペットボトルの清涼飲料をグイッと飲んでから、一緒に買ったサンドイッチを頬張る。
「…ふぅ…いつも変わらない昼飯だなぁ…誰か弁当作ってくれる相手…探さなきゃな…」モグモグ…
そんな事を思いながら食べていると…
…ホミュ…ン…
「…なにか聞こえたぞ……ん?…ほむほむっぽい鳴き声だったな…?…たしか…この下から…?」
俺は鳴き声がした…今、座っているベンチの下を覗き込む…すると…。
「……ホミャ……ホミ……」ブルブルブル…
日陰になって、申し訳程度に生えている草の中に…隠れるようにしゃがんでいる仔ほむの姿があった。
短い手で頭を押さえ…下を向いて震えている……よく見ると仔ほむの周りに、摘み取られたような花がちらほら落ちている。
「…仔ほむか…隠れているつもりかな?…んー…花が落ちてるのは…こいつが摘んだのか?…ここは、この仔ほむの遊び場なんだな…」
「…たしかにこの暑さじゃ…日陰じゃないとキツイよなぁ……でも隠れるなら、声出したらダメだよなぁ…」
仮にこの場所が仔ほむの遊び場なら…巣が近くにあるのだろう…親はエサ集めか…巣の中に居るのか…?…よし…。
俺は持っているサンドイッチを少しちぎって…仔ほむが隠れている所より少し離れた場所に置いた。
「……ホミ……」ブルブルブル…
仔ほむは気づかない…仕方ないのでベンチから立ち上がって少し離れ…出来るだけ優しく声をかける。
「…そこに居るのは知ってるよ…お腹空いてないか?」
「ホミャッ!?!?」ビクッ!! ブルブル…
仔ほむは突然の声に反応して…顔をあげて俺を見た…まだ震えている…
「そこに君のために食べ物を置いてあげたから食べるといいよ…大丈夫だよ…俺は離れているからね」ニコニコ
「…ホミャー?……ホミュッ!?!?……ホミューン…」オズオズ…ブルブル…
「…ホミー……ホミャッ!!!…ホミャホミャホミャ…?」ガバッ!!…クンクンクン…
食べ物の魅力に負けたのか…仔ほむは警戒しながらも…欠片に近づいて手に取る…そして匂いを嗅ぎだした。
「心配ないよ…俺が食べてるのと一緒だから…ほら!」パクッ…モグモグ…
「ホミャア…ホミュン///」アムアムアム…
ようやく警戒が解けたのか…欠片にかじりつき食べ始め…すぐに食べ終えてしまった。
「まだ食べるかな?…ほら…」ポイ…
「ホミャ///…ホミャン///」トテテテ…モキュモキュ…
欠片は俺に近いところに落ちたのに…そこまで走り寄って食べる…もう警戒は無いに等しいだろう…試してみるか…。
「…まだあるからね…ほら…」スッ…
今度は手に欠片を乗せて…仔ほむの方に差し出してみた…どうかな…。
「…ホミュー……ホミャッ!!!…ホミュホミュ///」…トテ…トテ……ガバッ…モチャモチャ…
少し戸惑った様子だったが…大丈夫と判断したのだろう…近寄って食べる。
「そうだ!喉も渇いただろう?…これでいいか…ほら」コトッ… …ホミャア?…
ペットボトルの蓋に、清涼飲料を入れて仔ほむの前に置いてやる…また匂いを嗅ぎだしたので俺が見本を見せる。
「…ゴクッ…ゴクッ…プハッ!!ほら!大丈夫だよ」
残りを全部飲み干す…仔ほむはそれを見て…キャップに手を入れて舐める…。
「…!?…ホミャミャア///」チュッチュッチュッ…
気に入ったのか目を輝かせると…洗面器に顔を漬けるような感じで勢いよく飲み始めた。
「…ホミッ…ホミッ…ホミャァ…」ケプッ サスサス…
飲み終えると、満足したように腹をさする…もう…警戒心は無くなったな……ん!?
「…ホミュゥン///……ホミュッ!!!ホミャホミャッ!!!」トテテテテ…
仔ほむは目を輝かせて…走っていってしまった…
「…捕まえ損ねたか?…まぁ…追いつくのは簡単だけ…ど…!?」
俺が追いかけようと仔ほむの走っていった先を見る…そこには花が咲き…その花を仔ほむが摘んでいた。さっき落ちていた花と同じ花だ。
とりあえず成り行きを見ようとじっとしていると…仔ほむが両手一杯の花を持って…俺の方に駆け寄ってきた…。
「ショレニハ///オヨバニャイワ///」トテテテテ…
そばに来ると花を差し出された…。
「…くれるのか…?」「ホミュン///」コクン
花を受け取ると、仔ほむは俺の指にしがみつき…ほお擦りをしてきた…親愛の証なのだろう…単純なものだな…。
…しかし…最初は怖がっていたのに…こんなに早く慣れたのは…もしかして飼われていたのか?
いつの間にか…仔ほむは手のひらまで上ってきてゴロゴロと寝転んでいる……間違いない…まだ捨てられて間もない飼いほむだ…警戒心が薄すぎる…。
それに俺の言葉もある程度理解しているみたいだしな…飼いほむまどの特徴だ…。
…まぁ…元飼いだろうと野良だろうと俺のやる事に変わりは無い…。
俺は仔ほむを手に乗せたまま立ち上がった。
「ホミャァァ///ホミュゥ///」
高いところに急に連れて行かれたのに…仔ほむは喜ぶ…以前の主人もよくやっていたのだろう…。
「この花…さっきの食べ物のお返し…かな?」「オリョカネ///」コクン
手に持っていた花を笑顔で仔ほむに見せる…仔ほむは頷く………本当に天真爛漫な生き物だ…。
「そうか…でもこれは…全く釣り合ってないな!!」グシャッ!! …ポイ…
「ホミッ!?!?」
…俺は笑顔のまま花を握りつぶし…投げ捨てた…。
「ホ!?!?ホミュッ!?…ホミュッ!?」
ナニが起こったのか…仔ほむは理解できないようだった…仕方ない…教えてやるか…。
「あのさぁ…俺がお前にやったエサが…こんな花と釣り合うと思ったの?アレは俺の大事な昼飯だったんだぞ…」ニコニコ
「…ホ!?!?…ホミャァァ…」ブルブル…
「…おいおい…『ホミャア』…じゃないよ……釣り合うモノ出せよ」ニコニコ
「…ホミ…ホミィィィ…」ブルブル…ジョワー…
「おいっ!?…汚ないな…エサに釣り合うモノって…ションベンか?…お前…舐めてるだろ!」コロン…
「ホミャッ!!!」ポテッ…
仔ほむを反対の手に移し変え、小便をふるい落とす。
「…ミャロ…カ…」ズリッ…ズリッ…
仔ほむは四つんばいになって…俺から逃げようとする……どこに乗ってるのか忘れてるのか…?
「ホミャッ!?!?……ホミャァ…」フルフル… ズリズリ…
「…逃げられないよ…それとも…この高さから落ちてみるか?…もしかしたら助かるかもな…」ユラユラ…
「ホミャッ!?!?ホミャーッ!!!ホミャミャーッ!!!」アタフタ…
手のひらを揺らすと、仔ほむは落ちまいとして…俺の指と指の間に腕を絡め必死で耐える…。
「そらっ!!」ポーン…
「ホミャアアアァァァァーッ!?!?!?」ヒューン…
「…キャッチ!!「ボミ゙ャッ!!!」ボテッ!!
「そりゃっ!!」 ポーン…
「ホミュウウウウウゥゥゥゥゥー…」ヒューン…
「…おっと!!「ホミ゙ョッ!!!」ボテン…
「あぶねー…ホントに落としかけた…落として死んだらつまらんからな…」
「…ホミャ…ホ…ホミャー…」ピクピク…
「お!?震えが止まったじゃないか!良かったな!」
「…ホ…ホミ…」コヒュー…コヒュー… ピクッ…ピクッ…
「…それと…さっき言った昼飯に見合うモノだけどな……お前の命で勘弁してやるよ。…まだ全然足りてないけど…感謝しろよ」
仔ほむは失神寸前になっている…俺はベンチに置いてあった空のペットボトルに仔ほむを押し込むことにした。
グイッ!!
「…ホミャッ!!!」ポトン
「…フィルムは剥がして…と」ベリベリ…
「うーん…こいつだけじゃ面白くないな…この近くに巣もあると思うし…親も引っ張り出すか…」スタスタスタ…
ペットボトルを持って水道を探し…水を入れる。
キュッ…ジョロジョロ…
「あんまり入れすぎないように…ギリギリ足が底に着くぐらいに…」ジョジョ…ジョ…
「…ホヒ…?…ホミャー!?!?」
「ほら!さっさと起きろ!!」ワッシャワッシャ!!
「…ホブッ!!…ホビョ…ホブブ…」
「おー!起きた起きた!!…さてと…」スタスタスタ…
ベンチに戻り…改めてペットボトルを見る…。
「…ホビャアアァァァッ…ゴブッ…『ゴボッ…』…ボビェエエエェェェェェ…ホギョッ…」アップアップ…
「頑張れよ~!…もっと大きな鳴き声出せよ…お前の親に聞こえるように!」ワッシャワッシャ…
「…ボギョオオオオォォォォォー…『ゴボゴボゴボ…』…ゴビャアアアアアアアァァァァァ…」バシャバシャ…
「そうだ!!その調子だぞ!!…巣に親が居るならそろそろ…お!?」…ホムー…マドー…
ほむほむとまどまどの鳴き声が聞こえた……ペットボトルに蓋をしてベンチ前の地面に置き…少し離れる…。
「ホムッ!?!?ホムホムッ!!!」「マドッ!?!?ホムラチャッ!!!」キョロキョロ…
ベンチから少し離れたところにある…人間の子どもがよく遊んでいる地面に半分埋めた古タイヤからほむほむとまどまどが出てきた。
「…懐かしいな…俺もよくアレで遊んだな…うん…やっぱり最近だな…捨てられたのは…」
今日は週の中日…休日なら遊びに来た子どもにすぐに見つかっていただろう…あんな場所に巣を作るなんて…やっぱり足りないんだろうな…。
所詮…飼われていた動物の浅知恵だな…野良ならもっと見つかりにくい場所に巣を作るだろうに…。