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大蔵事務次官(おおくらじむじかん)は、日本における国家公務員の官職の一つである。大蔵省の事務方トップで次官分掌官に相当する。

概要

大蔵事務次官は、大蔵省における事務方トップである。慣習的に、事務次官になる者は、主計官、主計局長、大臣官房長、在外公館長のすべてを経験したものとされている。初めて置かれたのは1900年4月で、他省庁よりも10年ほど遅くなっている。後職として、政界に転身する者も多く存在する。首相補佐官や官僚、天下りといった様々な道が開かれている。設置された1900年から、基本的に任期は3年間とされている。また、国家予算編成における絶大な権限を掌握することからも政治家や利益団体との蜜月関係が築かれる。

歴代大蔵事務次官

氏名 就任 前職 後職 備考
1 錦屋三郎兵衛 1900.4 内務庁警視総監(3代) 1900年の内閣法成立に伴って新設
2 袋田進郎 1903.4 大蔵省主計局長
3 原田真間 1906.4 大蔵省主計局長
4 森下山覚馬 1909.4 駐オランダ大使 初めて主計官、主計局長大臣官房長、在外公館長を経験した人物
5 原田飛香馬 1912.4 東京帝国大学経済学部長 後、帝大総長として復職する
6 福森慎太郎 1915.4 日本銀行総裁 在任期間中に、第一次世界大戦が発生したため、収束のために任期が2期満了となった
7 袋田新三 1921.4 労働事務次官 大蔵事務次官(2代)袋田進郎の実弟である
8 浜中俊二朗 1924.4 大蔵省主計局長 後、代議士として大蔵大臣内務長官を務める
9 内藤甫 1927.4 大蔵省主計局長 後、柴里内閣の内務長官、日本興和銀行頭取
10 奈良野功史朗 1931.4 大蔵省主計局長 後、葉山内閣・柴里内閣の外務大臣
11 笠松成彦 1934.4 大蔵省主計局長 後、柴里内閣の建設大臣
最終更新:2025年08月12日 10:41