久兵衛「リボほむは希少種ですが、簡単に捕まえる方法があるんです」
最終更新:
homuhomu_tabetai
-
view
作者:QLDHFBdMo
711 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage] 投稿日:2011/09/13(火) 23:30:59.41 ID:QLDHFBdMo
久兵衛「リボほむは希少種ですが、簡単に捕まえる方法があるんです」
凄腕のリボほむハンターの久兵衛氏は語る
久兵衛「まどまどに白まどエキスを一吹き掛けて、鳥篭に入れて野外に置いておくだけでいいんです」
久兵衛「普通のまどエキスでもいいんですが、効率を考えると高価な白まどエキスを使った方がいいんですよ」
背の高い樹の幹に結び付けられた鳥篭に視線を向けながら久兵衛氏は説明を続けた
久兵衛「この状態で何日か置いておけばリボほむが白まどの匂いにおびき寄せられてやってきます」
久兵衛「そのリボほむをまどまどの目の前で取り上げてやるんです」
そう言って、必死に鳥籠の入口を開けようとしているリボほむを久兵衛市は慣れた手付きでケージの中に入れた
ケージの中に入れられたリボほむはその場で泣き崩れ、まどまどは泣きながら鳥籠の隙間からリボほむへと必死に手を伸ばしている
久兵衛「目の前でリボほむを奪われたまどまどは、リボほむを失った悲しみと自責の念で泣き続けます」
久兵衛「その泣き声を聞いた他のリボほむは、まどまどを助ける為に鳥篭の元へやって来るんです」
目の前でリボほむを取り上げられ続け、泣きじゃくるまどまど
こうしてまどまどは、絶望し涙が枯れ果てるまで延々と泣き続けるという
己の泣き声が、リボほむを惹き寄せていることを知らずに……
久兵衛「絶望して泣かなくなったまどまどは、その殆どがそのまま弱って死んでしまうんです」
久兵衛「絶望したまどまどの大半は飲食物を一切口にしなくなり、やがて痩せ細って衰弱死してしまいます」
苦々しい表情で久兵衛氏は語る
久兵衛氏はまどまどを労るような手付きで鳥篭の中からまどまどを取り出した
まどまどの瞳は一切の光を宿していないかのように虚ろで、頬には涙の跡がくっきりと残り、
泣き疲れているのか見るからに憔悴しきっている
久兵衛「立派に役目を果たしたまどまどには最期に、一番最初に取り上げたリボほむと立ち会わせてやるんです」
久兵衛氏が運んできた大きなケージにはリボほむと白まど、それに仔リボほむと仔白まどが二匹ずつの家族が暮らしているという
久兵衛「白まどを繁殖させるためには、リボほむをつがいにあてがうのが一番なんですよ。白まど同士では滅多に仔供を成してくれませんから」
久兵衛「安定して血統書付きの白まどを供給するためには、たくさんのリボほむが必要なんです」
ケージの中のリボほむは仔共達に囲まれ、仔育てに奔走されながらも白まどと共に幸せに微笑みながら寄り添って過ごす
リボほむの笑顔は白まどと仔共達への愛情と慈しみに溢れ、まどまどと引き離された時の悲しみを微塵も感じさせない
愛する家族と共に幸せそうに笑うリボほむを見て、まどまどは両手で顔を覆いながら大粒の涙を流した
声を押し殺して泣くまどまどの存在に、忙しなく遊び回る仔共達の面倒を見ているリボほむは気付いていない
まどまどの涙は、己のせいで連れ去られてしまったリボほむの無事を確認しての安堵の涙だろうか……
それとも……
久兵衛「役目を果たしたまどまどは、同じ境遇のまどまどと一緒のケージに入れてあげます」
久兵衛「ずっとひとりぼっちで過ごさせてしまった子達ですから。せめて、最期に残された時間だけは仲間の温もりを感じながら過ごさせてあげたいんです」
そうやってようやく仲間と一緒になれたまどまど達は、弱々しくお互いの手を繋ぎ、寄り添い合いながら残されたわずかな時間を静かに過ごすという
まどまどを優しく撫でながら深いため息をつく久兵衛氏には、リボほむハンターとして生きる彼の深い業が見てとれた
久兵衛氏の手からそっとケージの中に放されたまどまどは、仲間のまどまど達の存在を見るなり、泣きながら仲間の元へ駆け寄っていった
まどまどは大粒の涙を零し顔をクシャクシャに歪ませながら、仲間のまどまどと抱きしめ合い嬉しそうに笑っている
久兵衛「こうして、まどまど達がほんの少しでも幸せを感じながら最期を迎えてくれるのなら……こんなにも嬉しい事は他にありませんよ」
毅然とした表情でそう語る久兵衛氏の背中には、まどまど達への確かな愛情と、リボほむハンターとしての確かな誇りがあった
終わり