公務員

公務員とは、日本の行政機関に属して、国家及び地方の政策決定や、行政の運用に関わる公的職員を指す。

概説

現代日本において、公務員は大きく「国家公務員(官僚)」「地方公務員」に大別される。
官僚とは、『高等文官試験又は国家公務員試験に合格して、日本の行政機関に就職した国家公務員全般』を指す。「官」は上級公務員、「僚」は下級公務員全般に該当する。官僚制度自体は、「規則による明確な規律」「明確な階級構造」「権限の源泉」「公私の明確な分離」「文書主義」「資格任用制度」を特質とする。一方では、行き過ぎた「官僚主義」という欠点も内在されている。官僚機構は、選挙によって選出された政治家よりも強い権力を持つことが問題視されてきた。しかしながら、日本の政治機構は、常に官僚機構の出身者を求めてきたという背景も存在している。特に、戦前戦後を通して中央官庁の出身者が政界の要職を牛耳ってきた。そのため、政治家と気脈を通じる後輩たる官僚が政治の中枢にあった。
地方公務員は、「地方公務員試験を経て任用される、地方機関に属する公的職員」を指す。公務員は全体的に、官僚の下に地方公務員が着くような「階層性」が基本となっている。

公務員の階級制

地方
次官級 (事務次官・省審議官)
局長級 (局長・審議官)
局次長級 (審議官・部長・局次長)
課長級 (課長・参事官) 局長級
室長級 (室長・企画官) 局次長級 局長級
課長補佐級 (課長補佐・官補佐) 部長級 局次長級
係長級 (係長・主務) 課長級 部長級
係員 課長補佐級 課長級
係長級 課長補佐級
係員 係長
係員

官僚の任務

職務と働き方
官僚の職務として最も重要視されるのは、毎年1月に開催される通常会に提出される各省庁の予算案を計画することである。予算計画は、内閣総理大臣以下関係閣僚、各省の大臣官房長と会計課長が参加する9月の経済財政諮問会議において概算が告示される。各省の概算要求が11月までに行われ、最終的には大蔵省主計局が、要求を集計管理して最終的な予算案を決定する。予算案の作成は、各省庁における重要な役目であり、11月・12月は「眠らない霞ヶ関」が体現される。また、通常会特別会において提出される法律草案たる、政府立法は、全体の8割を超えて年度によっては9割を超えることもある。法律草案の作成にも多くの時間がかかるため、省庁の中で寝泊まりをする官僚も多い。
指揮権限や政策
官僚の多くには、ある程度の指揮監督権限や行政指導を行うための権限が存在する。官僚は、政府中央において政策の企画や実行を担う。対して地方行政においても指揮政策権限を持つことがある。特に、行政指導を通じて地方の行政決定を覆すことや政府中央から地方に派遣されて強権をふるうこともある。
採用及び人事
日本における官僚採用制度は、複数存在する。
また、日本における公務員の人事権は内務庁を経て、内閣官房内閣人事局に集約される。内閣人事局は、局長級の官僚に関しては直接的な人事権を有する。また、軍隊においても大佐以上の人事権を有する。それ以下の人事権は、各省庁の大臣官房に設置される人事課が管理する。日本の人事制度では、次官級の官僚のほとんどがキャリア組(高文出身者)で形成されているが、ノンキャリア組(一般職出身者)が皆無というわけではないため、官僚人事がキャリア組によって独占されているということではない。

地方公務員の任務

職務と働き方
地方公務員は、基本的に政府中央の通達を受けて自治体に沿った形での政策を目指す。地方は、首長地方議会が非常に強い権限を握っている。公務員は基本的に選挙を経た政治家の下で政策を実現する。
採用及び人事
地方公務員の採用及び人事は、地方の各自治体が統括する。また、人事についても地方がすべての権限を持つ。しかしながら、自治省地方公務員局によってすべての情報は一括的に管理される。
最終更新:2025年09月16日 23:36