熱気の満ちる街を越えて、建物の中に入る。
すると途端に冷房の利いた室内ならではの快適な室温が総身を包んで、少女は思わず小さく伸びをした。
昭和五十八年の夏と令和三年の夏とでは何から何まで勝手が違う。
北条沙都子のよく知る夏はこれほど暑くなかったし、かと言ってこれほど優れた冷房家電もありはしなかった。
病院だろうが扇風機と窓開けのみが涼む手段だったあの時代に比べて随分と手厚い。
もっとも、こうなった経緯については頷ける。元気盛んな年頃のはずの沙都子でさえ気が滅入るほど暑いのだ、この街は。
冷房を渋れば弱っている人間など簡単に死ぬだろう。
よりにもよって病院でそれをケチるような真似をすれば、此処が突然死の温床になるだろうことは想像に難くない。
「(……それにしても、さっきのは予想外の展開でしたわね)」
全く以って予想だにしない遭遇だったが、あの黄金球(バロンドール)と名乗った少年が自分を騙そうと策を弄しているようには見えなかった。
あれはある程度、信用に足る目だ。そういう目をしていた――そして、ならば利用出来る。
この閉ざされた世界の中においては、何者であろうと利用出来るに越したことはない。
だからもうこの時点で、沙都子の答えはある程度決まっていた。
件の組織のリーダーと実際に会ってみないことにはまだ判然としない部分があるものの、少なくとも今の時点で言うならば――彼らは、使える。
「(界聖杯を譲るつもりはありませんけど、使える相手をむざむざ見過ごすのは愚策。
あまり依存しすぎない形で関わりを持ちつつ、甘い汁はたっぷりと吸わせてもらう。
……リンボさんが余程反対でもしない限り、この路線で行くのがベストでしょう)」
それにしても――そんな連中が暗躍していることには驚いた。
素性の看破を恐れる余り、孤児院で暮らすやや素行不良気味な児童というロールを貫きすぎて情報収集を疎かにし過ぎていたそのツケだ。
子供達のみで構成された戦闘集団。東京の闇を駆け、ガムテなる首魁を勝たせるために滅私の殺戮を続ける連中。
界聖杯内界の住人は可能性に乏しい。端的に言って、発展性というものがない。
そんな彼ら彼女らが、リーダーの存在という指向性があるとはいえ一丸となってそこまで動けるという点は特筆に値するだろう。
にべもなく誘いを切って関わりを断ってしまうにはあまりに惜しい。
のめり込み過ぎない程度に留めつつ、適度に持ちつ持たれつの関係を築く。それが一番良い、そうに違いない。
「――割れた子供。そう言ってましたわね、あの人」
沙都子は処世術のプロだ。時を繰り返す中、幾度となく口先を使ってきたのだから当然である。
そんな彼女が、少々機嫌を損ねたくらいで不機嫌さを表に出すなど余程のこと。
けれどあの時は、どうも虫の居所が悪かった。黄金球が自分に向けてきた真摯な視線が、どうしようもなく癇に障ったのだ。
沙都子の生い立ちは、十人が見たなら十人が"悲劇"と認めるほどに恵まれていない。
再婚を繰り返す母親。反りの合わない父親。その二人が死ねば、今度は意地の悪い叔父夫婦に引き取られて地獄の日々を過ごし。
その片割れである叔母が殺され、見返りとでもいうかのように最愛の兄が消え。
挙句の果てが――アレだ。村を取り巻く陰謀を打ち砕き、未来へ踏み出した結果訪れたすれ違い。
変わっていく親友の姿を遠巻きに眺め続ける、まさに生き地獄のような日々。
それを見抜いて"割れた子供"と称したのならば、なかなかに鋭い洞察力だと言わざるを得ない。そこに関しては認めよう。――だが。
「(見込み違いもいいところですわ。私はもう、とっくの昔に満たされておりますもの)」
今の自分は違う。少なくとも沙都子は、そう思っている。
神に触れ、その力を賜り、新たなる巫女となった。
望む未来が約束されるまで、永遠に世界を繰り返す絶対の魔女。
そうなって久しい今の沙都子に、心の傷など。ひび割れなど、断じてありはしない。
――私はもう、満たされている。だからこそ、今や自分を勧誘に来た彼のことは滑稽にしか感じられなくなっていた。
「(ああ、でも。黄金時代(ノスタルジア)という名前は……そんなに嫌いじゃありませんけど)」
黄金球も、ガムテも、その部下たる心の割れた子供達も――全員。
誰も彼もを利用する。自分が勝つための糧にし、使い潰してみせる。
だが、件のガムテに接触するのは後回しだ。まずは当初の目的を遂げる。
施設からくすねてきた保険証を受付で提示して、さりげなく「出来れば院長先生に診察してもらいたいのだが、可能か」ということを聞く。
すると受付の女はにこやかな顔をしながら、この時間帯なら診察は院長がやっているから大丈夫だという旨を教えてくれた。
その表情に"この子も皮下先生狙いか、おませな子だなあ"という大変心外なものが見え隠れしていたのは置いておくとして、とりあえず皮下に会うまではつつがなく事を進められそうだった。
沙都子の孤児院では、児童の保険証は鍵の掛かった金庫の中に保管されている。
されど、そんなものはピッキングすればいいだけのこと。遊びの中で培った小手先の技術は、こういう場面でもきちんと活きてくれた。
待合室に通されて、無意味な検温を終え。
名前を呼ばれるのを待つ間、「それにしても」と沙都子は周囲を軽く見回した。
此処はどこからどう見ても普通の病院だ。だがその全権を握る皮下院長は、リンボ曰く"肉体からして人間ではない"のだという。
「(何があってもいいようにだけはしておかないと、ですわね。
此処まで上手く頭角を隠していたお方が、そんな短絡的な性分をしているとは思いたくありませんけど)」
懐のトカレフの感覚は沙都子を安心させてくれるが、相手が人間を逸脱した存在だというのなら一転これでは心許なくさえある。
今の沙都子はエウアの権能も働いていない、正真正銘ただの人間だ。
銃の扱いには長けている自負があるし、戦略だってそこらの凡百には負けないだろうと確信している。
ただ、肉体のスペックだけは話が別だ。そこだけは、幾ら周回して経験値を集めてもどうすることも出来ない領域だった。
……と、そうこうしている内に「北条沙都子さん」と看護婦が名前を呼ぶ。
椅子から立ち上がると、沙都子は普通の子供らしい、大人びたところのない表情を作って診察室へと向かう。
カーテンを開いて中に入れば、そこには沙都子の求めていた相手。院長・『
皮下真』が待っていた。
◆◆
「倦怠感に咳、午前中までは発熱……で、それは今は収まってると。
なるほどねぇ。多分ただの風邪だとは思うけど、一応診てみよっか」
北条沙都子が、『皮下真』に対して抱いた第一印象。
それはひとえに、こんなところだった。
「(……なるほど。これなら人気が出るのも納得ですわ)」
まず第一に顔が良い。甘いマスクを地で行く、絵に描いたような美男だ。
これならば年齢を問わず女性からは一定の人気が出るだろうし、口調も明るく爽やかだ。いい意味で若者らしい、とでも言おうか。
事実院に健康診断に来ていた時も、自分以外の女子はきゃあきゃあと黄色い声をあげていた。
沙都子の趣味とは違ったが、もしも"繰り返し始める"前の自分が出会ったなら、そのお硬くない人柄には多分好印象を抱いていただろう。
「あ、そういえば君。さっき産婦人科のゴロー先生が呼んでたぞ」
「えっ……? あの、でも、私の担当は産婦人科では……」
「ほら君、この前機材の搬入であっちの増援に出かけただろ?
もしかしたらその時に何か不手際でもあったんじゃない? 何にせよあの人怒ると結構こえーからさ、此処はいいから行ってきなよ」
「す……すみませんっ。終わり次第戻りますので……!」
診察に同伴していた看護婦にそう告げ、部屋から出す皮下。
その様子を見守りながら、看護婦が出て行ったタイミングで、口を開こうとした。
けれどそれよりも先に、皮下の方が沙都子に対する言葉を投げ掛けていた。
――あら、思ったよりもマメな方なのですわね。と、沙都子はそう思った。
「おいおい、駄目だろー? 職員が心配するぜ、勝手に抜け出してきたりしちゃ」
「……これは驚きですわ。まさかたかだか健康診断で訪れた園の子供の名前を覚えていらっしゃるなんて」
「当たり前だろ? このご時世、相手に欺かれるリスクは少しでも減らさなきゃだ。
で、とりあえずだけどさ。その包帯、取って貰ってもいいかな――北条沙都子ちゃん?」
沙都子が診察室に入るなり、看護婦を追い出した皮下。
そこに介在した理由に説得力があるにせよ無いにせよ、沙都子が驚くことはなかった。
何しろ彼女は既に知っている。皮下真は人間ではない。聖杯戦争の関係者である可能性が、極めて高いと。
そう思って遠路はるばる此処までやって来た。2021年の東京の酷暑を乗り切ってまで、訪れてやったのだ。
へらへら笑いながら言う皮下の姿を見て、沙都子もまた、もう何ひとつ隠す必要はないのだと理解する。
右手の包帯を外し、自身の令呪を露わにすると。皮下は、貼り付けた笑みを少し深くした気がした。
白衣の下の右手を、彼も見せる。さもそれは、「これでいいか?」とでも問いかけるように。
「オーケーオーケー。
ところで沙都子ちゃんは、飛んで火に入る夏の虫って諺。知ってるか?」
「ええ。ですけれど、生憎私は虫ではありませんの。
ちゃんとあなた方を食べてしまう気で此処にいるんですのよ?」
「はは、そっかそっか。いやな、実のところわざと情報を漏らしたりもしてたんだよ。
変に頭の良い奴を遺しとくと面倒だろ? だから敢えて俺のことを怪しませて、おびき寄せようとしてたんだ」
その点、君が俺の根城を訪れたことは。
幸いなのか、それとも災いなのか。どっちなんだ?
問う皮下に対して、沙都子はただただ冷静だった。
魔道に堕ちた彼女には、もはや単なる圧力などそよ風のようなものでしかない。
「……私のサーヴァントは、だいぶ目が肥えていますの。
私の住まう院にあなたが健康診断に来た時、その正体を見極めさせていただきましたわ」
「マジかよ。……えっ、いや何それ。マジで想定してないヤツなんだけど。なんて報告された?」
「人間の肉体ではない、と」
「あー。そっか、そっか。そりゃ申し開きのしようもねえなあ。
長生きする上でだいぶ弄ったからさ……それでも、外面だけは取り繕ってたつもりなんだけどな」
「別に、気にする必要はありませんわ。私のサーヴァントでなければ、多分気付かなかったでしょうし」
事実、沙都子には何の違和感も抱けなかった。
恐らくだが、肉眼だけでは分からない部分の話であるのだろう。
リンボは人間を弄ぶことに何より長けている。人間讃歌の芽を悪用し、地獄を描き出すことを生業にしてすらいる。
その彼でなければ見破れない、肉体の奥深くに染み入った外法の肉体改造。
何かと信用ならないところのある下僕ではあったが、沙都子はその有用性と実力を見誤る阿呆ではなかった。
「それで。どうしますの? 貴方は。
この場で私を殺して証拠隠滅でも図ってみます?」
「正直一瞬考えたけどなー……そいつは流石にリスクが多い。
どうせ連れて来てんだろ? サーヴァント。
俺のサーヴァントを出してもいいんだが、此処で出すのは流石に気が引ける規格(サイズ)でね」
「……そのくらいはお見通し、なのですわね。
もう芝居は不要ですわ。出てらっしゃいまし――リンボさん」
沙都子の言葉に乗ずるように。
その傍らの虚空から、不吉な像が姿を見せる。
平安の頃を思わす装束。しかし、明確に凶の一字を連想させる気配。
彼こそが、北条沙都子という魔女により呼び出されたサーヴァントであった。
享楽と嘲笑を撒き散らすためだけに存在するかのような、それを存在意義としているかのような、悪の陰陽師。
明確に悪と呼べる在り方をしていながら、それにしては過剰なほどに美しい――肉食獣の如き男。
マスター同士の戦いであれば人間の規格を抜け出せない沙都子は確かに不利だろうが、そこにサーヴァントが介入するとなれば話は変わる。
「おやおや、バレていたとは。これでも一応、出来る限り気配は殺したつもりなのですが」
「貴方の考えそうなことなんてすぐに分かりますわ。……それより、今は目の前のこの方ですわよ」
道満と沙都子は、常に一緒に行動しているわけではない。
沙都子はそのことを案じるよりも、むしろそれでいいと思っていた。
蘆屋道満は極めて異質且つ、異様な"悪"をその霊基の内に秘めている。
ならばその彼をマスターという名の秩序で平伏させようとするなど愚の骨頂。
彼が真にその猛悪さを振り向けるようにしようと思うならば、下手に手綱を引きすぎないのが一番良い。
後は、こういう必要な時にしっかり傍らに立ってくれていれば何ら問題ない。
道満を顕現させ、皮下に対し紅い瞳を向ける沙都子。そんな彼女に対して皮下は――ははは、と笑った。
「仕方ねえな」
魔女の瞳。繰り返す者の、妖瞳。
それに見つめられながら、笑う皮下。
そこに一瞬、沙都子は見た。
彼の双眸、その瞳に――淡く輝く桜の紋様が浮かび上がったのを。
「リンボさん!」
「ほう。これは、もしや――」
何かが来ると瞬時に分かった。
サーヴァントか、それともこの男自身の能力か。
沙都子はトカレフを抜き、躊躇なく皮下の眉間に向ける。
出来ればこの場では使いたくなかったが、今は銃声どうこうを気にしている場合ではなかった。
指が引き金を引く、その動作を完了するかどうかというところで――北条沙都子の視界が、一面の"黒"に塗り潰されて暗転した。
傍らの陰陽師は、それを食い止めんと手を講じるでもなく。
否、そもそも手の講じようなどないと見抜いた上でのことなのか。
驚きと悦楽を半々に入り交じらせた貌をしたまま、同じく闇に呑み込まれていった。
◆◆
「……う」
目を覚ます。
地面は硬い。酷く硬いが、人工の硬さではなく天然の硬さだ。
岩場のような場所に寝かされていたことに気付いて顔を上げる、沙都子。
何が起きたのかと思考を回す。幸い不覚に陥っていた時間はそう長くなかったようで、脳はすぐさま本来の働きを取り戻してくれた。
だがそれは、果たして幸いだったのか。
この場所で正気になるということは即ち、認識してしまうということでもある。
此処が誰の城で、何の棲まう場所なのか。
顔を上げて、視界がクリアになったのと同時に。北条沙都子は、真実心臓が止まるような感覚に囚われた。
「な……――、ッ」
岩盤をくり抜いて空間を作ったみたいな――そんな場所。
そこに、何かが居る。相変わらずヘラヘラと笑っている皮下が、文字通り蟻か何かに見えるほどの巨躯。
座って尚それなのだから、これが立ち上がった日には一体どれほどの丈となるのか分からない。
それは、ひとえにそんな存在だったが。
彼について形容するにあたって、規格(サイズ)の話などはごくごくどうでもいいものでしかなかった。
「(何、ですの……? アレは……)」
戦兵法を知るとはいえ、沙都子はあくまでも人間。
実際の戦場に立ったこともあるが、それも決して武人や兵士として行ったものとは言えない籠城戦だった。
だがそんな彼女でも、一目見た瞬間に解ったのだ。
これは――――怪物だ、と。
サーヴァントになれる時点でどれも等しくそう呼ぶに相応しい存在だということはもちろん承知の上だ。
けれどこれと並び立たせて尚、その理屈を貫ける人間が一体どれほど居るだろうか。
巨大な身体の隅々から発せられる威圧感。否応なく破滅の二文字を想起させる、禍々し過ぎる気配。
彼の瞳が、ぎょろりと動いて沙都子を一瞥した。
その瞬間、かは、と口から不恰好な呼吸音が漏れてしまう。
身体が震える。膝が笑い、立ち上がることなど出来そうもない。
そんな沙都子をつまらなそうに見つめながら、怪物が、口を開いた。
「おれを殺しに来たってワケじゃなさそうだな」
重く、ずっしりと響く声。
誇張抜きに発言一つで空間が震え、島が揺れる。
沙都子の目に映る彼の能力値(ステータス)は――はっきり言って悪い冗談だった。
それに気圧され、ともすれば過呼吸にすら陥りかけるが。
沙都子にこれ以上の醜態を晒させなかったのは、やはり繰り返しの経験である。
悲願が叶うまで終わりなく繰り返すループ。幾度となく重ねてきた死。汚してきた手。
それらの経験は彼女の精神性を人間のものから、魔女と呼ばれるものに昇華/堕落させていた。
だからこそ、確たる意思を込めて怪物……皮下真のサーヴァントの方を睥睨する。震えは、もう止まった。
怪物が少しだけ眦を動かした気がした。臆することなく立ったその態度に、些かの感心でも覚えたのか。
「……ええ。貴方みたいな怪物とこんな序盤戦から戦うのは御免ですわ」
「だよなあ。そりゃ戦意も喪失するよな、こんなバケモン見たら。
賢いと思うぜ、沙都子ちゃん」
皮下のけらけらという笑い声に、しかし沙都子は反応しない。
それが明らかに此方の怒りを誘うための挑発だということが見え見えだったからだ。
感情は排する。怒りも恐怖も一旦見ずに、自分を一個の機械のように見立てて喋る。
「"今は"傘下という扱いでも構いませんわ。
これだけ力の差がある相手に、手を組みましょう――なんてのもおかしな話ですもの。
最初はそう誘いに来たつもりでしたけど、同じ陣営で戦えるなら同盟(チーム)の形は選びません」
「……それが、お前のサーヴァントか?」
極度の緊張からか、話す沙都子の喉はからからに渇いていた。
彼女に喉を潤す手立てなどはないが、怪物はそんな沙都子をよそに悠然と杯を呷る。
ぐびぐびと喉を鳴らして酒を呑む。常人ならば急性アルコール中毒になること間違いない量を、ただの一口で消費する様は圧巻なほどだった。
「如何にも。拙僧はエクストラクラス・アルターエゴ。
しかしながら些か語呂も悪い。ので、どうぞ"リンボ"と呼んでいただきたく」
「辺獄(リンボ)、ね。コードネームとしちゃちと不吉だな。
サーヴァントとしての性能は――……」
慇懃に跪いて一礼するリンボのステータスが、皮下の視界に映る。
一言で言うならば、然程強大なサーヴァントではない、とする他ないランクが並んでいたが、一箇所だけ不穏な場所があった。
魔力だ。他の箇所は一つも最高ランクに届いていない程度であるにも関わらず、そこだけは規格外の評価を受けている。
やっぱり不吉な奴だ、と皮下は思う。不吉で、それでいて不穏だ。
どうするよ、という目を怪物――クラスをライダー。真名を
カイドウという、自分のしもべに向ける。
カイドウはしかし、彼の方を一瞥もせずにまた酒を呷った。
それから液体で濡れた口元を乱暴に拭い、酒臭い息を吐きながら沙都子を見やる。
「おれの部下になりてェってんなら……拒む理由はねェよ。
いつか終わる関係ではあるが、それを差し引いても優秀な戦力を増やすことには意味がある。
令呪を持った"器"と"サーヴァント"の価値を、おれはそれだけ高く見積もってる」
その言葉を聞きながら、沙都子は自分の判断が正しかったことを悟った。
もしも対等な同盟などを求めていたなら、口にした瞬間に攻撃が降ってきても不思議ではなかったろう。
プロファイリングの心得なんてものはないが、それでも分かった。
この怪物を前にして一つでも判断を誤れば、そこで自分は詰むことになる。
それほどの存在だ。それだけの、存在だ。こんなサーヴァントが本戦まで生き残っていたというのがまず計算外、そう言っても何ら過言ではない。
それに実際、傘下でも部下でもいいのだ。これと"組める"ことによるメリットに比べれば下に就くデメリットなどごくごく小さなものである。
「だが」
本来、沙都子は皮下と同盟を組み、その上で利用する腹積もりだった。
何ならマスターだという情報を出汁に、事実上の隷属を強いようとすら考えていた。
そのプランは頓挫したが、この文字通り巨大過ぎる戦力を当面敵に回さないで済むというだけでも儲け物だ。
後は従うフリをしつつ、どうやって排除するかの計画を練り上げていけばいい――笑みを堪えながらそう思案していた沙都子は、反応出来なかった。
――疾風が、一陣駆け抜けた。
沙都子は、そう思ったが。
彼女の視界から怪物の姿は消えていて、あの恐るべき存在感は彼女の傍らへと移動していた。
ひらり、と虚空に溶けていく紙片。それが己のサーヴァントの式神が四散した残骸であると理解するまでに、沙都子は更に数秒を要した。
起こったこと、それ自体は単純である。
怪物が立ち上がり、武器を取って、リンボもといその式神に向けて一閃した。
ただそれだけ。特筆すべきは、それが雷霆の如き超速の次元で行われたことだ。
少なくとも沙都子には"何が起きたのか"を理解することすら出来なかったし、式神とはいえ神を喰らったアルターエゴ、黒き太陽を宿す彼でさえもが、カイドウの行動に何一つ反応することが出来なかった。
「見抜けねェとでも思ったか」
「ンン――失敬。
少々試してみたかったのですよ、貴殿の力を」
かつ、かつ、かつ。
足音を響かせながら、霊体化して事を見守っていた本体のリンボが姿を現す。
今の今まで彼と話していたのは――いや。皮下の前に顕現した時からずっと、本体ではなくリンボの紡ぐ式神だった。
その精巧さは、同じサーヴァントが見てもそう簡単には式神と看破出来ないほどの次元。
にも関わらず怪物カイドウはそれを、ただその眼で視ただけで見抜いた。
否、或いは。リンボと一言話した時点で彼の本質を悟り、蠢く辺獄の獣に釘を刺したのかもしれない。
「一度は許してやる。だが、二度目はねェ」
尚も笑みを崩さぬリンボと、巌の如く厳しい顔を動かさないカイドウ。
沙都子は、へたり、とその場に座り込んでいた。
身体の力が抜けた。それと同時に、改めて感じ取る。
これは、絶対に敵に回してはならない存在だと。
今ではもはや無縁の存在となっていた感情。
かつての沙都子が縛られていた弱さ――恐怖の念が、胸の奥からじわりと溢れ出してくる。
幾多の死を越えて尚一つの存在に執着する魔女にすら、忘れていた恐怖(それ)を思い出させる圧倒的な武力。
は、は、と口から息が漏れる。肺が半分に萎んでしまったみたいに呼吸が苦しい。
「二度とおれを謀るな。次は殺すぞ、クソ坊主」
そんなマスターを余所に、リンボは……尚も笑む。
先ほどの焼き直しのように、慇懃な一礼をし。
粘つくような貌をして、カイドウへ言った。
「委細承知。――いずれ来るその時までは、マスター共々貴方の道具となりましょう」
リンボをしても。カイドウは、そう容易く敵に回せる存在ではない。
彼は強大なサーヴァントだ。少なくとも残存している二十三主従の中では、間違いなく上位半分に食い込める。
しかしながら、この怪物はそれどころではない。上位三本の指にさえ名を連ねるだろう、正真正銘の規格外だ。
異星の神と切れていなかった頃の魔力量と権能を以ってしても、果たして敵ったかどうか。
異聞帯の王とすら並ぶだろう純粋な"強さ"を前に、リンボは隷属を認めた。
それに、だ。彼に仕えるなら仕えるで――何かと。都合のいいことも、あるのだ。
「非礼の詫びと言っては何ですが、拙僧既に一つのプランを脳裏に描いておりまする。
それが成ればきっと、貴方と皮下殿の益にもなりましょう」
「言ってみろ」
「――――この東京に、地獄を顕現させるのですよ。
名を地獄界曼荼羅。我が身が一度は仕損じた偉業。
その機に貴方のような存在が顕れれば、より拙僧の描く地獄は"らしく"なる。そういう意味でも、貴方の下僕となる価値はあるのです」
此方としても、ね。
そう述べるリンボに、カイドウは数秒沈黙し。
……それから、踵を返した。今度は高速でも何でもなく、ただ気だるげに歩いて酒瓶のある地点まで戻り、また腰を下ろしてぐびぐび呷る。
「悪くねェ話だが……本当だろうな」
「無論ですとも。尤も、現在それを証明する手段はありませぬが――ンン。
そこについては、それ。御身を騙くらかそうとしたこの心胆と悪性を買っていただきたく」
「……、」
空になったらしい酒瓶を、その握力で粉々に握り潰す。
それから、ぎろりとまた双眸を尖らせて。
されどリンボを見るのではなく。沙都子の方を見た。
「……一先ず、おれの"百獣海賊団"に加わることを許してやる」
「っ――――あ。ありがとうございます、ですわ……!」
「だが、もう一度言うぞ。次はねェ。これだけは忘れるな」
それで話は終わりだとばかりに。
……いや、事実そうなのだろう。
沙都子達がこの空間に招かれた時のように、視界が闇に眩んでいく。
確かな恐怖と、けれどその中でも確かに在り続ける戦意と闘志。理想の世界を掴み取るのだという妄執。
それらが渾然一体となった心持ちのまま――北条沙都子は、現実へと帰還するのだった。
◆◆
飲みもしない処方箋の入ったビニール袋を片手に外へと出れば、そこは院内とは打って変わっての灼熱地獄だった。
しかしながら、今度ばかりは熱暑の街に愚痴をこぼせる心境ではない。
むしろ心胆の奥は今も冷え込んだままだ。あの時、あの異空間で味わった戦慄がまだ残っている。
くらりと足取りが覚束ず、思わず電柱に片手を突いた。
はあ、はあ。大きな呼吸を繰り返す沙都子の耳朶を、彼女の動揺など何処吹く風といった様子の声が叩く。
『いやはや――驚きましたな。よもやこの都市に、あれほどの存在(モノ)が潜んでいたとは』
かつては異星の神、その使徒として。
漂白された地球に散らばった異聞帯で蠢き囀っていたリンボ。
そんな経歴を持つ彼の目は、当然肥えている。
だが、その彼であってもだ。先程相見えたあの"怪物"に対しては驚嘆の念を禁じ得なかった。
『して、そちらは大丈夫ですかな? マスター。
先は随分と……まるで見目相応の子女のように震えておられましたが』
無神経を地で行く言葉はしかし、わざとやっているのだと解っているから怒る気にもならない。
この男はそういう存在だ。他者の逆鱗を薄笑いで弄び、地雷原の上で禹歩を踏むどうしようもない愉快犯。
溜め息を一つ吐くだけに留めて、ようやく呼吸の落ち着いてきた胸を撫でながら、沙都子は念話を紡ぐ。
『せっかくですけれど、あなたの玩弄(しゅみ)に付き合ってあげられる気分じゃございませんの。
でも、そうですわね。もう大丈夫だとは言っておきますわ』
『ンン、左様で。恐怖に屈さぬその勇ましさ、拙僧も従僕として鼻が高いというものです』
正直なところ、まだあの衝撃が引き切ったわけではないものの……そんな弱音を吐いて何になる。
魔女の域に踏み入ったその内面で以って、沙都子は恐怖という感情の処理を完了する。
確かにあの時はそれで我を忘れた。魔女にあるまじき無様を晒したと言っても言い過ぎではないだろう。
けれど結果だけ見れば、多少予定とは異なったが十二分に成功と呼べる範疇だ。
傘下に入るという形での協力関係は不本意だが、あの怪物の力を笠に着れることを思えば大成功ですらあったかもしれない。
過程がどうあれ、形がどうあれ――自分達は暫くの内は、アレが行う全ての武力行動の対象から外れられる。
『それで、リンボさん。一つ質問したいのですけど』
『ではそれを以って非礼のお詫びと致しましょう。どうぞ何なりと』
『あなたが本気を出したとして、アレを殺せます?』
とはいえ、である。
それはあくまで、"暫くの内は"の話だ。
界聖杯を手にすることが許される器の数が一つと定められている以上、いずれはあの怪物とそれを飼う皮下をも排除する必要があった。
『正攻法ではまず不可能でしょうな』
沙都子とて期待していたわけではない、半ば駄目元でした質問だったが。
こうもにべもなく即答が返ってくると、流石に暗澹とした気持ちになる。
『拙僧もこの目で視ましたが、凄まじいの一言に尽きました。
全身に余す所なく極めて高度の防御術式を重ねがけしているようなものですよ、あの御仁は。
言うなれば"最強の肉体"。此度の聖杯戦争において――間違いなく最大級の難敵になるかと』
正攻法で退けるのは現実的ではない。
もしかすると、何かと真面目な界聖杯のことだ。
アレと真っ向から切った張った出来る似たような怪物も、この都市に何体か残されているのかもしれない。
……それはそれで、何とも頭の痛くなる話だったが。
『――ですが、やりようならばありますとも
何しろこの身、この霊基。モノを内から滅ぼすことには長けておりますので』
かつて創世と滅亡を繰り返す神の世界を、狂おしく救えないものに歪めてみせたように。
こと悪意ある暗躍と工作をすることにおいては、リンボは天性のものを持つ。
この都市の闇を駆ける蜘蛛達とも、王子の地平を願って殺人を繰り返す集団とも違う、妖しく美しく、それ故何より醜穢な悪。
魔女となった北条沙都子に彼のような男が宛てがわれたのは、まさしく合縁奇縁。
大団円に進む筈の運命を狂わせた少女は――万物を嗤い、弄ぶリンボの在り方を歓迎する。
『そう。なら、その言葉を信じますわ』
不要な処方箋を路地裏に向けて放り捨てて。
沙都子は、当面彼のやりたいようにやらせることを決めた。
『どうぞお好きに暗躍して来てくださいまし。
あの方たちのねぐらに連れて行くには、どの道あなたは悪目立ちしすぎますから』
『本当に宜しいので? 何処の誰かは存じませぬが、虎穴に裸一貫で入り込むようなものでしょう』
『心配には及びませんわ。あの方たちには、"割れた"私を殺せないはずですもの』
皮肉るように言って、沙都子は想起する。
自分の前に突然現れ、自分を誘ったあの少年。
心の割れた子供達が集まった集団。それを統べる、ガムテなる人物。
そんな気の触れた集団の根城にサーヴァントを連れず赴くなど、成程確かに自殺行為以外の何物でもなかったが――沙都子には、たとえそう行動しても自分が何か害されたり、ましてや殺されることなどまず無いだろうと確信していた。
だって彼らから見た自分は――同じ穴の狢。心の割れた子供だと、そう想われているようだから。
これからリンボと別れてガムテに連絡を取る。そして沙都子は、虎穴へ入るのだ。
『ンン。ならば私も貴女の言葉を信じましょう。
一切嘲弄。このリンボの一流の手腕、存分に奮って参りまする――では、御免』
そう言い残して、何処かへと失せたリンボ。
彼が果たして如何なる手段で地獄を造るのか、既に狙いは付けてあるのか。
沙都子には知る由もなかったが、今はそれでいいとも思っていた。
適材適所だ。彼には彼の、自分には自分の。
それぞれの為せることをして――可能性の器とやらを叩き割っていけばいい。
「(このまま行けば私達、良いコウモリになれそうですわね)」
念話でもない、自分の心の中だけでそう呟いて。
沙都子は黄金球から受け取ったメモを取り出した。
――こんな御話を聞いたことがある。
昔あるところに、卑怯なコウモリが住んでいた。
コウモリは日夜戦争を続ける獣の一族と鳥の一族のことをいつも眺めていた。
獣の一族が有利になれば、彼らの前に現れて、自分は全身に毛が生えているから獣の仲間だと言う。
鳥の一族が有利になれば、今度は彼らの前に現れて、自分は羽があるから鳥の仲間だと言う。
結果的に獣と鳥は和解してしまい、どちらにも都合のいいことを言って裏切りを繰り返したコウモリは皆から嫌われてしまった、というどこかの童話だ。
「(これは聖杯戦争。願いを叶える権利も生き残りの席も一つきり。
どの道みんな死ぬまで戦いが終わらないのなら――、一番の勝ち組は"卑怯なコウモリ"でしてよ)」
この戦いに和解はない。
結局生き残れるのは一人だけ。
それ以外は全て死ぬ、全て消える。
最後に残るのは無人の荒野だ。
ならば。
「百獣海賊団。心の割れた子供達。皆さん、せいぜい役に立ってくださいましね?」
最後に笑うのは、悪意に満ちた卑怯者。
紅い瞳で口角を釣り上げながら、魔女は――悪魔のように嗤った。
【新宿区・皮下医院付近/一日目・午後】
【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に業】
[状態]:精神疲労(小)
[令呪]:残り3画
[装備]:トカレフ@現実
[道具]:トカレフの予備弾薬
[所持金]:十数万円(極道の屋敷を襲撃した際に奪ったもの)
[思考・状況]
基本方針:理想のカケラに辿り着くため界聖杯を手に入れる。
1:最悪脱出出来るならそれでも構わないが、敵は積極的に排除したい。
2:次は黄金球(バロンドール)のボスにコンタクトを取る。今のところ協力関係の優先度は皮下達の方が上。
3:ライダー(カイドウ)を打倒する手段を探し、いざという時確実に排除できる体制を整えたい
【アルタ―エゴ・リンボ(蘆屋道満)@Fate/Grand Order】
[状態]:疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:???
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:この東京に新たな地獄を具現させる。
1:マスタ―には当分従いましょう。今の拙僧はあの幼子の走狗なれば。
2:まさに怪物。――佳きかな、佳きかな。
[備考]
※式神を造ることは可能ですが、異星の神に仕えていた頃とは異なり消耗が大きくなっています。
※フォ―リナ―(
アビゲイル・ウィリアムズ)の真名を看破しました。
◆◆
沙都子達との邂逅はあの後、つつがなく終わった。
鬼ヶ島の中から彼女とそのサーヴァントを弾き出し、元の診察室に戻ってそれで終わり。
してやったことと言えば適当な処方箋を出しつつ、こちらの連絡先を教えておいたくらいのものである。
看護婦の未だ戻って来ない無人の診察室で。皮下は、異界に坐す百獣王へと念話を飛ばした。
『で、ホントのとこどう思う? 総督』
『あの沙都子とかいうガキは悪くねェ。あの歳のガキとしては上等だ。
いずれおれ達を裏切るのは間違いねェだろうが、それまでキープしておく価値はある』
鬼ヶ島。
それはカイドウの奥の手であり、拠点でもある。
彼の拠点は現世にはない。平時は異空間に存在し、その中にカイドウが持つ全ての戦力が格納されている。
先ほど北条沙都子とその下僕であるアルターエゴが招かれたのは、その常時展開型固有結界の一部だ。
この聖杯戦争は、カイドウの武力を以ってしてもそれだけで終わらせられる保証のない過酷な戦い。
だが、先の固有結界を、鬼ヶ島を現世の東京に展開することが叶えば。
聖杯戦争を終わらせるには十分すぎる。更にその際、自分達に与する主従が居るならば尚更だ。
だからカイドウは、北条沙都子の申し出を受け入れた。
あの程度の連中と"対等な同盟"など論外だが、傘下に加わりたいと言うならば拒む理由はない。
しかし、そんな彼にも懸念点は一つある。それこそ、沙都子の連れていたサーヴァント。アルターエゴ・リンボであった。
『ただ、あの生臭坊主は気に入らねェ。アレはいつかおれ達を欺くぞ』
『あー、やっぱりそう思う? だよなあ。あからさま過ぎるもんな、アレ』
『余計なことをすればすぐに殺すぜ。あの手の輩には、良い思い出がねェんだ』
厭に実感の籠もった声だったので、これはあまり触れない方がいい話題だなと皮下は危機回避能力を働かせる。
カイドウは超特級の戦闘能力を秘める怪物だが、その実頭も回り、部下を指揮する能力も高い。
海賊団の船長/総督が持っているべき能力を全て高い水準で持ち合わせた、極めて優秀なリーダーだ。
だが、一度感情が昂ぶってしまえば最早話は通じない。特に今のような、ある程度酒の回っている状態は最悪だ。
『それより、だ。大分酔いも回ってきた』
『……えー、と。あの、カイドウさん? まさかだけどさぁ――いや、マジで言ってる? 今本戦中だぜ?』
『それがどうした? ウォロロロロロ……』
予選期間中彼の金棒の錆に、或いは炎の消し炭になった十六騎の英霊達の死因は全て酔った彼の"巡遊"である。
皮下真は確かにこの怪物のマスターであるが、それでもその暴挙を止めることは並大抵の難度ではない。
もし言って聞くならそうしている。カイドウが如何に強大なれど、無計画な暴走なんてリスクの高い行動をそう容易く許しはすまい。
では何故、彼の犠牲者となる者がそれほどまでに頻出したのか。
答えは簡単だ。マスターである皮下ですら止められず、終いにはもう勝手にやってくれと匙を投げたのだ。
『――――軽く外に出てくる。何かあったら呼べ』
『呼んで戻ってくるんなら苦労はしてねえんだよなあ……』
……患者の去った診察室。
その中で、皮下は溜め息をつきながら椅子の背もたれに身を投げ出した。
とても深い、あまりに深い。そんな、心の底からの溜め息だった。
【新宿区・皮下医院/一日目・午後】
【皮下真@夜桜さんちの大作戦】
[状態]:健康
[令呪]:残り三画
[装備]:?
[道具]:?
[所持金]:纏まった金額を所持(『葉桜』流通によっては更に利益を得ている可能性も有)
[思考・状況]
基本方針:医者として動きつつ、あらゆる手段を講じて勝利する。
1」は〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(クソデカ溜め息)
2:病院内で『葉桜』と兵士を量産。『鬼ヶ島』を動かせるだけの魔力を貯める。
3:沙都子ちゃんとは仲良くしたいけど……あのサーヴァントはなー。怪しすぎだよなー。
4:全身に包帯巻いてるとか行方不明者と関係とかさー、ちょっとあからさますぎて、どうするよ?
[備考]
※咲耶の行方不明報道と霧子の態度から、咲耶がマスターであったことを推測しています。
※会場の各所に、協力者と彼等が用意した隠れ家を配備しています。掌握している設備としては皮下医院が最大です。
【ライダー(カイドウ)@ONE PIECE】
[状態]:健康、呑んべえ(酔い:75%)
[装備]:金棒
[道具]:
[所持金]:
[思考・状況]
基本方針:『戦争』に勝利し、世界樹を頂く。
1:街に出て、サーヴァントが見つかれば適当にちょっかいを出す。
2:『鬼ヶ島』の浮上が可能になるまでは基本は籠城、気まぐれに暴れる。
3:リンボには警戒。部下として働くならいいが、不穏な兆候があれば奴だけでも殺す。
[備考]
※皮下医院地下の空間を基点に『鬼ヶ島』内で潜伏しています。
時系列順
投下順
最終更新:2021年09月20日 21:02